
2011年9月に発売されたPS3「テイルズ オブ エクシリア」を今回はレビューします。
PS3「テイルズ オブ エクシリア」は人気RPG
「テイルズオブ」シリーズの15周年を記念して作られた作品です。

PS3のマシンスペックを活かした作りに
過去にも何度かHD機で「テイルズオブ」シリーズの新作は発売になりましたが、
いずれもPS2に毛が生えた程度のグラフィックで
HD機のマシンスペックをあまり活かした作りではありませんでした。
その点本作はキャラクターの等身が上がったり、
カメラの回転ができるようになったり、
移動中に仲間の会話がきけるようになるなど
PS3のマシンスペックを活かした作りになっていましたね。
海外産タイトルと比較したらまだまだですが、
ずっと進化が止まっていた点を変えて来たのでこの努力は評価したいです。

より臨場感のある作りに
・カメラが主人公の近くによってTPSに近い視点になった。
・街では環境音が聞こえるようになった。
・戦闘中や移動中に仲間の会話がきけるようになった。
・ツタを登ったり、狭い穴を通れるようになった。
・足音がしっかり聞こえるようになった(←個人的に凄く嬉しい!)。
PS3のマシンスペックを活かした作りになって一番恩恵を感じられたのはこの部分。
単にグラフィックが綺麗になっただけではなく、
上記の変更点によってより臨場感を感じられる作りになったと思います。
まあ、イベントシーンで仲間キャラが沢山出て来た後
移動シーンに戻ると主人公一人しか表示されなくなるなど、
臨場感の面ではまだまだ改善の余地はあるんですけどね。

相変わらず爽快な戦闘
「テイルズオブ」シリーズと言えば爽快な戦闘と仰る方も多い事でしょう。
今作もシリーズ作品の中で一番面白い!と言えるほどではありませんが、
簡単操作で様々な技が繰り出せてちょっとごちゃごちゃしているけど面白いです。
新システムとして2人のキャラクターを同時に操作しながら戦う
「リンクモード」があったり、AC(アサルトカウンタ)とTP(テクニカルポイント)を
消費しながら戦うなどの変更点はありますが、
基本的には過去作と変わらない感覚でプレイ出来ました。

アニメのクオリティが大幅にアップ!
今回からアニメシーンを「ufotable」が担当する事になったためか、
クオリティが大幅にアップしてOVAや劇場版に匹敵するほどの
クオリティになったと思います。特にゲーム中盤で流れる
ラ・シュガル軍とア・ジュール軍の戦争を描いたアニメシーンは
何万もの兵を描いていて力の入れ具合が凄かった・・・。

地味にハマる素材集め
フィールドの各地にはお店のレベルアップに必要な素材が隠されています。
素材はそこら中に散らばっていて、ダンジョンだけではなく街の壁にあったりも。
この素材を適当に拾って集め、お店をレベルアップしていくのが
個人的には地味にハマりました。レベル上げと併用してやると楽しい!

アタッチメントが登場
サブイベントをクリアした時やアイフリードの宝を入手した時などには
各キャラクターに取り付けられるアタッチメントが貰えたりします。
ふと眉毛、ウサミミなど、大抵はネタ系ですが、
アタッチメントがあるおかげでサブ要素を攻略する意欲が出てきた気がする。

快適なインターフェース
・ロード時間がほとんど無い。
・ある程度ゲームを進めると各エリアへワープができる
(ストーリーの進行上、たまにできない時もアリ)。
・キャラクターの移動速度が早く快適。
・戦闘にかかる時間が平均1分。
・マップが細かく表示されるので迷わない。
長時間遊ぶ事になるRPGでは快適性はとっても重要!
そういう意味で本作のインターフェースはとても素晴らしく、
長い事やっていても苦痛に感じることはありませんでした。
それどころかテンポが良いのでついついやり続けてしまう。
レベル上げと素材集めが楽しく感じるのは、テンポの良さが大きいと思います。

ストーリーが説明不足&専門用語が多い
ゲームプレイの大半を占めるイベントシーンは説明不足の点が多く、
おまけに専門用語が多いので途中から訳が分からなくなりました。
2人の主人公がいるので両方やっていましたが、
どうも主人公を2人にした事によって片方だけやると
消化不良の点が出て来る作りになっているみたい。
専門用語の数が多いのも困った。終盤からは専門用語が
多過ぎて日本語で喋っているのかも疑問に感じるくらいでしたもん。
正直、某大作RPGを笑えないくらいの酷さ。
感情移入できるキャラクターも少なく、あれだけイベントシーンが
長いくせにストーリーはあまり楽しいとは感じませんでした。

マップの作りが手抜き
本作のマップは「タウン」「ダンジョン」「フィールド」の3つに分かれていますが、
どれも手抜きの点があってちょっと納得出来ませんでした。
各マップについて不満点を書いて行きます。
タウン
⇒シリーズではお馴染みの街。「~エクシリア」では
スケールが大きくなっているのは良いのですが、
ほとんどの街にある「海亭」エリアがコピー&ペーストで作っているのかと
疑うくらいソックリなので、手抜きに感じてしまいました。
ダンジョン
⇒TPSに近い視点になったため臨場感は増しましたが、
過去作のように謎解き要素が少ないため
どのダンジョンも敵を避ければアッサリとボス戦まで辿り着けます。
もう少し頭の体操ができる作りにしてほしかった。
フィールド
⇒どこも平らな広場に木や岩を置いて天候を変えただけの作りで、
変わり映えがしませんでした。大量の宝箱や探索ポイント、探索袋の
おかげで歩いていて単調には感じませんでしたが、もうひと工夫ほしかった。

もう少し街に個性を
今作のお店は素材やお金で成長させていくシステムを採用しているため、
どの街に行ってもお店の品ぞろえが変わらなくなってしまいました。
そのため各街の個性が薄れてしまった気がします。
「闘技場」以外にもミニゲーム的なものをプレイできる
施設が各地にあったら良かったんですけどね・・・。

「リリアルオーブ」の必然性をあまり感じられない
今作から「リリアルオーブ」という物が加わって
各キャラクターの能力値をある程度自分でコントロールできるようになりました。
そのため自由度が上がったのは確かですが、仕様上
そこまで極端な割り振りはできないし、本作の戦闘自体が割と
大雑把にできるためあまり必然性を感じられませんでした。
もう少し基本的な難易度が高かったら変わっていたかも。

ゲームとして薄味
見ているだけのイベントシーンがめちゃくちゃ多く、
ダンジョンの仕掛けが少なくレベルがすぐに上がる。
おまけにやりこみ要素が過去作と比べて少なめ。
本作はそういうゲームなので、ゲーム面では淡白に感じました。
キャラクタープレイングゲームとは言え、過去作はもうちょっと
ゲーム的にも濃かったのでなんとかならなかったのか?と思いました。
こういったら失礼かもしれませんが、戦闘付きのノベルゲームと
割り切ってやらないと物足りなさを感じてしまいます。
敵シンボルに積極的に当たって何回も戦闘をやっていた人は
また別の感想を持つかもしれませんが、前出の通りレベルがすぐに上がる
本作では弱い敵と何度も戦う必然性を感じません。
マップが手抜きなのも、遊び要素が従来の作品よりも減ったのも、
基本部分のクオリティが上がっているのである程度は許せます。
ただ、あれだけストーリーに比重を置いた作りでありながら
ストーリーがそれほど面白くないのは何とかしてほしかった。
ストーリー重視にするならここはしっかりしてください。
戦闘がそれなりに面白くて、テンポも良いのに勿体ない。
ストーリーを重視するならもっと面白いシナリオを!
こんな人には特におススメ。
・専門用語が多いストーリーが好きな人。
・女性キャラが多いRPGをやりたい人。
・素材集め好き。
こんな人にはおススメできない。
・専門用語が多いストーリーが嫌いな人。
・1周クリアで満足してしまう人。
・ゲーム性重視の人。
テイルズ オブ エクシリア/お気に入り度【60/100%】
プレイした時間・・・約35時間
※何か分からないゲーム用語を見かけたらこちら をご覧ください。
やはりゲームにはこだわりを持ってる人なんかには少し残念な所があった本作ですが、ムービー好きなRPGファンには、まぁまぁ良作だったんではないでしょうか。
自分は難しい謎解きなどは苦手なのである程度の一本道なRPGはありだと思うのですが、流石に専門用語連発だけは厳しいなぁってのがありましたね。
今作からテイルズシリーズを始めてもすんなり世界に入り込めるような誰にでもわかるような言葉で表現してくれてたら良かったですよね^^
でも最近のRPGの中では面白かったとおもいます。
なんだかコメントが自分の感想みたいになってしまってスミマセンでした^^;