
ファイアーエムブレム Echoes もうひとりの英雄王/3DS(通常版) / (限定版)
どうも!KENT(@kentworld2 )です!
今回は2017年4月に発売された3DS「ファイアーエムブレム Echoes もうひとりの英雄王」のレビューをしていきます。
本作はFC「ファイアーエムブレム外伝」のリメイク作ですが、オリジナル版からさらに冒険RPGっぽさが増していました!
元々、FC「ファイアーエムブレム外伝」はシリーズの中では異色の存在で冒険RPGの側面が強かったんですよ。
今回のリメイク作ではその冒険RPG部分をさらに強化している印象で、「ドラゴンクエスト」ならぬ「エムブレムクエスト」と言いたくなりました!w
冒険RPG要素を重視するあまりシミュレーションゲーム的な戦略性はイマイチに感じられましたが、これはこれで他のシリーズ作品にはない良さがあります。
一体、他のシリーズ作品とは何が違うのか?
ここからはその辺りに触れつつ3DS「ファイアーエムブレム Echoes もうひとりの英雄王」の良いと思った点からまずは書いていきます。
プレイ日記はこちら。
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- 詰め将棋の要領で楽しめるシミュレーションRPG。
- ワールドマップを自由に移動して街や祠(ダンジョン)を探索できる。
- 祠(ダンジョン)に入ると3Dアクションアドベンチャーパートが挿入される。
初リリース日 | 2017年4月20日 |
対応ハード | 3DS |
ジャンル | シミュレーションRPG |
推定クリア時間 | 25~35時間 |
売上 | 初週13.2万本/累計18.2万本 |
発売元 | 任天堂 |
目次
良いところ
FEで冒険している感を味わえる
従来の「ファイアーエムブレム」シリーズはステージクリア形式のシミュレーションRPGでした。
イベント→ステージ→イベント→身支度→
ある程度の寄り道は出来ますが、基本的には上記のような形でローテーションしてストーリーを進めていきます。
そんな中、FC「ファイアーエムブレム外伝」(以下、オリジナル版)はワールドマップ制を採用。
ワールドマップを自由に移動して敵に触れたらシミュレーションパートへエンカウントする方式を採用していました。
分かりやすく言うと「ドラゴンクエスト」のコマンドバトルをシミュレーションバトルに変更したような感じ。
今回レビューする3DS「ファイアーエムブレム Echoes もうひとりの英雄王」もその辺りは踏襲していますが、冒険している感が大幅に増したんです!
大きな要因となっているのが祠(ダンジョン)の刷新。
オリジナル版ではトップビューの2Dマップを淡々と進んでいくような感じでした。
ところが今作の場合、3Dアクションアドベンチャーゲームのような形式になったんです!
例えば3D空間を自由に移動したり、剣を振って周辺のオブジェクトを破壊できるようになったんですよ。
「まるで『ゼルダの伝説 時のオカリナ』じゃないか!?」
初めて祠に入った時、ぼくはこんな感じで衝撃を受けました。
さらに街などの拠点はアドベンチャーゲーム風のユーザーインターフェースに変更。
ポインターを動かして画面内の人物に話しかけたり様々なオブジェクトを調べることができるようになりました。
「あれ?ぼくは『レイトン教授』をプレイしているんだっけ?」
拠点で情報収集や探索しているとそう言いたくなるくらい別ゲームをプレイしているかのようですw
しかも街ではサブクエスト的な要素が存在するので、「ドラゴンクエスト」の匂いもします。
ゼルダの伝説 時のオカリナ×レイトン教授×ドラゴンクエスト。
リメイクするに当たってこれらのゲームで見られた要素を盛り込んでいたので、さらに冒険している感が増しました。
探索が楽しい3Dダンジョンパート
祠(ダンジョン)についてもう少し語らせてください!
先程、ぼくは祠の探索はまるで「ゼルダの伝説 時のオカリナ」みたいだと書きました。
そう感じた大きな要因が探索要素の強さになります。
祠の内部は入り組んでいて、分かれ道や隠し通路が満載なんですよ。
しかも宝箱が隠されていて、中には有能なアイテムが眠っていることもあるんです。
どうでしょう?探索する意欲が増してこないでしょうか?
ぼくの場合、アイテム欲しさに敵の動きを盗みながら隅々まで探索してしまいました。
さらに「ゼルダの伝説 時のオカリナ」っぽいと思ったのが、謎解き要素も含まれていること。
そこまで本格的ではありませんが、まさか「ファイアーエムブレム」でここまで本格的な探索を楽しめるとは思いませんでしたよw
ロケーションも洞窟、神殿、塔、森と幅広く、ここだけ見てしまうと3Dアクションアドベンチャーゲームにしか見えませんw
相変わらずの快適性
ここまでアクションアドベンチャーゲーム方面ばかり語ってしまいましたが、「ファイアーエムブレム」はシミュレーションRPGです。
今作の場合、ワールドマップや祠内で敵と遭遇したらシミュレーションパートになるんですが、ユーザーインターフェースの素晴らしさに関しては健在でした!
シームレスに切り替わるシミュレーションパートと3D戦闘パート。
優秀な早送り&スキップ機能。
少ない手順で進められるよう調整された操作性。
この快適性に慣れてしまうと他社のシミュレーションRPGをプレイすると億劫に感じてしまいますw
ミラの歯車でお手軽感がアップ
「ファイアーエムブレム」シリーズは手軽に楽しめるよう様々なアプローチをしていきました。
代表的なのが、倒れた仲間が次の章からは生き返る「カジュアルモード」。
当時は物議を醸していましたが、今となってはこちらを選択するのがデフォルトになっています。
その後も倒れてもすぐに復活できる「フェニックスモード」を搭載するなどの初心者向けの救済措置を設けていましたが、今作のシミュレーションパートではさらに上を行く機能が搭載されたんです!
なんと、過去の状態に戻せる機能が追加されました!
例え仲間がやられてしまっても数手前に戻して危機を回避することが可能なので、今までのようにリセットする手間が省けています。
特に助かったのが、クラシックモードでプレイしている時。
クラシックモードでは倒れた仲間は復活しないので、1人やられる度にリセットボタンを押して最初からやり直していたんですよ。
それが今作では「ミラの歯車」というアイテムを使えば巻き戻すことができるので助かりました。
え?いくらなんでもゆとり仕様過ぎるって?
実は「ミラの歯車」は回数制限があっていくらでも使える訳ではないんですよ。
今作も難易度が高い局面もあるので、そういう時はどのタイミングで「ミラの歯車」を使うのかの駆け引きを楽しめました。
なので、タダの”ゆとり仕様”ではなく新たな駆け引きを生み出す役割も果たしているんじゃなかと。
アルムとセリカを中心に描いたストーリー
舞台を3DSに移してからキャラクター方面を中心に注目を集めるようになった「ファイアーエムブレム」シリーズ。
一方、ストーリーに関しては以前ほど高く評価されることはなくなりました。
そんな中、今回レビューする3DS「ファイアーエムブレム Echoes もうひとりの英雄王」はストーリーもだいぶ良くなっていたんです!
キーパーソンとなるのが幼馴染のアルムとセリカ。
物語はこの2人を中心に描かれるんですが、ひょんなことから別れて行動するようになり、それぞれが戦争を繰り広げるようになります。
「一体、この2人はこれからどうなってしまうんだろう?」
プレイしていると2人の展開が気になってしまいました。
それ以外に強調したいのが、シリーズ初のフルボイスであること。
なんと、街のモブキャラにまでボイスが当てられているんです!w
少し前まで「ファイアーエムブレム」シリーズはボイスに対して消極的だったので驚きました。
惜しいところ
単調なシミュレーションパート
前述の通り今作はこれまでの作品とは進行形式が異なっています。
これまでの作品はあくまでもシミュレーションパートありきだったんですよ。
でも、今作のシミュレーションパートは全体の一部に過ぎず、数ある要素の1つに成り下がっています。
そのためシミュレーションパートは以下のように色々と簡略化されて単調になってしまいました。
- バリエーションに欠けるステージ構成。
- 控えめのギミック。
- コンパクトになったマップ。
- 少なめの出撃数。
- 1個しか持てなくなったアイテム。
- 仲間との連携攻撃や3すくみの廃止。
個人的に気になったのはこの辺りの要素。
良くも悪くも原作のFC「ファイアーエムブレム外伝」を踏襲している印象で、近年の作品に慣れていると物足りなく感じます。
これまでの作品よりも試合の頻度が増しているのでそう考えると適切なボリュームになったとも言えますが、戦略性を重視すると物足りないです。
ステータスでゴリ押しするバランス
個人的にシミュレーションRPGでは自由度は控えめの方が好きだったりします。
何故ならステータスでゴリ押し出来なくなるから。
自由度が高いと推奨レベルよりも高くなってしまい、何も考えずに行動しても勝てるケースが増えてしまうんですよ。
今作の場合、まさにその例が当てはまるのが残念でした。
「だったら推奨レベルになるよう調整して楽しめよ!」って思いますよね?
本作の場合、それに加えて「支援攻撃」「3すくみ」といった戦略性を高める要素も廃止されているので、どうしても簡素なマップで数値遊びをしている印象を持ってしまいました。
もう少し頭を使ってギリギリで勝てる絶妙なバトルを楽しみたかったのですが・・・。
しかも本作では3ターン目以降に退却することも可能になったんですよ。
退却をしても敵の数は引き継がれるので、この仕様を利用すれば体制を整えつつ敵の数を少しずつ減らすことも出来ます。
使わなければ良いだけの話ですが、ぼくは使いまくってしまいました。
自分に甘い性格なのもありますが、退却前提のバランスに感じるシーンもいくつかあったんですよ。
例えば敵のステータスが異常なくらい高かったりして。
このゲームバランスはGC「ファイアーエムブレム 蒼炎の軌跡」辺りが基準となっているぼくとしては合いませんでした。
一部の理不尽な攻撃
「おいおい、そりゃあないでしょう!」
思わずそう言いたくなるくらい理不尽な敵が居ました。
特に気になったのが、アーチャーの射程範囲、魔女のワープ、無限増殖の3点。
アーチャーはシリーズではお馴染みのクラスですが、今作では攻撃範囲が異常なくらい広いんです。
なんと、ゲームを進めると最大5マス先まで弓矢を放つようになるんですよ。
ここまで広範囲に弓矢を放ってくると以下のような戦法が取りにくく感じます。
- 通路に防御力が高いキャラクターを配置する。
- その後ろに防御力が低い&遠距離攻撃ができるキャラクターを配置して支援を行う。
新たな戦略性を生み出しているとも言えますが、アーチャーのせいでやる気が削がれてしまったことがありました。
続いて触れたいのが魔女のワープ。
「ファイアーエムブレム」シリーズって敵の攻撃範囲をシミュレーションしつつ戦略を練るのが楽しいと思うんですよ。
ところが魔女のワープは想定できないようになっているので、想定外のところから攻撃を受けて打たれ弱い仲間が思わぬロストをするなんてことも珍しくありませんでした。
前述のアーチャーもそうですが、今作は打たれ弱いキャラクターを守りにくいバランスになっています。
最後に触れたいのが無限増殖。
終盤になるとほぼ確実に敵が無限増殖するようになり、ガーゴイルや魔女がどんどん現れます。
増殖させる敵は本拠地に居るケースが多い関係で倒しにくく、戦闘が長引きがちでした。
全体のまとめ
RPG要素とは引き換えにシミュレーション要素が簡略化された作品。
こうして書くと3DS「ファイアーエムブレム覚醒」の方向性に近く感じますが、本作の場合は育成RPGというよりは冒険RPGに寄せてきている印象です。
「ファイアーエムブレム覚醒」が「ときめきエムブレム」なら本作は「エムブレムクエスト」になりますw
これはこれでワクワク出来ましたし、ストーリーも楽しめましたが、最終的には「やっぱりファイアーエムブレムは戦略性を重視してほしいなぁ」と思ってしまいました。
でも、「シンプルな戦略性のファイアーエムブレムを楽しみたい!」「ファイアーエムブレムの世界観で”冒険”を楽しみたい!」という人には良いと思います。
記事では触れませんでしたが、左さんが描かれるキャラクターも魅力的ですし、「覚醒」や「if」とは異なる新規層にも訴求出来そうな作品に感じました。
シミュレーション要素と引き換えに冒険RPG要素を強化したエムブレムクエスト!
こんな人には特におススメ。
・バトルシステムが簡素な詰め将棋のRPGをやりたい人。
・冒険好き。
こんな人にはおススメできない。
・戦略性の高いシミュレーションを楽しみたい人。
ファイアーエムブレム Echoes もうひとりの英雄王/お気に入り度【60/100%】
プレイした時間・・・約30時間
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FC版やった人間からすると
よくここまでリメイクしてくれたなあ
と思うけど。