
レッド・デッド・リデンプション2/PS4 (Z指定)
どうも!KENT(@kentworld2 )です!
今回は2018年10月に発売されたPS4/Xbox One「レッド・デッド・リデンプション2」のレビューをしていきます。
本作は西部劇を題材にしたオープンワールド型のアクションアドベンチャーゲームですが、極限までリアリティを追求したことで最高の西部劇シミュレーターと化しました!
本作の魅力を伝えやすくするためまずは合わない点や気になった点を書いていきます。
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- 西部劇を題材にしたオープンワールド型アクションアドベンチャーゲーム。
- 馬に乗って広大な世界を探索できる。
- 銃撃戦では一定時間辺りをスローにして敵に狙いを定めることができる。
初リリース日 | 2018年10月26日 |
対応ハード | PS4/Xbox One |
ジャンル | FPS/TPS |
推定クリア時間 | 35~45時間 |
売上 | 初週13.6万本/累計22.4万本 |
発売元 | テイクツー・インタラクティブ ジャパン |
目次
惜しいところ
水で薄めたような淡白なゲームプレイ
1899年のアメリカ大陸を舞台にした本作のオープンワールドマップは非常に広大です。
体感的には前作の倍はありましたが、それ故に移動時間がめちゃくちゃ長く感じました。
馬で移動しても目的地まで2~3分かかるのはザラ。下手をしたら5分以上かかってしまうこともあります。
そんな時に役立つのがファストトラベル(ワープ)機能なんですが、困ったことに機能が限られているんです!
前作の場合、好きな場所でキャンプを行うことで任意の場所にファストトラベル出来ました。
ところが本作の場合は以下のような制限があります。
- 一部の宿泊施設から街へしかファストトラベルできない。
- しかも街から宿泊施設へのファストトラベルは出来ず一方通行になっている。
- そもそも宿舎施設は大金を支払わないと解放されない。
ファストトラベルの手段としては他にも汽車を利用することで駅間を一瞬で行き来出来ますが、それでも前作と比べてかなりの制限があります。
にも関わらずマップの広さは前作の倍以上なので移動だけでかなりの時間を取られてしまいました。
これはまとまった時間を取れない人にとっては致命的です。
リアリティが足枷になることもある
本作は驚くほどリアリティを追求しています。
それは良い点でもあるんですが、一方では足枷になることもありました。
一番気になったのが厳しすぎる物理判定。
普通のゲームだったら多少高いところから落下したり人にぶつかっても大して何も起きません。
ところが本作の場合、転倒したりダメージを受けてしまうんです!w
主人公がちょっと大きな岩から足を踏み外した時、おにぎりのようにゴロゴロ転がって行って大ダメージを受けた時は驚きました。
街の人に少しちょっかいを出しただけで犯罪者扱いされて警官に襲われたこともありましたし、リアリティがゲームプレイの邪魔に感じることもあります。
平凡なゲームデザイン
世界のロックスターが生み出す超大作だからさぞゲームデザインも凄いのだろう!
そんな期待感を持って本作に手を出すとあまりの平凡さに驚くと思います。
ゲームデザインは決して悪いとは言いませんが、かと言って特別凄くはありません。
メインディッシュの銃撃戦はよくあるリアル系TPSで前作からの進化点がイマイチ分かりませんでした。
極めつけはメインミッションの進行形式!
リアリティ重視のためか安易な戦闘シーンに持っていかないように構成されているので、ミッションによっては馬で移動して薬草を積むだけで終わってしまうような物もありました。
あれ?これで終わり?
攻略チャートがあまりにも地味過ぎて思わずそう突っ込みたくなるミッションも数多く用意されています。
少なくとも「アンチャーテッド」シリーズのようなジェットコースター体験を期待したらごくごく一部を除いて肩透かしを食いますね。
それでいてメインミッションの数は無駄に多く、人によっては胃もたれをする恐れがあります。
新要素の多くは攻略の面では形骸化していますし、ゲーム性の面ではそこまで奥深い作品には感じませんでした。
時代の流れに逆行した操作形式
今は西暦何年なのだろうか?
本作の操作形式を見ているとまるで10年前にタイムスリップしたかのような錯覚を持ちます。
まず、これまでロックスター・ゲームスが発売したタイトルと同じくダッシュはスティック押し込みではなくボタン連打なんです!
アイテムの拾得、オブジェクトのインタラクトなどやたらとボタン長押しを強要させられますし、アイテムセレクト画面のユーザーインターフェースも煩雑で直感性に欠けます。
この辺りは「グランド・セフト・オートV」など自社のタイトルが売れすぎてしまった故の弊害だと思いました。
ロックスター・ゲームスは世界で最も売れてしまった故に自分たちが考えた操作形式が正しいものだと思っているようで、2018年になっても他社の直感的な操作形式を取り入れずにわが道を行ってます。
良いところ
リアリティを追求したウソのない世界
ここまで否定的に書いてしまいましたが、個人的に本作は唯一無二の体験を味わえる素晴らしい作品だと思っています!
特筆したいのが、リアリティを追求したウソのない世界です。
確かにリアリティを追求してしまった故にゲームプレイの足枷になることもありました。
しかし、それを補って余りあるほど世界観の作り込みは大きなセールスポイントだと思うんです!
特にウソと感じさせないような作り込みの細かさは物語に没頭するうえでは非常に大きな恩恵を味わえました。
最近のゲームはリアルになったとは言いますが、そうは言っても作り物は作り物です。
見えない壁があるなんてしょっちゅうですし、街の住人が同じところをグルグル回っているだけで終わっているケースは何度も見てきました。
ところが本作の場合、粗を探そうと思っても全然見つからないんです!
むしろ「こんなところまで作り込んでいるのか!?」と感心してしまうw
以下、本作でリアルだと思った点を箇条書きでまとめてみました。
あまりにも長いので、あまり関心のない方は「リアルなんだな」と思いつつ流し読みをしていただいても構いません。
- 雪が積もったエリアを歩くと足跡が細かく残る。
- 砂浜や泥だらけの道も足跡が細かく残る。
- 草が1本1本丁寧に描かれており、木の枝も細かく描いている。
- 人間や動物に銃弾を放つと弾の跡が細かく残る。
- 倒れている人間の顔に向かって何度も銃弾を放つと・・・(自主規制)
- ランタンに向かって撃つと爆発して周囲が燃え上がる。
- 暗い室内から明るい屋外へ出ると明順応が発生して眩しくなる。
- 雄の馬には息子が付いており、性別問わず排泄をすることがある。
- 血液が服に掛かるとシミが細かく残る。
- 動物を剥ぎ取ると皮と肉が分離する描写がしっかり描かれる。
- シチューなどの料理を食べる時は皿の具材が減っていく描写が描かれる。
- ギャングのキャンプ地に戻ると誰かが寄ってきて向こうから色んな話をしてくる。
- 水に浸かった所まで服が濡れるようになっている。
- 風呂に入らないと体がどんどん汚れる。
- 時間が経過することで髪の毛やヒゲがどんどん伸びる。
- カロリー消費・摂取することで体型が変化する。
- サボテンに触れるとチクチクしてコントローラが振動する。
- 200種類の生物が生息しており、狩りや釣りをして捕まえられる。
- 銃は使っていくと傷んでくるのでメンテナンスする必要がある。
どうでしょうか?
思わず「ロックスター・ゲームス頭おかしい!」と突っ込みたくなりますよね?w
しかもここで挙げた要素の多くはゲーム攻略のうえではあまり関係なかったりします。
なので、ゲーム部分だけを見たら無駄に感じてしまうかもしれません。
リアリティを追求したおかげで引き込まれた味わい深いストーリー
何故、ぼくがリアリティを追求した世界観を高く評価するのか?
その大きな要因となっているのが味わい深いストーリーです!
本作のメインミッションではギャングのアーサー・モーガンとなり様々な行動を起こしていきます。
時には銀行強盗など常人では考えられないような犯罪を犯すことになるので当初は抵抗がありました。
しかし、あらゆる部分を徹底して作り込んでいるおかげでアーサー・モーガンに自己投影することができるようになり、ロールプレイ(役を演じる)をする気になれたんです!
それだけこの世界は作り物と感じさせないような説得力があり、浸っていけるようになっているんですね。
もし、本作に見えない壁が大量に存在してオブジェクトのリアクションが薄かったらここまで世界に浸っていけなかったでしょう。
ジョン・マーストンが最高過ぎる!
ぼくが本作の世界に浸れた大きな要因としてはジョン・マーストンの存在も大きかったりします。
実はこのキャラクター、前作の主人公なんですよね。
にも関わらず今作の主人公はアーサー・モーガンという別人なんですが、これには深い訳があるんです。
その事実を知ってからのぼくはますます本作の世界に浸ってしまい、ストーリーの続きが気になってしまいました!
それだけ今作のストーリーはジョン・マーストンにスポットを当てているんですね。
ネタバレになるので具体的には言えませんが、前作で思い入れがあった分、ジョン・マーストン周りの話は引き込まれてしまいました。
実はぼく、英語音声だとキャラクターの声を区別することが出来なかったりします(おっさんキャラだと尚更)。
でも、ジョン・マーストンの声はしっかりと区別が出来ました。
それだけぼくは彼に思い入れを持っているんですね。
彼の声は8年前にプレイしたPS3/Xbox 360「レッド・デッド・リデンプション」の時とまんま同じだったので、今作で声を聴けた時は嬉しくなりましたよ。
圧倒的な脚本量によって生まれるリアリティ
本作の脚本量はオープンワールドゲームとしては規格外のボリュームです。
その中には冗長に感じる会話も多くて一見すると無駄に感じるんですが、キャラクターに思い入れを持ってしまうと話は別です。
スポットに当たっているキャラクターの脚本は非常に多く、細かい設定も語られるので思い入れを持ちやすいんですよね。
この辺りは「シュタインズ・ゲート」などの国産ノベルゲームを彷彿しました。
この手のゲームは日常パートが存在して本筋からそれたような会話を沢山聞かされるんですが、だからこそ各キャラクターに思い入れを持てるようになっているんですね。
個人的にはジョン・マーストン関連の脚本も大量に用意されているのが有り難く感じました。
欧米ゲームってキャラクターの描写が希薄で思い入れを持ちにくい傾向にあるんですが、本作は例外でしたね。
さすがPS4ソフトでは異例の2枚組ディスクを採用しているだけのことはあります。
ギャングの生活シミュレーターとしても楽しめる!
細かいところまで徹底的にリアリティを追求している。
ということは19世紀アメリカ大陸で暮らすギャングの生活シミュレーターとしても楽しめるってことじゃないですか!?
ゲーム攻略にはあまり影響しませんが、本作では空腹など細かいステータスが存在し、狩りや釣りを楽しむことが出来ます。
そのためメインミッションを放置して大自然の中で気ままなスローライフを楽しむことができるんですね。
メインミッションでアーサー・モーガンになりきるため、時には何の目的も持たず漠然と狩りや釣りをして生活してみるのも良いと思います。
その場合、PSVR&イヤホンを装着して一人称視点モードでプレイしてみてください。
相当な没入感を味わえるので、本当にその世界で生活しているかのような感覚を味わえると思います。
このように本作は工夫次第でより楽しめるので、下記の記事で楽しみ方のコツをまとめてみました。良かったらご覧ください。
全体のまとめ
前作から大幅にリアリティを高めて19世紀アメリカ大陸で暮らすギャングの生活シミュレーターに変貌した作品。
それ故にアクションシューティングの比率が下がり、ストーリー的にもゲーム的にも地味なシーンが増えてしまいました。
また、ゲームシステムの多くが「ゲーム性を高めるため」というよりは「リアリティのある世界観を構築するため」に存在している印象で、攻略の面ではほとんど意味を成していません。
そのため前作以上に面白さの本質が分かりにくくなってしまい、人によっては面白くなるまでにかかる時間が非常に長く感じる恐れがあります。
個人的にも当初は地味な印象が強く、「これが世界で絶賛されているのか?」と疑問に感じながらプレイしていました。
しかし、徹底したリアリティの追求と細かいキャラクター描写、そして前作の予備知識によってメインミッションを進めれば進めるほど”好き“な作品になったんです!
もっとこの世界に浸っていたい。
メインミッションクリア後はそんな気分になり、寄り道をするだけには飽き足らず、改めて前作をプレイしたくなりました。
どんなゲームでもそうだと思いますが、特に本作の場合は「良作・駄作」のベクトルではなく「好き・嫌い」のベクトルで語るのが適切に感じます。
ぼくは「分かりやすい面白さ」やゲーム性を重視しているので、正直なところ本作で合わない部分は未だに多いです。
それを考慮に入れても”好き“と言いたくなるような作品に感じました。
極限までリアリティを追求した最高の西部劇シミュレーター!
こんな人には特におススメ。
・前作が好きな人。
・西部劇に世界に浸りたい人。
こんな人にはおススメできない。
・せっかちな人。
・時間に余裕がない人。
レッド・デッド・リデンプション2/お気に入り度【90/100%】
プレイした時間・・・約60時間
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本作は、チャプター5あたりで売りました。ストーリーは良かったし、世界観は良かったんですが、あまりにも長い。元来、大ボリュームはいいんですけど、本作だと面倒な仕様のせいでだるくなりました。
売る決定打になったのは、伝説の動物狩りでした。手探りでやらなきゃいけなくてかなり苦戦して、ストレスがたまりまりました。
リアリズムは良かったんですが、ゲームであることを忘れてしまってますね、本作は。