CALLING ~黒き着信~ -/Wii
どうも!KENT(@kentworld2 )です!
今回は2009年11月に発売されたWii「CALLING~黒き着信~」のレビューをしていきます。
結論から言わせていただきますと、本作は隠れた良作です!
プレイする前は
なんて思っていたんですが、2周クリアしてからは印象が一変。
ストーリーから演出まで作り込まれた良作だと思うようになりました。
B級感は否めませんが、低予算の中で面白いものを作ろうとする気概を感じられる作品です。
ここからはそんなWii「CALLING~黒き着信~」の良いと思った点から書いていきます。
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- 現代の日本を舞台にした一人称視点のホラーアドベンチャーゲーム。
- 携帯電話を使って謎を解いていく。
- 章によって操作キャラクターが変化する。
初リリース日 | 2009年11月19日 |
対応ハード | Wii |
ジャンル | アドベンチャー |
売上 | 初週0.2万本 |
推定クリア時間 | 11~15時間 (真EDまで) |
発売元 | ハドソン |
目次
良いところ
ジワジワと良さがわかるストーリー
本作で特筆したいのが、ジワジワと良さがわかるストーリーです。
正直なところ、最初にプレイした時は展開が唐突でよくわかりませんでした。
物置を調べていたら霊に襲われたり、霊の手から逃げようと思ったら主人公が切り替わったり。
おまけに一人称視点なので、何がどうしてそうなったのかを理解することはできず、「なんだかよくわからないけど怖い」というのが率直な印象でした。
そして、プレイタイムが5時間を過ぎた辺りで後味が悪いエンディングを迎えます。
なんて不満に感じながらも2周目を始めると、1周目には見られなかったシーンが追加されました。
そして
といった感じで1周目に謎だったシーンの伏線が回収されていき、最後は綺麗にまとまっていきました。
ゲームって1周クリアしたら満足してしまいがちですが、本作は2周クリアが前提の作りになっています。
そのくらい、2周クリアしないと見えてこないものがあるので、1周クリアで済ましたら本作の真価は感じられません。
チャットルームによって生まれた群像劇
ここまで本作のストーリーが素晴らしいことを語っていきましたが、具体的には何が良いのでしょうか?
ぼくはチャットルームによって生まれた群像劇にあると思っています。
本作は章仕立てとなっていて、章によって操作キャラクターが変化します。
主人公である女子大生の神楽 凛(かぐら りん)
アニメとオカルトが好きな高校生の涼谷 しんいち(すずたに しんいち)
ハイテク婆さんの岸辺 千代(きしべ ちよ)
弱小出版に勤める編集者の白江 真(しらえ まこと)
一見すると共通点が全くなさそうな4人ですが、全員「黒のページ」にあるチャットルームで出会っていたりします。
しかし、ハンドルネームしか知らないため、現実世界での姿を知りません。
本作のストーリーはそんなネットの特性を活かした群像劇を描いているので、現代社会を上手く反映させているなと思いました。
用意されているエンディングは主人公である神楽 凛の視点から見たものだけですが、他のキャラクターも順を追っていくとストーリーが繋がっていくようになっています。
その際には
- 各地を探索してメモを確認する
- 受信したメールを確認する
- ノイズを録音して過去の会話を聞く
といった行為を行い、自分の頭で紐解いていく必要があるので、伏線が回収された時は欠けたパズルピースが繋がったかのような快感を味わえました。
そして、思わぬキャラクターに感情移入するようになったんです。
まさか、こんなにも感情移入できるストーリーだったとは!?
1周目の序盤をプレイした頃は想像できませんでした。
中にはご都合主義に感じる描写も散見されますが、そこはB級ホラーのご愛嬌として受け止めていますw
Wiiリモコンを使った恐怖の演出
ここまで本作のストーリーが素晴らしいことを熱弁したので、記事を読まれた方の中には
なんて思われたかもしれませんが、できれば実際にプレイしてほしいと思っています。
というのもWiiリモコンを使った恐怖の演出が秀逸だからです。
本作ではWiiリモコンを携帯電話に見立てているので、着信が入ったらスピーカーから音が鳴るようになっています。
そして、通話に応答したらスピーカーから声が響くんですが、その演出がめちゃくちゃ秀逸なんですよ。
単純に不気味な声がWiiリモコンから聞こえてくるのが怖いですし、音質の悪さがさらなる恐怖感を生み出しているので、Wiiの特性をフルに活かしています。
TVのスピーカーとWiiリモコンのスピーカー。
2つを組み合わせることでこんなにも臨場感が生まれるのですね。
ストーリーの進行上、携帯電話を何度も操作することになりますが、Wiiリモコンのボタンを押すたびに「ピポパ」と鳴るので、主人公との一体感が凄いですw
さらなる恐怖感を生み出す演出
ホラーゲームは数多く存在しますが、本作はその中でもかなり怖い部類です。
先程も触れたWiiリモコンを使った演出はもちろん、それ以外にも秀逸な仕掛けが満載なんですよね。
机の引き出しを開けたら謎の文字が描かれていたり、ロード時間中に不気味な顔が一瞬だけ映ったり。
中にはランダムで挿入されることもあるので、周回プレイをしても驚くことがありましたw
ホラーゲームは予測ができてしまったら恐怖度が半減するので、ランダムで挿入する演出を盛り込んでいるのは素晴らしいです。
極めつけとなるのが赤い女の存在です。
赤い女は特定のタイミングで、特定の場所を調べると出現する隠しキャラだったりします。
そんな赤い女ですが、2周目以降に発見するとWii伝言板に赤い手紙を貼り付けてくる場合があったりします。
赤い手紙を読んでみると
見つけた
今日もあなたを見ていた
目があいました
なんて意味深なメッセージと落書きが書かれていたりするので、知らずに読むと怖いんですよねw
まさか、ゲームを終えてからも追いかけてくるとは!?
本作をプレイするとWii伝言板が不気味なものに変わるので、とんでもないゲームですw
携帯電話を使ったユニークな謎解き
システム面では携帯電話を使った謎解きが面白いなと思いました。
ストーリーを進めるには各地を探索してフラグを立てていくことになります。
いわゆる、コマンド選択式のアドベンチャーゲームに近い形式となっているんですが、本作ならではなのが、携帯電話を使った転移です。
携帯電話に特定の番号を打ち込むとワープできます。
屋敷からネットカフェ、学校、病院などなど。
場合によっては同じ施設の行けなかった場所へワープできるようになり、行動範囲が広がっていくこともあったので、ユニークな謎解きだと思いました。
ちなみに、探索の難易度は比較的低めに調整されています。
視界が悪いので調べられる箇所を見逃すことはありますが、マップが狭く、初見殺し的な仕掛けは少ないので、探索型アドベンチャーゲームにしては優しく感じました。
個人的に色んな所を調べてストーリーを進めていくアドベンチャーゲームはわからなくなると総当たりでプレイしてしまいがちなので、このくらいの調整が理想的に感じます。
惜しい点
番号の入力が面倒
ゲームを進めていくと携帯電話の番号入力が求められます。
しかし、入力する番号が11桁もあるので、入力が面倒だと思いました。
白江 真に関しては例外的に番号メモを見ながら入力ができるので彼を操作している時は楽でしたが、主人公である神楽 凛を操作している時は確認できないので面倒です。
番号はメニュー画面から確認できるとは言え、神楽 凛のパートでもメモを見ながら入力ができたら良いなと思いました。
まあ、自分自身でメモしたら楽になりますがw
注意点
取っ付きが悪い
ゲームの特性上、取っ付きは良いとは言えません。
1周目はストーリーの展開がわかりにくいですし、霊に捕まった時はWiiリモコンを横に振り続けるという面倒なことをしないといけませんからね。
ですが、1周目のストーリーがわかりにくいのは演出であって、霊に捕まった時の面倒さも恐怖感を醸し出すための物だと思うので、惜しい点ではなく、注意点として挙げさせていただきました。
反復性がある
2周プレイが前提である関係上、反復性があるのは否めません。
同じシーンを必ず2回は見ないといけませんし、そうでなくても探索する箇所が重複することがあります。
ただ、1周目と2周目では同じシーンでも感じることが全く変わってくるので、一概に悪いとは思いませんでした。
ゲームあるあるだと思いますが、エンディングを見た後に2周目のオープニングシーンを見ると1周目とは違った印象を持ちますよね?
本作ではそんな1周目と2周目のギャップをストーリーに組み込んでいるのが面白いと思いましたが、合わない人もいるでしょうから、注意点として挙げさせていただきました。
CALLING~黒き着信~のレビューまとめ
現代の文化を反映させた和製ホラー。
邦画にありそうなストーリーですが、ゲームだからこそ味わえる体験が詰まっていて、思わぬ良作に出会えた気がしています。
まさか、ハドソンがこんな素晴らしい作品を作っていたとは!?
Wiiは任天堂のゲームばかりが目立っていますが、本作のような隠れた良作も眠っているから油断ができませんね。
今は亡きハドソンが作り上げた隠れた名作ホラー!
こんな人には特におススメ。
・ホラーゲーム好き。
・Wii好き。
こんな人にはおススメできない。
・心臓が弱い人。
・1周クリアで満足する人。
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