【レビュー】サイコブレイク [評価・感想] 時代に逆行した１０人に１人が楽しめるホラーゲーム

サイコブレイク/PS4 / PS3 / Xbox One / Xbox 360

PS4/PS3/Xbox One/Xbox 360「サイコブレイク」は刑事セバスチャンが主人公のサバイバルホラーアクションゲームです。

開発は「バイオハザード」の産み親である三上真司氏を始めとするTango Gameworksが担当。

良いところ

原点回帰を感じられる恐怖

近年のホラーゲームはどこか”ゆとり仕様“で、恐怖を感じられない事がよくあります。

その点本作の場合は「銃の弾が少ない」「画面の視野が3人称視点のゲームにしては狭い」「敵の攻撃が強い」「キャラクターの動きが遅い」「マップ表示が無い」「初見殺しの罠が満載」とストイックな作りで、それが恐怖に繋がっていました。

勝利するのが困難なほど強い敵から追われるシーンが多い事もポイント。

前述の通り本作の主人公は移動速度が遅く、画面視野が狭いため後ろを振り向くのが怖くて”もどかしさ”や”捕まる事の恐怖”を感じられました。

個人的に本作で一番怖いと思ったのは、チャプター９です。

このチャプターでは洋館の中を探索する事になり、ある程度自由に行動することができるんですが、一定時間経過すると幽霊のような敵が現れるんです！

迫り来る奴に触れたら即ゲームオーバーなので、もし出現したら逃げてどこかに隠れなくてはいけません。

どのタイミングで出現するのか？どこに隠れるのか？

これらの事を探索しながら常に考えないといけないので、恐怖度は相当なものでした。

しかもこのエリア、チェックポイントが少ないので、戻される事の恐怖もあったりするんですよね。

もしかしたら今までプレイしたホラーゲームで一番の恐怖を味わえたかも！？

それだけ個人的には怖かったです。

あとは姿が見えないゾンビが登場したのも怖かった。

最近のホラーゲームってグロで怖さを表現する作品が多いんですが、本作の場合はそれに加えて霊的な表現で恐怖を演出していて、「バイオハザード」シリーズには無い部分があります。

困難を乗り越える達成感

このゲームの難易度は本当に高いです。

難易度選択は出来ますが、基準となるサバイバルモードでプレイした場合、クリアまでにゲームオーバーの回数は３桁を軽く超えます。それだけ難しいです。

ただ、その分だけ困難を乗り越える達成感があるのも確かで、ゲームをクリアした時は気持ち良さを味わえる事でしょう。三上さんの作品ではお馴染みのおまけ要素も用意されていますしね。

探索の楽しさ

基本的には奥へ奥へと進んで行くゲームですが、わき道にはプレイヤーを有利にするアイテムが沢山隠されています。

銃の弾から能力を強化するためのポイントアイテム等など。これだけ難易度が高い事もあって探索をする必然性が出来ているので、各地を歩き回って良いアイテムを見つけた時の嬉しさはなかなかのものです。

また、最近のゲームでは珍しくマップ表示が全く無い事も注目。

マップ表示が無いという事で地形は頭で覚える必要が出てきて道に迷う事もあり、それが恐怖や探索をするワクワク感に繋がっていると思いました。

様々なシチュエーションが楽しめる

本作は数多くのチャプターで構成されていて、それぞれに異なったシチュエーションが用意されています。

ゾンビに見つからないようこっそりと潜入するチャプターから強敵に追われるチャプター。銃で豪快に戦うチャプター。屋敷を探索して謎解きをするチャプターなど、プレイヤーを飽きさせないよう様々なアクセントが盛り込まれています。

ロケーションのバリーションも多く、ボリュームはたっぷりです。

罠をハメる楽しさ

フィールドの至る所には様々な罠が隠されています。

プレイヤーの動きを封じるトラバサミ。触れると爆発する地雷。スイッチを押す事で降ってくる槍の嵐。一定のタイミングで押し寄せて来る壁等など。

多くは即ゲームオーバーになるタイプでタチが悪いんですが、逆にゾンビたちを罠にハメる事だって出来ます。

上手く行けば銃の弾を消費せずに倒せるので、間接的に敵を倒して行く楽しさを味わえました。罠を解除する事でポイントを入手出来て特定の武器の弾として使えるのも面白いですね。

攻略の自由度が高い

本作は銃で戦う。ゾンビたちを罠にハメる以外にも様々な攻略方法が隠されています。

見つからないようこっそりと後ろから潜入してステルス攻撃を決める。ビンを投げるなどして音を出してそちらへ誘い込む。倒れたところをマッチで燃やして倒す等など。

難易度は非常に高い作品ですが、攻略法はいくつも隠されていますので、クリア方法を探し出す楽しさがあると思います。

詰まってしまったとしても、戦略を変えたら意外とアッサリクリアできるかもしれませんよ。

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惜しいところ

ストレスが溜まるトリプルコンボ

難易度が高いとは言っても、納得できる高難易度と納得できない高難易度があります。

本作の場合、もちろん納得できる部分はあったんですが、納得できない部分もあったりしました。

銃の弾が少ない。移動速度が遅い。視野が狭い。強い敵がいる辺りは良いと思います。

でも、チェックポイントが少ない割に初見殺しの仕掛けが多いのはちょっと理不尽ですね。

例えばいきなり強敵が現れて即死攻撃をしてきたりとか。やるなら即死攻撃である事を一瞬のイベントシーンで伝えるなど、もう少しユーザーに伝えた方が良かったと思います。

「あ、コイツの攻撃は即死なんだな」

とユーザーを納得させれば理不尽に感じる事は無くなり、恐怖に繋がると思うんですよ。

また、リトライ時のロード時間はPS4ソフトにしてはやや長く感じました。

大体１５～２０秒くらいだったかな？これでも「デモンズソウル」などよりは短いんですが、PS4ソフトだったらもっと頑張れたハズ！PS3版はもっと長かったりするのかな？

初見殺し＆リトライ時のロード時間長い＆チェックポイント少ない。

このトリプルコンボによって本作をプレイしているとストレスを感じられるのは確かです。個人的にはそのストレスもクリアの達成感によってある程度は吹き飛びましたけどね。

既視感のある演出

原点回帰を謳っているだけあって、どこかで見た事のある演出は多いです。

「バイオハザード4」「バイオハザード5」「ラスト・オブ・アス」「デッドスペース」

個人的にはこの辺りの作品を思わせる演出が目立ちました。

それでも本作ならではの尖った演出や難易度調整によって怖かったんですけどね。

ストーリーが電波

このゲームのストーリーはハッキリ言ってよく分かりません。

序盤こそはよくあるゾンビ物に感じられましたが、幻覚によって舞台がコロコロ変わるためプレイヤーが置いて行かれるんですよ。

個々のストーリーは理解できるんですが、全体像が分かりにくい。

チャプターの最後で１つの目標を達成したと思っても、幻覚でまた違うエリアへ飛ばされてしまったりしますから。このよく分からない感覚を”ホラー”と捉えるかで見方が変わって来ると思います。

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全体のまとめ

今の時代には珍しいくらい突き離したバランスの作品。

それ故にただでさえ好みが分かれる内容がさらに分かれるようになっており、１０人中１人しか楽しめない作品になってしまった感があります。

しかし、自分はその１人のようで、非常に楽しめました。

時代に逆行した１０人に１人が楽しめるホラーゲーム。

こんな人には特におススメ。
・ホラーゲーム好き。
・難しいゲームが好きな人。

こんな人にはおススメできない。
・グロ表現が苦手な人。
・ホラーゲームが苦手な人。
・アクションゲームが苦手な人。

サイコブレイク/お気に入り度【90/100%】
プレイした時間・・・約20時間

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