
幻影異聞録♯FE/Wii U
どうも!KENT(@kentworld2 )です!
今回は2015年12月に発売されたWii U「幻影異聞録♯FE(げんえいいぶんろくシャープエフイー)」のレビューをしていきます。
本作は現代の東京を舞台にしたRPGですが、FE要素が絡んだ実質的なペルソナ4や5の亜種と言えるでした!
プレイステーションハードを中心に展開されている「ペルソナ」シリーズ。
現代とファンタジーを融合させた学園ジュブナイルRPGとして高い人気を誇りますが、今回レビューするWii U「幻影異聞録♯FE」はその関連作と言っても良いくらい親和性が高いゲームなんです。
というのも開発を担当しているのは任天堂/インテリジェントシステムズではなくアトラスだから。
当初は任天堂とのコラボタイトルということで「ファイアーエムブレム」に寄せていたようなんですが、アトラスの強みを活かすために好き放題作っていたら「ペルソナ」っぽい作品になってしまったんですよw
なので、本作は「ファイアーエムブレム」ファンよりも「ペルソナ」ファンにおすすめしたい作品です。
複雑怪奇で人を選ぶ部分はありますが、3万本程度の売上では大赤字なんじゃないかと思うくらい良く出来ています。
そんなWii U「幻影異聞録♯FE」の良いと思った点からまずは書いていきましょう!
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- 現実世界と異世界を舞台にしたRPG。
- ストーリーを進めるとダンジョンのような構造の異世界を攻略することになる。
- 戦闘はオーソドックスなターン制のコマンドバトル。
初リリース日 | 2015年12月26日 |
対応ハード | Wii U |
ジャンル | RPG |
推定クリア時間 | 40~50時間 |
売上 | 初週2.6万本/累計3.3万本 |
発売元 | 任天堂 |
目次
良いところ
芸能界とファンタジーを融合させたストーリー
アトラスと言えば現代とファンタジーを融合させたゲームの開発を得意としています。
とは言え現代には様々な文化がありますよね?
学園、社会、スポーツ、政治 etc…
我々が現代社会で暮らしているのもありますが、文化を挙げだしたらキリがありません。
そんな中、本作では珍しい文化に目を付けてきたんです。
それは芸能界!
主人公の蒼井 樹(あおい いつき)くんと幼馴染の織部 つばさ(おりべ つばさ)ちゃんはひょんなことから芸能事務所に強引に引き込まれてしまいます。
ここまでの話はよくあるものだと思いますが、本作の根底はファンタジーなので、事あるごとに姿を変えて派手な戦いを繰り広げることになるんですw
芸能界×ファンタジー。
この組み合わせはほとんど見たことがなかったので驚きました。
ハイクオリティなアニメーション
「芸能界とファンタジーを融合?正気か?」
初めて本作の情報を知った時、そんな印象を持ちました。
だって、芸能界とファンタジーを好む層は真逆じゃないですか?合体事故も良いところですよ。
そんな気持ちでゲームをプレイしてみたところ、何だこれは!?
ライブシーンのアニメーションがめちゃくちゃ本気で作られているじゃないですか!?
そのクオリティは最新のアイドルアニメに匹敵するほどで、驚くほど滑らかに動きます。
どうやらライブパートCGは「ラブライブ!」のアニマが携わっているようなので、マジで完成度は折り紙付きですw
さらに驚いたのが、キャラクターソングや振り付けはエイベックスが全面プロデュースを行っていること。
エイベックスと言えばレコード会社最王手ですよ?
そんな大御所を起用しているだけあって楽曲や振り付けの完成度は非常に高く、相当な予算を使っているように感じます。
そして、ぼくは思ったんです。
「採算度外視で好き放題にやっているなぁ」と。
このようなゲームはメジャー系ではほとんど見られなくなったので好感を持つようになりました。
アトラス節が炸裂したバトルシステム
前述の通り本作はアトラスが開発を手掛けています。
そのため随所でアトラス節が炸裂していました!
特に印象的なのが、洗練されたコマンドバトル。
ストーリーを進めるとターン制のコマンドバトルパートが挿入されるんですが、完成度が非常に高いんですよ!
特に良いと思ったのが、属性の要素が強調されたバランス調整。
攻撃スキルで相手の弱点を突くと他の味方キャラクターが追加攻撃を行うんです(これをセッションという)。
しかもゲームを進めると一度に行える追加攻撃がどんどん増えていき、中盤以降は戦闘に出ていない控えのキャラクターも参加できるようになります。
これが上手く行くと大量のダメージを与えられるほか、大金も入手できるので超気持ち良いんです!
こうして書くと大味に見えるかもしれませんが、意外とそうは感じませんでした。
確かに通常攻撃と弱点を狙った攻撃のダメージ差は大きいんですが、敵も連携攻撃をしてくることがあるんですよ。
そのため適正レベルの場合は常に緊張感のあるバトルを楽しめます。
幅広い難易度設定
アトラス節と言えば難易度の高さも忘れてはいけません。
という訳で本作も例によって難易度ノーマルだとかなり難しいですw
まず難しいと思ったのが、雑魚敵から受ける被ダメージ量。
最近のゲームとしては珍しく数発攻撃を受けたら体力が0になってしまうほど威力が高いんです。
しかも仲間を復活させられる手段は限られているうえ、戦闘に参加していないキャラクターには経験値が入りません。
極めつけはゲームオーバーのペナルティ。
なんと、ゲームオーバーになったらタイトル画面に戻されてしまうんです!
2010年代のRPGと言えば「少なめの被ダメージ量」「大量に入手できる復活アイテム」「バトルに勝てば問答無益で全員入手できる経験値」「負けても直前から復活できる緩いデスペナルティ」が定番なのに・・・。
でも、個人的にはこのような厳しいバランス調整だからこそ本作はゲームとしての体裁を保っていられるように感じました。
最近の「ペルソナ」シリーズにも言えることなんですが、全体的にイベントシーンが長いんですよ。
あまりにも長いので、自分はゲームをプレイしているのではなくアニメを見ているのかと錯覚するくらい。
だからこそ、存分に駆け引きを味わえる戦闘が強調されているように感じるんです。
え?「ガッチガチなバランスのゲームは苦手」だって?
そんな人に向けた救済措置としては難易度イージーが用意されています。
さらにイージーでもゲームオーバーになった場合、難易度フレンドリーが追加されるんです!
それでもある程度の歯ごたえをあるので、個人的にはイージーやフレンドリーが現代のRPGでは基準と言える難易度に感じました。
おそらく、ここがアトラスとして最低限譲れるラインなのでしょう。
難易度はいつでも切り替えが可能なので、状況に応じて変更するのも良いと思います。
この辺りは「ファイアーエムブレム」にも通ずる柔軟性を感じました。
ダンジョンの多彩なギミック
ゲームを進めると異世界となるダンジョンを攻略することになります。
このダンジョンなんですが、予想以上にバリエーション豊かでした!
まず印象的だったのが背景の多様性。
都会をモチーフにしているところもあれば日本庭園やショッピング街をモチーフにしているところもあるので見ているだけでも楽しめます。
さらにダンジョンにはテーマが設定されており、専用のギミック&謎解きも用意されているんです!
探索と戦闘だけでは単調なので専用のギミック&謎解きは良いアクセントに感じました。
キャラクターを掘り下げたサブ要素
本作はサブクエスト的なものも存在しますが、予想以上に作り込まれています。
あまりにも作り込まれているので、ある程度はプレイしないと勿体なく感じてしまうくらい。
サブクエストの内容自体はダンジョンを絡めたお使いみたいなものなんですよ。
でも、イベントシーンとストーリーの作り込みが凄いんです。
どのくらい凄いのかと言うと、アニメ1話分に相当するくらい。
多くは各キャラクターを掘り下げた内容になっているので、好きなキャラクターがいる場合、優先的にプレイしてみましょう!
個人的にはサブクエストをプレイしてからキリアさんが好きになりましたw
惜しいところ
欲張り過ぎてどっちつかずなストーリー&世界観
様々な文化を融合させたWii U「幻影異聞録♯FE」。
しかし、強引に融合させている側面も強く、プレイしていると歯と歯の間に食べ物が挟まった時のような違和感がありました。
学園×芸能界×ファンタジー
ペルソナ/女神転生×ファイアーエムブレム
スタイリッシュな作画×美少女萌え
このように何でもかんでも取り入れているので、どこか不協和音のようなものが聞こえてくるんですよ。
例えば芸能界の厳しい人間社会を描いた途端に固有名詞満載のよく分からないファンタジー要素がいきなり出てきますからw
もちろんストーリーを丁寧に描けば違和感も薄れてくると思うんですが、少なくとも冒頭部分は唐突な印象が強く、ボーっとしていると置いていかれます。
人によっては白けてしまうかも知れませんし、どこか半笑い状態で見てしまうでしょう。
また、「ファイアーエムブレム」や「女神転生(ペルソナ)」シリーズ関連作としてもどっちつかずでした。
戦闘システムこそは「女神転生(ペルソナ)」シリーズベースで手堅いですが、同シリーズのファンが惹かれるような世界観やストーリーではないと思います。
「ファイアーエムブレム」シリーズらしい要素は武器の3すくみシステム、一部の効果音・テーマ曲、パートナーくらい。
ストーリー終盤には「ファイアーエムブレム」ネタが絡みますが、あれはちょっと強引に感じます(最後のシーンはファン必見ですが)。
このように色んな層を狙ってしまったせいでどっちつかずの印象が強く、まさに「二兎を追うものは一兎も得ず」のストーリー&世界観になっていました。
本作が累計で3万本程度しか売れなかったのはWii Uの不調もあるとは思いますが、それ以上にターゲット層を上手く取り込めなかったことの方が大きく感じます。
戦闘のテンポが悪い
戦闘自体はよく出来ていますが、テンポが悪く感じます。
パッケージ版の場合、エンカウント時に10秒近く待たされてしまいますから・・・。
戦闘アニメーションも長時間プレイしているとややテンポが悪く感じられ、長引きがちなのも辛いです。
新しい武器やスキルを得る時の演出も冗長ですし、ちょっと演出過剰なところがあります。
1回のバトルに得られる経験値が多めである関係上、戦闘の頻度が少なめになるのがせめてもの救い。
ちょっとしたシステムのせいでWii Uゲームパッドだけでは楽しめない
Wii Uと言えばゲームパッド単品で楽しめることも大きな特徴でした。
本体から8M以内であれば擬似的な携帯機としても活用することが可能で、当時の据え置き機としてはお手軽感があります。
しかし、本作の場合はちょっとしたシステムを搭載したせいでWii Uゲームパッド単品では楽しめないんですよ。
戦犯となっているのがLINEのようなコミュニケーション機能。
街やダンジョンを探索中、ゲームパッドから音が鳴る場合があります。
その際にゲームパッドの画面に仲間からのメッセージが挿入され、タッチするとレスをすることができるんです。
でも、たったこれだけの機能でゲームパッド単独でのプレイが出来なくなったのは残念に感じました。
確かにゲームパッドの画面にLINE風のコミュニケーションツールを常に表示しているからこそ感じられる現実味はあると思うけど、独自要素としてはちょっと弱く感じます。
つくづく、「Wii Uのゲームパッドは”遊び”と”利便性”がトレードオフなんだなぁ」と思いました。
全体のまとめ
何だか色んな要素がとっ散らかった不思議な作品。
人によってはそれが不協和音に感じられて唖然とするかも知れませんが、アトラスによる職人的なRPG要素によってある程度は楽しめました!
また、ライブシーンなどRPG要素以外にも目を見張る部分も多く、複雑怪奇であるものの油断できない作品です。
残念ながら販売本数は「ペルソナ」としても「ファイアーエムブレム」としても散々な結果になってしまいましたが、その先入観でプレイしてみると意外な完成度の高さに驚くと思います。
そういう意味では”隠れた良作”という名がふさわしい作品。
完成度の高さを考えるともっと売れても良かったんじゃないかと思います。
FE要素が絡んだ実質的なペルソナ4や5の亜種!
こんな人には特におススメ。
・今風のJRPG好き。
こんな人にはおススメできない。
・ファイアーエムブレム要素を求める人。
・ストーリーで整合性を求める人。
幻影異聞録♯FE/お気に入り度【75/100%】
プレイした時間・・・約45時間
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Nintendo | PlayStation |
Xbox | etc |
怒濤のレビューラッシュですね!
確かに年末商戦色々買われてましたし年度末までに書ききらないとですもんね笑
12月のもう1本の処遇は果たして…
ざっと見ましたがいいところまんまペルソナやん!w って感じですね。
渋谷舞台ってペルソナ5もそのはずだからこれは比べられるなぁ。
それにしては意外とプレイ時間は短いのかな。
要素多すぎてとっ散らかってる印象はやっぱそうだったんですね^_^;
現代東京舞台、高校生群像劇、アイドル、スタイリッシュ絵、ストーリー付きサブクエ、そしてFE。
全部流行りの要素ですが詰め込んだら合体事故起こしたみたいな感じか笑
そしてどの層もWiiUにはまぁいないですね…
こう見るとP4Gはテンポもよく要素も洗練されてますね。
>ロリ属性のキャラクターが登場して「ユニティしよう!」なんて言われるのも痺れますね。
>ユニティという行為は決してエッチなものではありませんが、なんか響き的にそう聞こえてしまう。
(アカン)
まぁ性癖は自由ですしね!(遠い目