METROID Other M/Wii
どうも!KENT(@kentworld2 )です!
歴史が長いシリーズはマンネリが懸念されるので、どこかのタイミングでリニューアルをしなくてはなりません。
しかし、さじ加減を間違えるとファンの間で賛否が巻き起こってしまいます。
今回レビューするWii「METROID Other M (メトロイド アザーエム)」もさじ加減を間違えてしまい、ファンの間で賛否両論が巻き起こってしまいました。
ぼく自身も本作に対してはあまり良い印象を持っておらず、シリーズの中では低めの評価だったりします。
一体、何が問題だったのでしょうか?
ここからはWii「METROID Other M」について詳しく語っていきます。
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- 入り組んだマップを探索していく3Dアクションゲーム。
- ストーリーの進行状況に応じて使えるアクションが増えていく。
- SFC「スーパーメトロイド」とGBA「メトロイド フュージョン」の間を描いている。
初リリース日 | 2010年9月2日 |
対応ハード | Wii |
ジャンル | 3Dアクション |
売上 | 初週4.5万本/累計6.0万本 |
推定クリア時間 | 8~12時間 |
発売元 | 任天堂 |
目次
良いところ
シリーズ屈指のドラマ性
本作で特筆したいのが、シリーズ屈指のドラマ性です。
従来の「メトロイド」シリーズは黙々と楽しむものでした。
SFC「スーパーメトロイド」のベビーメトロイドとか、GBA「メトロイド フュージョン」の通信での会話とか。
いくつかの例外はありますが、基本的には入り組んだマップを黙々と探索していくゲームで、プレイヤー自らがドラマを作っていくものでした。
一方、本作ではゲームジャンルが2Dアクションから3Dアクションに変更され、イベントシーンは大幅に増加。
実に2時間ものムービーがオープニングからエンディングにかけて挿入されるので、まるで、一本の映画を見ているかのようでした。
ファンとして嬉しかったのが、世界観が具体化されたことです。
「メトロイド」シリーズは設定が細かい反面、テキストで語られることが少なめで、謎に包まれているところがありました。
本作の場合、プリレンダリングによる美しい映像と日本語ボイスによって「これでもか!」と言えるほど具体的に描かれています。
ぼくが特に感動したのが、SFC「スーパーメトロイド」の終盤をプリレンダリングムービーで再現していることです。
同作の終盤ではベビーメトロイドがサムスをかばうシーンが展開されるんですが、本作では美しい映像で再現しているんですよ。
あのドット絵のシーンがこんなにも美しく具体化されるとは!?
生み親の坂本賀勇さんは本作のモニターチェックをしている時、目にいっぱい涙をためていた ようですが、それもわかる気がします。
面白いのかどうかはともかく、あの「メトロイド」を題材にしたムービーゲーを楽しめるとは、感慨深いものがありますからね。
ちなみに一度ゲームをクリアするとシアターモードが解禁されます。
このモードでは今までに見たムービーを視聴できるんですが、ただのムービー集じゃないんですよ。
各シーンを連続で再生できるうえ、間のゲームパートもダイジェストで流れるので、一本の映画として楽しむことができます!
このモードのおかげで2周目をプレイしなくてもストーリーをすべて追えるので、とんでもないモードを搭載していると思いましたw
Wiiの限界に挑んだゲームプレイ
本作はWiiの限界に挑んでいます。
特にそう感じたのが、各パートが自然に繋がっていることです。
ゲームシーンからイベントシーンの切り替わりは一瞬で、各エリアを行き来する際にもロード時間が挿入されることはありません。
Wiiの性能ですと、少し移動したらロード時間が発生するものなのに、基本的には挿入されない(※)のは凄いです。
どうやら裏で読み込みをしているようで、マップを一本道にしたり、エレベーターでの移動で時間を稼ぐなどして誤魔化しているようですね。
フレームレートは60fpsで滑らかに動きますし、非常に高いパフォーマンスで作られています。
状況によっては読み込みが間に合わず画面が止まることもあります。
スタイリッシュなゲームプレイ
アクションもスタイリッシュなものに生まれ変わりました。
敵の攻撃を華麗に避けるセンスムーブ。
敵の上に乗って強力なダメージを与えるオーバーブラスト。
怯んだ敵にトドメの一撃を与えることができるリーサルストライク。
こんな感じで派手な技を決めることができるので、従来の作品よりも魅せプレイができます。
この点に関しては開発を担当しているTeam NINJAの強みが出ていますね。
同社は「NINJA GAIDEN (ニンジャ ガイデン)」や「DEAD or ALIVE (デッド オア アライブ)」で有名な開発会社で、スタイリッシュなアクションを得意とします。
サムスの派手なアクションからは同社のエッセンスが垣間見えるので、「任天堂単独開発だったら実現しなかったんだろうなぁ」と思いました。
凄いのが、3DアクションゲームでありながもWiiリモコンの十字キーと1、2ボタンだけで発動できることです。
3Dアクションゲームはカメラをグリグリ回してアナログスティックで移動するものだと思っていたので、Wiiリモコンだけで遊べるとは驚きました。
どうやらカメラが自動で回るように調整したり、状況に応じてボタンの役割が変化するなどの工夫をしているようですね。
本作は「最新技術を使ったファミコンゲーム」というキャッチコピーで売り出されましたが、使っているボタンの数はファミコンソフトと大差ないので、言い得て妙だと思いました。
ゲームとしても3Dアクションのようで2Dアクションに近かったりしますし、なんだか不思議なゲームです。
死角が生み出す遊び
「メトロイド」シリーズと言えば入り組んだマップに隠されたアイテムを探すのも面白かったりします。
本作でも至るところに隠されておりまして、中でも印象的だったのが、死角を使ってアイテムを隠していることです。
カメラはオートで展開されるので、自分で動かすことはできません。
すると、死角が生まれてしまうんですが、そういう場所にほどアイテムが隠されているんですよ。
そこで役立つのが、サーチングビューです。
Wiiリモコンを持ち替えて、画面をポイントしてみましょう。
すると、サムス自身の視点に切り替わり、隠されたアイテムや抜け道が見つかることもあります。
不自由な三人称視点と一人称視点を切り替えて隠しアイテムを探すシステムは斬新で、従来の作品とはまた違った楽しさを感じました。
惜しいところ
パワーアップが解除式
従来の「メトロイド」シリーズではパワーアップアイテムを集めてサムスの能力を高めていく楽しさがありました。
一方、本作ではストーリーの進行状況に応じて自動的に解除されるので、パワーアップアイテムを集める要素は存在しません。
「メトロイド」シリーズはパワーアップアイテム集めることで今まで行けなかった場所へ行けるようになるカタルシスが醍醐味なので、解除式なのは残念です。
なぜ、解除式になってしまったのでしょうか?
理由としては、ストーリーの整合性を重視しているというものがあります。
本作のストーリーはSFC「スーパーメトロイド」の続きとなっていて、サムスのパワードスーツは強化されたままです。
しかし、パワードスーツの機能は危険なので、元上官であるアダムから許可が降りないと使えないんですね。
「なるほど、考えたなぁ」と思う反面、ゲームとしては面白みに欠けますし、必要な時に使えなかったりするので、ストーリーに足を引っ張られている感があります。
そういう意味ではGBA「メトロイド フュージョン」もストーリー重視なのが仇になっている部分もあると思いましたが、本作は度を超えてしまいました。
パワーアップが解除式ですし、マップも一本道で、道に迷うことがほとんどありませんからね。
何度も言うように「メトロイド」と言えば探索ですから、その楽しさを潰すのはどうかと思います。
回復アクションによる弊害
Wiiリモコンを縦に向けると体力やミサイルを回復することができます。
一見すると便利に感じますが、この要素はシリーズの良さをぶち壊していると思いました。
理由としては2つあって、1つめはアイテムを集める必要性が薄れたことです。
本作でもエネルギータンク、ミサイルタンクといったアイテムが各地に隠されています。
集めることで体力やミサイルの最大値が増えるんですが、回復できるせいで集める必要性が薄れてしまいました。
2つめは、ザコ敵が空気になったことです。
従来の作品ではザコ敵を倒すと回復アイテムやミサイルを落としました。
一方、本作では回復アクションを加えたことで落とさなくなったので、道中のザコ敵を倒す必要性がないんですよ。
仕掛けを解く時は邪魔になるので倒しますけど、道中のザコ敵は無視した方が良かったりするので、過去作以上にザコ敵が空気に感じました。
探索の歯ごたえが無くなった
ゲームをクリアするとマップに隠されたアイテムの場所が表示されるようになってしまうため、過去の作品よりも探索の歯ごたえが薄れていました。
もちろん、アイテムの位置がわかっても、そこに辿り着くまでの手順がわかりませんから、多少は頭を使いますけどね。
それよりは「メトロイドプライム」シリーズのようにアイテムの近くに行くと音が鳴る仕様のほうが良いと思いました。
面倒なサーチングビュー
先ほども話したように、Wiiリモコンを画面に向けるとサーチングビューとなります。
面白いシステムではありますが、ストーリーを進めると強制的に展開されるのは頂けません。
というのもですね、イベントシーンでサーチングビューが発生すると、対象物が見つからない限りは先に進めないんですよ。
サーチングビューを中断して戻ることもできないので、最悪、数十分ほど画面をポイントすることになってしまいます。
すぐに見つかれば良いんですが、
- 視界が悪い
- 判定が狭い
のコンボによって見つかりにくいので、テンポを著しく崩しているなと思いました。
対象物の近くをポイントしている時にお知らせをするとかして難易度を下げても良かったんじゃないでしょうか?
METROID Other M (メトロイド アザーエム)のレビューまとめ
ストーリーを重視し過ぎたメトロイド。
従来の作品で見られた探索の楽しさはありましたが、ストーリーを重視するあまり、失っている物も多く感じます。
また、詰めが甘い部分も散見されるので、これはファンの間で賛否両論なのも無理はないなと思いました。
キャラクターデザインが日本人向けにアレンジされていたり、難易度が控えめなので、新規ユーザー向けと言えなくもないですが・・・。
ぼくだったらGBA「メトロイド フュージョン」の方をおすすめしますかね~。
こんな人には特におススメ。
・メトロイドの世界観に浸りたい人。
こんな人にはおススメできない。
・短気な人。
・探索重視の人。
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