

ザンキゼロ/PS4 / PSV
2018年7月に発売されたPS4/PSVITA「ザンキゼロ」を今回はレビューします。
PS4/PSVITA「ザンキゼロ」は人類最後の生き残りとなった8人のクローン人間達が死と再生を繰り返しながら文明が崩壊した世界でサバイバル生活をおくるノンストップ残機サバイバルRPGです。
開発は「ダンガンロンパ」のスタッフが中心。
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- リアルタイムで展開されるダンジョンRPG。
- 体力以外にも空腹、便意、ストレス、重量の概念が存在する。
- 各キャラクターは歳を取って寿命を迎えていくが何度でも復活できる。
初リリース日 | 2018年7月5日 |
対応ハード | PS4/PSVITA |
ジャンル | RPG |
推定クリア時間 | 30~40時間 |
売上 | 初週2.5万本(PS4/PSVITA) |
発売元 | スパイク・チュンソフト |
目次
良いところ
徐々に明かされていく衝撃のストーリー
気が付けば無人島に取り残された8人の青年。
彼・彼女らは記憶を失っていて、ダンジョンを探索する事で少しずつ記憶を取り戻していきます。
そこで明かされる記憶の多くは衝撃的なもので、一体、どんな結末が待っているのか気になってプレイを続けてしまいました!
この感覚、「ダンガンロンパ」シリーズにそっくり!
精神をえぐられるような描写、下ネタやパロディ要素なども健在で、どことなく「ダンガンロンパ」シリーズを彷彿とさせる作りになっています。
最後に待ち受けるのはハッピーエンドか?バッドエンドか?
ネタバレになるのであえて触れませんが、個人的には素晴らしいストーリーだと思いました。
登場キャラクターの掘り下げもしっかりと行っていて、ストーリーだけを見ても価値のある作品です。
3Dダンジョンとストーリーが連動!
実は本作、「ウィザードリィ」を代表する3DダンジョンRPGの側面が強かったりします。
というのもゲームプレイの大部分はマス目で区切られた3Dダンジョンの探索がメインになっているからです。
ダンジョン内では敵と戦いながら仕掛けを解いていき、ボス部屋まで進むことになるんですが、ストーリーと連動させているのが目新しく感じました。
ダンジョンは各キャラクターにとって思い入れのある場所がモチーフとなっていて、特定のチェックポイントを通過する毎にイベントシーンが挿入されて過去の映像が映し出されます。
そしてボスと戦いオチへと繋がっていくんですが、どのダンジョンのストーリーも上手くまとめられていて1つのアトラクションとして成立しているのが凄い!
3DダンジョンRPGの多くはストーリー性が薄く、淡々と探索していくイメージが強かったけど、本作は世界観とストーリーに整合性を持たせ、適度にイベントシーンを盛り込む事で各要素が絶妙に調和していると感じさせる作りになっています。
ダンガンロンパ要素が満載のエクステンドTV
ストーリーの大きなカギを握るエクステンドTV。
このTVを見ることで次の目的が分かったり、失われた記憶の一部が明らかになるんですが、ダンガンロンパ要素が満載でめちゃくちゃ面白かった!
明らかになる情報の多くはシリアスな物ばかりなのに登場キャラのショウとミライが悪ノリばかりするもんだから全体のシュールさが半端ないんです!w
会話の流れはパロディ満載だし、下ネタやブラックジョークも大量に盛り込まれていて1つ1つの台詞をじっくり読まないと勿体無いと感じるくらい。
昭和の匂いを感じる絵柄にしつつ国民的アニメの声優を起用しているところも「ダンガンロンパ」スタッフのセンスを感じられて良い味を出しています。
ところで本作はフルボイスではなく、ボイスは一部分に留まっているんですが、エクステンドTVでは例外的にフルボイスだったりするんですよね。
どう考えても国民的アニメの声優に変な台詞を言わせたいだけです。本当にありがとうございました。
ユニークなゲームシステム
本作のゲームジャンルは3DダンジョンRPGですが、様々なシステムによって「ウィザードリィ」とは別物になっていました!
代表的なのがサバイバル要素。
各キャラクターには体力以外にも空腹、便意、ストレス、重量の概念が存在し、様々な制約を生み出しているんです。
そのため定期的に食事を取り、トイレにも行かなければならず、アイテムも重さに気を配って荷物の分担をしなければなりません。
さらに各キャラクターはクローン人間のため寿命は13日程度しかないんです!
日数は3フロア移動する毎に経過するため頻繁に移動しているとあっという間に時間が過ぎ去り、寿命を迎えて戦闘不能になるのだから恐ろしい・・・。
いずれも何らかの行動を取ることで解決出来ますが、確実に手順を増やしているので人によっては面倒に感じるかもしれません。
が、個人的には”忙しさ”や”緊張感”の方が強く感じられ、最後まで刺激的なゲーム体験を味わえました!
不便に感じる要素が多く、最初は苦労しましたが、自給自足を重ねる事で快適性が増すのでその過程が楽しいんですよね。
マイナスからプラスへ変わっていくまでの開放感が溜まらないと言うか。
それにしても幼年期、青年期、壮年期ごとに専用のイラストや3Dモデル、ボイスを用意するとは凄い。
リアルタイムで展開されるバトルシステム
3DダンジョンRPGのバトルシステムと言えばランダムエンカウント&コマンド式が定番です。
しかし、本作の場合はリアルタイム形式を採用していました!
敵キャラクターは最初からダンジョン内に表示され、ボタンを動かさなくても勝手に動き、プレイヤーめがけて襲ってくるんです!
この戦闘システムで面白いと感じたのが、ヒット&アウェイによる駆け引き。
敵キャラクターは攻撃時、モーションを取ります。
この一瞬の動きでどんな攻撃をするのか予測し、素早く左右に行くか後ろに下がる事で攻撃を避けられるんですね。
攻撃アクションもユニークなシステムを取り入れていて、なんとポインター移動をして部位破壊ができるんです!
しかも部位破壊をするには数秒間ボタンを押しっぱなしにして攻撃をチャージしなければなりません。
これらの要素によってヒット&アウェイの駆け引きがさらに強調されていました!
ステータスが物を言うバランス調整ではありますが、攻撃時の爽快感もありますし、戦闘システムはアクションRPG寄りのバランス調整です。
歯ごたえ抜群の謎解き
3DダンジョンRPGと言えば探索!
本作も探索要素が非常に強く、ダンジョンを攻略するためには各地を隅々まで回って謎を解かなければなりません。
「ダンガンロンパ」シリーズは探索や推理の難易度が比較的低かったので油断していましたが、本作は驚くほど難しかった!
ちょっとした見落としが命取りになる事は日常茶飯事ですし、抽象的なヒントを元に仕掛けを解く必要もあり、酷い時は1時間近く同じところを彷徨っていました。
が、その分だけ謎が解けた時のカタルシスが大きく、本格的な3DダンジョンRPGをプレイしている感が出てきます。
3DダンジョンRPGではお馴染みの各フロアを探索してマス目上のマップを埋めていく楽しさや隠し通路、隠し部屋も健在で、完璧主義な方は同じダンジョンに何時間も引きこもってしまうかも!?
3DダンジョンRPGでは掟破りの多彩なロケーション
3DダンジョンRPGと言えば閉塞感があって暗いダンジョンがメインの印象を強く感じます。
本作でもそのようなダンジョンはいくつかありますが、屋外の開放的なロケーションも多く、3DダンジョンRPGの印象を大きく打ち破っていました!
あまりにも掟破りなので、マップ画面を見なければ3DダンジョンRPGである事に気が付かないほど。
3Dダンジョンのロケーションは各キャラクターのストーリーに合わせた物ではありますが、結果的に多様性を高めています。
惜しいところ
面倒な印象が強いアイテムのロストシステム
意欲的なシステムが満載の「ザンキゼロ」ですが、アイテムのロストシステムは面倒な印象を強く感じました。
各キャラクターは寿命を迎えたり戦闘不能になるとその場にすべてのアイテムをバラ撒いてしまうんです。
消費アイテムだけならまだしも、装備アイテムや重要アイテムも含めてバラ撒くのはちょっと。
前述の通り本作のキャラクターは寿命が短く、ゲームクリアまでに何度も戦闘不能になるのでその度にアイテムを拾って装備していくのは面倒です。
しかも本作の場合は重量の概念が存在し、持てるアイテムが限られており、ユーザーインターフェースも洗練されていないので残ったキャラクター達で散らばったアイテムの管理を分担するのも大変なのでもう・・・w
散らばったアイテムはその場所にずーっと残るので後から取りに来ても良いのですが、もし、忘れてしまったらいくつもある900マス(30×30)もの広大なフロアの中で探し回らなければならず大変です。
もし、それがゲームクリア必須の重要アイテムだったとしたら・・・ゾゾゾ。
キャラクターの寿命システムや引き継ぎシステムは「俺の屍を越えてゆけ」。
戦闘不能時のアイテムバラ撒きは「マインクラフト」を参考にしたんだと思いますが、マイナスの面でも作用していると思います。
この辺りはもう少しゲームならではの”嘘”を付いても良かった気が。
ストーリー重視には厳しい難易度調整
ストーリー、RPG、探索&謎解き。
どの要素も妥協なく作られていますが、ストーリーを重視し過ぎている人にとってはゲーム要素が出しゃばりに感じるかもしれません。
戦闘周りは難易度を最低に設定すればそこまで苦戦しないものの探索や謎解きになるとそうはいかず、さらにはサバイバル要素によって様々な管理をしないといけないので思うように進めるのは困難です。
先の展開が気になるのにダンジョンの攻略法が分からない!
サバイバル要素によって遠回りさせられる!
ストーリーを最優先にプレイするとこのような印象を持ちやすく、それがストレスに繋がる可能性があると思いました。
どれもこれもストーリーが「ダンガンロンパ」譲りの魅力的な内容になっているからこそ感じられる弊害ですね。
全体のまとめ
あらゆるゲームジャンルの要素を妥協なく作り込み、「ダンガンロンパ」スタッフならではの味付けでまとめた良作!
新規タイトルですが、突貫工事のシリーズ1作目なんて事は決してなく、大作と表記しても差し支えないほどの物量です。
それでいて既存の3DダンジョンRPGでは見られなかった味付けがなされていて、新規タイトルならではの新鮮味を味わえます。
一部の要素がゲームと上手く調和しておらず、サバイバルゲームでありがちな面倒さを感じる事もありましたが、基本的には中毒性が高く、最後まで高い熱量でプレイ出来ました。
万人向けでは決してありませんが、プレイして損をすることはありません。
ダンガンロンパ風のストーリーやサバイバル要素によって3DダンジョンRPGの新境地を開拓した良作!
こんな人には特におススメ。
・サバイバルゲーム好き。
・探索&謎解き好き。
こんな人にはおススメできない。
・ストーリーを重視し過ぎる人。
・めんどくさがり屋。
ザンキゼロ/お気に入り度【85/100%】
プレイした時間・・・約30時間
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Nintendo | PlayStation |
Xbox | etc |
自分はまだ買ってないですがダンジョンは初代ペルソナと同じらしいですね(初代ペルソナも未プレイですがコメントしてた人がいたので)
戦闘システムはいいんですか?