絶対絶望少女 ダンガンロンパ Another Episode/PSV / PS4
人気アドベンチャーゲーム「ダンガンロンパ」シリーズの1作目と2作目の間を描いたスピンオフ作品、PS4/PSV「絶対絶望少女 ダンガンロンパ Another Episode」。
果たして本編並みの衝撃を味わえる作品になっているのか、本記事でレビューしたいと思います。
目次
苗木くんの妹と腐川さんが主人公!
「逆転裁判」シリーズのようなアドベンチャーゲームとして知られている「ダンガンロンパ」シリーズ。
本編では男子高校生が主人公だった一方、スピンオフである本作の主人公は女子高生になります。
それも1作目の主人公だった苗木誠(なえぎまこと)君の妹である苗木こまるちゃんと、同じく1作目で活躍した腐川冬子 (ふかわとうこ)さんという凄いコンビ。
苗木こまるちゃんは兄と同じく平凡キャラという設定で、ゲーム中は度々その平凡っぷりをからかわれます(と言いつつもスタイルが良かったり、少し天然さんだったりして、十分に個性的なんですが)。
腐川さんは相変わらずの捻くれキャラ。とにかくネガティブな性格で、見た目もメガネの地味な女の子。しかし、くしゃみをすると豹変して殺人鬼になりますw
このキャラクター、1作目ではあまり好きじゃなかったんですが、最後までプレイして株が急上昇しました。まさかこんな地味なキャラクターに好感を持つとはね。真の主役は、腐川冬子さんだと思います。
よりゲームっぽいストーリーに
本作の主な目的は、苗木こまるちゃんと腐川冬子さんの2人が力を合わせて絶望に支配された街、塔和シティーから脱出を図る事です。
支配された街から脱出するのが主な目的という事で、ゲームであるからには当然それを邪魔しようとするキャラクターが続出します。
中には冒険の手助けをしてくれるキャラクターも登場しますが、基本的には敵だらけ。
各チャプターの最後にはボスキャラクターも登場しますので、ストーリーは本編以上にゲームっぽくなっていると思いました。
こうして聞くと「ダンガンロンパ」シリーズにしては面白みに欠けるストーリーになっていそうですが、そんな事はありません!
しっかりと本編のノリを引き継いでおり、味方だと思ったキャラクターが実は敵だったり、その逆のパターンもあったり、目的が逆になったりと、常にプレイヤーの期待を裏切ってくれます。
あいつは味方なのか?敵なのか?この先に訪れたらどうなるのか?奴らの目的は一体何なのか?事件の黒幕は誰なのか?
こんな感じで先の展開を予測する楽しさが今回もあるので、ついついプレイし続けてしまいます。
今回はアクションシューティング!
本編ではコロシアイ生活をして殺人事件の証拠探しや犯人探しをしていくアドベンチャーゲームでしたが、本作は一転して敵に弾を当てていく3人称視点のアクションシューティングになっています。
ゲームジャンルが思考型から行動型に180度変化してしまったためアクションゲームが苦手な方は不安に感じそうですが、一般的なアクションシューティングよりも救済措置が多いので、初心者でも比較的楽しめるようになっていました。
・自動で敵をロックオンしてくれるスキルが用意されている。
・リロード操作をする必要は無し。
・体力がゼロになってもクイックタイムイベントが成功したら復活できる。
・例え失敗してゲームオーバーになってもシーンにあったヒントが聞ける。
・難易度の変更がゲームの途中でも可能。
・腐川さんにチェンジして無双ばりに敵を滅多切りにすることができる(ただし制限あり)。
↑本作の救済措置を箇条書きでまとめてみました。
このように一般的なアクションシューティングよりも救済措置が多いうえ、敵キャラクターの動きがゆっくりなので、個人的にはノーマルでも難易度が低く感じます。
ゲームシステムに関しては、様々な効果の武器を使って戦えるのが面白いですね。
単にダメージを与えるだけではなく、吹き飛ばす事が出来たり、乗り移る事が出来たり、ダンスをさせて動きを止めたり、オブジェとなっている機械を作動させるなど、海外の真面目なフォトリアル系アクションシューティングには無かった発想の武器が満載です!
ゲームを進めるとこれらの武器を使って敵を固め、一発で全員を倒せるかというパズル的な要素が強いミニゲームを何度かプレイする事になります。
もちろん頭を使うのが苦手な人のために一発で倒せなくても先に進めるようにはなっていますが、チャプタークリア後の評価を上げるためについ一発で倒せる方法を模索してしまうんだよなぁ。
最近のゲームで流行りの成長要素は今作にも存在します。
スキルを付けて追加能力を使えるようにするだけではなく、レベルも存在しますが、普通に戦っているだけでどんどん上がっていくので、こちらは必要ない気がしました。なんで最近のゲームはこうもレベル要素を入れたがるのかなぁ。
アクションシューティングとしての出来は、海外産と比較したら当然劣ります。
操作性は良いとは言えませんし、細かいところに融通が効きませんからね。ユーモア要素は満載なので、そこでカバーしている印象です。
飽きさせない仕掛けが満載!
本作のゲームパートは、一本道のフィールドをどんどん進んで敵を倒して行く構成になっています。
この手のゲームで懸念させるのがワンパターンな仕掛けによる単調さですが、本作の場合そういった印象はほとんどありませんでした。
少々パズル的な要素が強いミニゲームをプレイする機会が多過ぎる気もしますが、適度に新しいタイプの敵が出現したり、ちょっとした謎解き要素があったり、ボス戦が用意されていたり、背景がコロコロ変わったりして、まるでアトラクションを楽しんでいるかのようです。
これに予測できないストーリーが加わるので、1周クリアまでにとてつもない充実感を味わえる事でしょう。
ゲームプレイの大半はイベントシーン
「ダンガンロンパ」シリーズと言えば、ストーリー重視のアドベンチャーゲームです。本作はそのスピンオフ作品とは言え、アクションシューティングとしてはイベントシーンはかなり多かった。
イベントシーンはアニメ、CG、立ち絵とバリエーションこそ多彩なものの、それらすべてを含めたら全体の半分はあるといっても過言ではないほどの大ボリュームです。
この点は賛否が分かれそうですが、本編のゲームジャンルを考えたら妥当でしょうね。
普段はこの手のイベントシーンが多い作品は苦手なんですが、「ダンガンロンパ」シリーズに関しては元々ストーリー重視なので良いかなと思いました。
アクションシューティングパートでもリアルタイムでストーリーに沿った音声会話が発生する事からゲーム性とストーリー性の融合もきちんとされており、常にゲームのストーリーを念頭に置きながらプレイすることができますしね。
ただ、小刻みにイベントシーンが挿入されるのは良いとして、その度に短い読み込み時間が入るのはテンポを悪くしているように感じます。
このテンポの悪さによって、ストーリーよりもスコアを重視する2周目のやる気がそがれますから。
狂気じみた表現・演出は健在
「ダンガンロンパ」シリーズは見た目の可愛さとは対照的に、トラウマになりかねないヤバイ表現が多い事も特徴的だったりします。その点は本作でも健在で、これまで以上にヤバかったです。
モノクマによって殺されてしまう人々の描写。エグ過ぎる台詞。出血表現等など。とあるシーンで○○の一部を主人公が運んで行くのはさすがにドン引きしました。このゲームの開発者、相当ヤバいです・・・。
このように子供にはやらせられない危険な表現が沢山含まれた作品ですが、相変わらず血はピンクだったり、死体はシルエットで表示されたりと、表現をマイルドにしている部分も多く、これでも抑えている方だと思いました。
個人的には中途半端にせず、やるなら徹底的にやってもらいたいんですけどね。そうなるとZ指定になるので、難しかったのか・・・。
ストーリーの感想
今回も最後まで気になる内容で楽しめましたが、本編よりも楽しかったか?と言われたらそれは無いと思いました。
確かにどんでん返しは多かったけど、本編のように殺人事件のトリックを予測する楽しさは無かったし、全体的にSF色が強くて話が飛躍し過ぎてついていけないところがありましたからね。
それでも1作目や2作目の間に起きた出来事が明らかになったので、各作品の新たな繋がりが分かってシリーズファンとしてはプレイして良かったです。本作をプレイして株が上昇したキャラクターもいましたし。
逆に言えば今作からプレイするのはおススメ出来ません。多少の説明こそありますが、1作目や2作目のネタバレが沢山含まれていますからね。
アクションシューティングに関してはユニークではあるものの、ゲーム全体で見ると比率が低めなので、ここだけを楽しもうとしたら物足りなさを感じますし。
やり込み要素について
フィールドには数多くの収集アイテムが隠されていますので、探索要素も強かったりします。
単に落ちているだけではなく、銃を向けて隠しキャラクターを探す要素もあるので、すべての収集アイテムを集めるのはかなり大変です。
収集アイテムはすべて読み物だったり、イラストになっています。中には意外な事実が明らかになりますので、面白いですよー。
そしてゲームをクリアすると、恒例のおまけが出現しました。その中には別のキャラクターから描かれたビジュアルノベルモードが収録されています。
こちらは過去作に登場したとあるキャラクターが主人公の内容になっていて、彼の特殊能力を活かしたオチになっていました。本編ではさほど目立っていなかったので、キャラクターを掘り下げるためにこんなおまけを用意したのかもしれませんね。
全体のまとめ
本編ほどストーリーは面白いと思いませんでしたが、それでも十分に楽しむ事が出来ました。相変わらずユーモアが満載で、新しい形の和製シューターにも感じます。
肝心のアクションシューティングとしてのボリュームは少なめだから、クリアした時にはタイムアタックモードやサバイバルモード等、アクションシューティングに特化したモードが欲しくなりましたが。狂気に満ちたストーリー重視のファン向け和製シューター。
こんな人には特におススメ。
・ダンガンロンパシリーズファン。
こんな人にはおススメできない。
・ダンガンロンパを知らない人。
絶対絶望少女 ダンガンロンパ Another Episode/お気に入り度【70/100%】
プレイした時間・・・約17時間
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本編より狂気が強いですねぇ‥
・純粋と集団の狂気‥それにさらされ続ける普通の子、こまるちゃん。おにーさんよりキツい体験しているような‥
・踊モノクマ種類によって動きやセリフ違って可愛い。一番可愛いかったはchapter4、乗り物乗った先でのムービー内特殊モノクマのセリフ
・chapter4ジェノかっこいい~!
・オシオキはわざとゆるめにしたのだろうか?その分、オトナたちには容赦ないムービーやイラストが
・今回は王道。なので予想がほぼ正解。むしろ裏切られて○○○誕生しなくてよかった。誰が、が予想通りだったのであり得るかもと‥
・オマケのラスト三枚のイラストは本編に絡んでくるだろうか
・殺すリストのアレとソレ、実際○○に使われていたら圧倒的不利じゃなかったか‥?・chapter4、その行動言動はオトナだろ~っ!
・あの人のネーミングはあのセリフを言わせるため!?
・ver.upしたらオマケのタイトルがズレてしまいがっかり中。修正きてくれ~!
↑が思ったことです
2で腐川さんが追ってきていない理由、2のchapter5苗木くんの無茶の理由が後付けだと言われようと補完出来て嬉しかったり
未来機関に入ってから、唯一登場していないあの人のことも気になるなぁ
王道といっても負の王道なので更に人にすすめにくいですね‥本編より、がっつり王道な裏側まではりつけた今回の方が直にキてツライかもです。勉強にはなるけど
さて、ネタバレ考察を話したくなるので色々なサイトをまわってきます!
今回も(発売されるなら)資料集にアンソロコミック買いますよ~
4コマアンソロならクロくないですから!
>ナギさん
狂気は本編以上でした。開発者も満足したんじゃ?
兄もあんなところにずっと監禁されていたので、大変そうです。
でも、こまるは1年半も監禁されていたのでもっとか。
モノクマのダンスは気に入っています。
つい眺めてしまいました♪
おしおきは今回イマイチでしたが、
それ以外が凄かったですもんね。
ラスト3枚のイラスト!?
まだチェックしてませんでした!確認します!
今回はバグが多いようですし、修正パッチはいるかも。
今作でかなり補完できましたね。
本当に後付けなのかな?
最初から構想されているようにも感じます。
ネタバレに関しては今回は控えめにしていますが、
近いうちにもっと突っ込んだ話を
別のメディアでして行きたいと思います。
早ければ今週末には公開出来ますので、期待していてくださいね!
私も昨日無事クリアしました(^O^)
まだおまけのストーリーの方は読んでいないのですが、そちらはどれくらい時間がかかりましたか?
おまけのchapterが意外とあったので身構えてしまいましたw
>伯爵さん
おお!クリアされましたか!
おまけのあれは前作と同程度。
つまり1ー2時間程度です。チャプター分けされてますが、実は短いんです。
クリアしましたよ〜!
ストーリーの吸引力に飲まれて5日間でクリアまで行っちゃいましたよ笑
完全にファン向けの1.5ですね。
これを楽しめたってことは完全にもうシリーズファンになってる笑
派生作品だからか本編以上に色々はっちゃけてましたね笑
グロさといいパロディっぷりといいw
本編やってるとニヤニヤが止まらない笑
必死にストーリーの先予想しながら頭フル回転でしたよ。
まぁ裁判パートがない分本編よりは筋書きシンプルでしたが。
本編以上だと感じたのは何と言ってもその狂気。
小学生使っての残酷描写はストレートなグロさよりもよっぽど心抉られる…
死体描写が本編レベルならどうなってたことか。
希望の戦士のトラウマは絶対過去こういうのだろうなとは想像は付いてたけど遥か上言っててキツすぎるわー
小学生にあんな台詞言わせるとか精神状態疑う(褒め言葉)
TPSなのにかなり頭使わさせられるのもダンガンロンパだわ笑
海外のシューターに真っ向勝負しても勝てないんでこういう形式にしたのは日本の職人芸って感じでいいですね!
流石に本編と比べると分が悪いですがいい作品だったと思いますよ!
本編以上に人に薦めにくいですが笑
ネタバレラジオも聴いてみますねー!
>ウユニさん
こちらもなかなかのハイペースですねw
派生作品という事で本編をプレイして感じられる事も多いと思います。
開発者の悪乗りはこちらの方が強いですねw
個人的にはそこを楽しんでおりました。
これだけやりたい放題やるって凄いですよ。
>小学生使っての残酷描写はストレートなグロさよりもよっぽど心抉られる…
小学生にあんな台詞を言わせるなんてくるってやがる!と思いました。
このゲームの開発者、ヤバいわw
>TPSなのにかなり頭使わさせられるのもダンガンロンパだわ笑
海外のTPSと比較したら見劣りしますが、
しっかりと独自性を持たせてきたおかげで別ゲームとして楽しめました!
ストーリーは本編程ではないけど本編の補完はちゃんとしてるし、こまるちゃんと腐川ちゃんの友情が丁寧に描写されているのが良かったです。
でも、ダンガンロンパシリーズ未プレイの方は1のネタバレを殆どしてしまっている本作から始めるのはオススメしないですね。
アクションシューティングとしてはTPS経験者だったら救済処置のおかげで最高難度でも非常簡単で片手数える程しか死んでないですね。
腐川さんはこのゲームで株を上げましたね!
こまるは今作だけで終わらせるのは勿体ないキャラクターだと思いました。
全体的にはファン向けですよね。1のプレイをある程度前提にして作っていると思います。ファン向けにするのは勿体ないほど中身が詰まった作品ですが。