【レビュー】マーダード 魂の呼ぶ声 [評価・感想] 化ける可能性はあったコスパが低い意欲的なアドベンチャーゲーム

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マーダード 魂の呼ぶ声/PS4 / PS3 / Xbox One / Xbox 360

2014年7月に発売されたPS4/PS3「マーダード 魂の呼ぶ声」を今回はレビューします。

PS4/PS3「マーダード 魂の呼ぶ声」は殺害されてしまい、ゴーストになった刑事が主人公のアドベンチャーゲームです。2014年9月にはXbox One、Xbox 360版も発売。

良いところ

少しずつ謎が明らかになっていくストーリー

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殺害されてしまい、ゴーストになった主人公の刑事。このままでは成仏できないので、自分を殺した犯人を追い求める事になります。

主人公は刑事らしく殺害現場で事件の証拠を集め、欠けたピースを埋めていく事になるのですが、回想シーンを上手く盛り込んで少しずつ謎が分かるように作られていて、事件の流れを整理するイベントが多数盛り込まれているためミステリー物としては非常に上手くまとまっていると思いました。

最後の結末はゴーストをテーマにした本作らしいものでしたね。

事件の証拠を集めていく過程には沢山のフェイントが盛り込まれているので、結末が分かるまでにどういうオチなのか想像しながらプレイするとより楽しめると思います。

ちなみにゴーストをテーマにした作品ですが、ホラー要素は低め。悪霊が敵として出て戦う事にはなりますけどね。

主人公がゴーストならではの目新しさ

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主人公がゴーストという事で、普通のアドベンチャーゲームとはシステムも異なりました。

この手のキャラクターを動かすアドベンチャーゲームって住人から情報を聞き出し、様々な場所を調べていく物じゃないですか?本作の場合、主人公はゴーストで実体化していないので、オブジェクトを動かしたり、住人と話して情報を聞き出すことは出来ません。

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その代わり憑依する(乗り移る)事が可能で、心の中を読みこんで情報を聞き出すことができるんです。

心の中という事は本音なので嘘の情報はありませんし、何より裏の情報を知る事が面白いですね!

例えばおしゃべりしている男女がいるとします。一見すると仲が良さそうですが、乗り移って心の中を読んでみると女性が嫌がっていたりとか、本筋とは関係ないものの裏の様子が描かれていてリアルで面白いと思いました。

また、状況によっては心の中を読むだけではなく、乗り移ったキャラクターを直接操作したり、覗いたりして今まで行けなかったところに行ったり、事件の新たな証拠を見つけたりするのもアドベンチャーゲームとしては斬新です。

海外のフォトリアル系ゲームってジャンルを問わずドンパチになる事が多いだけに、このゲームシステムは尚更目新しく感じました。

全体的に丁寧な作り

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2014年のゲームとしては特筆する事ではありませんが、全体的に丁寧な作りに感じました。

ストーリーはプレイヤーが置いてきぼりにならないよう丁寧に描かれていて、日本語吹き替え、ユーザーインターフェース、モーションなど、あらゆる部分が及第点に達しています。

この辺りはさすが大手ゲームメーカーのスクウェア・エニックス開発のゲームですね。山寺宏一さんの渋いボイスは必見ですよ~!

グラフィックに関しては海外産のフォトリアル系タイトルとしては平凡

PS3基準で見ると悪くはありませんが、PS4基準で見たら平均以下で、それほど綺麗ではありません。バタ臭さはありませんが、もう少し女性キャラクターが可愛かったら印象が良くなるんだけどなぁ。

比較的誰でも楽しめる

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海外産のフォトリアル系タイトルは残虐描写が凄かったり、激しいカメラ移動をしないといけなかったりして人を選ぶものです。

本作の場合はCEROがCであるため過激な描写は少なく、アドベンチャーゲームという事でアクション要素も少なめで比較的誰でも楽しめます。

日本語吹き替えは丁寧にされていますし、海外ゲームの入門用としてもおススメです。

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惜しいところ

リプレイ性が低い

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ゲームクリアまでにかかるプレイタイムは、5~6時間程度。

その間にいくつもの中規模マップを行き来して様々な体験をするので充実感はありますが、ほぼ一本道で2周目の要素もないためリプレイ性は低いです。

クリア後のおまけも存在しないので、クリアしたら本当に終わり。これでは中古に沢山出回って値崩れしてしまう訳だ。もう少し面白かったら良かったんですけどね。

無駄に多い収集要素

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やり込み要素としては、各フィールドに隠された収集アイテムを集めるというものがあります。

が、100、200と無駄に多く、ボリューム不足を補おうと無理やり増やしている感が強いです。

全体マップはそこまで広くないので、ここまで増やす必要ってあったのだろうか?最終マップに入ると後戻り出来ず、回収し忘れた収集アイテムを集めるには最初からやりなおさないといけないのも不親切です。おかげでトロフィー・実績をコンプ出来ませんでした。

面倒な探索要素

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本作でメインとなるのが、事件現場での証拠集めです。が、いかんせん視線を調べられる箇所とピッタリ合わせないと調べられない関係上、なかなか証拠が見つからず、同じところを数十分行ったり来たりさせられました。

テンポを良くするためにもう少し探索難易度を低くした方が良かった気がします。それをやったらますますクリアタイムが短くなってしまいそうですが。

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全体のまとめ


設定やシステムが非常にユニークな意欲作。が、斬新であるが故にゲームシステムが洗練されておらず、2014年のゲームにしてはリプレイ性が低くて磨ききれていません。

全体的には丁寧な作りなので定価で買うと厳しいですが、半額以下だったら悪くないと思います。化ける可能性はあったコスパが低い意欲的なアドベンチャーゲーム。

こんな人には特におススメ。
・アドベンチャーゲーム好き。
・海外産のフォトリアル系タイトル初心者。

こんな人にはおススメできない。
・コストパフォーマンスを重視する人。

マーダード 魂の呼ぶ声/お気に入り度【60/100%】
プレイした時間・・・約6時間

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6件のコメント

まだこのゲームをやってないので感想を見た限りだと
素材はかなり良いものを使っていて斬新さもある。
ただ、それを使える技術があまりなかったのか
微妙な感じになってしまったって感じですか?
でも聞いた感じだと魅力はある内容ですね。
もう少し練っているか、せめて2週目要素があれもうちょっと評価は上がりましたかね?

ストーリー主導のゲームだけあって話は良く出来ていましたね。
海外ドラマを一気見したかのような満足感がありました。
最後のどんでん返しはちょっとズルいけど、ちゃんと伏線もあったし心霊ものならではのオチだったから感心しました。
通行人に憑依して考えを読めるのは面白かったけど、魔女のことや町の歴史について考えてる人が多過ぎて違和感がありました。
通行人の外見のバリエーションが少ないので、どいつもこいつも同じような顔で同じようなことを考えていて不気味でしたねぇ。ある意味ホラーでしたよw
壁をすり抜けたりディスオナードみたいな瞬間移動ができたりして幽霊ならではのアクションが楽しかったです。
猫に憑依して普段行けない所を探索できるのも面白かったですね。
基本は移動と探索を繰り返すゲームなので中弛みしそうですが、それに飽きてきた時に悪霊が出てきて緊張感を高めてくれるのが良かったです。
時々、幽霊から依頼されるサブクエストが好きでした。あの人はどういう経緯で死んだのか、ちょっとしたミステリーを楽しめるのが良かったです。

続きです。
僕はあの膨大な収集物を探すのが楽しくて夢中になってプレイしました。
熱心に探索すれば面白い怪談話を聞けたりしますしね。
いくつか戻れなくなる場所があることは知ってたので攻略サイトとにらめっこしながら集めたアイテムもあります。
最終章に突入する前に収集物をコンプしたかったから、仲間がピンチだという時にあちこち寄り道しまくるクズ主人公になってしまいましたw
このゲームはセーブデータを複数作れるわけでもないし、チャプターセレクトも無いから、収集物を取りこぼしたら最初からやり直さないといけないのがあんまりですね。せめて2週目に引き継げる要素があればいいのに。
2014のゲームにしては不親切な設計ですよね。自らリプレイ性を低くしてしまっていて残念です。
>視線を調べられる箇所とピッタリ合わせないと調べられない
これは嫌でしたねぇ…。おかげで何度も証拠を見落としてしまって困りましたよ。もうちょっとアバウトな視線移動でも調べられるようにして欲しかったです。

>y.crashさん
そんな感じですね。
ゲーム自体はめちゃくちゃ安く売っていますよ。
この値段だったら買って損はありません!
コスパの悪さも気にならないでしょうし。

>チキさん
ストーリーはミステリー性が高く、考える楽しさがありました。
最後の展開は予想出来なかったので、
そこで肩すかしに感じてしまった人が多いのかもしれませんね。
憑依システムは若干、ゲームならではのご都合主義なところがあります。
フォトリアル系タイトルなので、
リアリティを求めると確かに違和感はありますねw
顔のバリエーションは疲れちゃったのかな(^_^;)
他にはないシステムのゲームなので今後も続けて欲しいところだけど、
セールスが振るわなかったので厳しいかなぁ。
物足りないところもあるけどこういうゲームも必要だと思っています。

>チキさん
僕も終盤になったら攻略サイトに頼っておけば良かったと思いましたよ。
そう、セーブファイルやチェックポイントが存在しないからこそやり直せない訳で、
そこは配慮して作って欲しかったですねー。
コンプリート、したかったんだけどなぁ。
探索は無駄に難易度が高かったですね。
あそこまでシビアにしなくても・・・。