【レビュー】ポケモン ダイパリメイク [評価・感想] 決定版ではないが、手堅い内容

どうも!KENT(@kentworld2 )です!

今回は「ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド・シャイングパール」のレビューをしていきますが、まずはひとこと言わせてください。

このゲーム、賛否が分かれています。

海外のレビュー収集サイト、「メタクリティック」ではメディアスコアが平均77点。

歴代シリーズと比較してやや低めの評価となりました。

また、発表直後はグラフィックが期待以上でなかったことなどが影響して一部では炎上。

ポケモンのリメイク作としては物議を醸しています。

そんな「ダイパリメイク」なんですが、クリアした者から言わせて頂きますと、普通に面白いです。

原作となる「ダイヤモンド・パール」を忠実に再現されていて、近年の任天堂系タイトルでよく見られる、堅実な作りのリメイク作だと思いました。

ただ、誰にでもおすすめできるゲームではないと思ったので、今回はその辺りを踏まえて語っていきたいと思います。

累計1,000記事突破!KENTがプレイしたゲームのレビュー記事一覧へ

このゲームを3行で説明すると?
  • 2006年に発売されたDS「ダイヤモンド・パール」のリメイク作。
  • マップの地形やBGM、ストーリーなどを忠実に再現している。
  • 「ちかつうろ」や「スーパーコンテスト」などのミニゲームはリニューアルされた。
初リリース日 2021年11月19日
対応ハード Switch
ジャンル RPG
売上 初週139.6万本
推定クリア時間 15~25時間(殿堂入り)
発売元 ポケモン

スポンサーリンク

ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド・シャイングパールとは?

まずは「ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド・シャイングパール」。

こと「ダイパリメイク」の概要を簡単に解説していきます。

本作は2006年に発売されたニンテンドーDS用ソフト、「ポケットモンスター ダイヤモンド・パール」のリメイク作です。

「ダイパ」はポケモンの世代としては4代目にあたり、490種類以上のポケモンが登場します。

冒険の舞台となるのはシンオウ地方。

北海道のような形をしたマップで、嵐や吹雪、霧や砂嵐など、気象が激しく変化していくのが特徴となっています。

開発のテーマは究極で、従来のポケモンをベースにしつつ、様々な部分が強化されました。

例えば対戦バランスは大きな改善が行われていて、それまではタイプごとに設定されていた「物理」と「特殊」の概念が技単位に変化しています。

この変更によって色んなポケモンが本来持っているポテンシャルを引き出せるようになり、ポケモンバトルの幅が大きく広がりました。

さらにシリーズでは初となるWi-Fi対戦にも対応。

遠く離れた友達ともオンラインで気軽に対戦できるようになります。

こういった取り組みがユーザーのハートを掴んだようで、国内での累計売上は500万本を突破。

ユーザー人気も非常に高く、ねとらぼの投票ランキングでは1位となりました。

そんな「ダイパ」が満を持して今回、リメイクされましたが、一体、どんな内容になっているのでしょうか?

ここからは「ダイパリメイク」の魅力などを語っていきます。

目次へ戻る

良いところ

オリジナル版を忠実に再現

本作で特筆したいのが、オリジナル版を忠実に再現していることです。

グラフィックからストーリー、BGMなど、ありとあらゆる部分がオリジナル版に寄せて作られています。

正直なところ、初めてグラフィックを見た時は

え?Switchソフトなのに二頭身?

と思ったんですけどね。

カメラが引いた状態でプレイする分には違和感はほとんどなく、懐かしの「ダイパ」をHD画質で遊べることに感動すら覚えました。

谷間の発電所のプロペラとか、215番道路の大雨とか。

オリジナル版で印象的だった部分もピンポイントで再現されているので、リアルタイムで遊ばれた方したら感動するのではないでしょうか?

違和感があったキャラクターの等身も慣れてくると昔あったプラコロみたいで可愛らしく、おもちゃの世界を冒険しているかのような印象を持ちました。

イメージ的にはSwitch版「ゼルダの伝説 夢をみる島」のような感じでしょうか。

同作もオリジナル版はドット絵のグラフィックだったんですが、リメイク版はおもちゃのような3Dグラフィックに書き換えられていましたからね。

見下ろし型の2Dゲームをどのようにしてリメイクするのか?

「ダイパリメイク」やSwitch版「夢をみる島」をプレイしていると一つの回答が見えてきたように感じます。

え?「ダイパの世界を等身大にリメイクしてほしかった」って?

確かに「ソードシールド」をプレイした直後に本作を触るとそんな気持ちになるのもわかりますし、ぼくも共感できるところがあるんですが、これはこれで味わい深いグラフィックに感じます。

水の透明感とか、ちびキャラの可愛らしさとか。

光る部分もあるんじゃないかとプレイして感じるようになりました。

DSの機能を活かした仕掛けも継承

忠実に再現という意味では、DSの機能を活かした仕掛けを継承しているのも良いですね。

「ダイヤモンド・パール」はニンテンドーDSソフトになるので、同ハードの機能も活かしていました。

下画面にアプリを表示することができたり、タッチスクリーンを活かしたミニゲームの「ポフィンづくり」を収録したり。

本作の場合、どちらの要素もしっかりと継承しています。

ポケッチはRボタンを長押しすることで右上に表示する仕様に刷新。

さらにRボタンを押すと画面を大きくしてタッチできるようになります。

Switchは1画面のゲーム機なので快適性という意味ではDSには劣りますが、しっかりと再現してくれたのは嬉しいですね。

「ポフィンづくり」はスティックをグルグル回す操作形式に刷新。

Joy-Conが壊れないかちょっと心配になりますが、オリジナル版の要素を継承しているのは嬉しいですね。

え?「タッチスクリーンを使ったバッジの小ネタは継承されているのか」って?

これがですね、しっかりと継承しているんですよ。

知らない人に解説させて頂きますと、本作でもジムリーダーに勝つとバッジが貰え、トレーナーカードから確認することができます。

そんなバッジなんですが、携帯モードで画面をタッチすると・・・

音が鳴ります!

これはオリジナル版で見られた小ネタなんですが、こんなところまで再現しているとは、いやぁ凄いですねぇ。

戦闘の遊びやすさが向上

ここまでオリジナル版を忠実に再現していることを挙げていきましたが、一方では遊びやすさの面で大きなメスを入れています。

特にメスを入れていると思ったのが戦闘周りです。

リメイク版の戦闘システムも

  • ポケモンたちが1対1。もしくは2対2で戦っていく点
  • ターン制のコマンド形式である点
  • 4種類の技を使い分けていく点

などは共通しているんですが、様々な部分に調整が加えられています。

ぼくが良いと思った点は3つあって、1つめは経験値の振り分けです。

戦闘時に貰える経験値は手持ちのポケモン全員が貰えるようになり、捕獲時にも貰えるようになりました。

弱いポケモンも手持ちに入れていたらあっという間に育つので、時間がない人にも優しい仕様になっています。

2つめは、相性の表示です。

一度倒したポケモンとの再戦時にはコマンドに技の相性が表示されるようになったので、相性の暗記をする必要がなくなりました。

複数のタイプを持ったポケモンですと、どの技が効いてどの技が効かないのかわかりにくいので、ぼくのようにど忘れする人には有り難い仕様ではないでしょうか?

3つめは、レベルアップで覚える技の調整です。

ポケモンたちはレベルアップすることで新しい技を覚えるんですが、中には高レベルにならないと本領を発揮しないポケモンも居たりするんですよ。

例えばポッタイシは水タイプなのにレベル24にならないと強い属性技を覚えることはなく、それまでは「あわ」で凌ぐしかありませんでした。

一方、本作ではレベル19で「バブルこうせん」という強力な属性技を覚えるようになったので、序盤のストレスが軽減されています。

まとめさせていただくと、

  • 手持ちのポケモン全員が経験値をもらえるようなった
  • 技コマンドに相性が表示されるようになった
  • 覚える技に調整が加えられた

といった感じです。

このような改善が行われているので、サクサク進められるようになりました。

体感的にはオリジナル版の1.5倍速でプレイしているような感じでしょうか。

この辺りは近年のポケモンで良かった点を上手く輸入している印象です。

近年のポケモンは新規の方が気軽に遊べるよう、煩わしかった部分を排除する方針を取っているんですが、今作にも反映されています。

マップ移動の快適性が向上

ここまで戦闘周りが遊びやすくなっていることを触れていきましたが、マップ周りも様々な調整が加えられています。

ポケモンでは様々な街やダンジョンをハシゴしていきますよね?

「ダイパ」でも大都市から洞窟、島、森などを冒険することになりますが、リメイク版では快適性がグッと増しています。

ぼくが良いと思った点は3つあって、1つめはひでんマシンの廃止です。

オリジナル版では手持ちのポケモンにひでんマシンを使わないと行けない場所が多くありました。

「いわくだき」で邪魔な岩を壊したり、「なみのり」で水上を移動したり。

実に8種類もの技を手持ちのポケモンに覚えさせないと移動に制限ができてしまったんですが、本作ではポケッチのアプリから選択する形式に刷新。

技が解放されたら野生のポケモンが手伝ってくれるようになったので、そこらのビッパを無理やり捕まえてひでん技を覚えさせる必要はありませんw

2つめは、次の目的地を教えてくれることです。

メニューを開いてみると、次はどこに行けば良いのかを教えてくれるようになりました。

さらにマップ画面を開くと目的地に旗が立つようになったので、これで目的を見失うことはなくなりました。

オリジナル版では次の目的がわかりにくい工程があったので、これは嬉しい改善ですね。

3つめは、「虫よけスプレー」を続けて使える機能です。

「虫よけスプレー」を使うと野生の弱いポケモンと遭遇しなくなります。

でも、ある程度歩いたら効果が切れてしまうので、長いダンジョンではメニュー画面を何度も開いて使っていたんですよね。

一方、本作では効果が切れた時に「続けて使用するのか?」の選択肢が挿入されるので、メニュー画面を開く煩わしさが抑えられています。

まとめさせていただくと、

  • ひでんマシンなしでフィールドアクションを行えるようになった
  • 次の目的地を教えてくれるのでわかりやすくなった
  • 「虫よけスプレー」を続けて使えるようになったので快適

といった感じです。

このような改善が行われているので、お目当てのエリアへ気軽に足を運ぶことができるようになりました。

いやぁ近年のポケモンで培ったノウハウが見事に活かされていますね。

パワーアップした遊び要素

オリジナル版で見られた遊び要素は大幅に強化されています。

特に強化されていると思ったのが「ちかつうろ」です。

「ちかつうろ」は迷路の洞窟を探索するという遊び要素で、壁の中にあるアイテムを掘り当てたり、秘密基地を作って模様替えグッズを配置することができました。

そんな「ちかつうろ」ですが、本作では「地下大洞窟」となり、中毒性がグーンと増しています。

まず大きいのが、隠れ家の追加です。

隠れ家は「地下大洞窟」の至るところに点在し、中には様々なポケモンが生息しています。

生息するポケモンは多種多様。

実に数百種類にも達するほどなので、色んなポケモンを捕まえやすくなりました。

極めつけとなるのが「化石掘り」の強化です。

本作でも壁の中にあるアイテムを掘り当てるミニゲームに挑戦できるんですが、新アイテムが追加されています。

1つめは「石像」。

これを秘密基地に配置することで隠れ家に出現するポケモンが変化します。

2つめは「なぞのかけら」。

このアイテムを全国図鑑入手後に行けるある場所で交換いたしますと、懐かしの伝説ポケモンと出会うことができます。

「石像」と「なぞのかけら」

どちらも珍しいポケモンを捕まえるうえでは欠かせないアイテムになりますので、「化石掘り」の中毒性をさらに高めている印象です。

ポケモンと言えば図鑑を埋めるのが大きな目標となっていますから、今回の追加要素は大きな意義をもたらしているのではないでしょうか?

それ以外に強化されていると思ったのが「スーパーコンテスト」と「連れ歩き」です。

「スーパーコンテスト」は「スーパーコンテストショー!」という名称に変更され、リズムアクションゲームが主体となりました。

オリジナル版と比べて爽快感やテンポが向上しているので、ミニゲームとしての中毒性が増しています。

「連れ歩き」はオリジナル版ですとヨスガシティのふれあい広場でしかできませんでしたが、今作では屋外でもできるようになりました。

ポケモンの種類にも制限がなく、色違いも反映されるので、これは地味に凄い強化点ではないでしょうか?

連れ歩き自体は「ダイパ」と同じDSソフトの「ハートゴールド・ソウルシルバー」から実装されたので、そちらの要素がリメイク版にも輸入されたのは感慨深いものがあります。

まあ、狭い通路を引き返す時に連れ歩きをしていると邪魔に感じることもあるんですけどねw

ここまでの話を聞かれた方の中には

遊び要素が色々とパワーアップしているのはわかったよ
じゃあゲームコーナーのスロットマシンはどうなったんだよ?

と思われるかもしれませんね。

えーっと、それについてはこの後に触れます。

スポンサーリンク

目次へ戻る

惜しいところ

スロットマシンや模様替えグッズが廃止

ここまで遊び要素が強化されたことをお話してきましたが、一方では廃止されてしまった要素も見受けられます。

1つめはスロットマシンです。

オリジナル版ではスロットマシンで遊ぶことができました。

スロットが揃うとコインが増加。

集めたコインは景品と交換することができましたが、今作では廃止されています。

あれ、地味にハマったんですけどね。

子供にも人気のポケモンには相応しくないようで、同じくリメイク作の「オメガルビー・アルファサファイア」「レッツゴー ピカチュウ・イーブイ」でも廃止されていました。

ゲームコーナーだった場所はファッションスタイルに差し替えられていて、主人公の着せ替えを楽しむ要素が追加されています。

といっても上半身、下半身に異なるアイテムを着せ替えることはできず、プリセットを選んでいく形式なんですけどね。

戦闘画面で見られる等身大のキャラクター、マップ画面で見られる二頭身のキャラクター共に用意しているのは感心しました。

2つめは模様替えグッズです。

オリジナル版では「ちかつうろ」の秘密基地に模様替えグッズを置くことができましたが、今作では石像を置くシステムに刷新されています。

この変更によって秘密基地を自分だけの部屋のようにすることができなくなりました。

模様替えグッズを配置する楽しみは「どうぶつの森」で味わってくださいってことなんでしょうかね?

移動がしにくい

本作ではスティックで操作ができるので、斜め移動ができます。

オリジナル版ではできなかったので最初は感動しましたが、これは罠です。

マップの構造はオリジナル版と同じく直角的なので、引っかかりやすくなっています。

また、斜め移動ができるせいですり抜けバグが発生しやすくなっていて、ネット上ではバグ関連の映像が続出してしまいました。

こんなことになるならいっそのこと、斜め移動をできなくしてほしかった(さすがに時代錯誤にも程があるとは思いますが)。

目次へ戻る

注意点

あくまでもダイパのリメイク

本作は「ダイヤモンド・パール」のリメイク作になるので、「プラチナ」バージョンで見られた要素の中には反映されていないものがあります。

「プラチナ」は「ダイヤモンド・パール」の2年後に発売された新バージョンで、様々な新要素が追加されました。

新ストーリーや新要素が追加されたり、テンポが向上したり。

「ダイヤモンド・パール」の決定版として高く評価されていますが、本作では「プラチナ」の新要素はほとんど継承されていません。

ポケモンジムの仕掛けは「ダイパ」基準ですし、「プラチナ」で好評だったバトルフロンティアも搭載されていません。

ですので、「プラチナ」が好きな人は物足りなく感じる恐れがあります。

個人的にはポケッチの切り替えボタンくらいは「プラチナ」基準でも良いんじゃないかと思いました。

ポケッチは様々な便利機能が搭載されたアプリなんですが、「ダイパ」だとモード切り替えのスイッチが1つしかないんですよね。

これ、アプリが増えてくると不便になるので、「プラチナ」のようにボタンを2つ搭載しても良かったと思うんですが・・・。

目次へ戻る

ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド・シャイングパールのレビューまとめ

ここまで「ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド・シャイングパール」の魅力などを語っていきました。

簡単にまとめると

  • 「ダイヤモンド・パール」を忠実に再現した手堅い作品。
  • ポケモンの決定版ではないが、リアルタイム世代にはおすすめ!

といった感じです。

完全新作の「ソード・シールド」とか、3世代目をフルリメイクした「オメガルビー・アルファサファイア」とか、「ダイヤモンド・パール」を大幅に強化させた「プラチナ」とか。

本作よりも映像やシステムに力を入れたタイトルが他にもあるので過小評価されがちですが、比べなければ普通に面白い作品です。

オリジナル版で煩わしかった部分は見事なくらい改善されていますし、新要素の中にはキラリと光るものもあります。

ですので、子供の頃、「ダイパ」を遊ばれていた方が懐かしんで遊ぶ分にはおすすめです。

逆に「ダイパ」を遊ばれていないのでしたら、他のタイトルをおすすめします。

「ソードシールド」の方が現代向けに作られていますし、2022年初頭にはさらにパワーアップした「ポケモン レジェンズ アルセウス」という新作が控えていますからね。

話題作とは言え、ターゲット層を絞ったタイトルだと思いますので、購入される際はよく考えることをおすすめします。

こんな人には特におススメ。
・子供の頃にダイパを遊んだ人。

こんな人にはおススメできない。
・ダイパ未プレイ。
・等身大の世界を求めている人。

お気に入り度【70/100%】

累計1,000記事突破!KENTがプレイしたゲームのレビュー記事一覧へ

ハードメーカー別レビュー記事リスト
Nintendo PlayStation
Xbox etc

本記事の動画版

 

関連作のレビュー記事