
新サクラ大戦/PS4
どうも!KENT(@kentworld2 )です!
今回は2019年12月に発売されたPS4「新サクラ大戦」のレビューをしていきます。
サクラ大戦。
1990年代にセガサターンで人気を博したゲームシリーズで、当時、話題になっていたのを覚えています。
当時は売上に詳しくありませんでしたが、セガ派だったクラスの友達も激推していたので「サクラ大戦」はセガサターンの看板タイトルであることは分かっていました。
が、当時のぼくは女性に性的な魅力を感じていない小学生。
登場キャラクターの異常な男女比率が気になってしまい、イマイチ興味を持てませんでした。
それから20年後。ぼくはPS4「新サクラ大戦」でシリーズデビューを果たします。
すると・・・
「これは熱狂的なファンが付くのも不思議ではない!」
と思うようになったんです。
TVアニメのような進行形式、熱いストーリー、魅力的なキャラクター。
随所で作品のファンになりやすい要素が見受けられ、ぼくも今回プレイして虜になりました。
ゲームとしてみると粗削りな部分も目立っていますが、好きか嫌いかで言ったら”好き”な作品です。
本作のおかげで「サクラ大戦」に興味を持ったので、機会があれば旧シリーズもプレイしたくなりました。
ここからはそんなPS4「新サクラ大戦」について詳しく語っていきます。
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- 帝国華撃団・花組に入団してアドベンチャーパートとアクションパートを交互に進めていく。
- アドベンチャーパートでは制限時間付きの選択肢が挿入される。
- アクションパートでは目的に沿って大勢の敵を倒していく。
初リリース日 | 2019年12月12日 |
対応ハード | PS4 |
ジャンル | アクションアドベンチャー |
推定クリア時間 | 15~25時間 |
売上 | 初週14.0万本 |
発売元 | セガ |
目次
良いところ
なめらかに動く久保帯人氏デザインのキャラクター
「新サクラ大戦」は従来のシリーズを大幅リブートした作品になります。
中でも特徴的なのがキャラクターデザイン。
今作では漫画「BLEACH」で知られる久保帯人氏がメインキャラクターデザインを務めています。
正直なところ彼が描くキャラクターの顔は面長であることが多く、静止画だと「どうなのかな?」と思っていたんですが、これが予想以上に良い!
特にゲームの大部分を占める3Dモデルによる寸劇ではキャラクターが生き生きと動くので驚きました!
静止画だけを見るとやや粗く感じるかも知れませんが、目の動きやモーションに魂が籠もっているんですよ。
本作は美少女ゲームの側面もあるので、3Dモデルを作り込むのは理にかなっています。
メインヒロインとなる天宮さくらを初めて見た時は一目惚れしました!w
感心したのが、選択肢を選んだ後のリアクションも凝っていること。
アドベンチャーパートでは制限時間付きの選択肢が挿入されますが、選択後にはそれぞれ専用のリアクションが用意されてるんですよ。
選択肢を用意したゲームは数あれど、1行しか変化のないケースも多いだけにこれは凄い!
ここまでリアクションが凝っていると周回プレイをしたくなります。
しかも選択肢の挿入頻度が凄い!
リアクションが凝っているのであまり多く入れられないんじゃないかと思っていたけど、そんなことはなかった!
かなりの頻度で挿入されるので、実質、2~3ルートを制作する程の労力が掛かっているんじゃないでしょうか?
神山誠十郎が最高!
ひょんなことから帝国華撃団・花組の隊長に任命された神山誠十郎。
本作では彼が主人公になりますが、めっちゃ感情移入出来ました!
一見するとスタイルの良いイケメンに見えますが、実は彼、ちょっと変態なのです。
ゲームを進めていくと様々な選択肢が挿入されますが、選択によっては彼の変態でドジっぷりを垣間見ることが出来ます。
個人的に完璧な人間って尊敬するけど好きにはなれません。
それよりはどこか抜けていた方が馴染みやすいので、程よく抜けていてカッコいい神山誠十郎は最高です!
「新サクラ大戦で一番好きなキャラクターは?」という質問が飛び込んできた場合、ぼくは神山誠十郎を挙げます(次点は天宮さくら)。
熱いストーリー
このように本作はキャラクターが魅力的ですが、ストーリーも気に入りました!
特に気に入ったのが、コメディと熱血要素。
ストーリーは複数の章で分けられていますが、前半はコメディ色が強く、後半はシリアスで熱い展開になっていきます。
この二段構えが個人的にはツボで、前半はクスクス笑い、後半は心のなかで叫びながらプレイしてしまいました!
コメディ要素で印象的なのが、主人公である神山誠十郎の変態っぷりと仕事内容。
彼はお風呂が絡むと体が勝手に動く場合があり、
「女の子との裸の付き合いも、隊長としての務めだからな!」
なんて名言(迷言)を放ちますからw
さらにからくり宣伝人形のゲキゾウくんに入って集客をするなんて隊長らしからぬ仕事を総司令から任命される始末w
とある章ではシリアスな展開になったのかと思ったらゲキゾウくんの仕事が入り、「パオォォォン!」と叫ぶことになったので笑いましたw
このように章の前半はコメディ色が目立っていますが、後半になると一変。
生死が絡むほどシリアスな展開となり、熱い演出が大量に盛り込まれます。
ご都合主義な展開も目立っていますが、仲間と共に力を合わせて悪を倒す展開は熱く、どこか懐かしさを感じられました。
正直、「サクラ大戦」ってギャルゲーだと思っていたので、王道なストーリー展開にビックリ。
これもぼくが子供の頃に楽しんでいた「魔神英雄伝ワタル」と同じ広井王子さんが企画を担当しているからなのでしょうか?
和風やロボット要素と言い、随所で同作品の匂いを感じます。
アニメのような構成
「これ、TVアニメじゃん!?」
今作で「サクラ大戦」シリーズを初めてプレイしたぼくはTVアニメのような構成に驚きました。
TVアニメのような演出を盛り込んだ作品は数あれど、構成まで似せてくる作品はほとんど見たことがありません。
まずTVアニメらしいと思ったのが、アイキャッチの演出。
ゲームを進めていくと定期的にアイキャッチが挿入されます。
TVアニメではTVCMの直前に挿入される物ですが、本作の場合、セーブポイントのような感じ(その割には感覚がやや長く感じられますが)。
1話終了後には「次回予告」が挿入されるなんてことも。
バトル系のTVアニメを見なくなって久しいですが、作中のキャラクターが次回のあらすじを語りながら映像が挿入されるところを見て懐かしくなりました。
「昔は次回予告を何回も見て妄想していたな~」と。
TVアニメっぽい演出で特に気に入ったのが、章の終盤に挿入される「檄!帝国華撃団<新章>」。
「走れ光速の帝国華撃団~」のフレーズでお馴染みの曲ですが、バトル中に流れるとテンション上がるんですよ!
この曲、1990年代後半にオリコンの売上ランキングに上位チャートインしていましたが、そうなるのも納得できるくらい熱い曲です。
もし、ぼくが20年前にタイムスリップして自由にお金を使える環境にある場合、「檄!帝国華撃団」が収録されたシングルCDを買っていたでしょう。
それだけゲームの演出にシンクロしています。
これらの演出・構成によって1章を通してプレイするとまるでTVアニメを楽しんでいるかのような錯覚を受けました。
旧シリーズを絡めたストーリー展開
前述の通りぼくは本作からシリーズデビューを果たしましたが、旧シリーズファン向けと思われるネタも大量に仕込まれています。
代表的なのが中盤以降の展開。
中盤以降は旧シリーズの代表的なキャラクターらしき人物が姿を見せてストーリーを盛り上げてくれます。
「一体、アイツの正体は誰なのだろうか?」
今作でシリーズデビューを果たしたぼくでさえも気になってしまい、一気に進めてしまいました。
本作は14年ぶりの本編になるのですから、旧シリーズから追いかけている人は中盤になると気になって眠れない日々が続くことでしょう。
それだけ良いフックに感じられました。
寄り道が楽しい
アドベンチャーパートでは3Dフィールドを好きなように探索することが出来ますが、意外なくらい作り込まれています!
特に帝国華撃団の劇場が凄い!
カメラをグリグリ動かしながら様々な部屋に入ることができるので、まるで大作RPGをプレイしているかのよう。
しかも単に3Dフィールドを探索できるだけではなく、
- サブイベント
- ブロマイド集め
- 世界こいこい大戦
- バトルシミュレーター
といった寄り道要素も用意されています。
特に感心したのがサブイベント。
サブイベントによっては専用のアニメ絵が挿入されることがあるので、気合を感じられました。
「ブロマイド」は旧シリーズのキャラクターが映っているものも見受けられるので、こちらもファンサービスに感じます。
「世界こいこい大戦」「バトルシミュレーター」はやり込み要素。
前者は花札のこいこいを。後者は無双ライクなアクションバトルを繰り返し行っていくことになります。
ゲームクリアには関係ありませんが、エンドコンテンツとしては良いかなと。
個人的に合わない&気になったところ
不自然なパートボイス
TVアニメのような感覚で楽しめるPS4「新サクラ大戦」。
しかし、実は本作、フルボイス仕様ではなく、パートボイス仕様なんです。
ボイスが挿入されるシーンも多くありますが、一方ではキャラクターが全く喋らないシーンも割とあるんですよ。
問題なのが、ボイス無しのシーンでもキャラクターが生き生きと動くこと。
ボイス有りのシーンと遜色が無いので違和感があります。
せっかくTVアニメのような感覚でプレイできるだけにフルボイスでも良かったような?
イマイチなアクションパート
本作はアドベンチャーパートの他にアクションパートが用意されています。
アクションパートは「無双」ライクな仕上がりですが、大手企業のゲームとは思えないくらい粗い作りに驚きました!w
ボタン連打でコンボを繋げ、同時に沢山の敵を倒していくところはキャラクターとの掛け合いが重視されたゲームとしてみたら良い落としどころだとは思うんですよ。
しかし、完成度は「真・三國無双」シリーズを基準にしてみると2.3ランク落ちます。
まず気になったのが、ロックオン機能を搭載していないこと。
それ故に敵を見失いやすく、連続で攻撃を当てにくい!
特に宙を浮いたタイプの敵は上手く軸を合わせながらジャンプして攻撃しなければならず、何だか一昔前のアクションゲームをプレイしているかのような錯覚に陥りました。
それ以外にも・・・
- 頻繁にカットシーンが挿入されてテンポが悪い
- 同じような仕掛けが続く
- 落とし穴が妙に多くてクリアまでに何十回も落ちてストレス
- 攻撃がヒットした時の効果音が弱い
と突っ込みだしたらキリがありません。
アクションパートはセガが総力をあげて作られたゲームとしてみるとイマイチに感じます。
ただでさえ従来のシリーズ作品から戦闘のジャンルがシミュレーションからアクションに変わって賛否が分かれやすいのにこの出来ではちょっと・・・。
ただ、アクションパートの最後に挿入される挿入歌や演出は熱いので、ある程度は力量で抑えられているところもあります。
また、ゲームプレイの比重もイベントシーンが多くを占めているので、アクションパートは食玩のラムネやキャンディなんじゃないかと思いました。
食玩のメインはフィギュアなどの玩具であって、同梱されているお菓子はおまけです。
別にチョコエッグのチョコが不味くても大きな減点にはならないので、本作のアクションパートも同じように受け止めています。
ややテンポが悪い
致命的ではありませんが、テンポはやや悪く感じます。
3Dフィールドは扉を開ける毎に少しだけ待ちますし、劇場内は広いのにファストトラベル機能が存在しませんから。
劇場内を探索してほしい意図は感じられましたが、中盤以降のアドベンチャーパートはややお使い化するだけにファストトラベル機能はあっても良かったような?
ちなみに多くのイベントシーンでは○ボタンを押すと小刻みにスキップ出来ます。
おかげで立ち絵の会話イベントみたいに自分のペースで楽しめるので助かりました。
もし、ここでスキップが出来なかったらムービーゲーになって映像を見るだけになっていましたからw
旧シリーズのキャラクターが冷遇されている
具体的には書きませんが、本作は旧シリーズのキャラクターが登場します。
しかし、冷遇されているので、旧シリーズファンは不満に感じるかもしれません。
ぼくの場合、今作から始めたので旧シリーズのキャラクターには思い入れがありませんが、古参ファンの間であまりにも不満点として挙げられているので触れさせて頂きました。
新サクラ大戦のレビューまとめ
TVアニメをアドベンチャーゲーム感覚で楽しめる大作。
3Dモデル、アニメーション、演出などから「サクラ大戦を復活させるぞ~!」という開発側の気概を感じられました。
それでいてストーリーは1990年代のTVアニメを彷彿とさせる王道で熱い展開で、当時を生きてきた人間としてはどこか懐かしさを感じられます。
それだけにボイス周りやアクションパート、旧シリーズのキャラクター関連でケチが付いてしまったのが惜しい!
いっそのことフルボイス仕様にしてアクションパートの開発を実績のある会社に任せて旧シリーズファンにも希望が持てるような終わり方をしたら良かったのに・・・。
その辺りは惜しく感じましたが、全体的には熱いストーリーを楽しめて満足しています。
旧シリーズとの繋がりも気になってきたので、機会があればそちらもプレイしたいところです。
14年ぶりの新作であるうえ様々な点が刷新されているので、旧シリーズのファンでしたら色々と思うことがある作品でしょう。
が、少なくとも本作からシリーズデビューを果たしたぼくは一定の満足感を得ることが出来ましたし、旧シリーズも気になってきました。
それだけは声を大にして言いたいです。
新規ユーザーでも満足!粗削りながらもTVアニメの感覚で楽しめるセガ渾身の力作!
こんな人には特におススメ。
・熱いストーリー好き。
・変態紳士好き。
・美少女好き。
こんな人にはおススメできない。
・本格的なアクションゲームを楽しみたい人。
新サクラ大戦/お気に入り度【80/100%】
プレイした時間・・・約20時間
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