
Summer Pockets(サマーポケッツ)/Switch
どうも!KENT(@kentworld2 )です!
今回は2019年6月に発売されたSwitch「Summer Pockets(サマーポケッツ)」のレビューをしていきます。
本作は鳥白島を舞台にした恋愛アドベンチャーゲームですが、青春の片鱗と喪失感を味わえるおにーちゃんの夏休みです!
夏休み、アナタは良い思い出を作れていますか?
本作をプレイすれば夏休みを満喫することができますよ!
そして、終える頃には喪失感によって心にポッカリと穴が開いてしまうことでしょう。
ぼくの場合、パソコン版の評判を知ってから後追いで手を出したんですが、まさかプレイを終えてこんなにも心に穴が開くとは思いませんでした。
ちょっと冷めた見方かもしれませんが、本作をプレイしてもぼく自身が鳥白島で思い出を作った訳ではありません。
あくまでも鳥白島での思い出を作ったのは主人公の鷹原羽依里(たかはら はいり)くんですからね。
でも、全ルートを終えた頃には不思議とぼく自身が鳥白島で思い出を作ったかのように錯覚して喪失感にかられてしまったんですよ・・・。
今、ぼくはこうしてレビュー記事を書いていますが、感覚的には楽しかった夏の思い出をノートに綴っているような感じですw
それだけプレイしている時はゲームの世界に入り浸ってしまいました。
ここからはそんなSwitch「サマーポケッツ」の良いと思った点からまずは書いていきます。
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- 文字を読み進めていくのがメインの恋愛アドベンチャーゲーム。
- たまに選択肢が挿入されてストーリーが分岐していく。
- MAP画面では好きな場所へ移動できる。
初リリース日 | 2019年6月20日 |
対応ハード | Switch |
ジャンル | アドベンチャー |
売上 | 初週0.2万本 |
発売元 | プロトタイプ |
目次
良いところ
高校生の夏休みを追体験できる!
「CLANNAD(クラナド)」でお馴染みの美少女ゲームブランドkey(キー)。
そんなkeyが贈る最新作が今回レビューする「サマーポケッツ」になりますが・・・
これはお兄さんをメインターゲットにした「ぼくのなつやすみ」じゃないですか!?
主人公の鷹原羽依里(たかはら はいり)(17)は亡くなった祖母の遺品整理のために夏休みを利用してひとりで鳥白島にやってきます。
そこで様々な仲間と出会い夏の思い出を作っていくんですが、
と感じられる描写が満載なんです!
仲間と一緒に水をぶっかけ合ったり、肝試しをしたり。
学生だからこそできるようなイベントが盛り沢山で、夏の思い出を堪能することができます。
場を盛り上げてくれる男キャラクター
いくら美少女ゲームとは言え、紅一点ではバランスが良くありません。
そういう意味で本作の男キャラクターは秀逸でしたね!
特に良いと思ったのが以下のキャラクターです。
- 三谷 良一(みたに りょういち) → 常に半裸でいる活発な変態。
- 加納 天善(かのう てんぜん) → 見かけによらず体育会系な卓球バカ。
どちらもTHE・男子高校生と言いたくなるようなバカ&変態なので、彼らが登場するだけでコメディ色が強まるんですよw
しかし、それが夏の思い出を強調してくれるので、むしろ良い方に作用しています。
切ない描写によって強調される夏の思い出
ここまで書いておいて申し訳ないんですが、実は当初、ぼくはこのゲームの世界に入り浸ることはできませんでした。
確かに爽やかな世界観は良いと思いますし、夏らしいイベントも良いと思いますよ?
でも、核となる目的がイマイチ見えてこないうえに日常的なシーンばかりなので物語にハリを感じられなかったんです。
そう思いながらマップ画面で特定の美少女が描かれたアイコンを選択し続けたところ、ある時から物語のテイストが一変したんです!
わかりやすくと言うと、コメディがシリアスにひっくり返ったような感じでしょうか。
鍵となるのがしろは、蒼(あお)、鴎(かもめ)、紬(つむぎ)といった4人の美少女です。
いずれも出会った当初は個性的な美少女としか思いませんでした。
でも、ある時に重大な秘密が明かされるので、
と感じるようになり、そこから一気に物語へ入り浸るようになってしまったんです。
そして、最後は涙腺を刺激され、みんな好きなキャラクターになってチャーハンを食べたくなりました。
特に気に入ったのが、久島 鴎(くしま かもめ)。
彼女がメインのルートは冒険色が強いストーリーなんですが、伏線の張り方にやられてしまいました。
「まさか、彼女にそんな秘密が隠されていたとは!?」
出会った当初は大きなトランクを転がしている美少女としか思えなかっただけに驚きましたよ。
それ以外のルートも主となるキャラクターに感情移入してしまうような切ない内容になっていて、プレイする前とは180度印象が変わりました。
切なさを強調させるイラストとBGM
このように切ないストーリーが展開される「サマーポケッツ」。
ですが、ぼくが余韻に浸ったのは単にストーリーが切ないからではありません。
ノベルゲームならではのイラストやBGMの影響も大きかったりします。
イラストはコテコテの萌え系なので、人によっては拒否反応を示すかも知れません。
でも、各キャラクターのなびく髪が切なさを強調してくれるんですよ。
イメージ的には桜吹雪を見ているような感じでしょうか。
BGMはバラエティに富んでいますが、特にピアノで奏でられる「夜は短く、空は遠くて…」にやられてしまいました。
この曲は別れを感じるようなシーンで挿入されるので、涙腺を刺激されます。
それ以外にもオルゴールで奏でられる「アルカテイル -recall-」など切ない曲が満載で、思わず「やめてぇ!泣いちゃうじゃんか!w」と言いたくなりましたw
ノベルゲームは小説に立ち絵やCG、BGMを加えてゲームという媒体に落とし込んだようなジャンルです。
人によっては「文字だけで良くね?」と思うかも知れませんが、「サマーポケッツ」という作品は立ち絵やCG、BGMがあるからこそ成立するように感じました。
それだけ本作のイラストとBGMは秀逸です。
メニュー画面の「MUSIC」を選択することで一度聴いたBGMを好きなだけ流せるので、このレビュー記事を書いている時は「夜は短く、空は遠くて…」を流していました。
ボーカル曲だと歌詞が気になって執筆に集中出来ませんが、この曲はしっとりしたピアノサウンドで構成されているので良い感じに喪失感を持ちながら記事を書けます。
異常なくらい作り込まれたミニゲーム
本筋からはそれてしまいますが、実は本作、ミニゲームの作り込みが異常だったりします。
まず紹介したいのが「卓球ミニゲーム」。
やっていることはカーソルを3~5ヵ所あるマーカーに合わせてタイミング良くボタンを押すだけなんですよ。
でも、相手となる加納 天善(かのう てんぜん)が「テンゼン!テンゼン!テンゼン!テンゼン!テンゼン!テンゼーン!!!」とか無駄に熱く叫ぶので、気が付いたら何回もプレイしてしまうんですw
そのうえコンボやスコアシステムが存在して複数のモードが用意されているのでやり甲斐があります。
もう1つ紹介したいのが「島モンファイト」。
こちらは「ポケットモンスター」や「甲虫王者ムシキング」風のミニゲームで、島モンというモンスターを収集してライバルとのバトルに勝利していくのが目的となっています。
バトル自体はオートで展開されるので戦略性は低いんですが、それ以外の作り込みが凄いんです!
例えば島モンの種類は100も存在し、その中には場違いな奴が居るんですよw
しかも関連性が高いキャラクターとバトルする時に召喚すると専用のイベントが発生するので驚きました。
極めつけは専用のエンディング!
まさか、ミニゲームにここまでのストーリー性を盛り込むとは思いませんでしたよ。
この力の入れようは某S社を彷彿しますw
抜群のユーザーインターフェース
ノベルゲームと言えば周回プレイ前提なので、ユーザーインターフェースはとても重要な要素だと思います。
そういう意味で本作のユーザーインターフェースは素晴らしかった!
高速で早送りができるのはもちろん、巻き戻しも可能で、バックログで好きなところから再開することも出来ます。
また、1つ前の選択肢までジャンプしたり、+ボタンでクイックセーブをすることもできるので、ユーザーインターフェース周りは完璧と言っても良いほど。
なんて時もバックログやジャンプ、クイックセーブ、ロードといった機能を活用すれば簡単に好きなところからやり直すことが出来ます。
さらに付け加えたいのが、Switchとの相性。
ぼくはSwitch版をプレイしましたが、めちゃくちゃ相性が良いんですよ。
Joy-Con片手でプレイ出来ますし、画面をタッチして文字送りをすることが出来ますから。
あまりにも相性が良いので、単独記事で魅力を語ってみました↓
Switchとビジュアルノベルの相性が最強である5つの理由。こりゃSwitchにノベルゲーが集まる訳だ!w
惜しいところ
エンジンが掛かるのがやや遅い
前述の通り本作はある時からストーリーのジャンルがひっくり返りますが、シリアスなストーリーに期待してしまうと序盤は退屈に感じるかも知れません。
序盤は島の移住や登場人物の自己紹介を目的に描かれるようなシーンが多いんですが、良くも悪くもコメディ色が強いので緊張感が無いんですよ。
ぼくの場合、この手のジャンルに疎いのもありますが、最初の頃はどうしても一歩引いた状態になってしまいました。
男キャラはバカで共感できるけど、美少女キャラには果たして感情移入できるのだろうか?
各ルートに入るまではそんな気持ちでいました。
序盤だけならまだ良いんですが、本作は周回プレイ前提のゲームです。
2周目、3周目とプレイする度に緩いストーリーが前半は展開されるので、各キャラクターのことをよく知らない頃は仕方がなく進めていました。
が、各キャラクターの重要な秘密を知ってからは一変。
今では日常的なシーンが恋しくなってしまいました。
なのでコメディ→シリアスという話の構成が間違っているとは思えませんが、最初の頃に「早くエンジン掛からないかなぁ」と感じたのは事実なので書いておきます。
詰め込みすぎて説明不足
シリアスなシーンは確かに引き込まれましたが、一方では説明不足に感じるところも多々ありました。
特にALKA → Pocketのルートは主人公の描写が足りておらず、改善の余地があります。
それでも最後は感動的でしたが、もうちょっと話の構成を練ったら大泣きしたかも知れません。
それだけのポテンシャルを感じたので、どこか惜しい感じがしました。
全ルートクリアするまでのプレイタイムは約20時間でしたが、もう5時間分くらいシリアスなシーンを加筆した方が良かったかも。
Summer Pockets (サマーポケッツ)のレビューまとめ
高校生によるひと夏の恋を追体験できるゲーム。
最初の頃は主人公との相違やコメディ色が強いストーリーによって一歩引いた状態でプレイしていました。
しかし、最後までプレイすることで主人公と一心同体となり、終わった頃には心にポッカリと穴が開いてしまったんです!
この感覚、まるでぼく自身が鳥白島で夏の思い出を作ったかのよう。
このように高校生活をとっくに終えてしまったお兄さん()でも余韻に浸ることができるので、夏の思い出を作りたい人にはおすすめしたい作品です。
このゲームをプレイすれば青春の片鱗くらいは味わえますよ。
お色気要素は全年齢向けのゲームらしく控えめなので、比較的幅広い層におすすめできます。
青春の片鱗と喪失感を味わえるおにーちゃんの夏休み!
こんな人には特におススメ。
・夏の思い出を作りたい人。
・泣きたい人。
こんな人にはおススメできない。
・萌え系が苦手な人。
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kentさんもkey作品にハマりましたかw
自分も相当昔のゲーム(リトバス)に手を出したことがあるのですが、友人である男キャラが魅力的で、正直女性と付き合うシーンより、彼らと過ごす友情や日常をずっと見たいと思ったことがありました。
まあ、コメディ色が強いのはどちらかというとライターの実力だと思います。
リトバスではライターが違うと、コメディも全く違う出来になるのでw
ついでに、key作品は割と根本的な設定にして伏線を張るタイプであったと思うので、それについて考えながら読むとより楽しめると思います。ちなみに、サマーポケットではそういったものがあるのか自分はわかりませんw 自分のやった作品はそういうのがありました。