

ウルフェンシュタイン:ザ ニューオーダー/PS4 / PS3 / Xbox One / Xbox 360
どうも!KENT(@kentworld2 )です!
今回は2014年6月に発売されたPS4/PS3/Xbox 360「ウルフェンシュタイン:ザ ニューオーダー」のレビューをしていきます。
本作はナチスが第二次世界大戦で勝利した世界を描いたFPSですが、老舗の抵抗を感じられる手堅い出来のシングル専用FPSでした!
みなさんは元祖FPSってなんだと思いますか?以下の中から当ててみてください。
- ① ウルフェンシュタイン
- ② DOOM
- ③ ゴールデンアイ007
- ④ 時空戦士テュロック
正解は①の「ウルフェンシュタイン」でした!
「ウルフェンシュタイン」は1992年にパソコン用ゲームソフトとして発売され、FPSというジャンルを確立させた作品になります。
それ以降も様々なシリーズ作品が発売になりますが、日本のコンシューマー向けにはほとんど発売されませんでした。
そんな中、今回レビューする「ウルフェンシュタイン:ザ ニューオーダー」は日本国内で久しぶりに発売された新作になります。
そのためか気合いが半端なく、AAA級タイトルとして恥のないハイクオリティなゲームになっていたんです!
グラフィックのクオリティが高いのはもちろん、日本語吹き替えによるローカライズもバッチリ。
ぼくは友達の勧めでセール時に購入したんですが、
「え?『ウルフェンシュタイン』ってこんなにもハイクオリティなゲームだったの!?」
なんてプレイした直後は驚きました。
色々詰め込んでいる故に料理しきれていない部分も散見されますが、シングルプレイ専用のFPS好きは手を出しても損はありません。
ここからはそんなPS4/PS3/Xbox 360「ウルフェンシュタイン:ザ ニューオーダー」の良いと思った点からまずは書いていきます。
※2014年9月にはXbox One版も発売。
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- ストーリーに沿って進んでいくFPS。
- エリアによっては小規模な迷路を隠密行動で進んでいくことになる。
- 2010年代のFPSとしては珍しく手動回復制を採用。
初リリース日 | 2014年6月5日 |
対応ハード | PS4/PS3/Xbox One/Xbox 360 |
ジャンル | FPS |
推定クリア時間 | 12~15時間 |
売上 | 初週1.1万本(PS4/PS3) |
発売元 | ベセスダ・ソフトワークス |
目次
良いところ
本気で作られたシングルプレイ
FPS(ファーストパーソン・シューティング)とは、一人称視点のアクションシューティングゲームを指す用語になります。
そんなFPSですが、今と昔では主流となるゲームモードが全然違うんです。
ストーリーに沿って道なりに進み、CPUが操作する敵キャラクターを撃ち倒す。
かつてのFPSはこのような形式のゲームモード(シングルプレイ)がメインでした。
ところが2000年代、2010年代に入ると状況が一変。
オンラインに接続して大勢のプレイヤーと協力・対戦していく形式のゲームモード(マルチプレイ)が主流になったんです!
その反動でシングルプレイは影を潜めてしまい、マルチプレイのおまけ的な位置付けになってしまいました。
2010年代中盤に差し掛かる頃にはシングルプレイモードを収録しないAAA級タイトルが出始めるようになり、冬の時代が訪れます。
そんな中で発売されたのが今回レビューする「ウルフェンシュタイン:ザ ニューオーダー」なんですが、時代に逆行するような形式のゲームだったんです!
なんと、マルチプレイモードの収録は一切なし!
代わりにシングルプレイのボリュームを大幅に増やしているので、まるで1990年代のFPSを見ているかのよう。
2010年代中盤に発売された15時間以上に及ぶシングルプレイ専用のリニア式FPS。
それこそが本作最大の魅力に感じます。
魅力的なストーリー
本作の進行形式はリニア式になるので、オープンワールド式のように自由度は高くありません。
多少の分岐はあれど、目指すべき場所は固定されています。
目的地の固定化はオープンワールド式に慣れていると欠点に感じるかも知れませんが、その分だけ計算された素晴らしいストーリーが展開されました!
まず惹かれたのが、第二次世界大戦のアフターストーリー。
本作の世界では超技術を手にしたナチスが戦争に勝利して勢力を拡大していきます。
導入部分だけをプレイすると初期の「コールオブデューティ」みたいな第二次世界大戦を題材にした凡庸なFPSに見えるかもしれません。
しかし、そこから”B.J.” ブラスコビッチを中心とした10数年に渡るナチスへの抵抗がドラマチックに描かれるので見ごたえがありました!
しかも淡々とドンパチを繰り広げるだけではないんですよ。
なんと、月面サバイバルや恋愛描写まで描かれるんです!
そのうえ基地での隠密行動、アジトでのお使い要素も盛り込んでいるので、ゲームクリアまでの密度が凄いことになっていますw
それでいて核となる目的がしっかりしているのでストーリーが理解しやすく、キャラクターに感情移入が出来ました。
魅力的なキャラクター
「キャラクターに感情移入?こんなおっさんたちに?」
ガチムチのおっさんが苦手な方がここまでの文章を読んだらそんなツッコミをするかも知れません。
かくいうぼくもガチムチのおっさんよりも細マッチョなイケメンの方が好みです←
しかし、そんなぼくでも本作に登場するガチムチのおっさんを好きになれました!
特に気に入ったのが、主人公の”B.J.” ブラスコビッチ。
見た目はアメリカ人らしい優れたガタイをしていますが、彼は男が憧れるヒーロに感じます。
彼が放つ台詞からは優しさが伝わってきますし、何よりも渋い声が良い!w
ガタイに相応しいドスの利いた声の持ち主なので、何か喋る度にキュンとしてしまいます♪
(誰かの声を聞いてこんなにもキュンとしたのは「大乱闘スマッシュブラザーズ」にてカービィが放つ「ファルコンパーンチ!」以来w)
それでいてユーモアを持ち合わせているからギャップ萌えをしてしまいますw
例えば難易度の選択画面ではシュールな喜怒哀楽を見せてくれるんですよ。
なんと、ベリーイージーだと赤ん坊のコスプレをするんです!
一方、ベリーハードだと狂気に満ちた表情に豹変し、顔中に返り血が付きます。
日本人の感覚だとベリーイージーを選ぶ人をバカにしているようにも見えますが、こういったアメリカンジョークを盛り込んでくる姿勢に惚れましたw
このように声優の力もあって魅力的なキャラクターとなった”B.J.” ブラスコビッチですが、それ以外のキャラクターも見逃せません。
主人公の世話をしていたヒロインのアーニャ。
ゴア表現のトラウマを見せてくれる悪役のおばさん:フラウ。
見かけによらず知能は赤ん坊のマックス。
こんな感じで濃いキャラクターが満載なので印象に残りました。
4つ数える 息を吸う 4つ数える 息を吐く
老舗の拘りを感じられるゲームプレイ
2010年代のシングルプレイFPSはストーリーありきで作られていることが多く感じます。
「ストーリーが最優先でゲームプレイは二の次」
そんな考えが根底にあるのか、目的地にマーカーが自動で設置されるなど完全なリニア式になってしまいました。
一方、本作の場合は「コール オブ デューティ」シリーズを参考にしつつも随所で老舗の拘りが見られます。
「ウルフェンシュタイン」シリーズは「DOOM」よりも最古のFPSになるので、完全に「コール オブ デューティ」のコピーをするのは許せなかったのでしょう。
最新のFPSに慣れていると「え?そこを手動にするの!?」なんて驚いてしまうほど古典的なシステムを取り入れています。
例えば回復手段。2010年代のFPSと言えば自動回復制が主流なので回復アイテムは存在しませんでした。
ところが本作の場合、回復アイテムを駆使しての手動回復制を取り入れているんです!
「今時、あえてこんな回復の形式を取り入れてくるとは!?」
さらにナビゲートが控えめで、以前訪れたエリアまで戻ることも出来ます。
2010年代のリニア式×シングルプレイ×FPSと言えば「コールオブデューティ4 モダン・ウォーフェア」が1つの基準となっていました。
目的地には常にマーカーが自動で設置され、以前訪れた場所は通行止めにし、回復は自動形式にする。
ある時からそんなお決まりがリニア式×シングルプレイ×FPSに生まれてしまいましたが、本作では徹底的に破っています。
そのうえで探索やステルスの要素も盛り込んでいたので驚きました!
実は本作、定期的に小規模な迷路の中を探索するように作られていて、その中で隠れんぼをしながら奥へ進むことになるんです。
敵はこちらの存在に当初は気が付いていないので、上手く行けばステルスキルだけで倒すことも出来ます。
ユニークなアクセント
「俺はコールオブデューティーの劣化コピーじゃない!」
思わずそんな叫びが聞こえてくるほど本作には独自の要素が色々と含まれています。
トリガーハッピーができる二丁銃。
好きなように壁を切り取って抜け道を作成できるレーザーガン。
アジトでのお使い要素、無重力の月面ステージ。
ゲームらしい歯ごたえあるボス戦、秘密のクラシックゲーム。
このようにオリジナリティを感じられる仕掛けが満載で、どれも印象に残りました。
ゲームクリアまでのプレイタイムは約15時間。
マルチプレイモードメインのFPSに収録されたシングルプレイモードと比べて2~3倍のボリュームとなっていますが、中だるみしないような工夫を感じられました。
チャレンジ要素が面白い
本作はプレイヤースキル依存のゲームバランスとなっていて、キャラクターのステータスに依存したバランスではありません。
しかし、チャレンジ要素を通しての成長要素は盛り込まれていました。
例えばナイフでステルスキルを一定数決めるとします。
すると、Parkというものが開放されて以下のようにキャラクターの性能がアップするんです!
- リロード時間が早くなる。
- 弾薬を多く持てるようになる。
さらにチャレンジを1個達成するごとに実績・トロフィーが貰えるので、意識しながらプレイするとより楽しくなってきます。
中には新たなプレイスタイルを提案するようなチャレンジもあるので、試行錯誤する楽しさを感じました。
基本は一本道のゲームですが、いくつかのルートが用意されていますし、2010年代のゲームらしくある程度の自由度を感じられます。
惜しいところ
微妙に干渉する各要素
ここまでの文章を読んでいると本作はあらゆるゲームの良いとこ取りに感じられたかも知れません。
濃厚なストーリー、試行錯誤が楽しい探索&ステルス etc…
それでいて様々なオリジナル要素を盛り込んでいますが、これらが微妙に干渉して面白さがスポイルされているところがあると思いました。
例えばテンポの良さ。チャプター1の序盤こそは「コール オブ デューティ」シリーズのようなスピード感のあるストーリーを体験することが出来ます。
しかし、それも長くは続かず、中盤は不親切なナビゲートによってストーリー展開に中だるみ感が生まれてしまいました。
この感覚は「コールオブデューティ4 モダン・ウォーフェア」になろうとしてなれなかった某AAA級タイトルのシングルプレイを彷彿とさせます。
続いて気になったのがステルスアクション。
本場のステルスアクションゲームでは敵が警戒状態になっても長時間姿を隠せば元の状態に戻るものでした。
一方、本作の場合は一度でも敵が警戒状態になると不自然なくらいの察知能力を発揮して平常状態には二度と戻らないんですよ。
すべての敵をステルスキルすることも一部エリアを除いて出来ませんし、”ならでは”のアクションもないので味付けもイマイチに感じました。
探索要素の強さに関してもストーリー重視のレールシューターとしては噛み合っているとは言えず、惜しいと感じるところがいくつもあります。
言い方を変えれば中途半端と言えるので、以下のように個性を持たせた方が面白さは強調されるように感じました。
各ステージを行き来できるようにしてもっと探索型に特化する。
ナビゲート&一方通行エリアを増やしてストーリーありきにする。
移動速度や感度を高めてスピード感を持たせる。
本作の場合、中途半端に色んな要素を盛り込んでしまった故に振り切れているようには感じられませんでした。
それ故に面白さが1流クラスから1.5流クラスにランクダウンしている箇所が見受けられます。
煩雑な武器の切り替え
武器の切り替えは煩雑に感じました。
一度に沢山の武器を持てるのは良いですよ?
でも、一丁銃or二丁銃の選択や武器のモード切替をゲーム内での時間を止めずに行わないといけないので混戦時は混乱しました。
同じベセスダ・ソフトワークス製タイトルであるPS4/Xbox One「DOOM」のようにホイール画面を開いている時はゲーム内時間がスローになるなどの配慮がほしかった。
何度、ホイール画面で武器選択に戸惑ってゲームオーバーになったことか。
全体のまとめ
元祖FPSの意地を感じられる力作。
全体的に欲張り過ぎているので上手く料理出来ていないところはあります。
しかし、ユニークなストーリーとキャラクター、多彩なゲームプレイがそれを補っていて、シングルプレイ専用のFPS好きには良い作品だと思いました。
近年はマルチプレイメインのFPSが目立っているだけに、こういったシングルプレイメインの作品を投入したことは大きな意義を感じられます。
「あぁ・・・この感じ、懐かしい!」
本作をプレイしている時はそんな感覚がありました。
実はぼく、生まれて初めてプレイしたFPSがN64「時空戦士テュロック」(1997)になるんですよ。
同作品はシングルプレイ専用×リニア式のFPSで体力の回復は手動式でした。
難易度が高く、何度もゲームオーバーになってしまいましたが、夏休みを利用して一気にプレイしたものです。
今回レビューした「ウルフェンシュタイン:ザ ニューオーダー」にも通ずる部分が多少あるので、当時の感覚が少しだけ蘇ってきました。
老舗の抵抗を感じられる手堅い出来のシングル専用FPS。
こんな人には特におススメ。
・シングルメインのFPS好き。
・洋画好き。
こんな人にはおススメできない。
・FPSが苦手な人。
・サクサク進めたい人。
ウルフェンシュタイン:ザ ニューオーダー/お気に入り度【75/100%】
プレイした時間・・・約15時間
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Xbox | etc |
プラス価格100円で買え、2が発表され、今やっているゲームのプラチナ取ったらやろうかなーと画策していたのでありがたい記事ですw
ストーリーは意外に長いんですねー、武器選んでる時にスローにすらならないのは頑張り甲斐がありそうですね。
シングルプレイに特化したFPSは近年稀なので2にも期待したいですね!