【レビュー】エスカ&ロジーのアトリエ(エスロジ) [評価・感想] 地味ながらも丁寧に作られたのんびり屋向けのキャラクターRPG


エスカ&ロジーのアトリエ~黄昏の空の錬金術士~/PS3 / PSVITA / PS4 / Switch

どうも!KENT(@kentworld2 )です!

今回は2013年6月に発売されたPS3「エスカ&ロジーのアトリエ~黄昏の空の錬金術士~」のレビューをしていきます。

本作は人気錬金術RPG「アトリエ」シリーズのPS3向け5作目になりますが、地味ながらも丁寧に作られたのんびり屋向けのキャラクターRPGでした!

過去作で粗かったモデリングはさらに改善され、イベントシーンは躍動感が高まり・・・。

難易度も「トトリ」や「メルル」と比べて優しくなり、よりキャラゲー好きのニーズに合わせてきている印象です。

ただ、後半はやや中だるみしてしまいました。

というのも今作は「トトリ」や「メルル」と比べて制限時間が緩くなっているからです。

ぼくは「アトリエ」シリーズでは制限時間の中で如何に効率よくタスクをこなすかの駆け引きが好きなので、個人的な趣向からはやや逸れてしまったように感じました。

ここからはそんなPS3「エスカ&ロジーのアトリエ~黄昏の空の錬金術士~」の良いと思った点からまずは書いていきます。

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このゲームを3行で説明すると?
  • ストーリーに沿って課題をこなしていくRPG。
  • 戦闘はターン制のコマンドバトル。
  • 主人公は少女のエスカと青年のロジー。
初リリース日 2013年6月27日
対応ハード PS3/PSVITA/PS4/Switch
ジャンル RPG
売上 初週5.4万本(PS3)
推定クリア時間 25~35時間
発売元 ガスト

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良いところ

さらにパワーアップしたグラフィック

「アトリエ」シリーズのグラフィックは決して最先端ではありません。

PS3向け1作目だった「ロロナのアトリエ」のモデリングはイラストを再現出来ていませんでしたし、それ以降の作品も改善されたもののどこか物足りなく感じました。

一方、PS3向け5作目となる「エスカ&ロジー」は「無双」シリーズのエンジンを使用することで大幅に改善されています。

モデリングがさらに改善されたのは言わずもがな。

立ち絵中心だったイベントシーンが3Dモデルを使用した寸劇中心となり、少なくともPS2時代の大作RPGに相当するクオリティには達しています。

2011年12月。本シリーズを手掛けているガストはコーエーテクモの子会社となり、同社から技術提供を受けるようになります。

本作の進化ぶりを見ているとユーザー側も恩恵を感じられるのではないでしょうか?

快適性の高さ

アトリエシリーズは作業感の強いゲームです。

アイテムを収集し、モンスターを倒し、調合する。

基本的にはこれを繰り返すことになるので、各地を行ったり来たりする必要があります。

それだけに繰り返しプレイが億劫にならないような気配りが求められるんですが、その点は今作もしっかりしていました!

具体的に挙げさせていただくと・・・

  • 街では瞬時に各施設へワープできる。
  • フィールド探索時はいつでもワールドマップへワープできる。
  • 2周目以降はイベントシーンをスキップできる。
  • ロード時間が早い。
  • どのエリアでイベントが発生するのかメニューから確認できる。

こんな感じになります。

今作から追加された便利機能で有難いのが、どのエリアでイベントが発生するのか分かるようになったこと。

おかげでイベントシーンを見るために街を歩き回る手間が省けましたし、何より自分の好きなタイミングで見られるようになったのが嬉しい!

「アトリエ」シリーズはキャラクターの掛け合いも重視されたゲームなので、イベントシーンは非常に多く用意されています。

そのため連続でイベントシーンが発生することも珍しくないんですが、ゲーム攻略を重視していると邪魔に感じることがあるんですよ。

例えば「これから色々調合して強い敵と戦うんだ!」なんて時に連続でイベントが発生したらどうでしょう?

ブツ切り感が半端なく、困ってしまわないでしょうか?

そういう意味で今作のお知らせ機能には助けられました。

やはり、「シミュレーションやRPGの要素を楽しみたい!」と思う時もあれば「世界観やストーリーを楽しみたい!」と思う時があると思うんですよ。

今作はその辺りのワガママに答えてくれたので有難く感じます。

(イベント発生マークが付いていないエリアに行ってもたまにイベントが発生することもありましたが)

戦闘が面白い!

戦闘システムはよくあるターン制のコマンドバトルになりますが、さらに面白くなっていました!

今作で特徴的なのが、前衛と後衛。合わせて6人のキャラクターが戦闘に参加できること。

しかもゲージを溜めたら6人によるアシストアタックが出来たり、後衛のキャラが前衛のキャラを守ったりするんですよ。

おかげで戦略性が高まったので戦闘がさらに楽しく感じました!

特に終盤のバトルは演出が派手になっていくのでテンション上がります!

戦闘アイテムのチャージが有難い!

「レアなアイテムは勿体なくて使えない!」

そんな人も多いのではないでしょうか?

かくいうぼくもレアなアイテムは温存して結局使わないことがあります。

そんなユーザーに向けて今作は戦闘アイテムがチャージ式になりました!

なんと、拠点へ戻ると消費したアイテムがチャージされるようになったんです!

おかげで強くてレアなアイテムも惜しみなく使えるようになりました。

スロット制を採用した関係上、持っていける数に制限が生まれていますが、このシステムは気に入っています。

雰囲気が出ているボーカル付きBGM

「アトリエ」シリーズは世界観の作り込みも秀逸ですが、今作はボーカル付きのBGMが印象に残りました!

個人的に好きなのが、チリヌルヲワカさんの「ミルク色の峠」。

スローテンポなロックナンバーになりますが、昔の椎名林檎さんみたいな雰囲気で、本当に本人が歌っているのかと思ってしまうほどw

もう1つはいとうかなこさんの「Sky of Twilight」。

全体的に神秘的な雰囲気が漂う曲ですが、サビに入ると一気にスピード感が増すので、そのギャップがお気に入り。

いとうかなこさんと言えば「シュタインズ・ゲート」のイメージが僕の中では強いんですが、今作で塗り替えられましたw

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惜しいところ

淡々とした展開でだらけがち

全体的に緊張感が薄く、淡々としているのでダラケてしまいました。

ゲームの流れを大まかに説明すると、4ヶ月以内に与えられた大きな課題と小さな課題をこなすことになります。

最優先でこなす必要があるのは大きな課題で、小さな課題は無理してやる必要はありません。

なので大きな課題を優先して行うことになるんですが、大抵は1~2ヶ月で終わってしまうんですよ。

そのため小さな課題をこなさない限りは時間が有り余ってしまいます。

問題なのが、4ヶ月経過しない限りは次の大きな課題を与えられず、渋々と小さな課題をこなす展開になりがちなこと。

でも、小さな課題はこなすと良いことがあるもののこなさなくてもゲームをクリアすることはできるんですよ。

ぼくにとってはそれが緩く感じてしまい、だらだらと続けてしまいました。

こんな展開が10回も繰り返されるので、中盤以降はキツかったw

大きな課題をクリアする毎に次のステップへ行けたら時短プレイが捗って面白くなったと思うのですが・・・。

明確な目的が分かりにくい

ゲームクリアの鍵を握る明確な目的はかなり先まで進まないと明らかになりません。

これまでの作品では序盤から明確な目的があったんですが、今作では終盤まで与えられた課題を淡々とこなして行くだけ。

それもあってプレイ意欲がなかなか上がりませんでした。

ダブル主人公にあまり意味を感じない

本作の主人公は少女のエスカと青年のロジー。

ゲーム開始時にどちらをプレイヤーキャラにするのか選択することになるんですが、2人は同行していることが多いのでどちらを選んでも大差はありません。

発売前の広告では

  • エスカ編「ゆるふわ系イベントが多め」
  • ロジー編「シリアスなイベントが多め」

みたいなアピールをしていましたが、そこまでテイストの違いを感じられず、2人の主人公にした意味はあまり感じませんでした。

一応、専用のイベントがあったり、共通イベントでも心の声が聞こえたりと変化を持たせているところはありますが・・・。

ダブル主人公制はあくまで2周目の気分転換みたいな位置付けに感じます。

戦闘が長引きがち

戦闘は確かに面白くなっていますが、その分だけ長引きやすくなっています。

最大の要因は、6人パーティになった代わりに敵の体力が上昇していること。

中盤以降は強力なボスが増えて行きますが、1つ1つの戦闘に多くのパワーが必要になったのでその度に沢山の気力を使います。

アシストアタックのアニメーションを短縮出来たらもう少しテンポが良くなった気がするのですが・・・。

戦闘で敵を倒した時の効果音が弱い!

これ、何気に重要なことだと思うんですが、戦闘で敵を倒した時の効果音が弱く感じます。

倒したのか倒していないのか分かりにくいので、イマイチ爽快感がありません。

過去作ではもう少し効果音が大きかった気がするのですが・・・(武器の大きな効果音によってかき消されているのかも)。

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エスカ&ロジーのアトリエのレビューまとめ

丁寧に作られたキャラクター重視のRPG。

グラフィックのクオリティはさらに上昇し、快適にプレイするための気配りも行き届いています。

しかし、「アーランド」シリーズと比べて制限時間が緩くなっているので、せかせかプレイしたいぼくの趣向からはやや逸れた作品に感じました。

プレイの意欲を高める要素もやや弱く、「トトリ」や「メルル」ほどハマった記憶はありません。

世界観は地味ながらも味わい深いとは思いましたが、個人的にはアーランドシリーズの方が好み。

逆に言えば「アーランド」シリーズのメルヘン過ぎる世界観が苦手だったり制限時間の厳しさが苦手だった人は今作の方が合うかもしれません。

地味ながらも丁寧に作られたのんびり屋向けのキャラクターRPG!

こんな人には特におススメ。
・シリーズファン。
・女性キャラが多くてアトリエシリーズになかなか手を出せなかった人。

こんな人にはおススメできない。
・中毒性を求める人。
・作業ゲーが苦手な人。

エスカ&ロジーのアトリエ~黄昏の空の錬金術士~/お気に入り度【70/100%】
プレイした時間・・・約27時間

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2件のコメント

黄昏3部作も抜かりなくやっていたんですね〜。

アーランド3部作と比べるとよりPS3のゲームっぽくなってきましたね!
前3部作は下手したら、PS2でも移植できそうですからね。

ケントさんはアトリエシリーズに関してだと初代ピクミンのようなゲーム性を求めますよね。
今のライザだと期限の概念がないので、ケントさん的には琴線に触れなさそう…。

エスカとロジーのW主人公性は申し訳程度のシナリオ違いなんですねwww

はい!黄昏シリーズはエスカ&ロジーだけはプレイしました!

ただ、本作以降は制限時間が緩くなってしまい、ぼくの金銭には触れなくなってきたんですよねぇ・・・

あくまでもPS3版の話でPlus版は分かりませんが、W主人公制は意味を感じませんでした。