
Sea of Thieves (輸入版:北米)/Xbox One
2018年3月に発売されたXbox One「Sea of Thieves(シーオブシーブス)」を今回はレビューします。
Xbox One「Sea of Thieves(シーオブシーブス)」は海賊になりきれる一人称視点のアクションアドベンチャーゲームです。
オンライン専用で、国内ではダウンロード専売で英語版のみの発売となっています。価格は約7,500円。
開発は「スーパードンキーコング」や「バンジョーとカズーイの大冒険」で知られるレア社が担当。
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- 一人称視点で展開される海賊シミュレーター。
- 本格的な航海を楽しめる。
- 最大4人での協力プレイにも対応。
初リリース日 | 2018年3月20日 |
対応ハード | Xbox One |
ジャンル | FPS |
推定クリア時間 | クリアの概念が存在しない |
価格 | 7,450円(税込) |
発売元 | マイクロソフト |
目次
良いところ
デフォルメが上手い美麗グラフィック
何だこの綺麗な映像は!?
本作は一人称視点のアクションアドベンチャーゲームですが、よくあるフォトリアル系ではありません。
キャラクターデザインはカートゥーン風ですし、オブジェクトもカラフルポップなアレンジがなされています。
それなのにデフォルメが上手いからリアリティある絵作りに感じてしまうんですよね。
特に印象的なのが、航海時に見られる波の表現。
まるでゼラチンで作られているかのような見た目なんですが、だからこそ強調されているところもあって動いているところを見ると凄い説得力を感じます。
今まで数多くの美麗グラフィックを見てきましたが、波の表現に限ると本作は2018年時点ではトップクラスかも知れない。それだけ、素晴らしい絵作りに感じました。
さすが「スーパードンキーコング」を生み出したレア社!
あれから20年以上が経った今でも唯一無二の表現力を持っています。
驚くほどリアルな航海
え?こんなところまでリアルにしているの!?
本作は海賊シミュレーターと言っても良いくらい航海のシステムにリアリティを感じます。
まず驚いたのが、出航までの流れ。
航海の要素があったPS4/PS3/Xbox One/Xbox 360/Wii U「アサシンクリードIV ブラックフラッグ」やGC「ゼルダの伝説 風のタクト」の場合、ボタンを押せばすぐに出航出来ましたが、本作はそんな簡単ではありません。
以下のような手順を踏まなければならないんです!
② キャプスタンを回してイカリを上げる。
③ 帆を張ってるロープの近くまで移動する。
④ 帆を上げる。
⑤ 舵輪(ハンドル)の近くまで移動する。
⑥ 舵輪を回す。
しかもイカリを上げるにはキャプスタン(回転機械)を回すことになるんですが、これが非常に重く、一人では最大まで上げるのに時間がかかってしまいます(誰かと一緒に回すことで速く上げられる)。
帆にしても最大まで上げるには少々時間が必要ですし、帆は一つ一つ上げなければならず、風向きによっては帆の向きを調整もする必要もあるので、かなり細かく弄ることができるんですね。
ハンドルにしてもかなり大きく回せる一方、船の反応は非常に鈍く、反映には時間がかかってしまいます。
良くも悪くも現実の航海を忠実に再現していて、かなり本格的な作りです。
フレンドとの役割分担が面白い!
本作の航海は非常に大変ですが、だからこそフレンドと協力する楽しさがあります!
フレンドと一緒にプレイしている時に印象的だったのが、舵を切っている時は海図(マップ)を見れないこと。
なんと、海図を見るには地下室まで行かなければならないんです!
しかも舵を切っている時は帆が邪魔で前方が見えないので、案内係、舵切り係と言った感じで役割分担をしないと行けないんですね。
航海時に必要な係はまだまだあります。
海図には岩など細かい障害物が表示されないので海図確認係の他にも前方を見る係が必要ですし、敵の船と遭遇した場合、大砲で攻撃する係も必要です。
このように航海時はやる事が多く、複数人でプレイしていると細かく役割分担ができるので、本当にみんなで航海をしているかのような感覚を味わえるんですね。
僕はXbox Oneフレンドと一緒にプレイしたんですが、「船長!面舵いっぱい!」「南南西に目的地があります!」と言った感じで意思疎通を楽しめました。
ちなみに小型船で航海を楽しむソロプレイ用のモードもあるので、「協力プレイはちょっと…」な方でも安心です!
本格的な宝探し
航海が本格的ならクエストも本格的!
という訳で本作に用意されているクエストはいずれも本格的な物でした。
例えば宝探しクエストの場合、以下のような手順を踏まないといけません。
② 船に入り、船長室でクエスト受注。
③ 船の地下室に設置されている海図で似たような形の島を探す。
④ 目印を付けて出航。
⑤ 地図に記された×マークの場所をスコップで掘る。
⑥ 宝箱を船まで運ぶ。
⑦ 港がある島まで戻り、宝箱をお店まで運ぶ。
普通のゲームだったら常にマップが表示されていますし、宝箱を目的地まで持ち上げながら運ぶ必要もないので、本作をプレイして「海賊ってこんなに大変なものなのか!?」と驚きました。
極め付けはテキストをヒントに宝を探すクエスト!
条件を満たす毎にヒントが一行ずつ追加されていくんですが、本作は日本語化されておらず、英語なので、翻訳していかないといけないんです!
英語が苦手だとこれが非常に大変なんですが、暗号を解読するような感覚を味わえ、宝探しを楽しむという意味では逆に良かったりもしますw
先日、フレンドと力を合わせて英語を解読し、宝を探し当てましたが、まるで本当に海賊となって宝を探し出しているかのようでした。
発見する楽しさ
うわぁ!クラーケンだぁ!?
広大な海には数多くの秘密が隠されています。
いつものように航海を楽しんでいるとクラーケンや沈没船に出くわすかもしれませんし、海を泳いでいるとサメに襲われるかも知れません。
また、ドクロの雲がかかった不思議な島を発見するかも知れません。
このように航海時は様々な不確定要素が用意されていますが、決め手となるのがオンラインプレイヤー!
本作はオンライン専用だけあってランダムマッチによって他プレイヤーが自分と同じ世界の大海原を彷徨っています。
そのため航海時に出くわしてバトルになるかも知れませんし、停泊しているところを見かけるかも知れません。
相手の船を沈没させれば宝を奪うことが出来ますが、戦うのかどうかはプレイヤー次第。
楽器を鳴らして友好的な態度を取れば、もしかしたら協力してくれるかも知れません。
こんな感じで状況によっては味方になるかも知れないところが斬新ですね!
リアリティを高める数多くの要素
本作にはリアリティを高める要素がまだまだ存在します!
ここからはそんな要素を箇条書きで紹介。
- 昼夜や日付の概念が存在(時計で確認できる)。
- 夜は非常に暗いが、カンテラを使えば明かりを灯せる。
- 船がぶつかると穴が空き、船内に水が溢れて徐々に浸水する。
- アイテムの木材があれば穴を塞げる。
- バケツがあれば水を汲むことが可能で船内の水を捨てられる。
- 宝の地図は裏向きにして他のプレイヤーに見せる事もできる(海図と照らし合わせる時に便利)。
- 各地に設置されているカンテラの明かりは消せる(消すことで夜間の航海時は目立たなくなる)。
- 他オンラインプレイヤーが自分と同じ世界で航海している(遭遇して戦闘したり、コミュニケーションを取れる)。
- ゲームプレイ中にロード時間は一切発生せず、シームレスにプレイできる。
海賊になった気分を味わえるよう嘘のない世界を極力描こうという気概を随所で感じられ、「あのレア社がよくぞここまで!」と感心したものです。
レア社らしいおバカ要素
レア社と言えばおバカ要素!
N64「バンジョーとカズーイの大冒険」ではカズーイの毒舌やあらゆる物に目玉が付けられたキャラクターデザイン。
N64「コンカーズ・バッド・ファー・デイ(日本未発売)」ではコンカーの下品過ぎるブラックジョークが印象的でした。
本作でもレア社のおバカ要素は健在で、レア社ファンはニヤリと出来ます。以下、本作のおバカ要素を紹介。
- 好きな時に楽器を鳴らせる(ジェスチャーにもなるほか、謎解きでも活用する)。
- 砲台の中に入る事が可能で、他のプレイヤーに飛ばしてもらえる。
- 回復アイテムとしてバナナが存在するが、皮ごと食べるw
- 島には何故かニワトリとブタがいる(風のタクトのオマージュ?)。
- お酒を飲むことができる。飲みすぎると酔っ払って吐いてしまう。
これまでレア社が生み出してきた作品とは全く方向性が異なりますが、エッセンスはしっかりと詰め込まれています。
惜しいところ
英語なので分かりにくい
本作は国内ストアでも購入出来ますが、英語版なのでやはり、分かりにくいところがあります。
特にゲーム開始時は親切なチュートリアルが発生しないため何をやったら良いのか分からず、航海をする事すらも時間がかかってしまいました。
ある程度ルールを理解すればさほど苦労しませんが、それまでが大変です。
長時間プレイする動機が薄い
本作には明確なストーリーは存在しません。
ただひたすら用意されたクエストをこなしたり、航海を楽しむのがメインとなっています。
成長要素は存在しますが、キャラクターや武器を強化するのではなく、見た目を強化するのみに留まっているので、レベルを上げて強い敵を倒すという目的も生まれにくいです。
クエストの種類も宝探し、捕獲、討伐と大きく分けて3種類のみで、島もリアリティを追求しているからか個性を感じにくく、長くプレイしているとどうしてもテンプレ化してしまいます。
全体のまとめ
海賊になりきれる本格的なシミュレーターゲーム。
パッと見は大作のアクションアドベンチャーに見えますが、実際にはシミュレーター寄りの作りで、自分で楽しみを見出さないといけない作りになっています。
個人的には土台に惹かれたので、これをベースに本格的なダンジョンやストーリー要素があったら良いのになぁと思いました。
海賊の大変さを味わえるレア社風味のシミュレーター!
こんな人には特におススメ。
・海賊好き。
こんな人にはおススメできない。
・能動的に楽しめない人。
・極端に英語が苦手な人。
Sea of Thieves(シーオブシーブス)/お気に入り度【60/100%】
プレイした時間・・・約10時間
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Xbox | etc |
レア社はすきなんですが、xboxを持ってないのでできない( ; ; )
レア社の特有のグラフィックは健在のようで安心ですが、いつもの不親切さもご健在のようで。
レア社ファンとしては1度はやってみたい