特定の層に媚びた展開を嫌っていた頃
○○ちゃんが可愛い!
超人気声優アイドルを起用!
初回特典として際どい水着コスチュームを用意!
パッケージには萌え系キャラクターをデカデカと掲載!
大丈夫だ、問題ない
かつての僕はこういった特定の層に媚びた展開を嫌っていました。
「なんだよあれ、ゲームをなんだと思っているんだよ」
「ゲームとアニメは別物であって、アニメのノリをゲームに持ち込んでくるのは止めてほしい」
「可愛らしさでユーザーを釣って、中身は疎かにしているんでしょ」
「大丈夫だ、問題ないって話題作りに必至だねぇ」
こんな感じの事を思っていたんです。これらの展開で何が嫌かって、外側の事しか話題にならないからなんですよ。キャラゲーなど一部を除いてキャラクターの可愛さや声優、コスチュームは付加価値であって、本質ではありません。
そこばかりが話題になったら薄い会話しか出来ませんし、そもそも、ゲームの話をしているのかアニメの話をしているのか分からなくなってきます。
でも、今は少し変わっていて、入り口としては良い手段なのかなぁと思うようになりました。
一番怖いのは無関心
何故、僕は特定の層に媚びた展開を頭ごなしに否定しなくなったのでしょうか?それにはこういった理由があります。
ここ数年、SNSを見ていると悲しいくらいコンシューマーゲームを話題にする人が減っているんですよね。一方、スマホゲームの話題は沢山見かけます。
コンシューマーゲームをやらなくなり、スマホゲームばかりをやるようになった人は本当に多いです。
僕からしたら不思議でならなくて、どうしてあんな薄い内容のゲームばかりをSNSで話題にするのかと思ってしまうんですよ(実際にやったうえでの感想です)。
それがもう、本当に悔しくって頼むからコンシューマーゲームを話題にしてくれって思うんです。「○○ちゃん可愛い!」とか、外側の話でも良いので…
確かにスマホゲームの方がガチャとかアップデートやイベントで話題にしやすいとは思いますが、ゲーム体験の質はコンシューマーゲームの方がケタ違いに良いだけに凄くモヤモヤしております。
コンシューマーゲームを話題にしている人は本当に減りました。多くの人によってコンシューマーゲームはもはや無関心なんですね・・・
そんな時に便利なのが媚びた展開なんです。キャラクターが可愛い、パンチラ、人気声優の起用、強烈なネットスラング。
これらのネタはキャッチーで話題にしやすく、買う買わないは別にして作品を知ってもらうきっかけにはなっていると思うんですよね。
今の時代、買う買わないの前に知ってもらう事が重要だと思うんです。そのためには手段を選ばないのも無理はないかなぁって。一番怖いのは無関心だと思うんですよ。
そもそも、媚びた展開は当ブログでもやってます。当ブログでは各記事にサブタイトルを付けていますが、注目を集めるための手段として「○○可愛い」という表現をしたりしますから。
不本意ですが、キャラクターの見た目についての言及はゲーム内容を理詰めて語るよりは注目を集めやすいんですよねぇ。
萌え文化が市民権を得たのも大きい
この10年で萌え文化は市民権を得たと思います。一昔前の萌え系はいわゆるオタクが楽しむものであって、一般層は煙たがる存在でした。
しかし、この10年間に深夜アニメ市場が大きく拡大し、ニコニコ動画や漫画原作の実写化、AKB48などのアイドルブームによってだいぶ浸透してきたと思うんです。
リセマラ分が含まれているとはいえ「アイドルマスターシンデレラガールズ スターライトステージ」が1,700万ダウンロードとか、ちゃっかり萌え要素を含めている「君の名は」が興収243憶円を記録するなどかつては考えられなかった現象が起きていますから。
10年前に小中学生でニコニコ動画で育ってきた子も今では立派な大人になっています。萌え文化は現在も進行形で拡大しているので、抵抗なく接することができる大人はどんどん増えて行くでしょう。
もちろん、それぞれに好きの大小はあると思いますが、敬遠するタイプは確実に減って来ており、萌え好き=オタクという方程式はステレオタイプになっているハズです。
オシャレなイケメンがラブライバーだったとか、普通にありますからね。そうでなくても深夜アニメを1クールに2~3作程度楽しむようなリア充オタクが増加していると報じられているくらいですから・・・
特定の層に媚びた展開の何が嫌だったのかって、市民権を得ていなかったのも大きいんですよね。
かつての萌えコンテンツはPCエンジン、セガサターン、ドリームキャストなど王道とはかけ離れたマニアックなゲーム機をホームグランドにしていて、一般向けにはとても思えませんでした。
それが今では頑固な任天堂ですらも「ファイアーエムブレム」や「ゼルダの伝説」シリーズ最新作に人気声優を起用してバンバン喋らせ若干の萌え要素を入れるようになっていますから、受け入れるところは受け入れないと時代に取り残されると思うんですよね。
本音としてはキャラクターデザインや声優ありきの流れは勘弁してほしいんですが、そうも言ってられない時代になったと思います。
中身が整っている事が大前提!
受け入れるようになったとは言いますが、中身が整っている事が大前提である事を付け加えておきます。
凄く良いものが出来た!だけど、どうやって売ろうか?そうだ!見た目を媚びた感じにして若い世代を惹きつけよう!
こんな展開が理想的だと思うんですよね。そうではなく、ゲーム内容に自信がないから見た目を媚びた感じにしてユーザーを釣り上げようとしているようなところはナンセンスです。そういうところばかりになったらまた嫌悪感を持ちますねぇ。
中身の良し悪しは実際にプレイしないと分からない事なので見抜くのはなかなか大変ですが、見た目が媚びていたとしてもしっかりと吟味していきたいです。
まあ、見た目が媚びているだけで中身はダメなゲームも賑やかしとしては良いんですけどねw
僕はこのブログを多くの人に見てもらいたいと思っているので、その手のゲームも賑やかしとしてレビューする事もあります。
素材は良いのに、合体事故で台無しになったパンティゲーム。夏色ハイスクル★青春白書 (略) レビュー
プレイヤーの性欲が試される作品。デッド オア アライブ エクストリーム3 レビュー
この辺りがそうですね。これらのレビュー記事は非常にアクセス数が多く、当ブログを読んでもらう大きなきっかけとなりました。だから、媚びた展開も入り口としては良いんですね。
中身が整った媚びた作品も多い
媚びた展開が嫌い!とは言ってもここ数年、その手のゲームを色々手を出してきました。
ワガママを言ってられるほど新作が発売されなくなったので仕方がなく手を出したのもあるんですが、その中には良く出来た作品もいくつかあったんです。
そういった作品を触れていくうちに自然と媚びた作品を受け入れられるようになってきたところはありますね。
例え見た目が媚びた感じであっても、それありきの中身ではなかったらまあ良いかなと。
洗練されたバランス調整、美少女を無視して語りたくなるサスペンスなストーリー、爽快なアクションバトル、思わず住みたくなってしまう世界観。
皮が媚びた作品でもそれを忘れてしまうほど中身が素晴らしい作品は確かに色々出ています。
「ユーザーの関心を掴むためなら媚びた展開も仕方がない」と書いてしまいましたが、その前に僕自身が実際に触れて偏見を取り払った事が考え方を変えた大きな理由なのかもしれません。
萌え系コンテンツですか……。僕はそういうのは嫌いじゃないですけど、古い付き合いの友達は嫌い、興味がないという人が多いし、弟は嫌いです。まあ実際にキャラと結婚したいとか言い出したら問題ですが。
コンシューマーゲームの話題は段々減ってきてますねぇ。周りでそういう話題で盛り上がるには、話題作じゃないと難しいですからね。ただ、「SDガンダム」、「メタルギア」、「仁王」などのコンテンツの話題はでてきたりしてるので、全くない訳じゃないのが救いですね。
僕は基本的にビジュアルと世界観でゲームを決めるタイプですので、萌え系コンテンツは平気だったのかもしれません。ただ、そういう人間だとハズレは引きやすいですよねw