
クォンタム ブレイク/Xbox One
どうも!KENT(@kentworld2 )です!
今回は2016年4月に発売されたXbox One「Quantum Break(クォンタム ブレイク)」のレビューをしていきます。
本作はタイムトラベルをテーマにしたアクションアドベンチャーゲームですが、ゲームと実写ドラマが融合していく第一歩を踏み出していました!
なんと本作、ゲーム内に数時間クラスの実写ドラマを収録しているんです!
それも選択肢によって実写ドラマの内容が変化するようになっていて、インタラクティブ性を盛り込んでいます。
開発工数の関係上、そこまで交わることはありませんが、チャレンジングな姿勢は感じられる作品。
ここからはそんなXbox One「クォンタム ブレイク」の良いと思った点からまずは書いていきます。
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- タイムトラベルをテーマにしたアクションアドベンチャーゲーム。
- 時間操作を利用した様々な超能力を使用して戦える。
- 敵側を描いた実写ドラマが収録されている。
初リリース日 | 2016年4月7日 |
対応ハード | Xbox One |
ジャンル | アクションアドベンチャー |
売上 | 初週0.3万本 |
推定クリア時間 | 8~12時間 |
発売元 | 日本マイクロソフト |
目次
良いところ
実写と見間違うほどのキャラクター造型
クイズ「こちら↑のスクリーンショットは実写?それとも3Dポリゴン?」
正解は3Dポリゴンになりますが、パッと見は実写のようですよね?
本作が発売された2016年上半期はまだまだPS4/Xbox Oneの性能に特化して作られたタイトルは少なく、旧世代機との縦マルチが目立っていました。
それだけにXbox Oneの性能に特化して作られた本作は同時期のタイトルと比べて一歩先の映像表現を実現している印象で、リアルタイムでプレイした時の初見が凄かったのをよく覚えています。
髪の毛や髭を1本1本丁寧に描いているのは言わずもがな。
フェイスキャプチャーを用いたことで顔の筋肉が本物そっくりに動きますし、歯の形まで再現していますからw
どうやら本作、実在する俳優・女優を起用して動きを取り込んだだけではなく、歯医者に行って歯の形まで取り込んだらしい。
「本物そっくりの映像を作るためにここまでするとは!?」
前述の通り本作には実写ドラマが収録されています。
そういった前情報を知った上で起動してみると、どこがゲームシーンでどこが実写ドラマなのか分からなくなることでしょうw
↑参考に主人公のジャックを並べてみました。左がゲームシーンで、右が実写ドラマです。
言われてみるまでどちらが本物なのかわかりませんよね?
ゲーム業界では長年、現実とそっくりな映像を追及していましたが、本作はその究極レベルに達したといっても過言ではありません。
3Dポリゴンの映像と実写映像。
2つが絡みあったことでこれまでにはない体験を味わえました。
実写ドラマを収録
実写ドラマが収録されていると言いますが、どのくらいの長さだと思いますか?
なんと、約2時間も収録されているんです!
約2時間と言えば映画1本分じゃないですか!?
ゲームのために新規の実写ドラマを丸々1本分収録するって頭おかしい!w
気になる内容の方は本編の舞台裏で起きたサイドストーリー。
メニュー画面には時系列のタイムラインが表示され、
「主人公が活躍している裏で敵側は何をやっていたのか!?」
を確認しながら楽しめるので、実写ドラマとゲームが繋がった感覚を味わえました。
そんな実写ドラマですが、挿入前には選択肢イベントが発生します。
なんと、そこでの選択次第で実写ドラマの内容が変化するんです!
選択イベントの数は多くありませんが、実写ドラマにちょっとしたインタラクティブ要素を持ってきたのは凄い!
え?ゲームプレイを優先したいから実写ドラマを長々と見させられるのは苦痛だって?
かくいうぼくもそう思うところがあったんですが、実写ドラマはスキップが可能で、好きなタイミングで確認出来ます。
本編とは異なる時系列を描いている関係上、自分の好きなタイミングで視聴しても問題ありません。
超能力を使ったアクションシューティング
ここまで実写ドラマを中心に語っていきましたが、肝心のゲーム部分も面白い!
ゲーム部分の核となるのは三人称視点のアクションシューティング(TPS)。
しかし、単なるTPSではなく、超能力を使ったド派手なバトルを楽しめます。
超能力を使えば
- 敵の動きを止めてハチの巣にする
- 瞬間移動して敵の後ろに回る
- 強力な衝撃波をお見舞いする
- 敵の位置を透視する
- 自分周りにバリアを張る
なんてことも思いのまま。
これらの能力を駆使すれば従来のゲームでは体験出来なかったスピード感のあるアクションシューティングを楽しめます。
もちろん、単に超能力を使えるだけではありません。
中盤以降は敵も対策をするようになり、上手く超能力を駆使しないと勝てなくなります。
例えば正面の攻撃が通用しない敵が出てくるんですよ。
その場合、瞬間移動して後ろに回り込まなければなりません。
どうでしょう?こんなアクションシューティングゲームとしては珍しい立ち回りですよね?
このようなシステムはサーバーとの同期が必要のないオフラインのシングルプレイだからこそ実現出来たように感じます。
素晴らしいのが、超能力を抜きにしても完成度が高く感じられること。
遮蔽物に隠れながら銃弾を放つこともできるので、「ギアーズ オブ ウォー」のようなカバーシューターとしても楽しめますから。
あえて超能力を封印してプレイしてみるのも面白いかも!?
超能力を使った謎解き
時間操作の超能力が活きるのは戦闘だけではありません。
フィールドの仕掛けを作動させる時にも役立ちます。
落下したオブジェクトの上に乗る → 超能力で巻き戻しをする → 落下物と合わせて高いところへ行けるようになる。
↑例えばこんな感じでフィールドの仕掛けを利用できるんですよ。
アクションシューティングに謎解き要素を絡めてくるところは「アンチャーテッド」や「トゥームレイダー」シリーズを彷彿としました。
個人的には戦闘ばかりだと中だるみしてしまうので謎解き要素は良いアクセントに感じます。
カッコいい演出
本作を手掛けているのはPS2「MAX PAYNE(マックス ペイン)」やXbox 360「Alan Wake(アラン ウェイク)」のRemedy(レメディ)。
同社は時間操作を駆使したシネマティックな演出が持ち味となっていますが、本作でも随所でセンスを感じられる演出が見受けられました!
時が止まったことで無数のオブジェクトが浮かぶ異空間、時の崩壊によって繰り返される再生と破壊、敵を全滅させた時に発生するファイナル キル カメラ etc…
どれをとっても秀逸で、個々の演出が爽快感や没入感の向上に繋がっていきます。
複雑なサイドストーリー
実写ドラマとアクションシューティングの2本柱で展開されるXbox One「クォンタム ブレイク」。
そこで描かれるストーリーも興味深くて惹き込まれました!
本作の大きなテーマとなっているのがタイムトラベル。
主人公のジャック・ジョイス(役 ショーン・アシュモア)は旧友であるポール・セリーン(役 エイダン・ギレン)と再会しますが、タイムトラベルのトラブルに巻き込まれてしまいます。
が、ジャンルがアクションシューティングである関係上、主人公の視点だけで進めていくとストーリーラインはそこまで複雑には感じられません。
先が気になる展開も多く見受けられましたが、ご都合主義にも感じられました。
しかし、実写ドラマや収集アイテムで分かるサイドストーリーを見てみると印象が一変。
このゲーム、ストーリーラインを俯瞰してみると複雑な群像劇を描いています。
最初は何となく見ていたものがある時に伏線として繋がるので、
「あの時のアレはこうだったのか!?」
と何度も驚かされましたもん。
このように本作は複数のストーリーラインを描いているので、同じシーンでもプレイヤーが持っている情報量によって受ける印象が変わってきます。
分岐要素も存在するので、ストーリーを100%楽しみたい場合は周回プレイがおすすめですよ~!
惜しいところ
ややゲームパートが少ない
ゲームクリアまでのプレイタイムは約10時間。
そのうち2時間は実写ドラマになります。
実写ドラマ以外にもイベントシーンがあるので、ゲームパートが少なく感じられました。
そのゲームパートにしても淡白な移動や謎解きシーンも含まれているので、核となる銃撃戦の比率はさらに低くなります。
そのためゲームとしての手ごたえはやや薄く感じられました。
2周目は難易度ハードでプレイしましたが、それでも終盤を除くと特別難易度が高いとは言えず、良くも悪くもストーリー主導で作られています。
変に難易度を上げるとゲーム要素がストーリーの邪魔をしてしまうとは言え、もっと銃撃戦を楽しみたかった!
本作を開発したレメディはXbox 360「アラン ウェイク」の後にXbox 360「Alan Wake’s American Nightmare(アラン ウェイク アメリカン ナイトメア)」というスピンオフタイトルを手掛けました。
そちらはスコアアタック形式のモードを収録することでより楽しめたので、銃撃戦が面白い本作にこそ入れてほしかった。
成長要素が生きていない
主人公が使える超能力はポイントを使って強化出来ますが、イマイチ活かされていません。
特に気になったのが、各地に隠されたポイントが見つかりにくいこと。
油断しているとほとんど強化できないままゲームが終わってしまうことでしょう。
ストーリー重視のゲームなのでこのバランスでも間違っていませんが、ゲーム部分がアッサリしているのは何だか勿体なく感じます。
ローカライズが不満
本作には日本語吹き替えが存在しません。
Xbox One「Halo 5: Guardians」以降、日本マイクロソフトはローカライズ費用を削減しましたが、そのしわ寄せが見事に現れています。
同じくレメディ×日本マイクロソフト製のXbox 360「アラン ウェイク」には日本語吹き替えが収録されていたのに(泣)
幸いにも日本語字幕は付いていますが、こちらもイマイチに感じます。
字幕は長くて読みにくいですし、次の字幕に切り替わるまでの時間が早い関係ですべてを読みきれないことがありますから。
本作はアクション要素も強いタイトルなだけに、長い字幕を素早く読むのはキツイです。
あと、音声ログやテレビ再生時に字幕が表示されないのも惜しく感じます。
せっかく「アラン ウェイク」でお馴染みのテレビ番組「ナイトスプリングス」がゲストで登場するのに、英語が聞き取れないとテレビ番組の内容を理解出来ません(泣)
このように本作はローカライズ周りがイマイチに感じます。
ストーリー主導である関係上、ローカライズがしっかりしていたらさらに面白さが増すと思われるだけに勿体ない。
全体のまとめ
ストーリーや演出が秀逸な作品。
ゲームパートのボリュームは不満ですが、完成度自体は前身となるXbox 360「アラン ウェイク」を大きく上回っています。
もう少し全体のボリュームを増やし、ローカライズ周りの問題点を解決させたらさらに化けそうな気がしました。
予算の問題で難しいとは思いますが、本作の流れを汲む作品がまた現れてほしい!
随所に秘められたポテンシャルを感じられたので、個人的なGOTY予備軍です。
ゲームと実写ドラマが融合したアクション”ドラマ”アドベンチャーの第一歩となる作品。
こんな人には特におススメ。
・海外ドラマ好き。
こんな人にはおススメできない。
・ムービーゲーが苦手な人。
・ストーリーの考察が苦手な人。
クォンタム ブレイク/お気に入り度【80/100%】
プレイした時間・・・約17時間
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Xbox | etc |
ムービーゲーって言いますけどね、これくらいならそんなに気にならなかったです。
メタルギアソリッド4はムービーだけで9時間47分らしいですからね。
それに比べれば短いですよ。
最近忙しいのでまだ実はクリアできていないんですよね。
空いた時間に遊んで楽しんでいます。
あと、自分はゲーム部分だけじゃなくてビジュアルとか気になる性なんで
遠くの物とかオブジェクトとか一見どうでもいいものもつい見てしまいます。