
スーパーマリオメーカー/Wii U
どうも!KENT(@kentworld2 )です!
今回は2015年9月に発売されたWii U「スーパーマリオメーカー」のレビューをしていきます。
本作は「スーパーマリオブラザーズ」シリーズのコースを作成できるクリエイトゲームですが、簡単に作れる一方、マリオ職人の偉大さがよく分かる作品でした!
クリエイトゲームって難しいイメージがありますよね?
本作の場合、ぼくが今までプレイしたクリエイトゲームの中では最もハードルが低く、誰でも簡単にコースを作ることが出来ます。
その一方でプレイしていて楽しいコースを作るのは非常に難しく、そういう意味でマリオ職人の偉大さがよく分かりました。
そんなWii U「スーパーマリオメーカー」の良いと思った点からまずは書いていきます。
※2016年12月には3DS版が発売。
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- 2Dアクションゲーム「スーパーマリオブラザーズ」シリーズのコースを作成できる。
- 操作はタッチペンを使って行う。
- 作成できる作品は「1」「3」「ワールド」「U」の4作品。
初リリース日 | 2015年9月10日 |
対応ハード | Wii U/3DS |
ジャンル | 2Dアクション/クリエイト |
推定クリア時間 | 3~4時間(サンプルコース) |
売上 | 初週13.8万本/累計100万本 |
発売元 | 任天堂 |
目次
良いところ
ウン十年越しの夢を叶えてくれたゲーム内容
2Dアクションゲームの金字塔として知られる「スーパーマリオブラザーズ」シリーズ。
特に1985年のFC「スーパーマリオブラザーズ」は国内出荷本数681万本という今も続く歴代最高記録を打ち立てるほどのヒットを記録しました。
本作ではそんな「スーパーマリオブラザーズ」シリーズのコースをプレイヤー自らが作成出来てしまうんです!
子供の頃、ぼくはノートに「スーパーマリオブラザーズ」シリーズのオリジナルコースを描いていました。
鉛筆で長方形を複数繋げた簡素なものでしたが、「こんなコースないかなぁ」と好き勝手に描いていたものです。
それだけに本作の存在を知った時はウン十年越しの夢が叶った気がしました!
簡単にコースを作成できる!
このようにぼくはオリジナルコースをクリエイトできることに喜びを感じていますが、逆に苦手意識を持ってしまう人も多いでしょう。
ぼくが思うに多くのユーザーは自分でコースを作るのは面倒に感じていると思うんですよ。
例えば料理を作って食べるよりも飲食店に行ってお金を出して食べる方がずっと楽ですし、なるべくそうしたいものではないですか。
その点、本作はぼくが今までにプレイしたクリエイトゲームの中では一番とっつきが良いと思いました。
特筆したいのが、タッチペンを使って行うこと前提のユーザーインターフェース。
なんと、タッチペンで画面をなぞることで「ドドドドドーッ」といった感じで現在選ばれているパーツが配置されるんです!
なので、複数のハテナブロックを「LOVE」に見えるような形で配置することも簡単にできるんですよ。
コピーやカット機能も用意されているので、一度「LOVE」を描いたら簡単に量産することが出来ます。
ニンテンドーDSのクリエイトゲームをプレイした時も思いましたが、タッチペンを使っての操作、最高じゃないですか!?
簡単なコースを作る場合、早ければ1分程度で完成してしまいます。
ある意味、本作はWii Uゲームパッドを最も活かしたゲームなのではないでしょうか?
それだけタッチペンを使っての操作に魅力を感じました。
色々弄っているだけで楽しい
ゲームはおもちゃ。
任天堂はこのような考えが根底にあると思いますが、本作でもその片鱗を感じました。
何故かと言うと適当にパーツを配置しても楽しさを感じられるから。
パーツを配置する時に鳴る効果音は現在流れているBGMと連動しているので、続けて配置しているとまるで楽器を演奏しているかのような感覚を味わえるんですよ。
これが非常に心地良く、最初の頃はパーツを適当に配置していても楽しさを感じられました。
もう1つ触れたいのが、インタラクティブ性の高さ。
例えば配置した敵キャラクターとスーパーキノコ(※)を重ねるとします。
すると、敵キャラクターが巨大化するんです!
普通、こういうのって「敵キャラクターを巨大化させる」という項目を配置するものなのに、直接アイテムを与えないといけないとは!?
このように本作は安易に項目を増やさず何らかのアクションを取ることで別のことができるようになっています。
そのおかげでインタラクティブ性が増してクリエイト画面がスッキリしたので、実に任天堂らしい発想だと思いました。
※スーパーキノコは食べるとキャラクターが巨大化する効果を発揮するアイテムになります。
4作品のスキンに対応
実は本作、以下のように4作品のスキンが用意されているんです。
- FC「スーパーマリオブラザーズ」(1985)
- FC「スーパーマリオブラザーズ3」(1988)
- SFC「スーパーマリオワールド」(1990)
- Wii U「New スーパーマリオブラザーズ U」(2012)
実質、4作品分のクリエイトができるということでお得感が生まれてきますよね?
素晴らしいのが、クリエイト画面でそれぞれの作品のスキンに一瞬で繰り替えが可能なこと。
一度「1」のスキンにしたら「ワールド」のスキンには切り替えられないとか不便な仕様にはなっていません。
え?各作品によって専用のパーツがあるんじゃないかって?
そこが本作の素晴らしいところで、なんと、原作にはないパーツは描きおろしているんです!
例えば「1」「ワールド」には飛行船のコースが用意されていませんよね?
スキンを瞬時に切り替えられたらその辺で不都合が生じるんじゃ!?
最初はそう思っていましたが、スキンを切り替えてみるとしっかりと各作品に合った飛行船コースになるんです。
「1」のドッスンなど描きおろしパーツの中には見た目やBGMに違和感を持ってしまうものもありますが、地味に凄いことをしています。
原作にはないぶっ飛んだコースの作成が可能
「スーパーマリオブラザーズ」シリーズのコースはとても丁寧に作られています。
とにかくプレイヤーの心理をよく分かっていて、配置されている仕掛けや敵が絶妙なんですよ(2や裏コースは除く)。
しかし、一方では優等生過ぎて面白味に欠けるところがあります。
だからこそ、我々プレイヤーは「こんなコースないかなぁ」と思ってしまうんですよ。
その点、本作は原作にはないぶっ飛んだコースの作成が可能になっていました!
例えばクリボーやノコノコを1画面に何十体も設置したりとか、ラスボスであるハズのクッパを何体も設置することも出来ますw
しかもタッチペンでちょんちょんと画面をタッチするだけで設置出来てしまうので、簡単に「ぼくがかんがえた裏マリオ」が実現してしまうんです!
これも原作よりメモリ量が多いWii Uソフトならではだと思いました。
コースを作成するモチベーション作りが上手い
とは言えコースを作っても見返りがないとすぐに飽きてしまいそうですよね?
その点はオンライン要素によって解決していました!
自分で作ったコースはオンライン上にアップロードすることができるんですが、より多くのユーザーがプレイできるような仕組みが用意されているんですよ。
代表的なのが「100人マリオチャレンジ」モード。
本モードはオンライン専用で、投稿されたコースをランダムでプレイすることになります(投稿されたコースは4種類の難易度にランダムで振り分けられる)。
おかげで無名のユーザーがコースを投稿してもプレイしたユーザーの数は自然と増えていくようになっているんです。
さらに本作のオンライン上には以下のようなコミュニケーション要素が存在します。
- 「いいね!」機能
- Miiverse(ミーバース)を使ってのコメント機能
- プレイヤーがどこでミスをしたのか確認できる機能
- 誰がプレイしたのか分かる「足あと」機能
ゲーマー的に燃えるのが、「いいね!」の数が一定数に達することでアップロードできるコースの数が増える仕様。
これって実質的な階級要素とも言える訳なので、どんどん上を目指したくなるじゃないですか!?
才能がないユーザーの粗製濫造を防ぐ対策だとは思いますが、副次的な効果も発揮しています。
※Miiverseサービス終了に伴い現在はコメント投稿が出来ません。
電子説明書が面白い
かつて、ゲームソフトのパッケージに封入されていた取扱説明書。
2010年代に入ってからは電子説明書に移行してしまい、遊び心がなくなってしまいました。
そんな中で2015年に発売された本作の電子説明書はまるでインターネットのホームページみたいな凝った作りになっていたんです!
電子説明書のメインメニューには沢山のアイコンが設置されており、それぞれクリックすると様々な解説を確認することが出来ます。
面白いのが、解説しているキャラクター。
なんと、「スーパーマリオ」シリーズとの関連性を全く感じられない謎の脱力系お姉さん(※)が担当しているんです!
こういった悪ノリは「スーパーマリオ」シリーズでは久しぶりに見た気がしますw
さらに面白いのが、ゲームソフトに同梱されているブックレットとの連動要素。
電子説明書には番号を入力するメニューがあります。
そこでブックレットに記載されている番号を入力すること、クリエイトのアドバイス動画を電子説明書内で確認することができるんです!
アドバイス動画はブックレットに記載されているものに因んでいるので、本とゲームが連動した面白い試みに感じます。
近年は紙の説明書が廃止されて寂しい思いをしていますが、電子説明書がこれだけ凝った作りになるようであれば受け入れることが出来そうです。
この調子で他のゲームの電子説明書もこんな感じで凝った作りにしてほしい!
電子説明書はインターネット上からも確認できるので、気になった方はこちら をご覧ください。
※お姉さんの名前はましこさんと言います。
多彩なキャラクターとのコラボレーション
実は本作、「大乱闘スマッシュブラザーズ」シリーズ並みにクロスオーバーが楽しめたりします。
その大きな要因となっているのがキャラマリオという独自要素!
対応するamiiboを使用することでマリオが様々なキャラクターに変身します。
ピーチ、ルイージ、クッパといったマリオファミリーは序の口。
さらにはリンク、カービィ、ピカチュウといった任天堂の別シリーズからロックマン、パックマン、ソニックといった他社シリーズのキャラクターに変身することもできるんです!
しかもBGMや効果音も作品に合ったものが使用されるので、かなり力が入っています。
多くは「大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS/Wii U」で縁のあるキャラクターなので、同作品があったからこそこのようなコラボレーションが実現したのでしょう。
そう考えるとスマブラに感謝したくなります。
え?amiiboを持っていないって?
そんな方でも前述の「100人マリオチャレンジ」モードをクリアすればランダムで1種類アンロックされるので、amiiboを買いたくない方はそちらをやり込みましょう!
惜しいところ
オフラインではほとんど楽しめない
本作はオンライン要素をかなり重視した作りです。
オンライン環境がないと他のユーザーが作ったコースをプレイ出来ませんし、自分で作ったコースをアップロードできず、評価してもらえませんから・・・。
オフラインでできることはコースのクリエイト以外にはサンプルコースのプレイと10人マリオチャレンジくらい。
その10人マリオが遊び応えあるものだったら良かったんですが、残念ながらおまけレベルでした。
収録されているサンプルコースの数は17×4の68コースと本編並みですが、10秒で終わってしまうようなショートコースばかりなんですよ。
「3」のコースも短めでしたが、あれの比ではありません。
ショートコースの中にはユニークな仕掛けがあったり、本編のコースを再現したものがあったりと見所はありましたよ?
ですが、あくまでもサンプルコースでクリエイトを学ぶ程度のものなので、2Dマリオの新作ステージを楽しんでいる感覚はほとんどありません。
もどかしいアンロックシステム
初心者にも気軽にステージを作ってもらいたい。
開発者のそういった気持ちは分かるんですが、それにしたって本作の初心者への配慮はお節介にも程があります。
実は本作、1日に5分ずつプレイすることで少しずつクリエイトで使えるパーツが増えていく仕様になっているんですよ。
それはまだしも、初期段階に使えるパーツがほとんどないのでもどかしく感じました。
前述の通りサンプルのコースはあまりガッツリ楽しめるものではありません。
おまけに発売初日はユーザーの投稿コースも出揃っていなかったので1時間程度で電源を落としたくなりました。
いきなりできることを増やしたらユーザーが混乱してしまうとか、細く長く遊んでほしいとか、そういった意図があるのは分かりますよ?
でも、これはちょっとやり過ぎに感じます。
ある程度クリエイトをすると予定よりも早くパーツが届くようですが、それでも首をかしげてしまう仕様です。
一応、本体の時計を弄ることで当日にすべてのパーツをアンロックできるのでやってみましたが、これは裏技になるので何だか罪悪感がありました。
原作でできることができないことも多い
クリエイトモードでは原作にはないぶっ飛んだコースを作ることが出来ます。
一方、以下のようにできないことも多く感じました。
- 坂道や斜め土管を設置できない
- ゴール地点よりも右にはほとんどパーツを設置できない
- シームレスに下ったり登ったりできる縦長のコースを作れない
- ブルなどの敵キャラクターが設置できない
発売後に鍵パーツや中間ポイントが追加されるなどのアップデートが何度か行われましたが、それでもぼくが長年思い描いていた夢の多くは実現出来ていません。
100人マリオチャレンジの最高難易度が理不尽
ユーザーが作ったコースをランダムで楽しめる100人マリオチャレンジ。
全部で4種類の難易度が用意されていますが、3段階目以上で出てくるコースは理不尽なものばかりです。
例えば敵キャラクターを沢山配置して強引に難易度を上げているだけだったり、やたらと色んな仕掛けを設置してごちゃごちゃして訳が分からなかったり・・・。
僕の運が悪いのか、質の低いコースが目立ちます。
一応、人気のないコースは一定期間後に削除されるようですが・・・。
問題アリの「いいね!」仕様
プレイしたコースに「いいね!」を付けられることでコミュニティが活性化したのは確かです。
ですが、「いいね!」の数によって投稿できるコース数が増えたりランキング機能が存在することで不正するユーザーが目立ってしまいました。
それ故に粗悪なコースをプレイする頻度が増したような気がします。
アップデートしてからは任天堂公式の良質なコースがオンライン上で楽しめるようになりましたが、初期の頃に粗悪なコースを色々プレイしたのでオンラインモードの印象はあまり良くありません。
全体のまとめ
長年、ぼくが思い描いていた夢を少しだけ叶えてくれた作品。
あのスーパーマリオブラザーズのコースを作れるなんて!?
初めて本作を知った時のワクワク感は忘れられません。
ただ、一方では「本作があれば2Dマリオの新作は要らない」という考えにはなりませんでした。
というのも原作よりも制限が多く、オンライン上にアップロードされている多くのコースは原作の水準を大きく下回っているからです。
ある意味、本作をプレイして最も収穫だったのが「スーパーマリオブラザーズ」シリーズを手掛けるクリエイターのセンスだったりします。
プレイしている時は「もっとぶっ飛んでも良いんじゃないの?」と思っていたコースでも実は物凄く計算されて作られていることが分かったんですよ。
「New スーパーマリオブラザーズ」などをプレイしてマンネリだの偉そうなことを言っていた自分を殴りたくなってきますw
マリオ職人のみなさん、すみませんでした!
今後はもっと多角的な方面から楽しむようにします。
簡単に作れる一方、マリオ職人の偉大さがよく分かる作品。
こんな人には特におススメ。
・クリエイト好き。
・2Dマリオ好き。
こんな人にはおススメできない。
・オフラインユーザー。
・能動的に楽しめない人。
スーパーマリオメーカー/お気に入り度【80/100%】
プレイした時間・・・約35時間
累計1,000記事突破!KENTがプレイしたゲームのレビュー記事一覧へ
Nintendo | PlayStation |
Xbox | etc |
相変わらず的を得たレビュー、感服するしかありませんw
とにかくゲームパットのおかげでパーツを置くも消すも簡単ですからスイスイとステージが出来て最高に気持ち良いです。
1ステージ作るだけでも余裕で3時間~半日潰れるぐらい没頭してしまいますよw
だからこそkentさんが言うとおり、坂道とか縦長とか敵キャラとか欲望がどんどん増大するばかりですが、スプラトゥーンと違って頻繁なアップデートはないですね (´・ω・`)。
やっと追加された中間ポイント等の要素はあくまで既存のパーツを振る事によるものな辺り、新規のパーツ作成って我々が思ってるほど簡単じゃないかも・・・一つ一つのバランス調整とかも必要でしょうし。
続編に期待と言っても、パーツを増やすだけじゃ目新しさは感じられないし、何よりゲームパットが便利過ぎてNXのコントローラでも同じように楽しめるかが心配なんですよw
結局WiiUが中々サードに恵まれない(開発しにくいため)原因なだけに、画面が外される可能性もあるし。
だからなるべく今作でのアップデートに力入れて欲しいなあと思ってます。長文失礼しました。