2018年3月に配信されたSwitch「返校 -Detention-」を今回はレビューします。
Switch「返校 -Detention-」は台湾の学校を舞台にしたアドベンチャーゲームです。
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- ストーリーに沿って探索していくアドベンチャーゲーム。
- 探索することで入手できるアイテムを使って謎を解き明かしていく。
- ストーリーの舞台や時系列はコロコロ変わっていく。
初リリース日 | 2017年10月27日 |
対応ハード | PS4/Switch |
ジャンル | アドベンチャー |
推定クリア時間 | 3~4時間 |
価格 | 1,296円(税込) |
発売元 | PLAYISM |
目次
良いところ
和製ホラーにも通ずる生々しい恐怖感
洋製のホラーと和製ホラーには明確な違いがあります。
洋製のホラーはグロ表現を重視した演出が多く、過激な描写で見る者を恐怖に陥れる事が多い印象です。
一方、和製ホラーの場合はグロ表現よりも生々しさを重視している印象で、一気に来るのではなく、ジワジワ来ることが多く感じられます。
では、台湾という外国のゲームメーカーが手がけた「返校 -Detention-」はどうなのでしょうか?
プレイしてみたところ日本と同じアジア系民族が手掛けているからか和製ホラーにも通ずるホラー描写が満載で、精神的にジワジワと来ます。
と言うかこれはヤバイ!!!!!
子供騙しで収まるようなレベルのホラーゲームではなく、時には「え?こんな事をするの!?」と言いたくなるような行為をプレイヤーキャラがしないといけなくなります。
プレイしていると精神的にジワジワと訴えかけられるので、人によっては夜、トイレに行けなくなってしまうかもしれません。
精神的にジワジワ来る絵作り
このゲームの何が怖いって、まずは絵作りです!
だって、キャラクターの顔色が真っ白で、しかも動きが妙になめらかなんですよw
ゲームジャンルはPS「トワイライトシンドローム」のような横スクロールのアドベンチャーゲームなんですが、キャラクターを動かすと手や足が気持ち悪いくらい滑らかな動きをするんですw
自分でキャラクターを動かしているのに「気持ち悪い!」と口に出したくなってしまいます。
そして背景!横スクロールの2Dイラストなのに空気感が伝わってくるような絵作りとなっていて、一言で言うと「こんなところには絶対行きたくない!w」。
でも、1960年代が舞台であるためか日本の昭和時代に通ずるような家具や飾りが出てきて懐かしさを感じられるのは良かったです。
台湾が舞台の作品ではありますが、パッと見は日本の昭和時代に見えなくもないと思います。
とても深くて考察したくなるストーリー
返校
あまり聞かない言葉ですが、これってどういう意味なのでしょうか?
この意味はグッドエンディングまでプレイすることで分かるようになっていました!
そしてストーリーは学生のウェイとレイが力を合わせて学校内を探索するところから始まるんですが、そこから想像も付かない方向へ転がっていき、最終的には台湾の政治情勢が絡んだ深い内容になっていきます。
なので、本作の舞台が台湾の学校であるのは明確な意味が込められているんですね。
韓国製ホラーゲームのPS4「WHITEDAY~学校という名の迷宮~」は日本の学校と偽っていたのになぜ本作は舞台が台湾の学校である事を隠さないのか謎でしたが、最後までプレイしたらよ~く分かりました。
僕は台湾で暮らしたことがないのでピンと来ない部分はありますが、向こうに住まれている方ほど衝撃的な内容だと思います。
かえって新鮮だった横スクロールによるストーリー演出
ストーリーについてもう少し語らせてください!
最近のホラーゲームはプレイヤーキャラの視点から幻覚や幻聴を見せてストーリーを語っていきますが、本作も例に習ってそのような演出を多用していました。
そのため舞台や時系列はコロコロ変わっていき、「?」な部分もありましたが、それが狙いなところもあると思うし、恐怖にも繋がっていて先の読めなさにワクワクします。
感心したのが、このようなストーリーを横スクロールのアドベンチャーゲームで表現してきたことです。
近年のホラーゲームはTPSやFPSの形からストーリーを語ることが多かったので古典的な横スクロールはかえって新鮮でした!
程良い難易度の探索と謎解き
ゲームの中心は探索と謎解きとなっていますが、個人的には程良い難易度に感じました。
簡単過ぎるわけでもなく、難しすぎるわけでもない。
上手いバランス調整となっていて、程々に詰まりながら探索と謎解きを楽しめる作りとなっています。
探索をすることで様々なアイテムを入手出来ますが、少し考えればどこで使用して道を切り開けるのか分かるようになっているので、さほどイライラする事はありませんでした。
惜しいところ
グッドエンディングの条件が分かりにくい
本作はマルチエンディングとなっていて、グッド・バッドと2種類のエンディングが存在します。
が、グッドエンディングの条件が分かりにくく感じました。
そのため普通にプレイしていたら初見はバッドエンディングに行くことが多いと思いますが、これがまあ、後味が悪いんです。
序盤の伏線回収にはなっていますが、これだけではよく分からないストーリーのゲームになってしまいます。
なので、グッドエンディングを見ないと納得できない部分があるんですが、少々ハードルが高く感じられました。
全体のまとめ
台湾の政治情勢を絡めた深いストーリーが印象的なホラーゲーム。
先に進めれば進めるほどゲーム性が薄れてストーリー主導になっていきますが、それが気にならなくなるほどのパワーを感じられる内容でした。
アドベンチャーゲームとしても丁寧な作りで、カルト的な人気を博すのも納得の作品です。
そして、台湾のゲームメーカーもやるじゃん!と思いました。
ゲームジャンル的に作りやすいのかもしれませんが、国産ゲームと比べても遜色のないクオリティで、インディーズゲームでも良いからもっと色々出しても良いと思います。
タイトルがとても深い良質な台湾製ホラーゲーム。
こんな人には特におススメ。
・ホラーゲーム好き。
・考察好き。
・台湾マニア。
こんな人にはおススメできない。
・ホラーゲームが苦手な人。
・考察が苦手な人。
返校 -Detention-/お気に入り度【80/100%】
プレイした時間・・・約4時間
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Nintendo | PlayStation |
Xbox | etc |
おお!高評価ですね!
このストーリーは自分的にもかなりグッときました。
絶妙にビターで切なくて。たぶん、全てのホラーゲームの中でこのストーリーは一位です。
ホラーゲームの物語を作るに当たって、新しい指標になっていくようにも思うんですよね。この完成度を日本を舞台に国産ゲームでやってくれたら最高なんですけど。
日本にも教科書でも禁じてるような過去がたくさんあるので、インディーズでよいからうまく題材を落とし込んで作ってくれる人いないかなー
サイレンのシリーズとか復活してほしい。