
ゼルダの伝説 スカイウォードソード/Wii
どうも!KENT(@kentworld2 )です!
今回は2011年11月に発売されたWii「ゼルダの伝説 スカイウォードソード」のレビューをしていきます。
本作は空に浮かぶ浮島スカイロフトを舞台にしたアクションアドベンチャーゲームですが、Wiiの最後と25周年を飾った名作でした!
2011年、Wiiの人気はピークを過ぎ、発売タイトルが少なくなっていきます。
そんな中で発売された「ゼルダの伝説 スカイウォードソード」はWiiの集大成と言える内容で、任天堂が同ハードでやりたかったことがギューッと詰め込まれていたんです!
それでいて「ゼルダの伝説」としてのアタリマエを見直そうとしており、同シリーズの25周年記念作に相応しい作品でした!
ここからはそんなWii「ゼルダの伝説 スカイウォードソード」について詳しく書いていきます。
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- ストーリーに沿って各地の謎を解いていくアクションアドベンチャーゲーム。
- Wiiリモコンプラスによるモーション操作を駆使して武器を使っていく。
- ゼルダ史最古のストーリーが展開される。
初リリース日 | 2011年11月23日 |
対応ハード | Wii/Switch |
ジャンル | アクションアドベンチャー |
推定クリア時間 | 40~50時間 |
売上 | 初週19.5万本/累計36.0万本 |
発売元 | 任天堂 |
目次
ゼルダの伝説 スカイウォードソードとは?
Wii「ゼルダの伝説 スカイウォードソード」とは、空に浮かぶ浮島スカイロフトを舞台にしたアクションアドベンチャーゲームです。
ゲームの流れとしてはストーリーに沿って3D空間を進んでいき、各地にそびえ立つダンジョンを順番にクリアしていく感じとなっています。
特徴的なのが、Wiiリモコンプラス、及びWiiモーションプラスによって実現した直感的な操作形式です。
Wiiと言えばリモコンを振ってのモーション操作が特徴ではありますが、中には大雑把な作りのタイトルも多く見られました。
例えばリモコンをブンブン振るだけでクリアできてしまったり、逆にリモコンを振っても思うように動かないようなゲームがあったんですね。
一方、本作はと言いますと、WiiリモコンプラスやWiiモーションプラス専用にしたことで高精度なモーション操作を実現。
奥深いアクションが楽しめるようになりました。
そんな「スカイウォードソード」ですが、実はストーリーも秀逸で、「マスターソード」が誕生するまでの物語が描かれています。
シリーズの時系列としては最も過去の話になるので、ゼルダの歴史を語るうえでは欠かせないタイトルでもあるんですね。
ここからは本作の良い点を具体的に語っていきたいと思います。
良いところ
Wiiの集大成と言えるゲームデザイン
本作で特筆したいのが、任天堂がWiiで挑戦してきたことを凝縮したようなゲームデザインです。
任天堂はWiiで様々な挑戦をしてきました。
センサーバーにWiiリモコンを向けることでカーソルを直感的に動かせるようにしたり。
Wiiリモコンを道具や武器に見立てて振ることで直感的な操作感覚のスポーツや剣戟を楽しめるようにしたり。
そして「Wii Sports Resort」では同梱されているWiiモーションプラスを使うことでより高度なモーション操作を実現。
同作に収録されている「チャンバラ」では斬りたい方向にWiiリモコン軽く振る程度で認識してくれるようになり、「遊覧飛行」では軽く傾けるだけで飛行機の軌道を細かく変えられるようになりました。
今回レビューする「スカイウォードソード」では今、ぼくが話してきたWiiソフトのエッセンスがギッシリ詰まっています。
例えば飛ばして自由に動かせる「ビートル」の操作は「Wii Sports Resort」の「遊覧飛行」から。
「爆弾」を持ちながらWiiリモコンを下に向けて振ることでコロコロ転がせるのは「Wii Sports」のボーリングからインスピレーションを受けているように見えます。
特筆したいのが、「Wii Sports Resort」のチャンバラを「ゼルダの伝説」の戦闘に落とし込んだことです。
本作で剣を振る場合、Wiiリモコンを振る必要があります。
同じようなことはWii版「トワイライトプリンセス」でもできましたが、本作では精度が増しており、斬りたいと思った方向にリンクがしっかりと剣を振ってくれるんですね。
Wiiの体感ゲームで遊ばれた方はわかると思うんですが、Wiiリモコンを振っても思うように動いてくれず、ストレスを感じたことが多かれ少なかれありました。
本作の場合、さすがWiiリモコンプラスやWiiモーションプラスがないと遊べないだけあって驚くほど正確に動作してくれます。
しかもですね、こちらが振った剣が敵の武器とぶつかったら弾かれてしまうので、考えて振らないと勝てないようになっているんですね。
「ゼルダの伝説」シリーズの中で戦闘が最も面白いタイトルは何になるのか?
ぼくは「スカイウォードソード」を真っ先に挙げたいですね。
感動のストーリー
今作のストーリーはシリーズ中の時系列では最古の時代となっており、マスターソードが生まれるまでを描いています。
これがですね、めちゃくちゃ泣けるんですよ。
特筆したいのがエンディングです。
ネタバレになるので具体的には言いませんが、困難を乗り越えたうえで感動のダブルパンチが飛んできたので、涙腺が強いぼくでも涙しちゃいました。
感動の度合いはあの「時のオカリナ」に勝るとも劣らないほどで、本作をクリアしてからはシリーズではお馴染みの”アレ”に感情を持ってしまうようになりましたね。
そんなストーリーを彩ってくれるのが魅力的なキャラクターです。
ヒロインのゼルダ、悪ガキのバド、パートナーのファイ、リンクの行く手を阻むギラヒム。
パッと見は癖が強く感じますが、キャラ付けが上手いので、プレイすればするほど癖の強さがツボにハマるようになっています。
個人的に好きなのがゼルダです。
本作をプレイするまでは前髪ぱっつんってどうなのかな?と思っていたんですが、スレンダーな体型や可愛いしぐさとのコンボによって恋しちゃいましたw
ゼルダって作品ごとに見た目が違っていて、それぞれに良さがあると思うんですが、今作でも良いキャラしています。
印象的という意味では、ギラヒム。
コイツは凄いですよw
おネエ系のような顔付き、妙にセクシーな服装、予測不能な行動パターン、ナルシストな言動。
何をどうしたらこんなキャラが作れてしまうのか。
健全なイメージが強い任天堂ですが、サラッと変態キャラを混ぜ込んでくるのだから油断できません。
密度の濃いフィールド
本作のフィールドは密度が凄いことになっています。
フィールドの広さこそは「トワイライトプリンセス」よりも小さくなっているんですが、その分、狭い空間の中に色んな仕掛けが詰まっているんですね。
フィールドは大空、大地の二部構成となっていて、大地はフィローネ地方、オルディン地方、ラネール地方の3つにわかれています。
リンクはストーリーに沿って大空と大地を行き来して各地に眠るダンジョンを目指していくことになるんですが、たどり着くまでの濃密度が凄いんですよ。
あまりにも濃密なので、自分が今、フィールドに居るのかダンジョンに居るのかわからなるくらい。
「ゼルダ」シリーズってそれまでは
- 探索や聞き込みメインのフィールド
- 謎解きメインのダンジョン
といった感じで分けられていたと思うんですが、本作の場合、垣根が薄くなりました。
そのくらい、フィールドでの謎解き要素が強くなっています。
例えば目的地となるダンジョンにたどり着くまでにスイッチを作動させたり、爆弾で壁を破壊したり、探し物を集めたり、ミニゲームに挑戦したり。
フィールド探索時に味わえる密度の濃さは過去作とは比べ物にならないレベルになっています。
そんなフィールドですが、ストーリーの都合上、ゲームクリアまでに3回はフィローネ地方、オルディン地方、ラネール地方に訪れなくてはなりません。
同じフィールドを行ったり来たりするのはファンタジー世界を冒険するゲームとしてはどうなのかな?
と思っていましたが、これがですね、意外なくらいマンネリ化しないんですよ。
というのも2回目に訪れる時には新しい敵が出現したり、1回目に訪れた時には行けなかった場所へ行けるように仕組まれているからです。
なんでも本作、同じフィールドでも繰り返し遊べるように設計されたようで、任天堂の職人芸を垣間見えましたね。
1回目に訪れた時には謎だった仕掛けも2回目、3回目に訪れた時にはアッサリ解けてしまうかも!?
アトラクションのようなダンジョン
ここまで密度の濃いフィールドを紹介してきましたが、ゼルダのメインディッシュはダンジョン。
ということでどのダンジョンの作り込みも凄いことになっています。
過去作と比べて部屋の数こそは少なくなってしまいましたが、その分、1部屋ごとの密度が増していて、色んな刺激を味わえるようになりました。
大きな要因となっているのが、Wiiリモコンプラスによって実現した高精度なモーション操作です。
従来の作品ではボタンを押すだけで解けてしまうような仕掛けもWiiリモコンプラスを細かく振ったり傾ける必要が生まれたので、脳に来る刺激の強さが全然違うんですよ。
例えば従来の作品に登場した目玉スイッチは弓矢を射るだけで作動しました。
一方、本作ではWiiリモコンプラスをグルグル回して目玉スイッチの目を回さないといけなくなったんですね。
ゼルダらしいなと思ったのが、応用問題を出してくることです。
先ほど、本作の目玉スイッチはWiiリモコンプラスをグルグル回せば作動すると言いました。
ですが、これはあくまでも例題で、ダンジョンの奥に進むとWiiリモコンプラスをグルグル回すだけでは解けないようになっているんですね。
戦闘にしても同様で、同じような敵でも戦法を変えないと勝てない場合があり、一筋縄ではいきません。
そんなダンジョンの充実感をさらに高めてくれるのがストーリー要素です。
ゼルダのダンジョンって謎解きメインでストーリー要素はそんなに強くなかったんですが、今作ではストーリー性が強まっているので、スタートからゴールまでに1つのアトラクションを楽しんでいるかのような感覚を味わえるようになりました。
その作り込みの凄さは発売から10年が経っても色褪せておらず、「ブレス オブ ザ ワイルド」に負けないくらいのレベルだと思っています。
チャレンジングな姿勢
「ゼルダ」シリーズは新作を発売する度に色んな挑戦をしています。
舞台となるフィールドを変えたり、乗り物を変えたり、デザインを一新したり。
でも、3Dゼルダに関して言えば、根本的な部分は「時のオカリナ」からそこまで変わって来なかったんですよね。
今作の場合、ゼルダのアタリマエを見直すための姿勢が随所で見られました。
代表的なのがWiiリモコンプラスを使ったモーション操作ですが、それ以外にも大・小、様々な点を変えてきています。
敵を全滅させると扉のロックが解除されるというありきたりな謎解きを排除したり、過去作に登場した仕掛け・敵でも解き方や倒し方を変えてきたり。
さらには
- 「がんばりゲージ」を使ってのダッシュ移動
- 素材アイテムを使っての調合
なんて「ブレスオブザワイルド」にも引き継がれたシステムも追加されました。
「トワイライトプリンセス」と「風のタクト」のタッチを融合させたようなグラフィックといい、「スカイウォードソード」は後の「ブレワイ」に繋がるような要素が満載なので、ゼルダ史を語るうえでは絶対に欠かせない作品です。
耳に残るBGM
「ゼルダの伝説」シリーズと言えばBGMも魅力的ですが、それは今作も例外ではありません!
個人的に今作からの新曲ではメインテーマとなる「女神の詩」が好きですね。
なんというかメロディが切なくって、思い出す度に泣けるんですよw
「ゼルダの子守唄」を逆再生したメロディで構成されているんですが、手抜きとは全く思えないほど秀逸です。
もちろん、お馴染みの効果音、BGMも収録されていますが、新曲の方が印象に残っています。
歴史が長いシリーズ作品って昔の作品で使われたBGMをアレンジしたようなものばかり印象に残ることが多くあるので、新曲が際立つのは何気に凄いことなんじゃないでしょうか?
やり込み要素が満載
「ゼルダの伝説」シリーズと言えばやり込み要素に定評がありますよね?
今作でも
- スカイロフトを中心にサブイベントが多数存在する
- 空の宝箱を開けられるようにする「女神キューブ」を探し
- これまで戦ったことのあるボスとの再戦
- ダメージが2倍になる「辛口モード」がクリア後に解禁される
といった感じで色々と用意されています。
今作ならではなのが、サブイベントに分岐の要素を加えたことです。
どちらの結末も気になったので、リセットボタンを押して両方見てしまいました。
惜しいところ
課題が多いユーザーインターフェース
今作のユーザーインターフェースは課題が多く感じます。
画面を止めずにアイテムの切り替えが行えるようになったのは良いんですが、一方ではテンポを悪くしている部分も多いんですよね。
例を3つ挙げさせていただきますと、1つめは素材アイテム入手時に挿入される説明文の仕様です。
新しい素材アイテムを入手すると説明文が挿入され、その後、「集めたもの」の画面に加算されるシーンが挿入されます。
1回だけならまだしも、起動する度に挿入されるので、色んな素材アイテムを入手していくと何度もゲームを止められるので困りました。
2つめは、地上でのワープ移動が面倒であることです。
今作のフィールドは大空と大地の二部構成となっていて、大空から大地に入った時には落下地点を選択することができます。
選択できる地点は大地に設置された鳥のモニュメントに触れることで増えていきますが、大空から大地まで落下する時にしか選択できません。
大地に居る時はモニュメント間のワープ移動はできないようになっているので、もし、ワープしたくなった場合、
鳥のモニュメントに触れて大空へ飛び立つ
↓
ロフトバードに乗ってワープしたい大地のエリアまで移動して落下する
といった手順を踏まなければならないので、テンポが悪いんですよ。
今作のマップはそこまで広くはないとは言え、長いことプレイしていると大地の中でもワープ移動をしたくなってくるので、できれば対応してほしかったですね。
3つめは、移動しながら草を刈れなくなったことです。
「トワイライトプリンセス」では移動しながら草を刈れるようになって感動したんですが、今作では何故かできなくなってしまい、移動中に剣を振ると硬直してしまいます。
移動しながら草を刈れたらさらにテンポが良くなりそうなので、できれば継承してほしかったんですけどね。
他にもアイテムのコレクト画面が2つに分かれてややこしくなるなどユーザーインターフェースは痒いところに手が届いておらず、惜しいなぁと思いました。
能動的に楽しめる探索要素が減った
今作はゼルダにしては能動的に楽しめる探索要素が控えめとなっています。
従来のゼルダシリーズではゲームクリアに直接関係のない隠し部屋などが至るところに存在しました。
今作の場合、同じエリアを何度も訪れてストーリーを進めていく形式である関係上、ゲームをクリアするには各フィールドを隅々まで歩く必要があります。
その結果、従来の作品ではクリアに直接関係がなかったような「隠し部屋」なども強制的に入る機会が増えているので、どこか窮屈な気がしました。
イメージ的には学校の宿題を自主的にやる時とお母さんに言われてからやる時の違いのようなものでしょうか。
お母さんに「宿題をやりなさい」と言われてからやるよりも自主的にやる方が楽しく感じるじゃないですか?w
個人的に「隠し部屋」などはクリア必須ではなく、能動的に探し出せるからこそワクワクできるものだと思っているので、今作はその辺りが物足りなく感じました。
クリアまでに隅から隅までフィールドを探索させられるので、誰でも密度を味わえるという利点はあると思うんですけどね。
「女神キューブ」探しなど、もう少し能動的に楽しめる探索要素があったら良いな~と思いました。
やや不満な操作
本作はWiiモーション(リモコン)プラス専用タイトルなので、精度の高いモーション操作を楽しめます。
ですが、不満に感じる時もありました。
個人的に「難しい!」と思ったのが、水中や空中の操作。
Wiiリモコンを傾けて向きを変えるのはかなり難しいです。
ゲーム終盤には水中や空中でのミッションを受けることになりますが、正直、ここで挫折してしまう人もいるんじゃないかと思いました。
アクション面での難易度は全体的に高いので、人によってはこの難しさについて来れず○○ゲー扱いする可能性はあると思います。
戦闘難易度の方はルピーや今回から加わった素材”や”虫”を集めることによって利用できる救済システムのおかげである程度はカバーできるし、救済システムの存在意義も出て来るからこれはこれで良いと思っているんですけどね。
やや面倒なイベント
全体的に物を集めるイベントが多く感じます。
どれも退屈しないような工夫は感じられるのですが、終盤のオトダマ集めは数も多いし、水中操作が難しくってちょっと苦痛。
箱庭マップに置かれた物を集める系のイベントは3Dマリオ向けなんじゃないでしょうか?
アクションも難しいですし、なんだか3Dマリオをやっているような感じがします。
ゼルダの伝説 スカイウォードソードのレビューまとめ
操作面にはまだまだ課題はあるし、メインルートで退屈な部分もあります。
でも、ゲームクリア時にはそんな苦痛も感動的なエンディングによって達成感やカタルシスに変わり、ゲームでしか味わえない感動を味わうことが出来ました。
個人的に本作のエンディングはゼルダシリーズ史上最高に感じます。
決して万人におすすめできるゲームではありませんが、ぼくは大好きです!
Wiiの最後と25周年を飾った名作!
こんな人には特におススメ。
・Wiiらしいゲームを探している人。
・密度の濃いゲームを楽しみたい人。
こんな人にはおススメできない。
・モーション操作がダメな人。
・3Dアクションゲームが苦手な人。
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本記事の動画版
■古の大石窟(プレイ時間28時間位)
いまここクリアした所です。このダンジョンのギミックには感心させられるものばかりでした。
■全体的には
やっぱり完成度が高いです。流石ゼルダ。半分来てない位の段階でトワプリより面白い
という実感がありますもの。ただ、気になる部分も何点か出てきました。
年内にはクリアして本レビューに移りたいですね。