

夏色ハイスクル★青春白書 (略) /PS4 / PS3
2015年6月に発売されたPS4/PS3「夏色ハイスクル★青春白書 (略)」を今回はレビューします。
PS4/PS3「夏色ハイスクル★青春白書 (略)」はオープンワールド型の恋愛アドベンチャーゲームです。
正式名称は「夏色ハイスクル★青春白書〜転校初日のオレが幼馴染と再会したら報道部員にされていて激写少年の日々はスクープ大連発でイガイとモテモテなのに何故かマイメモリーはパンツ写真ばっかりという現実と向き合いながら考えるひと夏の島の学園生活と赤裸々な恋の行方。〜」。
目次
良いところ
意外と頑張っているオープンワールドマップ
この手のゲームって、一部の話題作を除いたら売れて5万本程度です。
そうなると損益分岐点を3万本程度にした開発予算しか出ないハズなので、このゲームもその範囲で作っているのでしょう。
そういった先入観から本作のオープンワールドマップを見てみると、これが意外と頑張っています!
まず驚くのがそのスケール。ゲームの開始地点となる学校は20以上の教室に入る事が可能で、トイレから体育館、運動場までしっかりと再現されて現実に近いスケールで作られています。
学校から出た先にある商店街、ビーチ、神社、丘などの15以上も存在するロケーションも同じようなスケールで作られていて、しかもシームレスに移動できるのでオープンワールドマップに偽りはありません。
続いて驚いたのが登場キャラクターの数。なんと数百人規模で、しかもそれぞれが毎日別行動をして移動もしたりするのだから凄い!
下校時なんかはみんなも駅に向かって移動するので、本当にしているかのようです。
もちろん、見えない壁によって進入できない家があったり、グラフィックのクオリティがそこまで高くなかったりと突っ込みだしたらキリはありませんが、これが本当に損益分岐点が3万本程度で作られているのか疑いたくなるくらいゲームの規模は大きく、そこは評価しても良いと思っています。
世界よ!見たまえ!これが日本が誇るオープンワールドゲームだ!
・・・何だろう、この、みんなが見ている中フル●ンで叫んでいるかのような恥ずかしさは。
青春を味わえる
夢ヶ島高校に転入してきた主人公の男子高校生。本作では彼の視点から物語を楽しむ事が可能で、様々な青春イベントを体験出来ます。
女の子と一緒に下校したり、自転車で2人乗りしたり、ビーチでスイカ割りをしたり。
もちろん、男の子と仲良くして友情を深めたり、学校の行事に参加する事もできるので、上手く行けばゲームの中でもう一度青春を味わうことができますよ~。
でも、この手の恋愛アドベンチャーゲームでは普通の事ですよね?
確かに他のゲームでも体験は出来ますが、本作の場合はオープンワールドマップを採用しているだけあって青春を味わった感が強く、例えばヒロインと学校から駅まで下校をするイベントなんかは普通のアドベンチャーゲームではとても味わえません。
男の子の夢が詰まっている!
このゲームには男の子の夢がたくさん詰まっていました!
ひょんなことから報道部に入部した主人公は、カメラを使って風景からスカートの中まで様々なものを撮影することができます。そう、男の子の憧れとなるパンティ写真を撮影出来てしまうんです!
下着の色はランダムで決まるので、友達を家に集めて色当てクイズを楽しむ事だって出来ますよ。
「A君、あの子のは何色だと思う?」、「白!」みたいにね。くれぐれも女の子を混ぜて楽しんじゃいけませんからね!
これは、男の子による男の子のためだけのパンティゲームなんです!さあ!今日は君の家で友達集めてパンティ!いや、パーティーだ!
フリーモードでは好きなキャラクターを、好きなポーズで、好きな場所に設置して自由に撮影できるので、写真撮影だけを楽しみたい場合はこちらを楽しみましょう!本編で迂闊に変な行動を起こすと好感度が下がってしまいますからね。
自由度が高い
オープンワールドマップを採用しているだけあって、自由度は高いです。なんと、ゲームを開始した直後からいきなりすべてのフィールドに行けてしまいますから!
多くのゲームは最初に行ける範囲が制限されているものですが、このゲームではそんな事はありません!学校の中はもちろん、外も好きなように移動が出来ます!
しかも釣りやお使い、散髪、買い物などサブ要素も満載なので、恋愛アドベンチャーゲームなのにオープンワールドゲームの醍醐味を味わえてしまうんです!
惜しいところ
イベントの発生場所が分かりにくい
ゲームの目的は、3ヵ月間のうちに様々なイベントを体験して女の子と仲良くなる事です。しかし、そのイベントの発生場所が非常に分かりにくい。
ガイド機能が存在しないのでどこに行ったらイベントが発生するのか分かりにくいですし、フィールドが非常に広く、登場キャラクターも非常に多く、しかも特定の日時でしか発生しないイベントばかりなのでプレイしているうちに訳が分からなくなってしまいます。
おかげでイベントの発生場所を見つけたら喜んでしまうくらいですよ。
いろいろと不親切
それ以外にも不親切な部分が目立ちます。例えば一日進めるには報道部のパソコンに触れるか、駅まで行かないといけないとか。もう少し色んな所で出来ても良かったような?
全体的に説明不足なのも気になりました。説明書が封入されているとはいえ、もう少しゲーム内で説明があっても良いと思うのですが。
無駄に広すぎる
現実に近いスケールでフィールドが作られているのは、良い事ばかりではありません。
無駄に広すぎるせいで移動は面倒ですし、イベントの発生場所がどこなのか探すのを面倒にしています。
移動手段としては自転車が存在するものの大して移動速度は上がりませんしね。非・現実的ですが、ファストトラベル(ワープ)機能を用意しても良かったと思います。
キャラクターのリアクションが薄い
イベント時以外はどのキャラクターもリアクションが薄いです。
物量的に難しかったんでしょうが、話しかけても「こんにちは」しか言わなかったり、ぶつかったり盗撮しても同じような反応しかしなかったりしてすぐに飽きます。
そのためイベントの発生場所を見つけられないと無駄に広いフィールドを走り回り、リアクションの薄い人たちと戯れるだけという淡白なゲームプレイになってしまいがちでプレイして時間の無駄とさえ感じてしまいました。
全体のまとめ
素材自体は決して悪くはなく、上手く行けば本当に青春を味わえる作品。
しかし、オープンワールドマップを採用しているのにも関わらずあまりにも不親切すぎる作りのため訳が分からず投げ出してしまう可能性が非常に高く、せっかくの素材が台無しになっている印象です。
恋愛アドベンチャーゲームとして売り出すのであれば、これだったらノベルゲーにした方が良かったですね。
パンティ写真を撮影する事もこのゲームのアピールポイントなのでオープンワールドマップを採用したかった気持ちも分かりますが、上手く噛み合っていません。素材は良いのに、合体事故で台無しになったパンティゲーム。
こんな人には特におススメ。
・もう一度青春を味わいたい人。
・変態という名の紳士。
こんな人にはおススメできない。
・能動的にプレイするのが苦手な人。
夏色ハイスクル★青春白書 (略)/お気に入り度【40/100%】
プレイした時間・・・約10時間
中小サードの予算規模と開発力の限界ではあるのでしょうがいろいろと惜しいゲームではあります
オープンワールドの恋愛アドベンチャーゲームというありそうでなかったジャンルですからD3さんがこのジャンルのフロンティアと呼ばれるくらいに是非とも突き詰めていってほしいですね
セガさん60億かけてこのジャンルに挑戦していただけないでしょうか(白目)