
ファイアーエムブレム 暁の女神/Wii
どうも!KENT(@kentworld2 )です!
今回は2007年2月に発売されたWii「ファイアーエムブレム 暁の女神」のレビューをしていきます。
本作はWii向けのシミュレーションRPGになりますが、良くも悪くもストーリーに振り回されてしまった超大作でした!
シミュレーションRPGにおいてストーリーは重要な要素ではあると思います。
しかし、それ”ありき”で作ってしまうと様々な弊害が生まれてしまうことを今作から学びました。
決して悪い作品ではありませんが、前作となるGC「ファイアーエムブレム 蒼炎の軌跡」にハマった者としてはコレジャナイ感じがします。
そんなWii「ファイアーエムブレム 暁の女神」の良いと思った点からまずは書いていきましょう!
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- キャラクターのコマを動かして戦うターン制のシミュレーションRPG。
- 経験値を稼いでキャラクターを強化することができる。
- 今作では様々な勢力の視点からストーリーが描かれるようになった。
初リリース日 | 2007年2月22日 |
対応ハード | Wii |
ジャンル | シミュレーションRPG |
推定クリア時間 | 30~40時間 |
売上 | 累計17.2万本 |
発売元 | 任天堂 |
目次
良いところ
「蒼炎の軌跡」の続きを描いたストーリー
時は遡ること2006年秋。
当時、ぼくは弟からGC「ファイアーエムブレム 蒼炎の軌跡」(以下、蒼炎の軌跡)を借りてプレイしました。
すると、これが凄く面白い!
気が付けば2周、3周とプレイを続けてしまい、「蒼炎の軌跡」というゲームの虜になってしまったんです。
ゲーム自体はよくある詰め将棋に育成やキャラゲー要素を加えたシミュレーションRPGなんですが、様々な工夫によって中毒性が非常に高かったんですよ。
そんな中、ゲーム情報を漁っているとWii「ファイアーエムブレム 暁の女神」(以下、暁の女神)が2007年2月に発売されることを知りました。
現在ハマっているシリーズ作品の続編がすぐに発売されるとはなんと幸運なのでしょう!?
しかも「暁の女神」は「蒼炎の軌跡」のその後を描いた直接的な続編だったりします。
実は「蒼炎の軌跡」には不可解な点がいくつかあったんですよ。
代表的なのが、サザという仲間キャラクター。
パッと見はあどけなさが残る少年って感じなんですが、他の仲間キャラクターと違って特殊な点がいくつもあったんです。
例えば戦場で体力が0になっても何故か死亡ではなく撤退扱いになったり、他の仲間キャラクターとは違ってクラスチェンジ出来なかったり・・・。
支援会話も少ないうえ口数も少なく、謎に包まれていました。
そんなサザですが、なんと「暁の女神」では主人公の1人として活躍するんです!
ゲーム情報を漁っていた頃、それを知ったので「暁の女神」自体のストーリーに興味を持ちました!
さらに「暁の女神」は「蒼炎の軌跡」のグラフィック・システムを引き継いでいたんです。
「現在ハマっているゲームで消化不良だった部分を回収するうえ、グラフィックやシステムも正当進化しているのか!?」
当時のぼくは「暁の女神」に対してそんな印象を持っていたので、期待度は爆上がりしました。
どのくらい上がったのかと言うと、当時、個人的に本命視していたWii/GC「ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス」(2006年12月発売)に匹敵するくらい。
当時はWii購入前でしたが、「ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス」と「ファイアーエムブレム 暁の女神」だけで本体ごと買う価値を感じていました。
まあ、「ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス」に関しては通販限定のゲームキューブ版を購入しましたがw
気合い入り過ぎのゲーム内容
こうしてぼくは期待度MAXで「暁の女神」に手を出しましたが、何だこれは!?
気合いの入れようが「蒼炎の軌跡」とは比較にならないほど凄いじゃないですか!?
実は「蒼炎の軌跡」ってシミュレーションRPGにしてはボリュームがやや少なめだったんですよ。
その反省を活かしてか今回の「暁の女神」は前作比150%ほどのボリュームになり、ステージ数が大幅に増しています。
さらにGCアニメの収録分数、仲間キャラクターの種類も大幅に増えたんです!
凄いのが、ここまでボリュームがある大作をWii発売から僅か2ヵ月で発売したこと。
新ハードの発売直後はボリューム不足の実験作が目立つだけに驚きました。
おそらく、Wiiのアーキテクチャ(※)はゲームキューブのアッパーバージョンだから作りやすかったんでしょうね。
※アーキテクチャとは?ソフトウェア、またはハードウェアの基本的な設計概念。
壮大なストーリー
「蒼炎の軌跡」からボリュームが大幅に増した「暁の女神」。
その根底となるのが壮大なストーリーになります。
「蒼炎の軌跡」ではアイク率いるグレイル傭兵団の視点からしか描かれませんでした。
ところが「暁の女神」では様々な勢力からストーリーが描かれるんです!
そのため登場人物は非常に多く、すべてのキャラクターを覚えるのは大変なくらいw
これだけ壮大なストーリーを描けたのは「蒼炎の軌跡」という土台があってこそだと思うので、この時にぼくは連作の強みに気が付きました。
え?連作ってことは「暁の女神」の前に「蒼炎の軌跡」をプレイしていないとダメなのかって?
一応、新規ユーザーに向けて「用語集」「相関図」というフォローが用意されています。
もちろん、これだけではフォローしきれていない部分はありますが、今作から入ってもある程度は問題ありません。
3D化の恩恵を感じられる高さの概念
シリーズ初の3Dグラフィックを採用した前作の「蒼炎の軌跡」。
しかし、ゲーム性の面ではほとんど活かされていませんでした。
一方、今回レビューする「暁の女神」では高低差の概念によって3Dグラフィックがゲーム性の面でも活きてきたんです!
例えば高い位置と低い位置に居るキャラクターが戦闘する際、攻撃力や命中率に補正がかかるようになったんですよ(基本的に高い位置に居る方が有利)。
それ以外にもキャラクターのクラスによって補正や制限が生まれるなどグラフィックが3Dである必然性を生み出してきました。
職人気質なゲーム設計
今作で「ファイアーエムブレム」シリーズも10作目。
という訳で基本的な設計部分は圧倒的な完成度を誇ります。
ユーザーインターフェースはゴチャゴチャしておらず、操作感覚も良好。
ロード時間は光学ディスクを採用したゲーム機のゲームとは思えないくらい速く、充実のオプション機能によってかゆいところに手が届く作りになっています。
今作ならではだと思ったのが、2周目以降は戦闘時のモーション自体をOFFにできること。
これによって益々スピーディにゲームを進められるようになったので、2周目以降は重宝しました。
惜しいところ
ストーリーによってガチガチに縛られた育成要素
全4部に渡る壮大なストーリーが展開される「暁の女神」。
様々な勢力の視点から描かれた戦争を追体験できるのは素晴らしいことだと思います。
しかし、シミュレーションRPGとして見ると窮屈に感じてしまいました。
個人的にキツかったのが、章毎に操作できる勢力が変わること。
例えば弱い勢力を頑張ってレベル1からレベル20まで鍛えてステージをクリアするとします。
すると、次のステージでは視点が別の勢力に変わってしまい、全く異なるキャラクターを操作・育成しないといけなくなるんですよ。
場合によっては1ステージ単位でコロコロ変わり、さっきまで敵だった勢力を操作・育成しないといけないこともありました。
1周するだけで幅広いキャラクターを操作・育成できるという意味では良いんですが、こうなってくると自分は誰の味方になれば良いのか分からなくなってきます。
さらに派遣できるキャラクターがガチガチに縛られる場合もあるので、シミュレーションRPGとしての自由度も奪っている印象です。
ここまで来ると戦闘に参加するキャラクターがただの駒に見えてしまい、感情移入出来なくなってきました。
そんなぼくにトドメをさしたのが淡白化した支援会話。
支援会話は仲間キャラクター同士の日常的な会話を楽しめる要素になりますが、今作では誰とでも組めるようになった関係でたったの2行しかないんですw
「おれを置いていかないでくれ。ずっと…いっしょにいたい」
↑例を挙げてみるとこんな感じ。
誰とでも組めるようになったのは良いんですが、「蒼炎の軌跡」では30行以上もあっただけに残念です。
ここは量よりも質を重視してほしかった。
最終的には2軍行きになる序盤のキャラクター
ミカヤ&サザ率いる暁の団。
序盤は彼女・彼らの視点から描かれるんですが、悲しいかな。
暁の団に所属している団員の多くは終盤になると2軍行きになってしまうんです。
何故かと言うと「蒼炎の軌跡」で猛威を奮った”彼”とその仲間たちが強すぎるからw
“彼”は「蒼炎の軌跡」の終盤辺りから1人で複数の敵兵を無双するほど無敵の強さを誇りましたが、今作では見た目までゴリラ化して手がつけられなくなりましたw
こんな化物を仲間キャラクターとして操作できるのであれば平凡なキャラクターが目立っている「暁の団」をわざわざ活躍させる気にはなれません。
RPG系は苦労すればするほど報われるものだと思っていただけにこのバランス調整にはガッカリしました。
マニアックモードの難易度上昇が納得いかない
仲間キャラクターを取捨選択して育成する楽しさ。
1つの勢力に固執できるからこそ生まれてくる感情移入。
キャラクターをより愛せるようになる支援会話。
ぼくが「蒼炎の軌跡」で好きだった部分を次から次へと”無”にしてくれた「暁の女神」。
しかし、もう1つだけ希望が残されていました!
それが2周目以降に挑戦できる難易度「マニアック」。
前作は難易度「マニアック」でプレイしたからこそ戦略性の高さを感じられて大ハマリしました。
なので今作も難易度「マニアック」でプレイしたら印象が変わるかと思ったんですが、とんでもない難易度の上げ方をしていたんです!
具体的には以下のようになります。
- 敵の攻撃範囲が見えない。
- 武器や魔道書の3すくみが無効になる。
- マップ属性が無効になる。
- 得られる経験値が少なくなる。
- ボーナス経験値の入手量が減り、消費が増える。
- 敵のレベルが2上がる。
・・・なんて強引で機械的な難易度の上げ方なのでしょうか?w
「蒼炎の軌跡」の難易度「マニアック」は敵の能力や出現数の増加よって順当に難易度が上昇しているように感じたのに・・・。
ぼくにとって最後の希望が難易度「マニアック」でプレイすることで感じられる緻密な戦略要素だったので見事に打ち砕かれました。
2周目以降はイベントが追加されるようですが、残念ながらすべては見ていません。
というか、こういう仕様は苦手w
全体のまとめ
「蒼炎の軌跡」を土台にした壮大なストーリーを描いた力作。
ここまでボリュームあるゲームをWii初期に出せたのは凄いことだと思います。
しかし、ストーリーを重視するあまり前作で好きだった要素のほとんどが軽視されていたので個人的には合いませんでした。
それ故に前作は3.5周もしたのに今作は1.5周しかしていません。
前作のキャラクターにまた会えたのは嬉しかったけど、シミュレーションRPGとして見ると色々疑問に感じる作品。
ただ、カジュアルゲームばかりが目立ってしまったWii市場でこのような作品が投入されたことには価値があると思います。
「Wiiでコアなゲームを楽しみたい!」
個人のコダワリなどは置いといて、そういうニーズを持つ方の選択肢としては良い作品だと思います。
ストーリーに振り回されてしまったWii初期の超大作!
こんな人には特におススメ。
・Wii向けのコアゲーを探している人。
・壮大なストーリーを楽しみたい人。
・前作のファン。
こんな人にはおススメできない。
・キャラクターを直接動かしたい人。
・自由度が低いゲームは苦手な人。
・キャラクターを育てるのが好きな人。
ファイアーエムブレム 暁の女神/お気に入り度【60/100%】
プレイした時間・・・約80時間
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Nintendo | PlayStation |
Xbox | etc |
やや辛口ですね。
個人的には、FEはキャラ全員を育てきる事を目標にしているので、軍が変わって色んなキャラを使う必要があったのは良かったです。
スキルを着脱出来たり、軍を分ける場面は色々と考えて楽しかったですね。
育てたキャラと対峙するする場面では、やたらと育ててしまったので苦戦した記憶があります。
ただ、アイク軍が出てくると、ミカヤ軍の存在感が薄くなってしまうのは確かに残念でしたね。
GC版をさんざん強くして引き継いだので、余計にそう感じてしまいましたし、前作から遊ぶとキャラへの愛着も違いますからね。
紋章の謎でも、暗黒竜のキャラが揃ってくると、初登場組は控えに回しましたし。
FEシリーズには言いたいことが色々とあるのですが、遊び始めると没頭してしまうんですよね。
今回のも色々と思うところはありますが、すっごく楽しみになっています。