2015/09/30/20:00 | ゲームレビュー

スプラトゥーン【レビュー・評価】アクションシューティング界の常識を打ち破ったエポックメイキングな作品。

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Splatoon(スプラトゥーン)/Wii U

2015年5月に発売されたWii U「スプラトゥーン」を今回はレビューします。

Wii U「スプラトゥーン」はインクを撃ち合うアクションシューティングゲームです。主人公はヒトの姿に変身できる「インクリング」という名前のイカ。

良いところ

1つのシステムで複数の問題を解決させる任天堂マジック

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メインとなるマルチプレイモード・レギュラーマッチでの目的は、インクでマップを塗りつぶす事です。

多くのマルチプレイアクションシューティングでは相手チームのプレイヤーを撃ち倒す事でポイントが溜まり、そのポイントを集めるのが目的になっていますが、「スプラトゥーン」の場合は適当にインクを放って行けばポイントが溜まるため、極端な話、逃げてインクでマップを塗りつぶして行けば大丈夫な作りになっています。

撃ち合いが苦手な人でも楽しめるのは嬉しいですね。

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本作の大きな特徴となっている、イカになってインクの中に入れるシステム。

これもユニークでありつつ、ハードルを下げていると思いました。

インクの中に入ると高速で移動ができる他、壁を上ったり、金網をすり抜けたり、高速移動を利用してダッシュジャンプが出来たりとアクションの幅を広げているだけではなく、インクを補給する役割も果たすので、他のアクションシューティングで言うリロードでもあるんです。

リロード中って本来なら攻撃が出来なくて初心者の場合はタイミングを間違えて隙を作ってしまいがちなんですが、「スプラトゥーン」の場合はインクの中に隠れて高速移動ができるので、リロードをしても不利にはならないんですよ。

むしろ、相手から姿を隠せるので、有利になる場合もあります。

たった1つのシステムで複数の問題を解決させるのはさすが任天堂です。

ちなみにインクの中に入れるのは自分のチームが塗ったエリアだけで、相手チームが塗ったエリアには入れません。

この事からインクを塗れば塗るほど自分にとって有利な地形に出来るという訳ですね。

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↑勝敗結果の画面。どちらのチームが多く塗りつぶしているのか判定が出るまで少し時間がかかるため、互角だった場合はどちらのチームが多く塗りつぶしたのか予測する楽しさを少しだけ味わえるのが憎い。

ハードルを下げる数多くの要素

WiiU_screenshot_TV_0162B

インクを使ったシステムはユニークではありますが、全体的には一般的なアクションシューティングゲームを参考にして作られていると思いました。

例えば箱庭マップで2つのチームが戦うルール。倒した数と倒された数の表示。ポイントを溜め、レベルを上げて武器をアンロックしていくシステム等など。

なので、全く斬新なゲームという訳ではありませんが、随所で任天堂流にアレンジされているのが良いと思いました。

カラフルポップでオシャレなグラフィックはもちろん、武器をブキと表記したりとか、対戦マップを事前に歩けたりとか(さんぽと表記しているのが可愛い)、ロビーを作って各モードへ移動出来るようにしたりとか、表現面でも気を配っているように感じます。

根本的なゲーム性は何も変わっていませんが、こういう細かい表現の気配りによってハードルは下がっていくものなので、「任天堂がマルチプレイアクションシューティングを作るとこうなるのか!?」と思いました。

Wii Uの機能を活かしている!

WiiU_screenshot_TV_017E3

Wii Uってゲームパッドをお手軽性の面で活用してばかりで、遊びの面ではほとんど活用していないんですよね。そこはずーっと前から不満に感じていました。

「スプラトゥーン」の場合はWii UゲームパッドとTVを組み合わせてしか遊べない関係上、Wii Uゲームパッドの機能をしっかり活かしていて、マップをゲームパッドにしか表示出来ないようにしてスタート地点や味方のアイコンをタッチする事でそこまでワープ出来たり、ジャイロセンサーで照準合わせが出来るなど、ちゃんとゲームシステムにも絡めています。

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ゲームパッド以外にも、ミーバースを活用しているのも良いですね。

ロビーではWii U「ニンテンドーランド」のように他プレイヤーの投稿を確認出来る他、ステータスも確認出来ます。

また、各ステージの背景をよく見ると誰かがミーバースで書き込んだイラストがモニターや壁に描かれた落書きとして表示されて、地味に活かしてます。ある意味、Wii Uソフトの集大成と言えるかも

マッチングが快適

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この手のアクションシューティングゲームって、よくマッチングに時間がかかったりします。

例えマッチングに成功したとしてもその後には長いロード時間が挟まる事も珍しくはなくて、そういう意味でもハードルは高いんですよね。

その点、本作はマッチングは快適ですし、1試合も3~5分程度なので気軽にプレイ出来ます。

WiiU_screenshot_GamePad_0162B

その短いマッチング中も退屈させないような気配りがされていて、なんとオリジナルのファミコン風ミニゲーム「イカジャンプ」がゲームパッドで遊べる(※)んですよ!

他のアクションシューティングでのマッチング中はスマホゲームを遊ぶ事があっただけに、マッチング中にファミコン風ミニゲームを遊べるようにするのは良いアイデアです。

しかもこのミニゲーム、セーブされるようになっていて、いくつかのステージが用意されています。

ステージによってギミックが変わってくるので、どこまで行けるのか挑戦してみましょう!

ちなみに専用のamiiboを使用することで新しいファミコン風ミニゲームが追加されます。「イカジャンプ」に飽きた人は手を出しても良いと思います。
※マッチング以外にも広場でじっくり遊ぶ事も可能。

ついつい熱くなってしまうガチマッチ

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マルチプレイモードでランクが10以上になると、ガチマッチに挑戦出来るようになります。

ガチマッチでは勝敗によって自分のランクが決まるようになっており、用意されているルールはいずれも競技性が高くて勝敗のリスクが大きいため熱くなりやすく、比較的まったり楽しめるレギュラーマッチが物足りない人でも楽しめるようになっています。

特に面白いのがガチホコ。このルールではガチホコと呼ばれるアイテムを担いで敵の陣地に持って行く事で勝利になるというルールなんですが、ゲームパッドをタッチして味方の近くへジャンプする機能。

自分のチームが塗ったエリアでしか高速移動やステルス、インクの補充が出来ない仕様。4対4のコンパクトなチームバトルといった「スプラトゥーン」の独特なルールが上手く働いていて、非常に熱くて完成されたルールとなっています。

ガチホコを持っている人の立ち回りやサポートする側の対応によってはあっという間に勝敗が決まってしまうため、味方とのチームワークが非常に重視された競技性の高い内容で運の要素も強いのですが、同じくらいの実力の人と上手くマッチング出来た時は非常に白熱します!

普通のガチマッチをやった時は「いうほどガチじゃないな」と思いましたが、ガチホコは本当にガチです。

これは熱くなりますよ。僕も自分のチームが押している時や押されている時にやられてしまってスタート地点からやり直しになってしまった時はついムキになってゲームパッドのマップ画面をタッチしまくって早く味方の近くまでワープ出来ないかと焦ってしまいましたからw

本作はボイスチャット非対応となっていますが、ガチホコをやってみるとそれは正解だったと思ってしまいますね。

だって、めちゃくちゃ熱くなってしまうので、人によっては口調が荒くなってしまいそうですもん。

味方が一人でもサボっていたら勝敗に大きく影響しますし、負けてしまうとランクが下がってしまったり、レベル上げに必要なポイントがほとんど貰えませんしね。

競技性の高さ。ハイリスク・ハイリターンな勝敗結果によって中毒性は高いものの、ある意味危険です。

武器によって全く変わってくる楽しさ

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様々な武器が用意されている「スプラトゥーン」。

アクションシューティングらしいアサルトライフル風のものやスナイパーライフル風のものからコロコロ転がして戦うローラー。地面を塗り塗りする筆。

広範囲にインクを撒き散らすバケツといった狙い撃って戦う必要が無い掟破りの武器まで登場して、同じタイプであってもインクの飛び散り方や飛距離、威力が全く異なっていて武器を変えるだけでプレイ感覚が大きく変わって飽きません。

それぞれの武器に専用のサプウェポン、スペシャルウェポンが用意されていますしね。

話題作りが上手い

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これは発売から時間が経ったら関係ない事ですが、本作は話題作りが最高に上手かったです。

発売当初は用意されているステージ、ルール、武器が少なかったものの、毎週のようにユニークなステージと武器を配信して話題性を持続。

不定期にフェスというものを開催してユニークなお題を提出。

人気コンテンツとのコラボレーション。大型アップデート。新ルールの追加。

広場でのミーバース鑑賞とオンライン重視のゲームらしくSNSで注目を集める話題が満載で、持っていない人でも買いたくなってしまうほどの魅力を醸し出していました。

ギミック満載のヒーローモード

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マルチプレイがメインの「スプラトゥーン」ですが、ちゃんと1人で遊べるオフラインモードを用意されています。

その名もヒーローモード!このモードはステージクリア型のアクションゲームとなっていて、各ステージには様々なギミックと敵が用意されていて展開が速いので、まるで「スプラトゥーン」のゲームシステムで「スーパーマリオギャラクシー」をやっているかのよう。

本作では自分が塗ったペンキの中に入って高速移動や壁登り、金網のすり抜けなどが出来るようになっているんですが、これらのアクションを活用したアスレチックアクションが満載で、オンライン対戦とはまた違った楽しさを感じられるモードです。

ワールドは5つに分かれていて、それぞれに6個ほどのステージが存在。

ボスを倒すと次のワールドに行けるという王道スタイルで、各ワールドではステージの入り口を探す探索要素もあります。

入り口は初期状態では見えず、ペンキを塗って探すことになるんですが、入り口の中には高いところや行きにくい場所に設置されているため発見するのも5分くらいかかる事も。

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ゲームクリアまでのプレイタイムは4~5時間程度。難易度はやや低く、最後の冗長なボス戦に苦戦した以外はサクサク進めてトータルでは5回ほどゲームオーバーになった程度。

でも、サクサク進めて多彩なギミックで楽しむ事が出来て、これはこれで面白かったです。

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個人的に合わない&気になったところ

割り切った仕様

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グラフィックはカラフルポップで親しみやすく。マップはコンパクトにして、マッチングやロード時間の待ち時間を短縮。ジャイロセンサーによる照準合わせ。コロコロ転がすだけのローラーを加えた事によるアクションシューターアレルギー対策。

撃ち合いよりもインクの塗りつぶしを重視したゲームシステムなど従来のアクションシューティングに対するアンチテーゼ的な作品で、過去に海外産の本格的なマルチプレイアクションシューティングで痛い目に遭った人ほど絶賛出来る作品だと思います。

「マルチプレイアクションシューティングってこんなに楽しいものなのか!?」と、このゲームをプレイしてそれに気がついた人も多いと思います。

逆にある程度この手のジャンルに慣れている人からするとハードルを下げる要素が邪魔に感じてしまう事がちょくちょくありますね。

マッチングされるマップの種類が少ない点。マッチング画面では装備の切り替えができない点。

全体的にマップやルールが小規模な点。コミュニケーションシステムが不足している点。ゲームを起動するといちいち現在遊べるマップを長々と説明する点。

ランクが上がった時。武器を変えたい時。マッチングするマップが変化する時は部屋から出ないといけない点。ガチマッチに存在する複数のルールを自由に選べない点。

すべてに”初心者への配慮”や”マッチングの快適性向上”、”ゲームバランスの調整”という理由があるのだと思いますが、任天堂ハードの風変りな仕様と同じく押しつけがましく感じてしまう事もあります。

これを欠点と取るか取らないかは人それぞれだと思いますが、合わない人は合わないでしょうね。

本作を楽しむには、まずこの独特な仕様と上手に付き合わなくてはなりません。

任天堂のゲームにしてはオフラインユーザーに厳しい

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任天堂のゲームといえば、インターネットに接続しなくても楽しめる事が多いです。

ところが本作の場合楽しさの大部分がオンラインに頼っているので、オフラインユーザーは魅力のほとんどを味わえません。

前述の通りステージクリア型のヒーローモードが用意されてはいますが、クリアまでのプレイタイムは4~5時間程度。amiiboによって追加されるチャレンジをプレイしてもそこまで長くは遊べません。

ローカルプレイ用としては2人でプレイ出来るバトル道場というものが存在するものの、たったの2人でステージ上に飛んでいる風船の破壊数を競うというシンプルなもので盛り上がりに欠け、全く楽しめない訳ではありませんが、オンラインサービスが終了したら価値は一気に落ちます。

全体のまとめ

独特の仕様の中には未だに「これってどうなの?」と思うものもありますが、ユニークなアクション・ルールを盛り込ませつつ初心者から上級者まで楽しめる懐の深いゲームバランスを実現し、他のアクションシューティングにあった中毒性の高い成長システムを取り入れているのは素晴らしく、アクションシューティング界のエポックメイキングな作品だと思います。

こんな人には特におススメ。
・アクションシューティング初心者。
・マルチプレイアクションシューター好き。

こんな人にはおススメできない。
・大規模なアクションシューティングをプレイしたい人。

スプラトゥーン/お気に入り度【85/100%】
プレイした時間・・・約30時間

 

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