ゼノブレイド3/Switch
どうも!KENT(@kentworld2 )です!
今回は、「ゼノブレイド3」のレビューしていきますが、まずはひとこと言わせてください。
今作、RPG史に残るほど気合が入っています!
元々、「ゼノブレイド」シリーズは完成度が非常に高いRPGとして知られていましたが、今作は「1」と「2」の惜しいところも改善されていて、任天堂とモノリスソフトが10数年間に積み上げてきたものが活かされてます。
あまりにも気合を入れて作られているので、これほどの和製RPGは当分出ないんじゃないかと思うくらい。
ちょっと気が早いんですが、ぼくはこの作品を2022年のベストRPGに認定したいですね。そのくらいの力作です。
ただ、良くも悪くも和製RPGの色が出すぎているので、合わない人もいるんじゃないかと思います。
本記事ではそういった方が読んでも納得できるように「ゼノブレイド3」をレビューしていきますので、ぜひ、最後までご覧ください。
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- 広大な世界を冒険していくRPG。
- 運命に抗おうとする6人の少年少女の旅を描いている。
- 戦闘では最大7人同時に戦える。
初リリース日 | 2022年7月29日 |
対応ハード | Switch |
ジャンル | RPG |
売上 | 初週11.3万本 |
推定クリア時間 | 60~80時間 |
発売元 | 任天堂 |
目次
ゼノブレイド3とは?
まずは「ゼノブレイド3」の概要を簡単に紹介していきます。
本作は広大な世界を冒険していくRPGで、発売は任天堂が。開発はモノリスソフトが担当しています。
舞台となるのはアイオニオン。
この世界では機械技術を得意とする「ケヴェス」と魔法のような技術「エーテル」の扱いに長けた国「アグヌス」という2つの国家勢力によって戦いが繰り広げられています。
ストーリーはそんなケヴェスとアグヌスの軍隊に所属する6人の兵士の活躍を描いています。
最初は敵対関係にあった主人公たちは、とある事件をきっかけに「ウロボロス」という2人が融合することによって巨大な姿となる異能に覚醒。
以降は2国に追われつつ本当の敵を探すために旅に出ます。
戦闘はシリーズでは恒例となる、リアルタイム形式を採用。
戦闘中も時間が自動で進むようになっていて、お馴染みのチェインアタックや、アーツ(技)を介してのブレイク、ダウン、ライジングなどのコンボを繰り出していきます。
そんな「ゼノブレイド3」ですが、冒頭でも触れたように、完成度がRPG史に残るほど高いんですよね。
ここからは過去作と比較をしながら「ゼノブレイド3」のレビューをしていきます。
良いところ
丁寧に描かれたストーリー
本作で特筆したいのが、丁寧に描かれたストーリーです。
このゲーム、尋常ではないくらいストーリーの描写に力を入れていまして、あまりの物量に圧倒されました。
具体的に言いますと、映画15本分に相当するほどのイベントシーンが用意されています。
正直、長すぎると思いましたが、これだけの物量がありながらも退屈しないような構成になっているんですよね。
ぼくがそう感じた理由は2つあって、1つめは主人公の過去をしっかりと描いていることです。
本作には6人の主人公が存在します。
正統派イケメンのノア、優しい性格のミオ、パワーキャラのランツ。
見かけによらず怪力のセナ、ヤンキーっぽい性格のユーニ、ツンデレキャラのタイオン。
一見するとノアとミオが主人公で、それ以外の4人は脇役のように見えますが、全員にスポットが当たるようなストーリー構成になっているんですよね。
「ゼノブレイド3」の世界に暮らす国民の寿命は僅か10年で、我々で言う10歳から20歳までを切り取ったような人生を送っています。
で、各主人公たちが出会った段階では8年以上を生きているので、それまでにどんな人生を歩んできたのか?
ストーリーの展開に合わせて、少しずつ、丁寧に語られるので、最初はなんとも思わなかったキャラでもだんだん好きになってしまいました。
ぼくが特に好きなのが、ミオです。
ミオはアグヌスの兵士で、生真面目で優しい性格をしています。
しかし、自分の悩みを抱え込んでしまうタイプで、どこか悲壮感に満ち溢れているんですよね。
その切なさが個人的にはツボで、愛くるしい見た目と相まって惚れてしまいましたw
いやぁショートヘアーは良いもんですね。ロングヘアーも良いけど、ミオはショートヘアが似合っています。
あとはタイオンも好きですね。
タイオンもアグヌスの兵士なんですが、洞察力が凄く、メンバーを気遣ってくれるんですよ。
正直なところ、最初に出会った時は無愛想で印象は良くなかったんですが、旅を続けていくにつれて良いやつだと思うようになりました。
それ以外の主人公も魅力的で、通してプレイすると、群像劇を見ているかのような感覚を味わえるようになっています。
「ゼノブレイド3」のストーリーが退屈しない2つめの理由は、随所で既視感を持たせていることです。
ストーリーを進めていくと
みたいな感じのシーンが挿入され、謎を残したまま別のシーンに切り替わります。
こういう展開があると真実を知りたくなってしまいますから、ゲームをプレイしている時は「あの時のあれは何だったんだ?」と疑問に感じながら進めてしまいましたw
ぼく、怪しいものはとことん追求したくなるタイプなんですよねw
全体的にはシリアスな感じとなっていて、「2」で見られたギャグ要素はほとんどありません。
ぼくは「2」の明るい雰囲気も好きなのでちょっとさみしい気もしますが、エンディングの展開は感動的ですし、和製RPGとしては理想的なストーリーになっているんじゃないかと思います。
過去作の反省を活かしたシステム
ゲームシステムは過去作の反省を活かした作りとなっています。
「ゼノブレイド」シリーズはどの作品も評価が高く、ぼく自身も好きではありますが、一方では荒削りな部分も目立っていたんですよね。
ところが本作の場合、そういった粗さがほとんどなくなっています。
キャラクターのモデリングは文句の付けようがないくらいのクオリティになりましたし、ゲームシステムの面でも様々な改良が行われています。
特筆したいのが、ナビゲートが親切になったことです。
今作のシステムもめちゃくちゃ複雑なので、全てを把握するのはかなり大変だったりします。
しかし、新しいシステムが登場する度にチュートリアルという形で練習できるので、少しずつ覚えていけるようになっているんですね。
この点は過去作にも言えることですが、今作の場合、矢印を使って親切に教えてくれるので、さらにわかりやすくなりました。
チュートリアル終了後も訓練で練習ができたり、TIPSで細かいシステムを確認できますし、初心者でも入りやすいんじゃないかと思います。
極めつけが、ナビゲーション機能です。
ナビゲーション機能を使うと、目的地までのルートが地面に表示されるようになります。
この機能によって高低差のあるマップも迷わずに進められるようになったので、快適性がグーンと上がりました。
「ゼノブレイド」は寄り道が醍醐味なので「こんな機能付けても良いのか!?」と思いましたが、ストーリーをサクサク進めたいというニーズがあるのも事実ですから、手動で切り替えれるのであればあっても良い機能なんじゃないかと思います。
改良点としてはそれ以外にも
- 住人から教わるだけでフィールドスキルを使えるようになった
- フィールドスキルにあったレベルの概念が廃止された
- 携帯モードの画質が向上した
- 見た目を変えられるようになった(1以来)
などがあります。
「ゼノブレイド2」から「3」までの5年間。
大型追加コンテンツの「黄金の国イーラ」、「1」のリマスター版である「ディフィニティブ エディション」がSwitchで発売されましたが、その時のノウハウが「3」に活かされていると思いましたね。
広大すぎるフィールド
フィールドはビックリするほど広大です。
あまりにも広大なので、Switchの性能でよく実現できたなと感心しました。
特に印象的なのが、フォーニス地方です。
フォーニス地方は荒れ地や砂漠、平原、湖、洞窟などで構成されていて、ロード時間を挟むことなく各エリアを行き来することができますし、背景に映っているところのほとんどは実際に行くことができます。
イメージ的には「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」のような感じでしょうか。
この地方は序盤に訪れることになるので、初めて見た時は興奮しました。
公式サイトの「開発者に訊きました 」でマップの広さは「2」の5倍と書かれていましたが、それは伊達ではありませんでしたね。
完全なオープンワールドマップではなく、別の地方に訪れる際にはロード時間が発生しますが、全体マップは「1」のような地続きとなっているので、冒険している感をバッチリ味わえます。
特筆したいのが、脇道も含めて作り込まれていることです。
本作のメインストーリーは一本道で、1つの決められた攻略ルートを辿っていくことになります。
しかし、メインストーリーでは訪れないエリアも存在しまして、今作ではそちらの作り込みも半端ないんですよ。
ぼくがそう感じた理由は3つあって、1つめはヒーロークエストの存在です。
ヒーロークエストとは、特殊なキャラクター「ヒーロー」を中心に展開されるクエストで、クリアすると仲間にすることができます。
用意されているヒーロークエストは数十種類。
中にはメインストーリーの合間に挿入される物も存在しますが、多くは寄り道的な扱いなので、本編をクリアするだけでは出会うことができません。
その割には作り込みが凄く、本格的なイベントシーンが挿入されたり、ヒーロークエストに合わせたキャラクター、フィールドが用意されているので、本編に匹敵するほどのレベルに達しています。
「2」にもレアブレイドによる専用のサブイベントが用意されていましたが、今作はさらに作り込まれていると思いましたね。
「ゼノブレイド3」のサブ要素が作り込まれている2つめの理由は、コロニーの存在です。
各地にはコロニーと呼ばれる集落が存在します。
いわゆる街のような物なんですが、本筋から逸れた場所にも数多く存在するんですよね。
コロニーには休憩ポイントや食事場、お店が存在するほか、大量のクエストが用意されているので、そんなものが脇道にいくつも設置されていることに驚きました。
しかも「1」のようにキズナグラムという住人たちの相関図まで用意されていまして、話をかけたり、クエストを攻略することで更新されてキズナが繋がっていくので、人間ドラマが具現化されていくようになっています。
「ゼノブレイド3」のサブ要素が作り込まれている3つめの理由は、隠しダンジョンの存在です。
本筋からそれた場所にはコロニーだけではなく隠しダンジョンもあったりします。
中には本編の最終ダンジョンを超えるレベルの敵が彷徨いていたりするので、ちょっとやそっとじゃクリアできません。
いやぁこんな凄い要素を本筋から逸れた場所にも用意するとは驚きました。
中盤以降に訪れる海といい、脇道の作り込み、物量は欧米産の大作ゲームに匹敵するほどの水準に達しています。
メインストーリーだけでもボリューム満点ですが、サブ要素も含めたらゲームソフト数本分の物量になりますねw
良いとこ取りの戦闘システム
戦闘システムは「1」と「2」の良いところを踏襲した贅沢な物となっています。
基本的にはリアルタイムで展開されるコマンド式で、プレイヤーはキャラクターを動かしたり、アーツと呼ばれる技を放っていくことで勝てるようになっています。
そんな戦闘ですが、キャラクターによって使える技や役割が違っていたり、特定のアーツを順番にヒットさせることでコンボが発生するので、「いつ、どこで、どんな技を繰り出すのか?」を考えるのが楽しいんですよね。
今作ならではなのが、最大7人での同時戦闘です。
これはシリーズでは最大人数となっていて、これまで以上に激しいバトルが展開されます。
ゲームを進めていくとウロボロスという巨人に一定時間変身して戦えますし、何をどうしたらこんなにも複雑な戦闘システムを作れるのかと思いましたw
極めつけが、チェインアタックです。
これはパーティメンバーと連携して行う強力な必殺技で、上手く行けばコンボがどんどん決まっていき、とんでもないほどの大ダメージを与えることができます。
というのも、チェインアタックの攻撃が決まれば決まるほど与えられるダメージの倍率が上がっていくようになっているからです。
システムとしては3種類のうちいずれかのイラストを選択していき、タクティカルポイントを100%以上にしていくというシンプルなものなんですが、条件を満たすと巨人による強力な攻撃が発動。
ダメージ量にすると通常の数十倍に達するので、ダメージの倍率が上がった状態で発動させると数万、数十万、数百万ものダメージを与えることができます。
さらにチェインアタック中、敵の体力が0になるとオーバーキルが発生。
与えたダメージ分だけ撃破ボーナスを獲得できるので、敵を倒した時の経験値が何倍にもなります。
RPGと言えば経験値を稼いでのレベル上げが基本です。
突き詰めていくと効率よく経験値を稼いでいくようになっていくので、チェインアタックのオーバーキルを活用してのレベル上げにはハマりましたw
全体的には覚えることが多く、複雑ではありますが、過去作と比べたらまとまっている印象で、少しはとっつきやすくなっているんじゃないかと思います。
ファンサービスが凄い!
本作はファンサービスが凄いことになっています。
ネタバレになるので具体的には言えませんが、「1」や「2」のネタが「これでもか!」というほど盛り込まれているんですよね。
特に終盤からクリア後にかけては怒涛のファンサービスが続くので、過去作をプレイした者としては「おぉ!」と思いました。
こんなことを言うと
と思われるかもしれませんね。
確かに終盤からクリア後にかけてのネタは過去作を知っていることを前提にしている感じはしますが、ストーリー自体は「3」で完結するようにはなっているので、必ずしもプレイする必要はありません。
イメージ的には「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」のような感じでしょうか。
同作にも過去作のネタがふんだんに盛り込まれていました。
地名に過去作のキャラクターに付けられていた名前が含まれていたり、過去作の世界を彷彿とするエリアが存在したり。
ファンとしてはそういうネタを見てニヤリとするものですが、だからといって新規の方がおいてきぼりをくらうことはありませんでした。
本作にも同じようなファンサービスが盛り込まれているので、過去作をプレイしていると嬉しい体験を味わえます。
例えばこちらの「天涯の爪先」というフィールド。
「1」の終盤に登場しましたが、今作でもとあるエリアに存在しまして、過去作をプレイしていると良い意味での既視感を味わえるようになっています。
本編では行く必要のない脇道的な場所に隠れているので、興味がある方は探してみてください。
注意点
忙しい人には不向き
ここまで「ゼノブレイド3」の良いところを語っていきました。
和製RPGとしては最高峰のクオリティではありますが、一方では忙しい人には不向きなんじゃないかと思います。
というのもこの作品、長時間遊ぶことを前提にして作られているんですよ。
イベントシーンが非常に多く、時にはコントローラを床にずっと置く必要がありますからね。
また、新しいシステムは少しずつ解禁されるようになっているので、序盤だけをプレイすると物足りなく感じるかもしれません。
前者はキャラクターの描写を丁寧に描くため。
後者は初心者でも入りやすくするための配慮だと思うので、一概に悪いとは言えませんが、
という考えを持たれている方も多いでしょうから、注意点として挙げさせていただきました。
特に任天堂のゲームはすぐに面白く感じるよう工夫された作品が目立っていますから、普段からそのような作品を楽しまれている方ですと、作風の違いに戸惑ってしまうかもしれません。
誤解のないように言っておきますが、イベントの間にゲームが入ってるような箇所は全体のごく一部ではあります。
寄り道を積極的に行えば丁度良い感覚でイベントシーンが挿入されるような配分にはなっていますので、その点に関しては安心してください。
惜しいところ
フィールドのBGMが寂しい
今作のフィールドBGMは少し寂しく感じました。
どの曲も決して悪くはないんですが、「1」のガウル平原のように口ずさみたくなるような曲はほとんどありません。
強いて言えば「ミリク平原」くらいでしょうか。
個人的に「ゼノブレイド」のフィールドは開放感があってワクワクするので、そういう気持ちを煽るような曲を流してほしいと思いました。
まあ、今作のストーリーはシリアスなので、ワクワクするような明るい曲を流すのは難しかったのかもしれませんけどね。
ちなみに、戦闘やイベントシーンで流れるBGMはこれまで通り熱い曲が目立っています。
個人的に好きな曲は、戦闘ですと「名を冠する者たち~Finale」と「Chain Attack」が。
イベントシーンですと「命を背負って」でしょうか。
「名を冠する者たち~Finale」はメロディが熱く、「Chain Attack」は切なさと疾走感が融合した気持ちの良い感じになっていて、戦闘を盛り上げてくれる名曲だと思っています。
「命を背負って」は「1」の「敵との対峙」や「2」の「Counterattack」のフレーズを組み込んだドラマチックな曲なので、この曲がイベントシーンで流れたらグッと決ましたし、「あぁ、ゼノブレイドやっているなぁ」と思いましたね。
全体的には「ゼノブレイド」の色を感じる曲が目立っていますが、フィールドのBGMに関しては盛り上がりに欠けるので、そこは惜しいなと思います。
ゼノブレイド3のレビューまとめ
ここまで「ゼノブレイド3」の良い点や惜しい点を語っていきました。
簡単にまとめると
- 過去作の反省を活かして作られた最高傑作!
- シリアス寄りではあるが、過去最大級の和製RPGに仕上がっている
といった感じです。
いわゆる絵に描いたような大作RPGで、1人でガッツリ遊ぶゲームの究極体に達しています。
こういったゲームは開発が非常に大変で、特に日本ですと生み出すのが難しくなっていますから、そんな中でこのような作品が誕生したことに感謝したいですね。
過去作の反省を活かして作られているとは言え、非常に要素が多いゲームなので、「ここは美味しくない!不味い!」という意見もあるとは思います。
ですが、これほどよくできた和製RPGはそんなにありませんから、少しでも興味がある方は遊んでみてほしいです。
きっと、最後は涙を流すと思いますよ。
こんな人には特におススメ。
・王道RPG好き。
・寄り道好き。
こんな人にはおススメできない。
・忙しい人。
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