【レビュー】ワンダと巨像 [評価・感想] 無駄な物は極力省いたオープンワールドの先駆け!

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ワンダと巨像/PS2 / PS3 / PS4

2005年10月に発売されたPS2「ワンダと巨像」を今回はレビューします。

PS2「ワンダと巨像」は広大なフィールドを駆け巡って巨像を倒して行く3Dアクションゲームです。

2011年9月には本作をHDリマスター化したPS3版が。2018年2月には本作をリメイクしたPS4版が発売。

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このゲームを3行で説明すると?
  • 広大なフィールドに潜む巨像を倒していく3Dアクションゲーム。
  • 巨像にしがみついて急所を探していく。
  • フィールドは当時としては珍しいオープンワールド形式。
初リリース日 2005年10月18日
対応ハード PS2/PS3/PS4
ジャンル 3Dアクション
推定クリア時間 15~20時間
売上 累計19.1万本
発売元 SCE

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良いところ

新感覚の巨像との戦闘

本作の目的は超シンプル!

広大なフィールドに眠る10以上の巨像を探し出し、倒す事!

しかし、フィールドは広大なので、簡単には見つかりません。

剣を掲げることで巨像がいる方角が分かりますが、それでも見つけにくく、酷いと30分以上もかかってしまいます。

そんな探すのに苦労する巨像ですが、倒し方が非常に面白い!

アクションゲームのボス戦と言えば剣を振り回して攻撃を当てるのが基本ですよね?

ところが本作の場合、巨像が大き過ぎるので剣でダメージは全く与えられません。

じゃあどうすれば良いのか?

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答えは巨像に隠された急所を狙って攻撃する事です!

例えば頭が弱点の場合、毛が生えている部分に上手くつかまって頭まで登って行き、剣で突き刺せばダメージを与えられます。

しかし、巨像は動くのでそう簡単には毛が生えている部分に掴まれませんし、本作独自の「握力ゲージ」システムによって掴まっていられる時間は制限があるので、一筋縄では行きません。

しかも巨像は定期的に体を揺らすので必要以上に動くと振り落とされてしまうので、出っ張りなどの休憩エリアに行くことさえも一苦労です。

ここまで読んで薄々勘付いている方もいると思いますが、巨像との戦闘はボス戦と戦っているというよりはアスレチックのダンジョン攻略に近いゲーム性だったりします。

動きを持たせたダンジョンは当時としては珍しかったので、プレイした時は「こんな方向性もありなのか!?」と感心したものです。

「ワンダと巨像」は動くダンジョン攻略ゲームなんです!

バリエーション豊かな巨像

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巨像と聞いたら二足型ばかりを彷彿してしまいますが、本作に登場する巨像は実に多彩。

二足型はもちろん、イノシシ型。鳥型。魚型など本当に様々で、巨像と言うよりはボスモンスターって感じです。

もちろん、見た目が変わったという事は倒し方も全く変わります。

先程書いたように直接巨像にしがみついて急所を狙って攻撃するタイプもいればフィールドの仕掛けを上手く利用しなければ倒せないタイプもいて、新しい巨像に出会ったらどうやって倒せば良いのか数十分は迷う事でしょう。

巨像との戦闘は、まるで壮大なパズルを解いているかのようです。本来なら殴り合いになるハズの戦闘にパズルや謎解き要素をここまで絡めるとは凄い!

倒した時の達成感

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慣れるまではどの巨像も倒すのにとても時間がかかります。初見の場合早くても10分はかかるでしょうし、下手したら一時間かかるかもしれない。

でも、その分だけ倒した時の達成感は大きく、思わずガッツポーズをしてしまう。そういう喜びを味わえるのもこのゲームの良いところですね。

ちなみにやり込み要素としてタイムアタックモードやハードモードも存在します。

タイムアタックモードでは目標タイムが用意されているのでそれを目指してプレイすると燃えます!本編で倒し方を覚えてから挑戦してみましょう!

ハードモードでは巨像が強くなっており、中には弱点に変化があるものもいるので、少しだけ新鮮さを味わえます。

巨像を倒した時の達成感は「モンスターハンター」のモンスター狩猟に通ずるものがありました!

スケールの大きいフィールド

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本作のフィールドはPS2ソフトとは思えないほど広大です。

それも森、湖、神殿、砂漠とロケーションも多彩で、よくこれだけ大きなフィールドをシームレスに移動できるようにしたものですよ。

フィールドの広さに関してはPS3で発売されている海外産のオープンワールドアクションゲームと比較しても遜色ないです。

PS2時代の3Dアクションゲームと言えばまだエリア制の採用した作品が多く、ちょっと先まで行こうとしたらロード時間が発生する事が当たり前だっただけに、フィールドの端から端までシームレスに移動できるのは本当に凄い!

しかも巨像と出会った時もシームレスに移行し、BGMも自然と切り替わるので、時代を先取りしていると思いました。

リアリティある巨像のしぐさ

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巨像のしぐさはPS2ソフトとは思えないくらいリアルです。

また、AIも賢くて引っ掛かる事はほとんどありませんし、毛もフサフサ。

今となっては当たり前の部分もありますが、PS2ソフトでここまでのクオリティを実現出来たのは評価したいですね。

この辺はさすがリアリティや空気感を追求する上田さんが作ったゲームです。

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惜しいところ

フィールドの密度が薄い

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フィールドが広いのは良いんですが、いかんせん密度が薄いです。

多くの箱庭ゲームではサブイベント、サブアイテムと言うものが存在しますが、このゲームではトカゲ探しとセーブポイントくらいしかありません。

怪しい場所もいくつかありますが、特に意味はありません。

せっかく広大で空気感のあるフィールドを作っただけに、少し勿体ない気もします。スカスカなフィールドだからこそ寂しさを感じられたりして、また良さもあるんですけどね。

濃密な3Dアクションゲームに慣れている場合、気持ちの切り替えが必要です

癖のあるアクション

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このゲームのアクションは少し癖があります。まず、△ボタンでジャンプと言うのが違和感があるし、挙動も不安定。

敵の攻撃を受けて起き上がるまでの時間も遅く、弓矢を使っての照準モードに入る時も最近のゲームとは違ってカメラが向いている方向ではなく、主人公が向いている方向になるし、操作性の面ではあまり良くないです。

特に敵の攻撃を受けて起き上がるまでの時間も遅いのは、イノシシタイプの巨像と戦う時は凄く困りました。

だって、攻撃される→起き上がる→攻撃されるのコンボが出来あがっていましたからね。

あのコンボにやられた時は「勘弁して!」って思いました。回避でなんとかなる場合もあったけど。

全体的に重い

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このゲームは今の時代には少し重いタイトルだと思います。というのも巨像を倒すのに初見だと時間がかかるからです。

それなのに電源を切ったらセーブしたところからやり直しになり、いくら巨像にダメージを与えてもまたイチから戦いをしなければなりません。

しかも据え置き機のタイトルと言う事で腰を据えないとプレイできないし。

巨像を一体倒すのに一時間はまとまった時間が必要でしょうから、仕事の30分前に軽くプレイする!なんて事は難しいでしょうね。

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全体のまとめ


巨像との戦闘に面白さのリソースが割かれた、極端な割り振りのゲーム。

戦いを求めるため巨像を広大なフィールドから探すゲームデザインはまるでカニの美味しいところを探すかのようでした。

簡略化している部分や癖のあるアクションに不満があり、合わない部分もありましたが、それを補って余るほど世界観や巨像との戦闘に魅力があります。

中には時代を先取りしている要素も見受けられ、こんなゲームを2005年にPS2で発売した事は賞賛に値すると思います。

無駄な物は極力省いたオープンワールドの先駆け!

こんな人には特におススメ。
・頭を使ったバトルが好きな人。
・雰囲気ゲー好き。

こんな人にはおススメできない。
・フィールドの密度を求める人。
・3Dアクションが苦手な人。

ワンダと巨像/お気に入り度【70/100%】
プレイした時間・・・約20時間

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8件のコメント

最近、同じようなコメントを連発している気もしますが、これもPS4版気になってます(笑)。ちょうどPS2の時期はややゲームから遠ざかっていたので、結構遊べていないものも多く、ワンダもその1つです。巨大な体を登って行くとかすごく憧れるシチュエーションですね。「最後の一撃は、切ない」というキャッチコピーも有名なようですが、いずれその中身を確かめに冒険に出たいです。

僕もPS2ソフトは手薄なところがあるので、気持ちは分かります笑

まだプレイしていないPS2の名作、僕も多いですからねー。

ワンダと巨像のPS2版は今、プレイするとまどろっこしさがあると思うので、そういうのが改善されたPS4版がおすすめだと思います。

ワンダと巨像は正に時代を先取りしたという言葉が相応しい作品でしたねー。
ダイナミックに動き回る巨像との戦闘を、PS2時代にこのクオリティーで実現出来ていたのだからすごいですよね!
気になったところに書かれているフィールドの密度が薄い点についても、個人的にはこの世界の孤独感が表現されているように感じられ、むしろ好きなところだったりします(好きな作品なんで、どんな部分でもポジティブに捉えてしまっているというのもあるけどw)。

ただ当時プレイしていても、ゲームで表現したいことにハードの性能が追い付いていないんじゃないかと感じる部分もあったんで、そういう意味でもPS4のリメイク版でこのゲームはついに完成を迎えるのではないかと考えています。
海外レビューでも高評価ですし、今からプレイするのが楽しみだー!( ´∀`)

ちなみにソフト発売前に先駆けて、PS4 Proを購入しましたー!
設置場所も考慮せずに勢いで買ってしまったんで、どうしたもんかと悩んでいるところですw

2005年といえばまだPS3やXbox360が世に出る前で、そんな中でオープンワールドゲームをPS2で発売したのは凄いことだと思います。

当時はPS2も後期でマシンパワーを活かしたゲームが色々発売になっていましたが、ワンダと巨像は代表例ですね。

フィールドの密度が薄いのは作風を考えるとこれで良かったりもするから、相当な拘りを感じられる作品でした。

PS4のリメイク版はグラフィックの粗い部分は改善されるでしょうし、操作性も見直されると聞いています。

PS2版で不本意だった欠点は改善されるのだれば、完成された作品になりそうですね。

おお!ついにPS4Proを購入しましたか!?

PS4版ワンダと巨像と合わせて触った時の感想を待ってまーす♪

リメイクされたPS4版をクリアしました。

世界観は最高でしたね。城の中からフィールドに出た瞬間に好きになりました。フィールド自体も密度は薄かったですが、個人的には薄い方が雰囲気に合っているなと思いました。

巨像との戦いも良かったです。まず初めて巨像を見つけた時はあまりの迫力に驚きましたね。今までも色々なゲームで巨大な敵を見てきましたが、迫力ではワンダと巨像の巨像達が一番凄かったと感じました。戦い自体もただの殴り合いではなく、頭を使ってパズルのように攻略していくのは楽しかったです。特に後半はどうやって攻略すれば良いのか悩む場面が何度もあって、時間を掛けてクリア出来た時の達成感は大きかったです。

この記事に載っている画像を見る限りだとグラフィックは当時の雰囲気を残しながら綺麗になっていたと思います。ちなみにリメイク版ではフォトモードが追加されていて、スクショを撮るのも楽しかったです。更にはフォトモードのフィルターを掛けたままゲームも出来ます。そういった試みは初めて見たので驚きました。

癖のあるアクションはリメイク版でも感じました。ジャンプボタンは✖️で出来るようになっていましたが、ダウンしてからの起き上がりはかなり遅く感じました。イノシシ型の巨像のコンボは自分も何回か引っかかってしまい少しイライラしてしまいました。カメラも人喰いの大鷲トリコと同様の癖があって、個人的にはやりにくかったのが残念でした。

全体的にはかなりお気に入りのゲームで、kentさんが言っていた通り自分好みでしたね。

クリアおめでとうございます!

かなりのハイペースでプレイされたようで、それだけ楽しめたようですね!

オリジナル版でも迫力は十分に感じられましたが、PS4版はもっと凄いのかな?

最近、MHWで迫力の凄さを感じられたけど、それさえも上回るとは!?ちょっと気になってきましたよ笑

フォトモードのフィルターをかけながらプレイ出来るのは新たな発見です。

オリジナル版プレイヤーでも2周目のような感じで楽しめそうかな?

アクションの癖はまだ残っている感じなんですね。

ダウンしての起き上がりやカメラワークは意図的なのかな~。

フィールドの密度が薄い点といい、かなり徹底して作られている印象です。

予想が当たって良かった!絶対、ハマるんじゃないかと思っていました笑

先程クリアしました!

なんといっても巨像との戦闘はパズルアクションのようでどれも強く印象に残りました。オリジナルとどれくらい変化があるのかはわかりませんが、細かい動きまでしっかり作られていて、10年以上前のゲームとは思えないリアリティを感じました。強いて言えば難易度は全体的に低く感じたので、いずれハードモードもプレイしたみたいです。

グラフィックに関しては今のゲーム基準でもかなり良い仕上がりだったと思います。フォトモードが大活躍でした笑

フィールドの密度の薄さに関しては、プレイ前からの予想通りかなり気になりましたね。それなりに長い移動時間は結構退屈に感じてしまいました。ただ世界観には非常にマッチしているので、これはこれでありかなとは思いますが。

操作はクセが強いですが、今風のボタン配置がデフォルトになっているからか、僕はそんなに気にならなかったですね。ただ攻撃→起きる→攻撃のコンボは僕も味わいましたがあれはたしかに辛い笑
カメラワークは手が加わっているのかどうかわかりませんが、こちらは前時代的で少々辛いものがありましたね。ここはもう少しなんとかして欲しかったです。

全体的にはかなりの名作に感じました!個人的にはトリコ以上に楽しめました。これはICOもいずれプレイしたいですね〜

クリアおめでとうございます!

トリコの時も思いましたが、上田さんは複雑な3Dアクションパズルを作るのが上手いですよね!

ワンダのパズルアクションは今もなお洗練されていると思いますし、なかなか真似出来ないと思います。

グラフィックは相当進化しているようですね。これは実際に確かめてみたいなー。

フィールドの薄い密度はナスタさんはやっぱり気になってしまいましたか。

作品としては完成されているんですが、遊び要素を求めてしまうとどうしてもね。

ボタン配置は今の基準に変更されているようで、そこは今の時代に合わせたようです。

起き上がりが遅くて連続でダメージを受けてしまうところまで再現されていたとはw

ICOは今となってはシンプルだと思いますが、配信タイトルのような感覚でプレイ出来ると思います!機会があればぜひ!