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ポケットモンスター/Switch ソード / シールド
どうも!KENT(@kentworld2 )です!
今回は2019年11月に発売されたSwitch「ポケットモンスター ソード・シールド」のレビューをしていきます。
本作はガラル地方を舞台にした育成RPGですが、なんですかこれは!?
「ドラゴンクエスト」のような大作RPGになっているじゃないですか!?
1996年に誕生して以来、高い人気を維持し続けている「ポケットモンスター」シリーズ。
ゲームジャンルこそはRPGですが、育成収集が主体で、ストーリーはサブ的な立ち位置となっています(あくまでも個人的な主観)。
ところが本作の場合、ストーリーにも力が入っていて、「ドラゴンクエスト」などの一般的なJRPG感覚で楽しめるようになりました!
大幅にパワーアップしたスケール感、強化された演出、ドラマチックなストーリー。
大作JRPGに必要な要素をほとんど兼ね揃えていて、ストーリー目当てでプレイしても楽しめるようになっています。
とは言え最先端の大作ゲームに相応しいクオリティなのかと言われるとそうではありません。
まだまだ携帯機向けの延長線で作られている部分が散見され、Switchの大作ゲームとしてみたらもっと頑張れたような気がします。
イメージ的には携帯機向けのコンパクトな作品が据え置き機向けのハイエンドな作品に移り変わる架け橋のような作品といった感じでしょうか。
完成形ではありませんが、今後の発展が楽しみになってくる作品です。
ここからはそんなSwitch「ポケットモンスター ソード・シールド」の良いと思った点からまずは書いていきます。
「鎧の孤島」「冠の雪原」のレビューはこちら。
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- モンスター(ポケモン)を育てて戦わせるRPG。
- 中規模なマップを探索できるワイルドエリアが追加された。
- ある条件を満たすとポケモンが巨大化(キョダイマックス)するようになった。
初リリース日 | 2019年11月15日 |
対応ハード | Switch |
ジャンル | RPG |
推定クリア時間 | 20~30時間(ストーリーのみ) |
売上 | 初週136.5万本 |
発売元 | ポケモン |
目次
良いところ
スケール感が増したことで高まる臨場感
今作をプレイしてまず驚いたのが、スケール感が増したことで高まる臨場感です。
対応ハードが3DSからSwitchになったことで解像度が上がり、より遠くの背景まで描かれるようになりました。
マップも高低差のある構造になっていて、過去作で見られた直角的な印象はほとんどありません。
そういう意味で感動したのが、2番道路を初めて歩いた時です。
「これからどこへ向かうのかな?」と思って近くの人に話しかけてみたところ、
「遠くに見える屋根が紫の家が~」
なんて会話と同時に屋根が紫の家が見えたので感動しました!
まさか、ポケモン本編でここまでの臨場感を味わえるなんてね。
しかも本作、街→道中→街とエリアを行き来してもロード時間が挿入されないことが多いので、オープンワールドゲームに通ずる没入感も兼ね揃えています。
オープンワールドライクなワイルドエリア
フィールドの面でさらに感動したのがワイルドエリアです。
ワイルドエリアは通常のエリアよりもマップが開放的で、カメラもグリグリ動かすことができます。
驚いたのが、出現するポケモンの種類です。
数十種類。いや、数百種類も生息しているんじゃないかと思うくらい、色んなポケモンが出現するので、収集していたらあっという間に時間が過ぎてしまいますw
しかも出現するポケモンの中には強敵も潜んでいるので、低レベルの状態でうっかり挑んでゲームオーバーになるなんてこともありましたw
これはオープンワールドゲームにありがちな体験になるので、ポケモン本編でも味わえることに感動していますw
過去作でも低レベルの状態で強敵に挑んでゲームオーバーになることもありましたが、ここまで極端なケースはありませんでしたからね。
強敵戦の何が楽しいのか?
ぼくは経験値稼ぎにあると思っています。
序盤に強敵と遭遇した場合、勝つのは困難ですが、倒せば大量の経験値を貰えますからね。
個人的に自由度が高いRPGでは強敵を倒して大量の経験値を一気に稼ぐ遊びが好きなので、一時期はワイルドエリアに籠もってしまいましたw
このように様々なポケモンが出現するワイルドエリアですが、それ以外にもできることはいっぱいあります。
ポケモンの巣探し、光るアイテム探し、NPCとのイベント etc…
通常のエリアと比べると”発見”する楽しさにフォーカスを当てている印象で、オープンワールドRPGとしての片鱗が見られます。
ワイルドエリアは序盤から行けるので、ハマりだすとストーリーが進められなくなるかも!?
迫力のあるキョダイマックスバトル
今作のジムリーダー戦は戦闘アニメーションの迫力がグッと増しています!
大きな要因となっているのが、新システムのキョダイマックスです。
キョダイマックスとは覚醒のようなもので、3ターンだけ自身のポケモンを強化することができます。
キョダイマックス化すると戦闘能力が大幅にアップするほか、演出も大幅に強化。
「ポケモンスタジアム」顔負けの迫力ある演出が挿入されるようになります。
このようなシステムが追加されたことでストーリーのドラマ性が増している印象で、据え置き機のゲームらしい体験を味わえるようになりました。
アニメ版を彷彿とさせるドラマチックなストーリー
ポケモンシリーズはストーリーがテンプレ化しやすく感じます。
8箇所のポケモンジムでジムリーダーを倒し、すべてのバッジを集めたら四天王に挑み・・・
そこにライバル、悪党、伝説のポケモンを絡めてRPGとしての体裁を持たせる。
なんて思っていたんですが、本作は大きなメスを入れてきました!
8箇所のポケモンジムで戦いに挑むという根本は同じではあるんですが、終盤の展開が凄いんですよ。
次から次へと予想外の展開が起きるので、「これからどうなっちゃうんだろう?」と思いました。
全体的にドラマ性が増している印象で、クリアした時のカタルシスがより高まるような脚本となっています。
今作ではそのうえで演出やテキストを強化。
まるでアニメを見ているかのような感じでストーリーが展開されます。
個人的に「良い!」と思ったのが、主人公とライバルの描写です。
ライバルの名はホップと言いますが、熱血で良い奴なんですよ。
主人公が頑張ったら褒めてくれますし、嫌味も言わないので、ライバルなのに全然憎たらしく感じません。
昔の作品に登場したライバルは主人公を貶してばかりだったので、「切磋琢磨して成長していこう!」というホップくんの気概には感激してしまいました。
競争する時はするけど、なにか大変なことがあったら力を合わせて解決させる。
なんてスタンスを見て取れるので、絵に描いたような美しい友情を描いています。
女性主人公だと受ける印象がまた変わってきそうですが、少なくとも男性主人公でプレイした時はそんな印象を持ちました。
ちなみに本作のチャンピオンはホップくんの兄だったりします。
その点もドラマ性を強めている印象で、従来の作品よりも感情移入がしやすくなっていると思いました。
嫌味ったらしいキャラクターはライバルとは別枠で登場します。
大作JRPGのような感覚で楽しめる!
スケールアップしたフィールド、強化されたストーリー要素。
これらの要素が重なったことで大作JRPGのような感覚で楽しめるようになりました。
でも、過去作をプレイされた方の中には
なんて思われているかもしれませんね。
ぼくもそう思うことはありましたが、中盤以降になると印象が一変しました!
ポケモンには1匹ごとに使用できる技が4種類までというルールが存在するので、1対1ですと、普通のRPGほどの戦略性は味わえません。
それよりは最初にどんなポケモンを繰り出すのかに面白さが集中している印象で、
といったジャンケン的な側面を楽しむものだと思っていました。
そのためCPU戦になると面白さを発揮しにくいという欠点があったりします。
ストーリー上で戦うCPUが繰り出すポケモンは2~3匹程度。
そのうえ主人公よりもレベルが低いケースが多いので、技タイプの相性を気にせずゴリ押しで進めてしまうことが多く感じました。
ところが今作の場合、普通に進めているとゴリ押し戦法が通用しにくくなっています!
というのもワイルドエリアでの寄り道を想定したバランス調整になっているからです。
ストーリー最優先で進めたら敵が強くなりすぎてしまうので、スリルを味わえるようになっています。
個人的には良い落とし所に感じました。
もし、ストーリー部分で歯ごたえのあるポケモンバトルを楽しみたい場合、あえて寄り道をしないのも手ですぞ!
過去作の良いとこ取りをしたシステム
ポケモンと言えば雪だるま式で膨れ上がったシリーズになります。
作品を重ねる毎にポケモンやシステムが増えて増えて増えまくり・・・。
それ故に新規が入りにくい状況だったんですが、2018年発売のSwitch「ポケットモンスター Let’s Go! ピカチュウ/イーブイ」(以下、ピカブイ)でメスが入ります。
同作品はiOS/Android「ポケモンGO」のようにシステムが簡略化され、野生のポケモン戦では戦闘周りの要素が廃止され、育成で重要な努力値も簡略化されました。
この変更はライトユーザーには歓迎された反面、コアなユーザーの間では批判されやすかったんですが、今作は従来の仕様に戻りました。
つまり、ポケモンを弱らせてからコマンド選択で「モンスターボール」を選ぶ形式に戻り、努力値も元の仕様に戻ったんですね。
かといって「ピカブイ」のシステム全てを廃止している訳ではなく、便利な部分は継承していたりします。
代表的なのがエンカウント周りのシステムです。
「ピカブイ」に引き続き、今作でも野生のポケモンはマップ画面から姿が見えるようになっています。
しかし、草むらのポケモンは見えないことが多いので、シンボルエンカウントとランダムエンカウントを融合させたような感じとなっています。
姿が見えるシンボルエンカウントと、姿が見えず突発的に発生するランダムエンカウント。
前者は好きなタイミングで戦闘ができる点。後者はどんなポケモンが出てくるのかわからない点がメリットにもなっているので、両者の側面を残しているのは良い塩梅だと思いました。
経験値周りも「ピカブイ」を継承している印象で、育成がグッと楽になりました。
ポケモンを倒すと全員に経験値が入る仕様ですし、捕獲した時も入りますからね。
先頭のポケモンばかりを繰り出してもパーティに入れたポケモンは均等にレベルが上がっていくので、知らないうちに強いポケモンが育っているかも!?
それ以外にも
- 道中でも「ポケモンボックス」を使用できるようになった。
- 設定を変更すれば片手操作でも楽しめるようになった。
- 道具がカテゴリーごとに分けられて探しやすくなった。
- 「ひでんマシン」を使用しなくても空を飛べたり水中を移動できるようになった。
といった感じで良い感じに「ピカブイ」の要素を輸入している印象です。
大幅に進化した通信システム
ポケモンと言えば友達との対戦&交換が大きな醍醐味となっています。
本作の場合、友達と対戦&交換するまでのハードルが大幅に下がっていて、ローカル/オンライン問わず、ゲームを進めながらマッチングできるようになりました!
例えばオンラインに接続して交換するポケモンを選択するとしましょう。
すると、一定時間後にランダムでポケモンを交換することができてしまいます!
それ以外にも
- 通信が繋がった人と交換&対戦できる
- 友達のマックスレイドバトルに参戦できる。
- プロフィールカードを交換できる。
といったことを好きなタイミングで行えるようになりました。
公園でポケモンをプレイする時はローカル通信に。
家で腰を据えてプレイする場合はインターネット通信をONにしてみましょう。
すると、ストーリーを進めながら友達の状況をステッカーのアイコンから確認することができるので、緩い繋がりを感じられます。
個人的に合わない&気になったところ
ハイエンドゲームになるまでの課題が多い
このように本作はポケモン本編としては十分に進化を遂げています。
個人的にもこういうポケモンをやってみたかったので夢が叶ったかのようです。
ただ、正統派JRPGの最先端と言われるのかというと必ずしもそうではありません。
グラフィックに関しては従来の作品からは着実に進化しているとは思います。
でも、Switchの主力タイトルとして見たら一歩劣るかなと思いました。
野生のポケモンはかなり近くまで行かないと姿が見えませんし、ワイルドエリアの地形はノッペリしていますからね。
さらに気になったのがボイス周りの仕様です。
今作にもボイスが付いておらず、メッセージを読み進めていく形式となっています。
3Dグラフィックになり、解像度が増して、キャラクターの表情が豊かになっているのに喋らないとは・・・。
アニメ版との差別化を図っているのでしょうか?
「ドラゴンクエストXI」でも同じようなことを感じましたが、完全版の「XI S」ではボイスが追加されただけに、ポケモンもボイスが追加されても良いんじゃないかと思いました。
まあ、好きな声優で各キャラクターのセリフを脳内再生するのも良かったりしますがw
大味なマックスレイドバトル
今作には最大4人で楽しめる協力プレイのマックスレイドバトルという要素が存在します。
オンラインのフレンドなどと一緒にキョダイマックス化したポケモンと戦えて面白い要素なんですが、バランス崩壊していると思いました。
というのもとあるポケモンの「ダイマックスほう」「きょじゅうざん」という技が強すぎるんですよ。
この技を使用するとキョダイマックス化したポケモンに2倍のダメージを与えられるので、他の技を使用する必要が無くなってしまいます。
ただでさえポケモンバトルは技の種類が少なくてワンパターン戦法になりやすいというのにそれを助長してしまうとは・・・。
試しにオンラインでマックスレイドバトルに潜ってみたところ、みんな「ダイマックスほう」「きょじゅうざん」を使うので戦略性を感じられませんでした。
迫力あるバトルを複数人と共有できるという点は魅力的ではありますが、改善の余地があります。
もう少しダンジョンが欲しい
ダンジョンは全体的に簡略化されている印象です。
初代ポケモンの場合、中盤以降に入り組んだ構造のダンジョンが見られましたが、今作はあまり見られません。
まあ、ポケモンジムに関してはギミックが強化されていたんですけどね。
指定された地点にポケモンを転がしたり、スイッチを押して閉ざされた道を切り開いたり・・・。
もはや別ゲーなんじゃないかと思うくらい、強化されていますが、それは序盤から中盤までの話です。
終盤になると簡略化してしまい、ポケモンジムからポケモンジムのインターバルも短くなるので、どこか尻すぼみな印象を持ちました。
終盤になるとストーリーのパワーで引き込まれましたが、もう少しフィールドの面にも力を入れてほしかった。
ポケットモンスター ソード・シールドのレビューまとめ
大作JRPG路線に舵を切った新生ポケモン。
マップのスケール感が増して、演出が強化されて、ドラマチックなストーリーが展開されるようになって・・・
「ドラゴンクエスト」のような大作JRPGとして楽しめるので、「友達が周りに居ないから楽しめない」なんてことにはなりません。
とは言え一線級の大作JRPGとしてみるとやや劣る部分があるので、まだまだ伸びしろを感じます。
イメージ的にはヒトカゲとリザードンの中間。つまり、リザードみたいな感じしょうか。
2020年代に発売されるであろう次世代のポケモンが早くも楽しみになってきました!
大作JRPGに変貌を遂げた据え置き機向けの新生ポケモン!
こんな人には特におススメ。
・JRPG好き。
・育成&収集好き。
こんな人にはおススメできない。
・昔ながらのポケモンを求める人。
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Xbox | etc |
自分も予約していたソード買いました。
自分は特に理由がなければ女主人公でプレイするタイプなのですが、サンムーンの時の無表情さが改善されてめっちゃ可愛いですね。
早速服屋で散財してしまいましたよ。
それとワイルドエリア楽しいですね。
運よくリオルが出てくれてまだバッジ一個という序盤なのにルカリオが大暴れしてくれています。
ポケモンは新作が出るたびに毎回買ってますが、今回は本当に良作だと思いました。