【レビュー】ゼルダ無双 厄災の黙示録 [評価・感想] コーエーテクモが本気で作ったBotWのファンアート!

どうも!KENT(@kentworld2 )です!

今回は、2020年11月に発売されたSwitch「ゼルダ無双 厄災の黙示録」のレビューをしていきますが、まずはひとこと言わせてください。

今作、ゼルダの無双アクションゲームとしてはめちゃくちゃ頑張って作られています。

タイトルを見てもわかるように、本作は「ゼルダの伝説」と「真・三國無双」のコラボレーションタイトルです。

つまり、「真・三國無双」のゲーム性を元に見た目をゼルダっぽく仕上げたゲームなんですが、外側だけではなく、内面も似せてきているんですね。

前作の「ゼルダ無双」が割と外側だけを似せた無双アクションゲームだったので、相当な進化をしているように感じます。

前作はお祭りゲーって感じがしましたが、今作はゼルダ本編に匹敵する気合を感じられましたね。

ただ、見た目を「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」。

略してブレワイに限りなく似せて、ストーリーを前日譚っぽくアピールしているので、ユーザーのハードルを上げすぎているように感じます。

それ故にブレワイ好きの間でも評価が割れてしまうタイトルに感じますが、いちファンとしては概ね楽しめました。

ここからはそんなSwitch「ゼルダ無双 厄災の黙示録」について詳しく語っていきます。

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このゲームを3行で説明すると?
  • 大量の敵を倒していくステージクリア型のアクションゲーム。
  • リンクのほかにゼルダ姫、4人の英傑たちなどを操作できる。
  • 「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」の100年前を描いている。
初リリース日 2020年11月20日
対応ハード Switch
ジャンル アクション
推定クリア時間 25~35時間
発売元 コーエーテクモゲームス

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良いところ

より魅力が増した登場キャラクター

今作をプレイしてまず良いと思ったのが、ブレワイに登場したキャラクターをより魅力的に描いていることです。

ブレワイでは旅を進めていくことで

  • リンクと幼馴染のミファー
  • ハイラル王国のお姫様のゼルダ
  • 豪胆な性格のダルケル

などの魅力的なキャラクターと出会えました。

今作では彼女・彼らをプレイアブルキャラクターとして操作できます。

それも無双アクションゲーム向けに最適化されているので、動きが機敏で、繰り出すアクションがめちゃくちゃ派手なんですよ。

シーカーストーンを自在に操って敵をタコ殴りしたり、忍術を駆使して敵を華麗に倒したり。

パッと見ただけでも印象に残るほどの大袈裟なアレンジを加えているので、動かしているだけでテンションが上がります。

感心したのが、全てのプレイアブルキャラクターにシーカーストーンを使った専用のアクションが用意されていることです。

ブレワイと同じく、今作でも

  • マグネキャッチ
  • リモコンバクダン
  • ビタロック
  • アイスメーカー

といったシーカーストーンのアイテムを使うことができるんですが、使用しているキャラクターによって繰り出す技が全然変わるんです。

例えばアイスメーカーを使用するとしましょう。

リンクの場合、足元に氷の柱が出現してジャンプすることができます。

一方、ゼルダの場合、氷の柱が目の前に4つ出現。

直後には光のビームを放って砕き、広範囲の敵にダメージを与えることができます。

インパの場合、さらにインパクトがある技になっていて、氷の柱の上で正座してそのまま滑って進むことができるのだから笑ってしまいましたw

可愛いねーちゃんが氷の柱の上で正座しながら滑走し、魔物にアタックする。

冷静に考えると、超が付くほどシュールですよねw



あまりのインパクトに友人のしばさんはgif画像を作られましたw

いやぁ・・・こんなネーチャンが暴れまわっていたら魔物でもビビりますよw

このように今作はブレワイに登場したキャラクターを操作できるようになったことで新たな一面が見られるようになりましたが、イベントシーンもより魅力が増しています。

ブレワイのイベントシーンはシリーズでは初となる本格的なボイスが実装され、それまでの作品よりもキャラクターを具体的に描いていました。

が、断片的にしか描かれておらず、日常的なシーンが目立っていたんですね。

一方、今作ではイベントシーンの数が大幅に増加し、日常的なシーンだけではなく、戦場での戦いやそれまでの過程もしっかりと描かれています。

おかげで色んなキャラクターの喜怒哀楽を声で聴けるようになったので、まるで、ゼルダのアニメを見ているような気がしました。

最近のゲームを基準にすると「そんなの当たり前じゃん?」とツッコまれそうですが、ゼルダの場合、こんなにもキャラクターを具体的に描いた前例がなかったので、ファンとしては感慨深いですね。

肝心のストーリーについてですが、ブレワイの前日譚として期待された場合は評価が分かれるように感じます。

でも、個人的には良い落とし所だなと思いましたね。

発売前、今作のストーリーはバッドエンド確定とか、ifストーリーとか、色んな情報が飛び交っていました。

ネタバレになるので実際にはどうだったのかは伏せますが、長年、「ゼルダの伝説」を楽しんでいた者としてはこれがベストだと思いましたし、とあるシーンでは泣けました。

今作では白くて小さなガーディアン。通称、白玉ちゃんが登場します。

コイツが可愛い奴で、ゲームをプレイしていると好きになってくるんですよ。

ブレワイ発売時にはガーディアンのamiiboが発売されましたけど、白玉ちゃんのamiiboも発売してくれませんかね?

ボスとの戦いがブレワイ譲りで楽しい

今作は無双アクションゲームですが、随所でブレワイのエッセンスが見られます。

グラフィックやメニュー画面を似せているとか、表面的な部分はもちろんのこと、ゲームバランスも似せていることに驚きました。

ブレワイと言えば自由度の高いゲームバランスが印象的ですよね?

今作もその点は踏襲しており、難易度が上昇する中盤以降は試行錯誤をする楽しさを味わえました。

特に感じられたのが、中ボス戦です。

各ステージの目的として、強敵という名の中ボスを倒すというものがありますが、中盤以降は中ボスの強さが増していき、簡単には倒せなくなります。

そんな時、各ステージを探索すると回復アイテムや魔力ゲージを補給できるようになり、中ボスを倒しやすくなるんですね。

強敵を倒すために各地を探索して戦闘に有利なアイテムを集める。

このようなゲームバランスはブレワイに近く、無双だけど、どこかブレワイをプレイしているかのような印象を持ちました。

そういう意味では戦闘のプレイ感覚もブレワイに近いですね。

雑魚に関しては無双アクションゲームらしく一騎当千って感じですが、中ボスクラス以上の敵になるとそうはいかず、考えて戦う必要があります。

というのも中ボスは耐久力が高いうえ、普通に攻撃を与えてもガードされてしまい、大してダメージを与えられないんですよ。

じゃあどうすれば良いのかと言うと、敵が攻撃をした瞬間にスキを突くという、カウンター戦法が有効なんです。

このようなヒット&アウェイ戦法はブレワイでも基本だったので、同じような感覚で楽しめました。

また、

  • 水溜りに向かってエレキロッドを発動すると電流を拡散できたり
  • マグネキャッチを使って周辺のコンテナを持ち上げる

など、地形と連動した戦いも楽しめるので、戦略性の高さもブレワイ譲りに感じます。

無双アクションゲームってぼくの中では

2つのボタンを連打し、ゲージが溜まったら必殺技を放つ

の繰り返しというイメージが強いので、ここまで戦闘に多様性を持たせてきたことに驚きました。

ブレワイは「ゼルダのアタリマエを見直す」をコンセプトに作られていましたが、今作はブレワイを踏襲することで「無双のアタリマエを見直す」ことに成功したんじゃないですかね?

中ボスとはゲームクリアまでに何百回も戦うことになりますが、攻略法が多彩なので同じ敵でも飽きずに楽しめました。

前作のボスは特定のアイテムを使わないと倒せないようになっており、窮屈なところがあったのでよく改善したもんですよ。

いや、特定のアイテムを使わないと倒せないというのもゼルダの謎解きっぽくて良かったんですけどね。

2回、3回と同じボスと戦うことになると作業感が生まれていたので、攻略法が多彩なのは今の時代に合っていると思います。

随所で見られるブレワイのエッセンス

今作はボス戦だけではなく、あらゆる部分をブレワイに似せているので感心しました。

グラフィックは一見するとブレワイからそのまま取ってきているように見えますが、実はそっくりそのまま作っていたりします。

ブレワイと同じエリアを通ってみました。

どうでしょう?よく見ると微妙に違いますよね?

開発者によると

『BotW』の画があるから、作るの簡単でズルイ!と社内の他のチームに言われたら勝ちだ!

というスローガンで頑張ったそうですが、いやぁよく再現したもんですよ。

本作を開発しているのはコーエーテクモゲームスで、任天堂ではありません。

コーエーテクモゲームスと言えば「ペルソナ5 スクランブル ザ ファントム ストライカーズ」でもグラフィックをアトラスの「ペルソナ5」に似せて技術力の高さを見せつけていましたが、今作でも見せつけられましたね。

他にも草を刈れたり、木を倒せたり、メニュー画面、ワールドマップを似せてきたりと、ブレワイの関連作として恥のないレベルに達しています。

何よりも凄いのが、ブレワイで断片的に描かれていた100年前のハイラルを具体的に描いていることです。

ブレワイで見られた廃墟の100年前を細かく描いたり、公式設定資料集に書かれていた情報を元にしたエピソードを盛り込んだり。

作っているのが任天堂ではなく、コーエーテクモゲームスという外部の会社という情報があっての意見になってしまいますが、ファンアートで済ませたら勿体ないくらいのレベルに達しています。

今作の開発スタッフは全員、ブレワイで120箇所の祠を制覇するほどファンのようですが、それは伊達ではありませんね。

ブレワイ好きとしては素材集めの要素があるのもニヤリとしました。

今作でも探索をすることで色んな素材アイテムを入手できます。

素材アイテムを集めることで様々な施設が利用できたり、能力値を高めることができるので、積極的に探索したくなりましたね。

あと、素材の中には「コログの実」が存在し、入手方法もブレワイに似せているのがニヤリとします。

「コログの実」を入手するには怪しい場所を調べたり、風船に付いた的を射る必要があるんですが、これってブレワイまんまなんですね。

テンポが重視される無双アクションゲームである関係上、ブレワイほど難しい場所に隠されてはいませんが、雰囲気作りとしては良い要素に感じます。

ちなみにブレワイでは武器を使っていくと壊れましたが、今作では壊れません。

今作では何千、何万もの敵と戦うことになるので、この点に関しては再現していなくて助かりましたw

大迫力の神獣戦

今作では神獣に乗って戦うパートが存在しますが、迫力がすごいことになっています。

というのも神獣の大きさはリンクたちの数百倍に達し、ド派手な技を繰り出せるからです。

普段はチマチマ倒している敵の大群をレーザービームで一層できるのだからスカッとします。

ゲームとしてはシューティングに近く、ミニゲームっぽくなっていますが、本編のアクセントとして挟む分には良いと思いました。

ステージによっては制限時間がキツく、テンポ良く敵を全滅する必要があったのでヒヤヒヤしましたね。

それにしても、ブレワイではダンジョンとして登場した神獣に乗って大暴れできるとは・・・

ブレワイで神獣を操作したいと思っていた者としては感慨深く感じますし、わざわざ別ゲーとして盛り込むコーエーテクモの気合の入れように驚きました。

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惜しいところ

1つ1つのステージが長すぎる

今作も1つ1つのステージが長くてお腹いっぱいになりました。

終盤になると20体以上の中ボスと戦うことになり、クリアするのに40.50分も掛かってしまいます。

さすがにこんなにも長い時間、激しいアクションを繰り出し続けるのはキツイですね。

前作のレジェンドモードも終盤になると長く感じましたが、それでも20分程度で終わったので、今回は長過ぎます。

一応、難易度をイージーに下げたり、寄り道をしてキャラクターのレベルを上げたり、装備を強化することで短縮できますけどね。

そこそこ寄り道をして、難易度ノーマルでプレイしても終盤は長く感じたので、「ちょっと気合を入れすぎているな」と思いました。

Switchは携帯ゲーム機でもありますが、今作はブレワイと同じくテレビで腰を据えて楽しむことを前提にして作られている印象です。

高低差がわかりにくい

今作のフィールドは高低差が激しく感じます。

高低差が激しいのはブレワイではプラスポイントに感じましたが、無双アクションゲームである今作ではマイナスにも作用している印象です。

無双アクションゲームは箱庭マップを移動して拠点を制圧したり、ミニミッションをクリアしていくのが目的となっています。

今作でもその点は健在なんですが、マップが作り込まれていると迷子になってしまい、目的地へ行くのに時間が掛かってしまうんですよ。

ステージによっては「モンスターハンター ワールド」のように高低差が激しく、ミニマップを見ても目的地がわかりにくく感じることが何度かありました。

迷子になるのは「ゼルダの伝説」として見たらむしろワクワクできて良いんですが、素早く目的をこなす無双アクションゲームとして見るとストレスに感じる恐れがあります。

この辺りはコラボレーション無双の難しさを感じました。

下手にコラボ元の色を出すと無双アクションゲームとしての良さが薄れてしまい、印象が悪くなる場合もありますからね。

無双アクションゲームの多くはフィールドが平坦で、冒険好きとしては興ざめするところがあるんですが、ゲームデザイン的には平坦な方が成立しやすいのかなと思いました。

もう少しブレワイの要素を入れてほしかった

ワガママであることを承知のうえで言いますが、もう少しブレワイの要素を入れてほしいと思いました。

具体的に言うと、見えない壁を減らし、自由に崖を登れるようにしてほしかったですね。

さすがにブレワイのようなオープンワールドにしろとまでは言いませんが、見た目が似過ぎているので、崖を登れなかったり、見えない壁に遭遇した時は違和感を持ちました。

あと、マニアックな話で申し訳ないですが、デスマウンテンに見えるトロッコ。

乗れるようにはできなかったんですかね?

レールから外れた場所にトロッコが転がっていたのでマグネキャッチを使って乗れるようにできないか試してみたんですが、なんの反応もなかったので残念に感じました。

ブレワイは「ただ通り過ぎる世界ではなく、プレイヤーがやりたいことはなんでもできる」というコンセプトで開発されていたので、その関連作でそれができないのは惜しいですね。

もちろん、本作は無双アクションゲームである関係上、ブレワイよりも沢山の敵を表示しないといけないので、それが難しいのはわかりますよ。

実際、処理が重くなるシーンでは画面がややカクつくので、Switchの性能を限界まで引き出しているのだと思われます。

とある主要キャラがプレイアブルじゃない

今作ではブレワイのキャラクターを操作できます。

が、主要キャラの中にはプレイアブルじゃないものも居るので少しガッカリしました。

具体的に誰なのかは伏せますが、広告でも割と目立っているキャラクターなので、これが使えないのは残念ですね。

コーエーテクモゲームスの無双ゲームは後日、ダウンロードコンテンツとしてプレイアブルキャラクターを追加で配信しますが、そのパターンなんでしょうかね?

ちなみに、今作にもある条件を満たすと使えるようになる隠しキャラクターが存在しますが、中にはめちゃくちゃインパクトがある奴もいます。

インパクトの度合いは、スマブラで言うと「パックンフラワー」に匹敵するレベルでしょうか。

こういう悪ノリは嫌いじゃないですw

注意点

今作にはアドベンチャーモードが収録されていません。

前作の場合、レジェンド、アドベンチャー、フリー、チャレンジなど、様々なモードが収録されていました。

一方、今作はストーリーモードのみの収録となっているので、前作のアドベンチャーモードにハマっていた方は注意が必要です。

ただ、ストーリーモードのボリュームは大幅に増していて、前作の何倍も長くなっています。

ステージ数もサブを含めると100近くに達し、クリア後のやり込み要素も存在するので、トータルでのボリュームは同等かそれ以上なんじゃないでしょうか?

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ゼルダ無双 厄災の黙示録のレビューまとめ

コーエーテクモが本気で「~ブレス オブ ザ ワイルド」の関連作を作ろうとする意気込みを感じられる作品。

「ブレワイ好きは買いなのか?」と訊かれると、あくまでも「ゼルダ無双」というお祭りゲームの発展形として誕生した作品であることを念頭に置いて楽しめる分には買いだと答えます。

ブレワイの純粋な続編として買うのは、正直、おすすめしません。

ブレワイの続編に関しては、既に任天堂から発表済で、そう遠くない頃に発売されるものだと思います。

コーエーテクモが本気で作ったBotWのファンアート!

こんな人には特におススメ。
・無双好き。
・ブレワイの世界観・キャラクター好き。

こんな人にはおススメできない。
・ブレワイの純粋な続編として手を出そうとする人。

お気に入り度【81/100%】

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3件のコメント

すごいゼルダっぽいのに、ちょっとした段差を登れなくって最初すごい違和感ありました
ブレワイは障害物でルートが固定されないのが最大の特徴だったのに、残念です
(まぁ無双のゲームシステム考えたらルート無視されたらメチャクチャになりますけれども)
ゼルダのアタリマエを見直したブレワイの前日譚といえども無双のアタリマエは見直せなかったな、というのが正直な感想です(拠点制圧システムとかね)
とはいえ只の無双としてみれば水準以上に良くできてはいるのでブレワイの世界観が好きとか無双シリーズ好きな人にはとても楽しめると思います
いまは体験版で出来ることは殆どやり尽くしてひたすらレベル上げまくっています

ボタン操作に慣れずとにかく色々試していたら、ガーディアンのビームを盾で弾けてビックリしました。そんな所まで作りこんでいるとはっ。
戦闘を避けろと出ている中倒しに行くリンク。
装備が外せることに気づいて、姫様の画面も確認しに行きましたとも。

DLCはあるんでしょうか?たぶんあると思ってるんですが・・・
ありますよねwww