どうも!KENT(@kentworld2 )です!
今回は「真・女神転生Ⅴ Vengeance(ヴェンジェンス)」のレビューをしていきます。
本作は2021年に発売されたRPG、Switch「真・女神転生Ⅴ」をベースに新要素を加えた作品。
いわゆる完全版ですが、無印版購入者へのフォローがほとんどないこと。
価格が無印版に続いて9,878円(税込) であることから発表時は否定的な声も目立っていました。
そんな「メガテンV Vengeance」をクリアした率直な感想としては・・・
いやぁ楽しかったです!
無印版で不満だった多くの点が改善されていて、完成度は着実に増しています。
Switchには数多くのRPGが発売されていますが、その中ではかなり上位に入れても良いと思いましたね。
ただ、無印版購入者が1万円近くも払ってまたプレイする価値があるのかと言うと・・・
ここからはその辺りも含めて本作の良い点や惜しい点を語っていきます。
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- 2021年に発売された「真・女神転生V」の完全版。
- 新ストーリー「復讐の女神編」など新要素が追加されている。
- 無印版のストーリー「創世の女神編」も収録。
初リリース日 | 2024年6月14日 |
対応ハード | Switch/PS5/PS4/Xbox Series/Xbox One |
ジャンル | RPG |
売上 | 初週5.7万本(Switch/PS5/PS4版合計) |
推定クリア時間 | 80~120時間(2つのストーリークリア) |
発売元 | アトラス |
目次
良いところ
仲間感の薄さが改善された新ストーリー
今作最大のセールスポイントとなる新ストーリー「復讐の女神編」。
最後までプレイしたところ、無印版よりは印象に残りました!
大きな要因となるのが、人間キャラクターによるドラマ性の増加です。
「メガテンV」は現代の東京を舞台にしたRPGで、高校生の主人公を中心に展開されます。
作中ではそんな主人公と同じ学校に通う生徒たちが重要人物として登場しますが、掘り下げが足りないので、ほとんど印象に残りませんでした。
お調子者の太宰イチロウとか、世話好きな磯野上タオとか。
魅力的なキャラクターが多いのに、気がついたら展開が変わってしまい、感情移入をすることができなかったんですよね。
それが新ストーリー「復讐の女神編」では各キャラクターの葛藤を描くようなシーンが増えているので、無印版で欠けていた物が保管された感じがします。
新キャラクターの尋峯ヨーコ、カディシュトゥにしてもドラマ性を高める役割を果たしていて、起伏のある展開を楽しめました!
まあそれでも、考察をしないとアッサリに感じてしまうところはあるんですけどね。
主人公と敦田ユヅル、太宰イチロウの友情を感じるシーンなど見どころも満載で、「ペルソナ」を彷彿とするところがあります。
加えて人間キャラクターが一時的にゲストとして戦闘に参加してくれるので、そういう意味でも印象に残りました。
ディフェンダーとして活躍してくれる敦田ユヅル、アギ等の魔法攻撃が優秀な尋峯ヨーコなどなど。
仲間として参戦する人間キャラクターは強力なスキルを持っているので、加入時は一軍としてお世話になりました。
全体的には「ペルソナ」感が少しだけ増した印象で、同シリーズのファンにも響くものがあります。
基本的には無印版のストーリー「創生の女神編」と共通していますが、中盤には2つの新規マップを探索していきます。
1つめは新宿区。
全体的に明るめのマップで、序盤は白を基調とした公園のようなエリアを。
中盤以降は荒廃した都心部のようなエリアを探索することになります。
「メガテンV」のマップって視認性が悪いエリアが目立っていますけど、新宿区は比較的わかりやすく、終盤の迷路みたいな街中を除くとサクサク進めました!
あとは都心部に居座っている巨大なマーラ様w
近づくと猛スピードで襲ってくるので、作中で最も印象的な強敵に君臨しましたw
2つめは至聖所シャカン。
こちらは天と地を行き来するダンジョンで、パズル要素が強くなっています。
クリアするには天と地の位置関係を把握しないといけないので、よく天井を確認したものですw
このように新ストーリー「復讐の女神編」では2つの新規マップを探索することになりますが、その代わり「千代田区」と「魔王城」はカットされています。
どちらもトラウマ的なマップとして有名なので、助かりましたw
※「創世の女神編」を選択したら「千代田区」「魔王城」共に探索できます。
劇的に改善された遊びやすさ
ゲームプレイの面で特筆したいのが、快適性がグーンと増していることです!
「メガテンV」は立体的な世界を探索していき、悪魔と戦闘したり、育成をすることに重点が置かれています。
ゲームプレイの大半はダンジョンの探索と戦闘、悪魔の育成になるんですが、無印版は快適とまでは言えませんでした。
いや、最後に訪れた龍穴にいつでもワープできるなど、遊びやすいところはあったんですけどね。
オートバトル機能を使うと通常攻撃しかしてくれないなど、洗練されていないところがありました。
「メガテンV」はプレスターンバトルというシステムを採用していて、相手の弱点を突くことで多くのダメージを与えられるほか、行動回数を増やすことができます。
弱点を突くか突かないかで戦況が大きく変わってくるので、通常攻撃しかしてくれないオートバトルは低レベルの敵にしか使えませんでした。
今作ではその辺りの問題を徹底的に改善。
オートバトル機能を使っても敵の弱点を狙った攻撃をしてくれるなど、めちゃくちゃ快適になっています(もちろん通常攻撃のみも可能)。
「メガテンV」はRPGになるので、経験値を貯めてキャラクターを強くしていかないと強敵を倒すことが出来ません。
最終的には何百回も戦闘をすることになるので、快適に戦えるのは助かりました。
オプションでスキル演出をスキップする設定した状態でオートバトルを使用した場合、30秒以内に決着が付いたりするので、レベル上げの面倒さが大幅に軽減されています。
フィールドには「マガツロ」という2つの地点をつなぐワープポイントのような物が追加。
近道できる手段が増えたのはもちろん、通常ではたどりつけない場所にも行けるようになりました。
そこではクエストを受注できたり、アイテムが落ちていたりするので、マップを拡張する役割も果たしています。
でもみなさん、こう感じたことはないでしょうか?
確かに「マガツロ」が追加されたことでマップがさらに複雑になっている印象ですが、以下の改良によって無駄に迷うことがなくなっています。
- 上空から周囲を見渡せる機能の追加
- 地図の高低差が分かりやすく変更
- マップに目印を設置できる機能の追加
- カメラに合わせてミニマップが回転する機能の追加
- どこでもセーブ機能の追加
全体的には「V本編」でストレスに感じていた部分の多くが改善されていて、3DのRPGにありがちな面倒さが大幅に軽減されています。
無印版で強かったレベル補正も緩和されていますし、ゲームバランスもだいぶマイルドになっている印象です。
遊びを拡張する要素の数々
それ以外にも遊びを拡張する要素が色々と追加されています。
注目したいのが、全ての悪魔にユニークスキルが追加されたことです。
これは自動で発動するスキルで、戦闘での攻撃力上昇から悪魔交渉での仲介など、様々な効果を発揮します。
それぞれを組み合わせて全員の火力をあげて攻撃するなんてこともできるので、パーティー編成がより楽しくなりました!
さらに今作では新規の悪魔が追加。
不気味な仮面を被った魔獣「グラシャラボラス」、主人公と同じような格好をしたジャックフロストの「ナホビホ」、疫病封じの妖怪として話題になった「アマビエ」などなど。
新規描きおろしの悪魔はもちろん、過去作に登場したクドラクやハルパスも登場します。
トータルでの悪魔は270種類以上。
「V本編」の悪魔が200種類以上なので、70種類近くも増えました。
そんな悪魔ですが、今作では連れ歩いている種類も6種から17種に増えています。
具体的には「モー・ショボー」や「アリス」といった見た目のかわいらしさで人気のある悪魔をクエストナビとして連れ歩くことができるようになったので、探索がより楽しくなりました!
そしてお楽しみ要素としては「悪魔の裏庭」が追加。
これは悪魔と会話して交流したり、フリーカメラで眺めたりすることのできる機能です。
イメージ的には「ポケモン」や「ファイアーエムブレム」に実装されている機能のような感じでしょうか。
「メガテンV」の悪魔は見た目から動きまで作り込まれているので、よくジャック・フロストを間近で眺めていましたw
ただこの機能、ゲームのテンポを崩している部分もあったりします(詳しくは惜しいところをご覧ください)。
惜しいところ
テンポを崩している悪魔の裏庭
悪魔との交流が楽しめる新要素「悪魔の裏庭」。
一見するとお楽しみ要素が増えたように感じますが、戦闘を一定数する毎にステータスアップのイベントが「悪魔の裏庭」内で発生すると知ってからはテンポを悪化させていると思いました。
イベントを見るとステータスがランダムでアップするほか、スキルを覚えることもあるので、ゲームを有利に進めるためには必要不可欠です。
困ったことに発生の頻度が高く、イベントの条件を満たすと龍穴の項目にチェックマークが付くので、気になって調べてしまうんですよね。
好きなタイミングで行えるとはいえ、お知らせがあると気が散るので、100%噛み合ったシステムとは思えませんでした。
新ストーリーに新作ほどの新鮮味がない
今作最大のセールスポイントである新ストーリー「復讐の女神編」。
無印版プレイヤーが今作を購入する最大の動機になると思いますが、実際のところ旧ストーリー「創世の女神編」とどこまで違うのでしょうか?
結論としては、新作ほどの新鮮味はないと思いました。
確かに序盤から新キャラクターが登場したり、中盤以降は展開が大きく変わっていきますが、それでも探索するマップの大半は共通しています。
無印版からの変化は3割程度に留まっているので、間違っても「真・女神転生VI」とは言えません。
4,000円くらいの大型追加コンテンツとして配信するのであればまだしも、また10,000円ほど払うほどの価値はないと思いました。
せめて7,000円に留めてくれたら良かったんですけどねぇ。
本作の初週売上は5.7万本。
無印版の初週売上が14.3万本だったので、半数以上のプレイヤーが買っていないという計算になります。
中には買おうか迷っている人もいると思いますが、個人的には5,000円くらいになってから買っても遅くはないと思いました。
注意点
無印版のからの引継ぎ要素は一部のみ
無印版からの引継ぎ要素はほとんどありません。
引継げるのは、アクティブメンバーの悪魔3体の悪魔全書登録のみ。
悪魔のレベル・最大HP/MPなどは引き継げますが、そのままではなく多少変わる可能性があること。
一部の悪魔・所持スキルは引き継ぎの対象外となります。
また、悪魔全書から仲魔を召喚するにはお金が必要なので、ゲーム開始からすぐ仲魔にできる訳ではありません。
もし引き継いだ仲魔が強い場合、大金を支払わいといけないので、終盤にならないと戦闘に参加できない恐れがあります。
ですので無印版からの引き継ぎ要素はそこまで役に立たないと思いました。
2つめの注意点は、引き継げる機種やアカウントが限定されていることです。
引き継ぎができるのはSwitch版「メガテンV Vengeance」のみ。
PS5やPS4、Steam、Xbox Series、Xbox One、Windows版には引き継ぐことはできません。
また、引き継げるのは同一のニンテンドーアカウント限定なので、その点も注意が必要です。
真・女神転生Ⅴ Vengeanceのレビューまとめ
無印版で不満だった点の多くが改善されて、かなりの完成度に仕上がっています。
間違いなくSwitch史上最高峰のRPGではありますが、無印版を踏み台にして1万円で販売したことが仇になっている印象です。
最初から今作を発売していたら間違いなく絶賛されていたのに勿体ない。
とはいえこの意見は無印版を定価で購入したうえでプレイしたユーザーによるものです。
今作から新規で始められる場合、無印版の内容を含めて楽しめるので、1万円の価値は感じられると思います。
販売戦略の関係上、後追いでプレイすればするほど満足度が向上する構造になっているので、発売から時間が経つ毎に評価が上がりそうな予感がしています。
こんな人には特におススメ。
・新規プレイヤー。
・探索好き。
こんな人にはおススメできない。
・探索が苦手な人。
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