先日PSストアにて配信されたPS3向けダウンロード専用ソフト「風ノ旅ビト」。
PS3「Flowery ( フラワリー )」を開発したthatgamecompany(ザットゲームカンパニー)が手掛けた作品で、どんなゲームなのか良く分からないまま1,200円で購入しちゃいました。本記事では本作のレビューをしたいと思います。
ジャンル的には3Dアクションアドベンチャー
このゲームをジャンルで表すと、3Dアクションアドベンチャーになると思います(さすがにここは購入前から知っていました)。
操作は左スティックでキャラクターを360度移動。○ボタンで光の放出。光を帯びた状態の時に×ボタンを押すとジャンプすることも出来ます。キャラクターの挙動はふんわりした感じ。
芸術的な映像
テクスチャーが非常にシンプルなので停止画だとグラフィックはあまり派手さを感じませんが、実際に動かしてみるとリアルなグラフィックでは感じられなかった温かさがありました。
特に凄いと思ったのが、砂漠の「砂」。あのPS3「アンチャーテッド 砂漠に眠るアトランティス」のように1粒1粒描かれているかのようなサラサラ感が伝わって来ました。
背景の作り込みも凄いですね。ゲームを進めていくと砂漠・海底・雪山・空と背景がコロコロ変わっていき、様々な景色を楽しむことができるんですが、どのフィールドもスケールが大きく、まるで旅行を楽しんでいるかのようだった。
個人的に印象的だったのが、夕日によって照らされた砂漠の砂。あれは海と見間違うほど輝いていて、今でも目に焼き付いているほど印象に残りました。
感動的なBGM
背景も凄いけど、効果的に流れる壮大で感動的なBGMも凄い。
特に終盤の方は思わず「おおお~!」と心の中で感じてしまうほどグッとくるようなBGMが流れて、中には感動のあまり涙を流してしまう人もいるんじゃないかと思うほど。
ここまでの感想を読めば分かるように、いわゆる「雰囲気ゲー」が好きな人は、ほぼ確実に気に入る作品だと思います。
ゲームとしては・・・
肝心のゲーム面についてなんですが、個人的には非常に薄く感じました。
3Dアクションアドベンチャーなのでジャンプアクションや探索を要求される事はあるのですが、挙動がフワフワしているためジャンプアクションにテクニックは要求されないし、探索も数少ないオブジェに光を放つだけでシンプル。
巨大な敵に見つからないよう隠れながら進むエリアや吹雪に飛ばされないよう壁を利用して吹雪が止んだ時に進むエリアをプレイしている時は多少「ゲームをやっている感」を味わえたんですが、基本的には淡々と歩き、特定のオブジェに光を放出するだけ。
戦闘なんて無いし、ゲームオーバーの概念もありません。なので、3Dアクションゲームとしては凄く薄味に感じました。
また、ストーリーは非常に抽象的で、操作ができないムービーシーンこそほぼないものの、文字や音声で語られる事は無く、プレイヤー自らが「今、何が起きているか」を解釈しなくてはなりません。
オンライン要素も存在
ネットワークに繋いでいると、ランダムに選ばれたプレイヤーと共にステージをプレイする事になります。パートナーとは直接コミュニケーションができないため、最初は全く気付かず、NPCかと思ってしまったw
パートナーとは最後まで協力して進みましたが、時には支え合って進む事になって、その辺は良いなと思いました。
ただ、こっちが仕掛けを探している時にパートナーが見つけてしまい、苦労せず進む事が出来たので、1周目はオフラインでやれば良かったなという気も。
凄い作品だと思う
最後にまとめると、この作品は凄い作品だと思う。
これだけゲームがあり触れている中、あれだけ印象的な映像を見せられ、さらにその世界を実際に歩くことができる訳ですからね。
ゲームってキャラクターを操作してその世界に介入できる事もウリの一つだと思うので、この作品はゲームとして出す必然性は十分にあると思うし、実際、ゲームでしか味わえない感動があると思いました。
ただ、残念なことに、僕はこの作品を”楽しい”とは思えなかった。
確かに雰囲気は良いと思うんだけど、アクションゲームにあって当たり前なテクニックや戦略という要素がほとんど無くって、個人的に重視している「ゲームを遊んでいる感」をほとんど味わえませんでしたからね。
同じく雰囲気を重視していたPS2「ICO」の場合は多少薄味な部分は感じられたものの、まだゲーム的な探索・謎解き要素が強くて、それなりに楽しめた。
だけど、このゲームの場合はさらに雰囲気を突き詰めていて、ゲームらしい要素が少ないため、僕には合わなかった。
2時間弱でクリアできるため、初めてエンディングを観た時は感動というか「え?もう終わり!?」と思ってしまいました。
だからもう1周して、雰囲気を少しでも味わおうと大音量で2周目をプレイしてトロフィーも多少は意識したけど、感想は変わらなかった。
これだけプレイしても楽しいと思わないって事は、これはもう、価値観の問題なんだなと思ってしまった。
僕の感想はこんな感じですが、客観的に見ると雰囲気ゲー好きが多い日本人のツボを抑えたような作りで、「ICO」の雰囲気が好きな人はほぼ確実にハマると思う。
PS3持ちで雰囲気ゲーが大好物な方は、ぜひ購入を検討してみてはいかがでしょうか?
価値観の問題で僕は高く評価出来ませんが、ツボにハマる人は星を5つくらいプラスできそうです。
こんな人には特におススメ。
・雰囲気ゲー好き。
こんな人にはおススメできない。
・ゲーム的な要素を求める人。
風ノ旅ビト/お気に入り度【40/100%】
プレイした時間・・・約4時間
記事を読んだ限りだと、PS3に最初から無料で入ってて「PS3ではこんな体験が出来ます!」的な扱いったら有りだろうけど、そのレベルのものでしか無い様な感じ何でしょうね。
1200円···払えませんねw