2016/02/24/20:00 | ゲームレビュー

いけにえと雪のセツナ【レビュー・評価】1990年代へ小旅行出来るコンパクトなクラシックRPG

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いけにえと雪のセツナ/PS4 / PSV

2016年2月に発売されたPS4/PSV「いけにえと雪のセツナ」を今回はレビューします。PS4/PSV「いけにえと雪のセツナ」は1990年代に発売された古き良きRPGを意識して作られたファンタジーRPGです。
※レビューしたのはPS4版。

良いところ

古き良きRPGを意識している

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本作のキャッチコピーは「とりもどそう。僕たちのRPG」です。

コンシューマーゲームの黄金時代と言われた1990年代には、数多くの名作RPGが生まれました。もちろん近年にも良質なRPGは生まれていますが、時が経つにつれて方向性が変わっているのも確かで王道のRPGは減ってきています。

そんな中で発売されたPS4/PSV「いけにえと雪のセツナ」はまさに1990年代の名作RPGといっても良いほどそれを意識して作られていました。どこが古き良きRPGなのか箇条書きで書かせていただくと・・・

・戦闘システムはSFC「クロノトリガー」をベースにしたアクティブタイムバトル(ATB)を採用。
・いくつもの街を拠点にいくつものダンジョンを攻略していくスタイルで、旅をしている感を味わえる。
・ダンジョンには雑魚の他にとっても強い敵が潜んでいる。
・程良く開けたワールドマップで程良い自由度を感じられる。

・主人公は喋らず、選択肢で言葉を選んでいくスタイルを採用。
・テキスト量は比較的少なめで、イベントシーンの長さは程々。
・終盤には”あの乗り物”が登場して行動範囲が一気に広がる。
・セーブ出来る場所は限定されていて、ゲームオーバーになったら前回セーブしたところからやり直し。

このようにかつてのRPGで必要だった要素を一通り取り揃えていて、懐古ゲーマーが「そうそう!こんなRPGをやりたかったんだよ!」と言いたくなるような内容になっています。個人的に思うRPGとは・・・

① 成長要素が強い。
② 自由にキャラクターを動かせる。
③ 宿を借りながら旅をして奥の世界に進む。
④ ある程度行動面での自由度がある。
⑤ 作り込まれたストーリー・世界観。

こんなところなんですが、本作の場合は多くを満たしています。ただ、③に関しては満たしているようで満たしていませんでした(個人的に合わない&気になったところに続く)。

徐々に歯ごたえが増していく戦闘

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戦闘の難易度は、序盤の場合はあまり高くありません。めちゃくちゃ簡単!と言うほどではありませんが、適度にレベルを上げて戦略を考えたら楽にクリア出来ます。

しかし、中盤以降は難易度が上昇して「難しい!」と言えるレベルにまで達しました。ボスクラスの敵になるとほぼ一撃でやられてしまうような攻撃をしてきますし、「倒した!」と思ったら最後の力を振り絞って強力な全体攻撃をしてきたりもします。

サクサク進みたい場合は少々ストレスが溜まってしまいますが、本作では様々な特殊攻撃をセットする事が可能で組み合わせ次第では強力な技を生み出す事も出来るので、その楽しさを感じられるようにするには良いバランス調整だと思いました。

さすがRPGの開発を得意とするスクウェア・エニックスのゲームだけあって戦闘のバランスやキャラクターカスタマイズの奥深さはピカイチです。

終盤は一気に自由度が高まり、強力な敵も増えてきますので、戦略性が高まってきます。

BGMが良い

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古き良きRPGで大切なBGMの良さは、本作でもしっかり抑えています!BGMはピアノアレンジで統一されていて、特に別れをイメージした曲は聴いていると切なくなってきました。

ストーリーは特別良いとは思っていませんが、演出の良さで心に残るところがあって改めてBGMの力を感じさせてくれます。

程良いボリューム

いけにえと雪のセツナ_20160220223632

RPGといえば、クリアまでのプレイタイムが長くてそこで好みが分かれるんですよね。お金がなくて一本のゲームを長く楽しみたい子供にとっては有難い存在ですが、お金よりも時間が大切な社会人にとってはプレイするまでのハードルが高かったりします。

本作の場合はかつてのRPGゲーマーをターゲットにしているからか、時間がない社会人でも比較的クリアしやすいボリュームになっているのが良いと思いました。早ければ10時間。遅くても20時間程度でクリア出来る長さなので、積みにくい作品です。

レベル上げに時間がかからないのも助かりました。良い稼ぎポイントが見つかったら10レベル上げるのに30分程度しかかからず、適正レベルに届かなくて苦戦していてもすぐに巻き返せます。

クリア後のおまけ要素が多い

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ゲーム終盤になると、行動範囲が一気に広がります。その中にはゲームクリア後のおまけ要素もあるのですが、スクウェア・エニックスのゲームらしくなかなかの量でした。

通常のプレイではなかなか見つからない強力なボス。レアなアイテムが手に入るサブイベント。鍵がかかった宝箱探し。好きなだけボスと戦える闘技場的なダンジョン。開発者の遊び心を感じられる秘密のエリアなど、探索してみると様々な発見があります。

すべてをやり込んでも30時間程度だと思いますが、それでもこれだけのおまけ要素が散らばっていると探索している時はワクワクしますね!

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個人的に合わない&気になったところ

古き良きRPGとしては中途半端なゲームシステム

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1990年代の古き良きRPGを意識して作られた「いけにえと雪のセツナ」。当時のRPGを概ね再現していますが、中には欠けているものもあると思いました。

一番「あれ?」と思ったのが、宿屋がないことです。全回復自体は「テント」というアイテムをワールドマップで使用したら出来るんですが、旅をしている感を出すためにここは街に宿屋があっても良かったと思いました。

装備品のシステムも中途半端ですね。1990年代の古き良きRPGを意識しているのであれば武器だけで攻撃力も防御力も高まるようにするのではなく、もう少し装備品を細分化して武器と防具を装備するスタイルにしても良かったと思います。

戦闘システムもリアルタイム性を取り入れていて王道かと言われると違うなと思いました。

そもそもベースとなっている「クロノトリガー」自体が当時としては個性的な戦闘システムでしたからね。古き良きRPGと謳っていますが、何もかもがオーソドックスではなく、少しは尖ったシステムを取り入れているところがあるのでそこは注意しましょう。

イベントシーンのスキップ機能が欲しかった

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本作は全滅したら前回セーブしたところからやり直しになります。昔のゲームっぽくて緊張感が出ていてそこは良いと思ったんですが、この仕様にするのであればイベントシーンをスキップ出来るようにしてほしかった。

ボス戦の中にはそこそこ長いイベントシーンも用意されているので、それをゲームオーバーの度に見せられるとテンポが悪く感じてしまいます。

この不便さも含めて昔のゲームを再現しているのかもしれませんけどねw

全体的に地味

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古き良きRPGを意識して作られているという事で、最近のRPGみたいな派手さは感じられませんでした。

カメラは遠くに引いているのでキャラクターの顔はよく見えず、イベントシーンではボイスはありません。戦闘も派手な演出はなくて、遠くで戦っている人に指示をしている感じです。

2016年のゲームだな~と感じたのは、しいて言えば音質の良さと戦闘時のボイスくらい。回復時の効果音はPS4ならではの迫力を感じられて、戦闘時のボイスではセツナの甲高い声が今風に感じました。

作品のコンセプト的に納得ですが、当時を知らないユーザーがプレイしたら地味に感じてしまいます。

ダンジョンが淡白

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多くのダンジョンは淡白に感じました。グネグネ曲がった一本道を進むだけで、おまけに短い。

終盤になるとちょっとしたパズル要素が増えて全長も長くなってきたんですけどね。それまでに挑戦するダンジョンは区別がしにくく、もう少し差別化してほしかった。

ダンジョンに出現する敵の種類が少ないのもそう感じてしまう要因だと思います。どこのダンジョンも2~3種類しか敵が存在しないんですよ。色違いも多いですし、ここはもっと頑張ってほしかった。

全体のまとめ


多少尖った部分はあるものの、「とりもどそう。僕たちのRPG」に偽りのない作品。2016年のゲームとしてみたら地味なところはあるものの、それが個性になっていると思うし、何よりサクッとクリア出来るのが個人的には有難かった。1990年代へ小旅行出来るコンパクトなクラシックRPG。

こんな人には特におススメ。
・かつてRPGを楽しんでいた人。
・サクッとRPGを楽しみたい人。

こんな人にはおススメできない。
・大ボリュームな大作RPGを求める人。
・具体的な描写を求めてしまう人。

いけにえと雪のセツナ/お気に入り度【70/100%】
プレイした時間・・・約15時間
※当ブログでこれまでにレビューしたタイトルの一覧はこちら をご覧下さい。

 

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コメント広場の住人(12)

  1. koji より:

    行く先々のどの村にも宿がないのは意味不明ですね。
    わざわざ村の外にテントを張って一夜を明かす主人公御一行様を思うと、世の中の世知辛さに泣けてきますよ(^_^;)

  2. MGMの名無し より:

    丁度今日セツナをクリアした記念に
    戦闘は一度簡単に全滅しても、法石とパーティの入れ替えでなんとかなるって感じで試行錯誤するのはとっても楽しかったな。
    天邪鬼な選択肢えらびまくってツッコミ待ちするのもたのしー。
    雰囲気もとっても良かった
    ただ全体的にメリハリの無さを感じた。
    主人公まわりのテキストが少ないから全体的にキャラが薄味になってストーリーも平板な感じに。雪景色も綺麗だけどずっとだと流石に・・・。ダンジョンは日本一ソフトかよ!ってツッコミ入れながらやってた。
    原作の脚本は結構山あり谷ありで面白そうな気はした。演出面とか間のとり方とか良くしたら随分印象かわるんじゃないかなーなんとなく。
    音楽が気に入ってハードまで買ってやってみた作品。
    色々惜しいなーと思うけど次出たら・・・どうしようかな様子見しちゃうかも。でも期待はしてもいいかなーって思える

  3. アサヒ より:

    よくもわるくもこじんまりとしたゲームですよね。
    結構図鑑が充実してたのが嬉しかったです。
    サントラをハイレゾで配信してくれないかなぁ~

  4. 伯爵 より:

    私は今ラスダン前かと思いますが、☆6くらいですかね〜
    懐かしい雰囲気はいいんですが、いかんせん全体的に地味かな、と
    ここ数年の間にSFCやPSの頃のFFを網羅しましたが、その頃の方がフィールド、ダンジョン、ストーリー、キャラとかほぼ全ての面において上回ってるんですよね。
    法石はいまいち効果が分かりにくかったので、FF5のジョブシステムとかFF7のマテリアのように効果が実感しやすい風にした方が試行錯誤する楽しさが増すかと思います。
    敵キャラの種類が少ないのも物足りない一因でしたね〜
    当時の頃のようなRPGを作ろう、じゃなくて当時を超えようという思いで作らないとやっぱり難しいのかな。
    2000円くらいのダウンロードソフトとかなら文句無かったですが、この値段ならもうちょっと頑張って欲しかったですね。
    1番イライラしたのはユニークモンスターがわかりにくくて、気付かずに戦闘になって全滅して戻されるのがちょくちょくあったことです。
    きらめくパンジーさんみたいにわかりやすくしてくれれば良かったのにw

  5. 街毛 より:

    なんというか予測の8割くらいの完成度という印象。期待を上回ることも下回ることもないけど、上回ってくるのが基本の世界なだけにね。
    でもこういうGBAくらいのRPGが出るのは嬉しいことです。

  6. MGMの名無し より:

    ゲームラッシュの時期に逆にさくっとクリアできるのは嬉しかったり
    まあ、敵の種類もう少し増やして宿屋と防具、鍵付き宝箱やめればもっと良かったな

  7. kentworld より:

    >kojiさん
    大して労力かかるわけでは無いのに、ここは謎でしたねw
    まあ、その分だけ大きな減点にはなりませんが。

  8. kentworld より:

    >MGMの名無しさん
    >丁度今日セツナをクリアした記念に
    戦闘は試行錯誤が楽しかったですねー。
    個人的には絶妙な難易度だと思いました。
    選択肢によってちょっとだけ台詞が変わるのは
    自分が物語に介入しているかのようで昔のゲームっぽいですね。
    僕もメリハリは全体的に感じませんでした。
    演出、ストーリー、ダンジョンすべてに
    もう少しアクセントが欲しかったところはあります。
    このノリでボリュームが倍増していたら評価はもっと低かったでしょうね。

  9. kentworld より:

    >アサヒさん
    図鑑に関しては触れようか迷っていました。
    好きな曲も多いので、これはサントラがちょっとほしいです!

  10. kentworld より:

    >伯爵さん
    僕も星6にしようか迷っていたんですけどねーw
    最後のシーンが気に入ってしまって、
    ちょっと余韻に浸れたのでこの評価にしてしまいました。
    あとはPS4版で処理落ちを知らないのもあるかな。
    >当時の頃のようなRPGを作ろう、じゃなくて当時を超えようという思いで作らないとやっぱり難しいのかな。
    あぁ、100%の力を振り絞って作っているようには感じられない作品でしたもんね。
    あくまでもミドルプライスに収まる中作にしよう!
    と計画的に作られたような作品に感じてしまいました。
    きらめくパンジーさんは確かにわかりやすかったですねw
    あんな感じでいかにもレアそう、強そうなのを
    見た目で判断出来るようにしてほしかったところはあります。

  11. kentworld より:

    >街毛さん
    伯爵さんのコメントの返信分と旨が似てきてしまいますが、
    本気で作っているように感じられないところはありますねー。
    悪く言えば妥協みたいな。
    >期待を上回ることも下回ることもないけど、上回ってくるのが基本の世界なだけにね。
    これは分かりますよ。ハードルがとてつもなく高い世界ですよねw

  12. kentworld より:

    >MGMの名無しさん
    >ゲームラッシュの時期に逆にさくっとクリアできるのは嬉しかったり
    同感です、そこで評価が高まったところはあります。

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