Splatoon(スプラトゥーン)/Wii U
どうも!KENT(@kentworld2 )です!
今回は2015年5月に発売されたWii U「スプラトゥーン」のレビューをしていきます。
本作はインクを撃ち合うアクションシューティングゲームですが、同ジャンルの常識を打ち破ったとんでもない作品です!
アクションシューティングゲームは欧米で最も人気が高いジャンルで、数え切れないほどのタイトルが発売されています。
そのためお作法のようなものが出来てしまったんですが、その多くは日本人の趣向にマッチしていなかったんですね。
リアル志向の世界観とか、残酷な描写とか。
成人男性はともかく、女性や子供には勧めにくい作風の作品が目立っていました。
一方、今回レビューする「スプラトゥーン」はそういったアクションシューティングゲームの常識を覆す作りとなっています。
銃弾で殺し合うゲーム内容はインクを撃ち合う表現にアレンジ。
目的もインクで塗った面積を競うルールにすることで撃ち合いが苦手な人でも楽しめるようになりました。
アクションシューティング初心者を意識した作りであることから発売当時は「え?ここをこうするの!?」と驚くこともありましたが、歴史に名を刻んだ偉大な作品です。
ここからはそんなWii U「スプラトゥーン」について詳しく書いていきます。
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- インクで陣地を塗りつぶしていく4対4のアクションシューティングゲーム。
- 自分のインクで塗りつぶしていたエリアはイカとなって潜ることができる。
- 制限時間以内に多くのエリアを塗りつぶせたチームが勝利。
初リリース日 | 2015年5月28日 |
対応ハード | Wii U |
ジャンル | TPS |
推定クリア時間 | 5~6時間 (ヒーローモード) |
売上 | 初週14.7万本/累計152.7万本 |
発売元 | 任天堂 |
目次
良いところ
1つのシステムで複数の問題を解決させる任天堂マジック
本作で特徴的なのが、インクを塗ることで有利になるシステムです。
プレイヤーはインクを発射して地面を塗りつぶしていきます。
すると、色んなプラス効果が発生します。
敵チームにダメージを与えることができるのはもちろん、インクの中を潜って高速移動したり、壁を登ったり、金網をすり抜けたり。
また、減ったインクを補充することもできるので、他のアクションシューティングでいうリロードの役割を果たしたりもします。
リロード中って本来なら攻撃ができなくてスキが生まれてしまいがちなんですが、本作の場合はインクの中に隠れて高速移動ができるので不利にはならないんですよ。
むしろ、相手から姿を隠せるので、有利になる場合もあります。
たった1つのシステムで複数の問題を解決するとはさすが任天堂!
このシステムですと敵を倒すことよりもインクで地面を塗ることを優先したくなりますし、めちゃくちゃ合理的なシステムだと思いました。
↑こちらは勝敗結果の画面です。
全体マップが表示されて、判定が出るまで少し時間がかかるので、互角だった場合はどちらのチームが多く塗りつぶしたのか予測する楽しさが生まれます。
勝敗結果の画面にもエンタメ性を生み出すとは実に任天堂らしい。
ハードルを下げる数多くの要素
インクを使ったシステムはユニークではありますが、全体的には一般的なアクションシューティングゲームを参考にして作られていると思いました。
具体的に言いますと、箱庭マップで2つのチームが戦うルール、倒した数と倒された数の表示(キルレシオ)。
レベルを上げて武器をアンロックしていくシステムなどでしょうか。
そのため全てが新しいゲームという訳ではありませんが、随所で任天堂流にアレンジされているのが良いと思いました。
カラフルポップでオシャレなグラフィックは言わずもがな。
他にも武器をブキと表記したり、対戦マップを事前に歩けたり(さんぽと表記しているのが可愛い)、箱庭マップを作って各モードへ移動できるようにしたりとか、世界観の構築という意味でも気を配っているように感じます。
表現を変えても根本的なゲーム性は何も変わっていませんが、こういう細かい気配りによってハードルは下がっていくものなので、初めてプレイした時は「任天堂がマルチプレイアクションシューティングを作るとこうなるのか!?」と思いました。
Wii Uの機能を活かしている!
本作はWii Uゲームパッドの機能をフルに活かしています。
Wii Uゲームパッドに搭載された液晶画面には対戦マップを常に表示。
TV画面と併用することで快適な対戦ができるようになっているほか、マップ画面に表示された味方のアイコンやスタート地点をタッチすることでワープ(スーパージャンプ)できるようになっています。
また、対戦中にWii Uゲームパッドを傾けることで直感的な照準移動を実現。
スティックを倒しての照準移動が苦手な人でも敵を狙い打ちやすくなってます。
ゲームパッド以外にも、ミーバースを活用しているのもポイントです。
ロビーではWii U「ニンテンドーランド」のように他プレイヤーの投稿を確認できます。
また、各ステージの背景をよく見るとユーザーがミーバースで書き込んだイラストがモニターや壁に描かれた落書きとして表示されるので、オンライン空間であることを強く感じました。
ゲームパッドを使ったシステムといい、「スプラトゥーン」はWii Uソフトの集大成と言えるかも!?
マッチングが快適
この手のアクションシューティングゲームって、マッチングに時間がかかるケースが多く感じます。
例えマッチングに成功したとしてもその後には長いロード時間が挟まることも多かったので、そういう意味でもハードルは高いんですよね。
その点、本作はマッチングは快適ですし、1試合も3~5分程度なので気軽にプレイできます。
その短いマッチング中も退屈させないような気配りがされていて、なんとオリジナルのファミコン風ミニゲーム「イカジャンプ」がゲームパッドで遊べる(※)んですよ!
他のゲームでのマッチング中はスマホゲームを遊ぶことがあっただけに、ファミコン風ミニゲームを遊べるようにするのは素晴らしいアイデアです。
しかもこのミニゲーム、セーブされるようになっていて、いくつかのステージが用意されています。
ステージによってギミックが変わってくるので、どこまで行けるのか挑戦してみましょう!
ちなみに専用のamiiboを使用することで新しいファミコン風ミニゲームが追加されます。
「イカジャンプ」に飽きた人は手を出しても良いのではないでしょうか?
マッチング以外にも広場でじっくり遊ぶこともできますよ。
マッチングが快適なのはあくまでも発売当時です。2022年にもなるとさすがに人が減ってるので待ち時間が長くなってます(ミニゲームでの暇つぶしはできますが)
ついつい熱くなってしまうガチマッチ
マルチプレイモードでランクが10以上になると、ガチマッチに挑戦できるようになります。
これがですね、めちゃくちゃ燃えるんですよ。
理由としては、
- 勝敗によって自分のランクが決まるようになっている
- 用意されているルールはいずれも競技性が高くて勝敗のリスクが大きい
の2点です。
そのため通常ルールであるレギュラーマッチが物足りないと感じる人でも満足できるようになっています。
個人的に好きなルールは「ガチホコバトル」です。
このルールではガチホコと呼ばれるアイテムを担いで敵の陣地に持って行くのが目的なんですが、「スプラトゥーン」に搭載されたあらゆるシステムに合っているんですよ。
ゲームパッドをタッチして味方の近くへジャンプする機能。
自分のチームが塗ったエリアでしか高速移動やステルス、インクの補充ができない仕様。
4対4のコンパクトなチームバトル。
全てが融合することで競技性が高まっているので、非常に熱くて完成されたルールとなっています。
ガチホコを持っている人の立ち回りやサポートする側の対応によってはあっという間に勝敗が決まってしまうため、マッチングによる運の要素も強いのですが、同じくらいの実力の人と上手くマッチングできた時は熱いルールです!
これは熱くなりますよ。
ぼくの場合、自分のチームが押している時や押されている時にやられてしまい、スタート地点からやり直しになってしまった時はついムキになってゲームパッドのマップ画面をタッチしまくってしまいますw
本作はボイスチャット非対応となっていますが、ガチホコバトルをやってみるとそれは正解だったと思ってしまいますね。
だって、めちゃくちゃ熱くなってしまうので、人によっては口調が荒くなってしまいそうですもん。
味方が一人でもサボっていたら勝敗に大きく影響しますし、負けてしまうとランクが下がってしまったり、レベル上げに必要なポイントがほとんど貰えませんしね。
競技性の高さ。ハイリスク・ハイリターンな勝敗結果によって中毒性は高いものの、ある意味危険です。
武器によって全く変わってくる楽しさ
本作には様々なブキが存在するので、使い分ける楽しさがあると思いました。
アクションシューティングらしい、アサルトライフル風のものやスナイパーライフル風のものはもちろん、
- コロコロ転がして戦うローラー
- 地面を塗り塗りする筆
- 広範囲にインクを撒き散らすバケツ
といった狙い撃つ必要が無い掟破りのブキまで登場しますからね。
同じタイプであってもインクの飛び散り方や飛距離、威力、サブウェポン、スペシャルウェポンが変化しますし、ブキを変えるだけでそれまでの常識が覆ります。
同じブキばかり使って飽きてしまった人は気分転換に変えてみると良いかも!?
話題作りが上手い
これは発売から時間が経った今となっては関係ないことですが、本作は話題作りが最高に上手かったです。
発売当初は用意されているステージ、ルール、ブキが少なかったものの、毎週のようにユニークなステージとブキを配信して話題性を持続。
不定期にフェスというものを開催してユニークなお題を提出。
人気コンテンツとのコラボレーションによって新規ファンを獲得。
アップデートによるバランス調整、新ルールの追加によってマンネリを打破。
ミーバースの投稿機能を使った大喜利大会などなど、オンライン重視のゲームらしくSNSで注目を集める話題が満載で、持っていない人でも買いたくなってしまうほどの魅力を醸し出していました。
ギミック満載のヒーローモード
マルチプレイがメインの「スプラトゥーン」ですが、ちゃんと1人で遊べるオフラインモードを用意されています。
その名もヒーローモード!
このモードはステージクリア型のアクションゲームとなっていて、各ステージには様々なギミックと敵が用意されていて展開が速いので、まるで「スプラトゥーン」のゲームシステムで「スーパーマリオ ギャラクシー」をやっているかのよう。
本作では自分が塗ったインクの中に入って高速移動や壁登り、金網のすり抜けなどができるようになっているんですが、これらのアクションを活用したアスレチックアクションが満載で、オンライン対戦とはまた違った楽しさを感じられるモードです。
ワールドは5つに分かれていて、それぞれに6つほどのステージが存在。
ボスを倒すと次のワールドに行けるという王道スタイルで、各ワールドではステージの入り口を探す探索要素もあります。
入り口は初期状態では見えず、インクを塗って探すことになるんですが、入り口の中には高いところや行きにくい場所に設置されているため、発見するのに5分くらいかかることも。
ゲームクリアまでのプレイタイムは4~5時間程度。
難易度はやや低く、最後の冗長なボス戦に苦戦した以外はサクサク進めたので、トータルでは5回ほどしかゲームオーバーになりませんでした。
でも、サクサク進めて多彩なギミックで楽しむことができたので、これはこれで面白かったです。
注意点
割り切った仕様
本作の仕様は初心者向けに割り切っているので、アクションシューティングゲームに慣れている人は抵抗を持ってしまうかもしれません。
マッチングされるマップは十数種類のうち2種類のみ(4時間毎に切り替わる)である点。
マッチング画面では装備の切り替えができない点。
マップやルールの規模が小さい点。
コミュニケーションシステムが不足している点。
ゲームを起動するといちいち現在遊べるマップを長々と説明する点。
ランクが上がった時。ブキを変えたい時。
マッチングするマップが変化する時は部屋から出ないといけない点。
ガチマッチに存在する複数のルールを自由に選べない点。
すべてに”初心者への配慮”や”マッチングの快適性向上”、”ゲームバランスの調整”という理由があるのだと思いますが、押しつけがましく感じてしまう人もいるかもしれません。
これを欠点と取るか取らないかは人それぞれだと思いますが、合わない人は合わないでしょうね。
本作を楽しむには、まずこの独特な仕様と上手に付き合わなくてはなりません。
任天堂のゲームにしてはオフラインユーザーに厳しい
任天堂のゲームといえば、インターネットに接続しなくても楽しめることが多いです。
ところが本作の場合、楽しさの大部分がオンラインに頼っているので、オフラインユーザーは魅力のほとんどを味わえません。
前述の通りステージクリア型のヒーローモードが用意されてはいますが、クリアまでのプレイタイムは4~5時間程度。
amiiboによって追加されるチャレンジをプレイしてもそこまで長くは遊べません。
ローカルプレイ用としては2人でプレイできるバトル道場というものが存在するものの、たった2人でステージ上に飛んでいる風船の破壊数を競うというシンプルなものなので、盛り上がりに欠けてしまいます。
オフラインでも全く楽しめない訳ではありませんが、オンライン要素が楽しさの大部分を占めているので、サービスが終了したら価値は一気に落ちるでしょうね。
スプラトゥーン (Wii U)のレビューまとめ
ユニークなアクション・ルールを盛り込ませつつ、初心者から上級者まで楽しめる懐の深いゲームバランスを実現した作品。
独特な仕様に戸惑うこともあるとは思いますが、アクションシューティング界の新たなスタンダードを作ってくれました!
こんな人には特におススメ。
・アクションシューティング初心者。
・マルチプレイアクションシューター好き。
こんな人にはおススメできない。
・大規模なアクションシューティングをプレイしたい人。
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