2016/04/10/12:00 | ゲームレビュー

クォンタム ブレイク【レビュー・評価】ゲームと実写ドラマが融合したアクション”ドラマ”アドベンチャーの第一歩となる作品

204
クォンタム ブレイク/XboxOne

2016年4月に発売されたXboxOne「クォンタム ブレイク」を今回はレビューします。

XboxOne「クォンタム ブレイク」はタイムトラベルをテーマにしたアクションシューティング型のアドベンチャーゲームです。

開発は「マックス・ペイン」、「アラン ウェイク」で知られるレメディが担当。

良いところ

超能力を使ったアクションシューティング

481

パッと見はよくあるアクションシューティングに見えますが、超能力が良い塩梅になっていました!

敵の動きを止めてハチの巣にする。瞬間移動して敵の後ろに回る。

強力な衝撃波をお見舞いする。敵の位置を透視する。自分周りにバリアを張る。

ゲームを進めていく事でこのような超能力が徐々に身に付いていき、これまでのゲームでは体験出来なかったスピード感のあるシューターを楽しめます。

中盤以降は超能力を駆使しないと勝てないような敵が出てくるのも良いですね。

例えば背中が弱点なので瞬間移動をして後ろに回り込んで攻撃するとか。

アクションシューティングはマルチプレイを考慮に入れて時間を操作するような要素は入れられないものですが、シングルプレイ専用の本作はそれを逆手に取ったシステムを取り入れています。

カバーシューターとしての出来もなかなかで、超能力がなくても純粋なドンパチゲーとしても楽しいです。

超能力を使った謎解き

477

超能力が活きるのは戦闘だけではありません。

ストーリーに沿って進んでいく一本道のフィールドでも活用することがあって、ちょっとした謎解きが楽しめました。

例えば落下したオブジェクトの上に乗って超能力で再生させたら高いところへ行けたりとか。

あまり難しい謎解きは存在しませんでしたが、戦闘ばかりでは飽きてしまうので良いアクセントになっています。

複雑なサイドストーリー

497

タイムトラベルをテーマにしたストーリーは、サイド部分の作り込みが秀逸でした。

メインとなるストーリーは主人公が親友と再会してタイムトラベルのトラブルに巻き込まれて解決していくものなんですが、ジャンルがアクションシューティングである関係上そこまで複雑ではなく、先が気になる展開は続出するもののご都合主義なところがあります。

しかし、実写ドラマや収集アイテムで分かるサイドストーリーを見てみると、かなり複雑な群像劇である事が分かりました。

最初は何となく見ていたものがある時に伏線として繋がるので、「あの時のアレはこうだったのか!?」と何度も思いましたよ。

1周だけで把握するのは難しかったので2周しましたが、同じシーンでも感じる事が違ってそれだけ奥が深くて考察し甲斐のあるストーリーなんだと思います。

分岐要素も存在するので、ストーリーを100%楽しみたい場合は周回プレイがおススメです!

実写と見間違うほどのキャラクター造型

472

キャラクターの造形は、実写と見間違うほどハイクオリティです。

髪の毛や髭は一本一本丁寧に描いているかのような表現ですし、顔の筋肉の動きまで本物そっくり!極めつけは歯の表現です。

キャラクターは喋る時に口を開けるのですが、歯の形まで再現しているんですよ!

どうやら実在する俳優・女優を起用して動きを取り込んだだけではなく、歯医者に行って歯の形まで取り込んだらしい。本物そっくりにするためここまでするとは!?

実写ドラマが収録されているという触れ込みを聞いた後にプレイすると、最初はどこがゲームシーンでどこが実写ドラマなのか分からなくなります。

493

↑参考に主人公のジャックを並べてみました。左がゲームシーンで、右が実写ドラマです。

言われてみるまでどちらが本物なのかわかりませんよね。

実際に動いているところをそれぞれ見てみるとフレームの動きが違って区別出来るんですが、両方見ないと分からないレベルです。

ゲーム業界では長年、現実とそっくりな映像を追及していましたが、本作はその究極レベルに達したといっても過言ではありません。

3Dポリゴンの映像と実写映像。2つが絡みあった事でこれまでにはない体験を味わえました。

実写ドラマを収録

495

前述の通り、本作には約2時間に及ぶ実写ドラマが収録されています。

こちらは主人公があまり存在せず、舞台裏で起きたサイドストーリーが中心ですが、各章の間に起きた出来事が描かれているので実写ドラマとゲームが繋がった感覚を味わえました。

475

さらに凄いのが、実写ドラマ挿入前に発生する選択イベントによって内容が変化する事。

選択イベントの数は多くありませんが、実写ドラマにちょっとしたインタラクティブ要素を持ってきたのは凄いです。

ちなみに実写ドラマはスキップが可能で、ゲームに集中したい場合はあとからじっくり確認出来ます。

カッコいい演出

498

「マックス・ペイン」、「アラン ウェイク」を手掛けたレメディ開発だけあって、カッコいい演出が満載です。

時間が止まった演出。時が壊れて再生と破壊を繰り返す演出。敵を全滅させた時に発生するスローモーションの演出(ファイナル・キル・カメラ)。

そして、各章終了時の演出。どれをとっても素晴らしいセンスで、それが爽快感や没入感に繋がっています。

スポンサーリンク

個人的に合わない&気になったところ

ややゲームパートが少ない

496

ゲームクリアまでのプレイタイムは約10時間。そのうち2時間は実写ドラマになります。

実写ドラマ以外にもイベントシーンがあるので、必然的にゲームパートが少なく感じられました。

そのゲームパートにしても淡白な移動や謎解きシーンも含まれているので銃撃戦の比率は低く、ゲームとしての手ごたえはやや薄く感じられます。難易度ハードでプレイしたら歯ごたえは増しますが、それでも終盤を除くとそこまで難易度は高くはなく、良くも悪くもストーリー主導の作りです。

好意的に見るとゲーム要素がストーリーの邪魔をしないように作られている印象ですが、マルチプレイモードがない事ですし、同社の「アラン ウェイク アメリカンナイトメア」にあったスコアアタック形式のモードを収録してもっとあの超能力を使ったシューターを楽しみたかった。

良く出来ていたので、5時間程度のゲームプレイだけに収めておくのは勿体ないです。

成長要素が生きていない

494

超能力はポイントを使って強化出来ますが、このシステムは生きていませんでした。

ポイントは各地に隠されているものの見つかりにくいですし、何よりも強化出来るようになった頃にはゲームが終わってしまい、強敵もほとんどいないのであってないようなものです。

ストーリー重視のゲームなのでこのバランスでも間違っていませんが、何か勿体ない。

ローカライズが不満

479

せっかく素晴らしいストーリー要素が存在するゲームなのに、ローカライズはダメダメです。

日本語字幕こそは付いていますが、長くて読みにくく、表示が早くてすべてを読み切れない事もありますし、日本語音声がないのでアクション中は集中して話を聞けません。

音声ログやテレビ再生時に字幕が表示されないのも残念。

せっかく「アラン ウェイク」でお馴染みのテレビ番組も登場するのに、英語が聞き取れないと理解出来ません。この辺りを何とかしたらさらに楽しめそうなのに勿体ない。

全体のまとめ


ゲームパートはやや物足りないですが、ストーリーや演出が秀逸な作品。

実写ドラマとゲームはそこまで交わらないものの、キャラクターを本物そっくりに描いて差異をなくそうとするチャレンジングな姿勢は評価するべきでアクションアドベンチャーの新たな形を垣間見れました。

ゲームと実写ドラマが融合したアクション”ドラマ”アドベンチャーの第一歩となる作品。

こんな人には特におススメ。
・海外ドラマ好き。

こんな人にはおススメできない。
・ムービーゲーが苦手な人。
・ストーリーの考察が苦手な人。

クォンタム ブレイク/お気に入り度【80/100%】
プレイした時間・・・約17時間


 

, ,

 

おすすめ記事


コメントする

初めての方もコメント大歓迎!何か伝えたい場合、お気軽にどうぞ(^o^)でも、荒らしや誹謗中傷コメントはご勘弁(>д<) 頻繁にされる場合、ログを取って法的な措置を取らせて頂きます。

コメント広場の住人(9)

  1. y.crash より:

    ムービーゲーって言いますけどね、これくらいならそんなに気にならなかったです。
    メタルギアソリッド4はムービーだけで9時間47分らしいですからね。
    それに比べれば短いですよ。
    最近忙しいのでまだ実はクリアできていないんですよね。
    空いた時間に遊んで楽しんでいます。
    あと、自分はゲーム部分だけじゃなくてビジュアルとか気になる性なんで
    遠くの物とかオブジェクトとか一見どうでもいいものもつい見てしまいます。

  2. kentworld より:

    >y.crashさん
    ムービーゲーかどうかは比率的な問題ですね。
    同じ2時間でも、トータルのプレイタイムが
    20時間の場合と10時間の場合では全然違います。
    メタルギアソリッド4は伝説的な作品ですからw
    僕は2周&ハードクリアしましたよ!
    それだけ熱中出来る作品ではあったのでこの評価です。

  3. チキ より:

    1周目をクリアしました!
    超能力を駆使する戦闘はメチャクチャ楽しかったですね!
    LB長押しのダッシュで距離を詰めて近接攻撃でフィニッシュを決めるのが最高にカッコ良かったです。
    「引っかかったな。残像だよ。」って感じで俺TUEEE!の気分を味わえますw
    サイドストーリーは凝ってますね。
    ポールが未来で何を見て、どんな目に遭ったのか?ベスがどんな壮絶な人生を送ったのかは収集物を見ないと分からないからキャラに対する印象がかなり変わります。
    リアムはただの悪役かと思ったら奥さん想いの人間臭い奴で、実写ドラマで大活躍でしたね。
    ジャック以外のキャラにもしっかりと感情移入できるから群像劇としてよくできていました。
    ゲームシーンの俳優の再現度は素晴らしいですね!CODアドバンスド・ウォーフェアやヘイロー5のムービーを超えたんじゃないかな?
    歯型のネタは僕のお気に入りエピソードなので記事で触れて貰えるのは嬉しいですw
    顔の再現度は文句無いけどジャックの髪型がゲームシーンと実写ドラマで微妙に異なるのは気になりましたw
    俳優本人の方がくせっ毛で前髪の固め方もちょっと違うんですよね。
    ジャックのことが好き過ぎて変なところが気になってしまいましたよw
    実写ドラマの内容はゲーム内の選択が反映されるから物語に介入している感があって良かったです。
    おかげで無理矢理見せられている感じが無くて自然に楽しめるんですよね。

  4. チキ より:

    続きです。
    時間がループして再生と破壊を繰り返す演出は秀逸でした。
    そこを超能力で通り抜けないといけないからゲームの仕掛けとしてちゃんと活かされてるのが良かった。
    破壊環境も凄まじくて興奮の連続でした。
    特に橋の場面は主演がショーン・アシュモアに変わる前のデモ動画で何度も見ていたので、この手でプレイした時はワクワクしましたよ。
    思えば、あの頃からこのゲームをプレイしたくて堪らなかったんだよなぁ。
    言われてみれば銃撃戦は少なかったかな?でもジ・オーダー1886の時みたいに「銃撃戦が少ない!」という感想には不思議となりませんでした。
    アクション、イベントシーン、謎解きのペース配分のバランスが良かったから、あまり気にならなかったのかも。
    雰囲気や演出が良かったので僕は移動や探索も楽しめました。
    スコアアタック要素は入れて欲しかったですね!このゲームの戦闘は面白いから実績を絡めてくれればやり込むこと必至ですよ。
    僕はじっくり探索して強化アイテムを集めたので成長要素の恩恵は中盤から充分に受けられました。
    タイムストップとタイムドッジを3回連続で使えるようになると結構プレイスタイルが変わってきますよ。
    能力を強化する画面のUIはどの能力が選択されてるか分かりにくいので何とかして欲しかったな。
    ゲームの内容は良いのにローカライズは残念でしたねぇ。
    字幕は情報量が多いし文字が小さいので見辛過ぎます。こんなに見辛いゲームの字幕は初めてでしたよ。
    音声ログに字幕が表示されないのは論外ですね。
    ローカライズでちょっとケチが付いてしまいましたが全体的には期待に違わぬ大満足の内容でした。
    発表から発売まで3年近くかかりましたが待った甲斐があったというものです。
    XboxOneを買って本当に良かったと思えるタイトルですね。

  5. kentworld より:

    >チキさん
    クリアおめでとうございます!
    >超能力を駆使する戦闘はメチャクチャ楽しかったですね!
    超能力とアクションシューティングを
    これだけカッコ良く絡めるってよく考えたら相当なセンスだと思います。
    自分に酔いしれる感覚は超能力が使える
    インファマスやバイオショックを超えていますね。
    >サイドストーリーは凝ってますね。
    アクションシューティングでどうやって奥の深い物語を見せてくるんだろう?
    と思っていましたが、こう描いてきたのか!?と思いました。
    最初は感情移入できないキャラも、
    実写ドラマや収集アイテムをチェックすることで
    発言に理解出来るようになるから能動的にプレイするほど
    物語を深く理解出来て楽しくなってくる作品ですね。
    1周だけでは理解出来ないところがあったので2周やって良かった!
    機会があったら3周目もやってみたいですねー。
    >ゲームシーンの俳優の再現度は素晴らしいですね!
    最近はリアルな顔つきのゲームが増えていますが、
    今作はそのさらに上を行っていますねー。
    ここのところ国産タイトルが続いていたので、
    ちょっと久しぶりに海外の最先端なゲームに触れて
    その技術力に改めて驚かされました。
    ジャックの髪形、あれは前に固めているんですか!?
    僕は前髪を立たせることがあまりないので、知りませんでしたw
    さすがジャック(ショーン)ウォッチャーのチキさん。
    細かいところまでよくみていらっしゃる!w
    >実写ドラマの内容はゲーム内の選択が反映されるから物語に介入している感があって良かったです。
    これは重要なことですね。
    数は少ないものの、選べる事で意味を持たせています。

  6. kentworld より:

    >チキさん
    >時間がループして再生と破壊を繰り返す演出は秀逸でした。
    あんな演出、初めてみましたよ!
    ポリゴンでどうやって作っているんだろう?と不思議に感じました。
    環境破壊描写はこの10年で飛躍的な進化を見せてきましたね。
    僕も橋の場面が一番印象に残っています。
    >言われてみれば銃撃戦は少なかったかな?でもジ・オーダー1886の時みたいに「銃撃戦が少ない!」という感想には不思議となりませんでした。
    銃撃戦は面白いからこそもっとやってみたくなりました。
    あのシステムでもっと強力なボスと戦いたい!
    同じ時間を操作するゲームのヴァンキッシュにも
    スコアアタック的なモードがあったので、
    そういったものがないのはちょっと勿体なく感じました。
    実績は2周して9割近く入手出来てしまいましたよ(^_^;)
    >僕はじっくり探索して強化アイテムを集めたので成長要素の恩恵は中盤から充分に受けられました。
    じっくり探索していましたか!?
    僕はストーリー忘れるからとりあえず目に入ったものだけ入手するというやり方にしていました。
    それでもそこそこ入手できたので、
    収集アイテムは多いものの集めやすい作品でしたね。
    >ゲームの内容は良いのにローカライズは残念でしたねぇ。
    ここが良かったらさらにストーリーへの介入が進んでいただけに勿体ない。
    もしかしたら評価も星9になっていたかもしれませんw

  7. kentworld より:

    >ローカライズでちょっとケチが付いてしまいましたが全体的には期待に違わぬ大満足の内容でした。
    ライフイズストレンジに続いて特大ヒットが現れて良かったじゃないですか!
    ゲーム熱が高まり続けるのは、定期的にこういった作品に出会えるからなんですよね。
    僕もアランウェイクよりは楽しめましたよ!
    XboxOneを持っていたら是非購入するべきタイトルだと思います。
    サンセットオーバードライブ、レアリプレイ、クォンタムブレイク。
    これが僕の中でXboxOneの3強です。もっとこういうタイトルが現れてほしいな。
    また、お会いした時にでも「クォンタムブレイク」すきだぁ!とか言い続けてください^^

  8. MGMの名無し より:

    高い難易度でやるとバリアの強化など色々使い道ありますよー
    あと強化アイテムが見つかりにくいとありましたが、Yボタンを押して近くにあればマークが出るのでわりと他のゲームより簡単にみつかった気がしましたよ

  9. kentworld より:

    >MGMの名無しさん
    >高い難易度でやるとバリアの強化など色々使い道ありますよー
    一応、ハードでクリアしました。
    それでもこの感想です。
    ベリーハードがあればまた変わっていたかも!

コメントする

初めての方もコメント大歓迎!何か伝えたい場合、お気軽にどうぞ(^o^)でも、荒らしや誹謗中傷コメントはご勘弁(>д<) 頻繁にされる場合、ログを取って法的な措置を取らせて頂きます。

関連記事

ロックマン11 運命の歯車!!【レビュー・評価】様々なしがらみを抱えながらもわが道を貫いた良質なクラシックゲーム!
テトリス99【レビュー・評価】すべてが絶妙にハマった新感覚のバトロワゲーム!
グングニル -魔槍の軍神と英雄戦争-【レビュー・評価】新たな戦略性を開拓したのは評価したいが…
コロコロカービィ【レビュー・評価】続編を出したら化けそうなカービィのお気に入りゲーム♪
ズール 魔獣使い伝説【レビュー・評価】凡作だが見所も多い育成RPG
あつまれ!ピニャータ【レビュー・評価】作業的だが地味にハマる!
FIREWATCH(ファイアウォッチ)【レビュー・評価】一人称視点と通信会話によって実現した新たなストーリー表現が素晴らしい意欲作!
はじめてのWii 【レビュー・評価】実質1,000円なら十分価値アリ!
ゼルダの伝説 ムジュラの仮面 3D【レビュー・評価】数百にも及ぶ改善と改悪が融合した2015年のムジュラ
スター・ウォーズ エピソード1 レーサー(N64)【レビュー・評価】スピード感は凄いが、ゲームバランスは完全崩壊