【レビュー】THE SWAPPER(ザ・スワッパー) [評価・感想] アナログ性の高さがややこしさを強めてしまった斬新な高難易度アクションパズルゲーム

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THE SWAPPER(ザ・スワッパー)

2015年4月に発売されたWii Uダウンロードタイトルです。
ジャンルは2Dパズルアクションで、舞台となっているのは無人の宇宙ステーション。
本記事では本作のレビューをしていきます。

▼メトロイドライクなゲームかと思いきや…

WiiU_screenshot_TV_018C7

まずはこちらのスクリーンショットをご覧ください。
入り組んだフィールドマップが映し出されていますよね。
個人的にこういった入り組んだマップを探索していくゲームは「メトロイド」のフォロワーという認識で、
本作もフィールドマップを探索してアイテムを集めていくのが本質だと思っていました。
しかし、実際にプレイしてみたところ、
「メトロイド」とは似て非なるゲーム性を持った作品に感じられました。

▼「クローン」と「スワップ」を使ったパズルが本質!

WiiU_screenshot_TV_018C7

本作の主人公は2つの特殊能力を持っています。
自分の分身を最大4体まで作り出す「クローン」と、
作り出したクローンに操作を切り替える「スワップ」です。
これら2つの特殊能力を使ってアイテムを入手していくのがこのゲームの本質で、
探索アクションというよりもパズルアクションという印象でした。

「メトロイド」シリーズはアイテムを見つけることすら難しく、
それを探すのがメインとなっていますが、
このゲームの場合収集アイテムはマップに表示されているので発見すること自体は簡単なんですよ。
でも、そのアイテムをどうやって入手するのかを考えるのが難しい。
それもそのハズ、アイテムを入手するには独自のルールを理解しなければならないからです。

・赤いライトで照らされた場所は作り出したクローンに操作を切り替える「スワップ」が使えない。
・青いライトが照らされた場所は自分の分身を最大4体まで作り出す「クローン」が使えない。
・「クローン」は操作キャラと全く同じ動きをする。

・アイテムを入手できるのは自分で操作しているキャラクターのみ。
・高いところから落ちると死亡してしまう。
・「スワップ」使用時は時の流れを遅くすることができる。

↑本作のルールをザッと挙げてみました。序盤は高いところに「クローン」を作り出し、
操作キャラをそちらに切り替える「スワップ」を使うだけでアイテムは入手出来ますが、
ある程度ゲームを進めていくと制約が出来てしまう赤いライトや青いライトが設置され、
同時に4体のクローンを作り出して計画的にスイッチを押していくなど、
本作のルールを応用した高度なパズルアクションが要求されます。

あまりにも応用が高度過ぎてパズルが解けた時は自分だけではなく、
「開発者天才!」と言いたくなるほどでしたよ。
僕はこう感じるパズルゲームはノーベル賞をあげたくなるほど画期的な作品ではあるんですが、
中には一周して「こんなの分かる訳ないやん!」と言いたくなる問題もありました(笑)

▼スワップのスローモーションによってややこしいパズルに

WiiU_screenshot_TV_018C7

「こんなの分かる訳ないやん!」と言いたくなってしまう大きな要因が、
「スワップ」使用時に発動するスローモーション操作が必要な問題の存在でした。
Wii Uゲームパッドの場合、ZLボタンを長押ししているとその間スローモーションがかかり、
キャラクターの移動はもちろん、仕掛けの切り替わりも遅くなるんですが、
扉が閉まる寸前やライトの明かりが灯る寸前に「スワップ」して
操作キャラを切り替えるアクションを取らなければならないことが度々あり、
アクションゲーム色やリアルタイム性が強まり過ぎてしまって、ますます複雑なパズルになっています。

WiiU_screenshot_TV_018C7

また、パズルゲームとしてみたらキャラクターの移動がアナログなのもややこしくしていますね。
1マス単位のデジタル移動をできるようにしたら「2マス先にクローンを配置して~」とかやりやすいのに
非常に細かくキャラクターを移動させられ、クローンも操作キャラから出てくる
光さえ届けば設置位置を細かく決められるので、それぞれが半歩ズレてしまったためにパズルが解けなかったりして、
正解まであともう一歩だったのに考え直す羽目になったりもしました。
パズルゲームにアナログ性は相性が悪いと思います。

▼ストーリーは考えさせる内容。グラフィックは粘土調だが。

WiiU_screenshot_TV_018C7

ストーリー性は意外と高く、フィールドの至る所にログが配置されています。
また、石碑のようなものもあり、抽象的なテキストが表示されました。
この辺りはローカライズの恩恵を受けていますね。

でも、このゲームは結構奇妙ですよ。
クローンを作ってはそちらに操作を切り替え、前のキャラクターは使い捨てにしたりしますから。
ゲームをクリアするまでに何十、何百体ものクローンを作り出し、
次から次へと使い捨てていくのでやっていて少し怖くなってきました。
最後の展開も「これで良いのか?」と言えるものでしたし。
ホラー的な要素はありませんが、全体的に妙な不気味さが漂っています

グラフィックは粘土調となっていますが、全体的に世界観が暗く、
「なんとなく温かみがあるな」といった程度でここはさほど恩恵を味わえませんでした。
確かにドット絵にはない独特な魅力を感じられますが、ウリとしては弱いかな。


WiiU_screenshot_TV_018C7

「クローン」と「スワップ」を使ったパズルは斬新で面白いんですが、
アナログ性が強いせいで非常にややこしいパズルとなっており、
なかなか謎が解けなくてイライラしてしまいました。

酷い時には1時間くらい解けない事もあって、寝落ちしてしまいましたからw
ヒント機能やパズルのリセット機能も皆無で痒いところに手が届いておらず、
もう少しなんとかならなかったのかと思う部分がありました。

これからプレイされる方は、非常に歯ごたえのある
パズルアクションという事を念頭に置いた方が良いです。
自由度に関してはある程度あって、どうしてもアイテムが入手できないパズル部屋があっても
後回しにして別のパズル部屋に行って謎を解いてアイテムを回収する事は出来ますが、
最終的にはすべてのパズル部屋の謎を解かなければならず、クリアはかなり難しいです。

どうしても解けない場合、時間を置いてからプレイすると案外簡単に解けたりします。
実際、それで苦戦していたのにアッサリと解けた問題もありましたので。
アナログ性の高さがややこしさを強めてしまった斬新な高難易度アクションパズルゲーム。

こんな人には特におススメ。
・パズルゲーム好き。

こんな人にはおススメできない。
・パズルゲームが苦手な人。
・すぐに投げ出してしまう人。

THE SWAPPER/ザ・スワッパー/お気に入り度【60/100%】
プレイした時間・・・約7時間
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2件のコメント

 WiiUで出た時に気になっていましたが、同発のLittle Infernoの方に魅かれたのでこちらはXboxOneで遊びました。なのでログも英語の為、ある程度進んだら実況プレイを見てストーリーを補足していました。
 ちなみにこのゲームの実績は凄く割り切っていて、隠しログI~Xの発見が実績なんですが1つ100の計1000で、その実績名&説明文がIはI、IIはIIとしか書いてないんですよねw

 ゲーム内容は確かにパズルアクションにしては操作が煩雑な部分がありますね。日本語の説明がないのでクローン装置使用中はスローモーションになるのが最初は仕様なのかよくわからなかったりしてw パズル部分は中々の歯ごたえでしたね。ただアクションとして難しかったのは序盤の岩が開ききるまでクローンを乗り捨てつつ滞空していなければいけないシーン(このゲームをやっていないと分からない表現)くらいで、慣れてくるとクローン→スワップでシュパッと移動するのが気持ちよくなってきますね。
 まぁ次々廃棄される”一瞬でも自分だった物”や自体の呑み込めない状況、BGM、SEと合わせて常に不安感の中でプレイすることにはなるのですが… ちなみに自分はラストで残りました。

このゲーム、日本ではWii U版が最も早く発売されましたもんね。僕はそのタイミングでプレイしました。

実績ではないですが、トロフィーの項目もそんな感じでしたね。謎めいていてユニークだと思います。

パズルの発想はユニークでしたが、もうちょっとスマートにまとまっていたら良かったなぁと思いました。

ラストは分岐していましたね。

実績が魅力的なので、XboxOne版も忘れた頃にプレイしたいです♪