

キングダム ハーツ/PS2
キングダム ハーツ – HD 1.5+2.5 リミックス-/PS4
どうも!KENT(@kentworld2 )です!
今回は2002年3月に発売されたPS2「キングダム ハーツ」のレビューをしていきます。
本作はスクウェア・エニックスとディズニーがコラボしたアクションRPGですが、ディズニー要素を塩梅にスクウェアの持ち味を活かした意欲作でした!
ディズニーのゲームは数あれど、ここまで独自の味を出して壮大なストーリーを描いた作品は見たことがありません。
しかもシリーズ物ではなくオリジナル作品としていきなり出してくるとは驚きました!
そんなPS2「キングダム ハーツ」の良いと思った点からまずは書いていきます。
※2002年12月には英語音声版のPS2「キングダム ハーツ ファイナル ミックス」が発売。
※2013年3月には本作を収録したPS3「キングダム ハーツ HD 1.5 リミックス」が発売。
※2017年3月には本作を収録したPS4「キングダム ハーツ HD 1.5+2.5 リミックス」が発売。
※本記事ではPS4版のレビューをしています。
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- 3Dの箱庭マップを探索してストーリーを進めていくゲーム。
- 箱庭マップの多くはディズニー作品の世界観がモチーフ。
- ゲームを進めることで冒険できる箱庭マップが増えていく。
初リリース日 | 2002年3月28日 |
対応ハード | PS2/PS3/PS4 |
ジャンル | アクションRPG |
推定クリア時間 | 20~30時間 |
売上 | 初週41.1万本/累計83.8万本 |
発売元 | スクウェア・エニックス |
目次
良いところ
ディズニーの世界を冒険できる!
100年近くの歴史を誇るディズニー。
この100年間、数多くの傑作アニメーション映画を生み出してきました。
本作ではそんなディズニー作品の世界を3DアクションRPGという形で冒険することができるんです!
以下、本作で冒険できるディズニーの世界になります。
- ふしぎの国のアリス
- ヘラクレス
- ターザン
- アラジン
- ピノキオ
- ナイトメアー・ビフォア・クリスマス
- ピーター・パン
- くまのプーさん
凄いのが、バラエティに富んだ世界観。
「ふしぎの国のアリス」みたいにメルヘンな世界観もあれば「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」のようなホラーテイストの世界観も存在して多様性を感じられました。
これだけテイストが異なる世界を一本の3DアクションRPGに盛り込むとは凄い!
原作と絡ませたオリジナルストーリー
さらに凄いと思ったのが、原作と絡ませたオリジナルストーリーです!
本作の主人公となるソラは離れ離れになった大切な友達を探す旅に出掛けます。
そして、行く先々で様々なディズニーキャラクターを仲間にして悪党を倒すことになるんです!
ポイントなのが、冒険の過程で様々なディズニー作品の物語に巻き込まれること。
おかげでオリジナルストーリーを楽しみつつもディズニー作品の物語を3DアクションRPGという形で追体験できるという非常に贅沢な体験を味わえるんですね。
スクウェアならではの儚さ
コラボレーションをウリにした作品で魅力的なストーリーを描くのって難しく感じます。
何故ならコラボレーション元を尊重しないといけないから。
ましてやディズニーになると数多くの制約が生まれることでしょう。
ところが本作の場合、オリジナルキャラクターによってスクウェアならではの儚いストーリーを実現していました!
特にソラとリク、カイリたちのやり取りはPS2「ファイナルファンタジーX」に通ずる儚さを感じられ、プレイヤーの胸を痛めつけてきます。
「上手い!」と思ったのが、「ファイナルファンタジー」シリーズの人気キャラクターがサラッとゲスト出演していること(しかもタッチをディズニー風にして違和感をなくしている)。
本編とは異なる設定ではありますが、既に知っているキャラクターが脇役として登場するのでニヤリとします。
本格的なアクション要素
スクウェアはRPGを得意とするメーカーだから良質なアクションゲームは作れない。
そんな偏見を持ちながら本作のアクションバトルに触れてみるとあまりの完成度にビックリします!
モーション、エフェクト、効果音、ヒット&アウェイ。
アクションゲームでは重要な要素が丁寧に作られているので、触っているだけでも面白く感じます。
何気に感心したのがフィールドの作り込み。
フィールドには様々なオブジェクトが設置されていますが、アクションゲームらしく干渉することができるんです!
タルや木箱は持ち上げたり壊したり出来ますし、魔法を使って作動させる仕掛けも用意されています。
時には隠された秘密の通路を探す必要が生まれてくるのでN64「ゼルダの伝説 時のオカリナ」っぽく感じました。
スクウェアらしいRPG要素
スクウェアと言えばRPG!
という訳で本作にも例に漏れずRPG要素が存在し、バトルを重ねることでキャラクターのステータスがアップします。
「上手い!」と思ったのがバランス調整。
実は本作、見かけによらず難易度はやや高めに調整されているんです。
コンボこそはボタン連打で決まりますが、中盤以降は敵の攻撃を回避しないとあっという間にやられてしまいます。
でも、道中で意識してレベルを上げることでキャラクターのステータスがアップして難易度を落とすことができるんですね。
基本難易度はちょっと高いけど、寄り道をすることで楽になる!
この辺りのバランス調整が絶妙に感じられました。
ゲームを進めることで新アクションを覚えて行動範囲が広がっていく点もRPGらしくて良いですね!
箱庭マップを探索できるワクワク感
本作は10以上の箱庭マップを行き来して物語を進めていくことになります。
個人的に箱庭探索型の3Dアクションゲームは大好きなのでワクワクしました!
探索の舞台となる箱庭マップはいずれも大して広くありません。
でも、一本道ではなく入り組んでいるので頭の中でマップを描く必要があるんですね。
この感覚、N64「スーパーマリオ64」っぽい!?
箱庭マップの中にはゲームクリアとは直接関係のないサブ要素や隠しアイテムも存在するので寄り道も楽しいですよ~!
惜しいところ
ストーリー要素と微妙に干渉している探索要素
全体的に本作はストーリー重視に感じました。
登場人物が非常に多く、イベントシーンが大量に用意されていますからね。
そのためストーリー最優先でプレイしがちになってくるんですが、そうなってくると探索要素が邪魔に感じてしまいます。
前述の通り箱庭マップの多くは複雑に入り組んでいるうえにマップ機能がないので道に迷ってしまうことが多いんですよ。
それも醍醐味ではあるんですが、ストーリー主導で作られた本作の特性とマッチしているようには感じられず、苦痛に感じました。
例えで言うならコマンド選択式アドベンチャーゲームで目的が分からず総当たりする時のような感じ。
これがN64「スーパーマリオ64」のようにイベントシーンが極少でプレイヤーがストーリーを想像して探索そのものを楽しむタイプのゲームだったら良かったんですけどね。
ストーリーそのものをアクションRPGという形で楽しむゲームにも見える本作とマッチしたマップデザインには感じられません。
特に「ディープジャングル」「アトランティカ」は入り組んでいるだけではなく高低差もあるので酔いそうになりました。
エンカウント時は仕掛けを作動させられない
敵が近くに居ると戦闘モードに突入します。
これが厄介なもので、戦闘モードに入ると周辺の仕掛けを作動させられないんです!
それでいてエリア間の移動はできるので、この仕様によってクリア必須の隠し通路を見逃すことが多く感じられました。
ただでさえ各ステージは入り組んでいて迷いやすいというのにこれは不親切に感じます。
ユーザーインターフェースが「ファイナルファンタジー」のコマンドバトル風なので、本作はエンカウント式RPGからの流れで作っているのでしょう。
でも、ぼくの場合は純粋なアクションアドベンチャーを主にプレイしてきた人間なのでそっちのノリが分かりにくく感じました。
3Dアクションアドベンチャー風の絵作りだったらすべてシームレスで出来て当たり前と感じてしまい、エンカウントの概念が頭から抜け落ちてしまうんですよね。
微妙に端折っている描写
あれ?今、何が起きたんだ?
あれ?なんでこんな展開になるんだ?
このような感覚を持つことが何度かありました。
これは端折っている描写があるからこそ起こるものだと思います。
困るのが、各ステージを探索してストーリーのフラグ立てを行う時。
描写を端折っているせいで「次は何をするべきなのか?」が分かりにくい時があり、意味もなく各地を彷徨ったことがあります。
尺の問題やテンポとの兼ね合いもあったのでしょう。
あんまり詳細に描き過ぎるとムービーゲーになってしまい、プレイヤーがコントローラを床に置く時間が長くなってしまいますからね。
その辺りが功を奏したおかげで本作のゲームパートとイベントパートの比率はムービーゲーとは言わせないギリギリのラインを保っていましたw
全体のまとめ
ディズニーの世界観でスクウェア節を堪能できる意欲作。
スクウェアの持ち味を活かしつつもディズニー要素を塩梅にしており、任天堂ゲームのエッセンスも盛り込んでいるのでめちゃくちゃ贅沢な作品に感じました。
シリーズ1作目でここまで高い完成度の作品を生み出してくるとは!?
惜しいのが、ストーリー要素と微妙に干渉している探索要素。
「スーパーマリオ64」などを参考にしているのは伝わってきますが、ストーリー要素が強い本作とはミスマッチに感じる部分がありました。
とは言え全体的には完成度が高く、さすがスクウェアのトップ陣が手掛けているだけのことはあります。
ディズニー要素を塩梅にスクウェアの持ち味を活かした意欲作!
こんな人には特におススメ。
・ディズニー好き。
・ファイナルファンタジーシリーズ好き。
こんな人にはおススメできない。
・探索が苦手な人。
キングダム ハーツ/お気に入り度【80/100%】
プレイした時間・・・約20時間
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とにかくこのシリーズは、「あの」ディズニーがここまで潔くスクウェアに下駄を預けたことに尽きると思います。エニックスと合併する前の怖いものなしだった頃のスクウェアと、まだピクサーと完全に融合する前でCGアニメーションへの対応に不安のあったディズニーとの出逢いだったからこそ可能になったコラボだと思うし、だからこそ名作として今でも親しまれているのでしょう。