

ロストスフィア/PS4 / Switch
どうも!KENT(@kentworld2 )です!
今回は2017年10月に発売されたPS4/Switch「ロストスフィア」のレビューをしていきます。
本作は記憶を操作して世界を改変できる力を持った少年が主人公のファンタジーRPGですが、粗削りではあるものの前作の「いけにえと雪のセツナ」から色々とパワーアップしていました!
2016年に発売されたPS4/PSVITA「いけにえと雪のセツナ」。
スクウェア・エニックス自らが1990年代風のRPGを2010年代に再現するというコンセプトで作られた作品になりますが、全体的にアッサリした内容になっていたんです。
それ故に古き良きRPGを越えることが出来ず、当時のゲームをリアルタイムで楽しんだメインターゲット層の期待に応える作品にはなりませんでした。
「いけにえと雪のセツナ」のキャッチコピーは「とりもどそう、ぼくたちのRPG。」でしたが、完全に取り戻せたのかと訊かれるとYESとは言えません。
そんな中で発売されたのが今回レビューする「ロストスフィア」。
「いけにえと雪のセツナ」と同じTokyo RPG Factoryが手掛ける新作で、同作品のコンセプトを引き継ぎながらも大幅にボリュームアップしていたんです!
ストーリー、戦闘、システム、フィールド。
あらゆる部分が「いけにえと雪のセツナ」から強化されていて、ボリューム面は現代の大作RPGに追いついたと言っても過言ではありません。
そんな「ロストスフィア」の個人的な感想を一言で表すと、
粗削りではあるものの古き良きRPGに通ずる余韻が残る佳作
になります。
「いけにえと雪のセツナ」でも見られたツメの甘さは今作でも健在なんですが、ぼくの記憶に本作の存在がずっと残り続けているんですよ。
それだけ世界観やBGMに惹かれました。
「めちゃくちゃ楽しい!」とまでは言いませんが、クリアした後もある時ふとプレイしたくなるような作品です。
ここからはそんなPS4/Switch「ロストスフィア」の良いと思った点からまずは書いていきます。
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- フィールドを行き来してストーリーを進めていくRPG。
- 戦闘システムはリアルタイム要素を加えたコマンドバトルを採用。
- 記憶を操って世界を変えることができる。
初リリース日 | 2017年10月12日 |
対応ハード | PS4/Switch |
ジャンル | RPG |
推定クリア時間 | 35~45時間 |
売上 | 初週1.3万本 |
発売元 | スクウェア・エニックス |
目次
良いところ
最後まで結末が分からなかったストーリー
「いけにえと雪のセツナ」のストーリーは最初からある程度結末が分かっていました。
だって、設定自体がスクウェアの某大作RPGに酷似していますからw
その点、今回レビューする「ロストスフィア」のストーリーは王道を守りつつも最後まで結末が分かりませんでした。
独特な設定が多く、小難しい部分もあるので、中だるみしやすいところはあります。
しかし、裏切り、別れ、再会など分かりやすい転機が定期的に待ち受けているので、トータルでの満足度は一定水準に達しました。
ラストシーンではとある選択をすることになるんですが、その1つが感動的な展開だったんですよ。
ありきたりと言えばありきたりですが、1990年代のJRPG好きには突き刺さるのではないでしょうか?
ストーリーを彩るキャラクターはJRPGとして見ると王道。
カナタ(主人公)はまっすぐで素直な少年ですし、仲間キャラはクール系、ムードメーカー系、男勝りな少女とありがちなタイプですからw
でも、仲間キャラも様々な形でストーリーに干渉してくるので印象に残りました。
どこか寂しい世界観
本作で最も好きな点。それは、世界観になります。
全体的に寂しさが強調されていて、プレイしているとしっとりするんですよ。
殺風景な風景、地味な配色。
「ドラゴンクエスト」シリーズとは真逆の印象ですが、これはこれで気に入りました。
大きな要因となっているのが寂しさや切なさを強調したBGM。
特にワールドマップで流れるBGMはヒーリングサウンドとしても機能するレベルでずっと聴いていたくなります。
満月が強調されたロケーションも美しくてお気に入り。
本作が発売されたのは2017年秋になりますが、季節的にめちゃくちゃシンクロしていました。
「ぼくは2017年秋にどんなゲームをプレイしていたんだろう?」
なんて振り返る場合、真っ先に本作を思い浮かべてしまいます。
位置取りが重視された戦闘システム
リアルタイム性を取り入れたコマンドバトルが特徴的だった「いけにえと雪のセツナ」。
本作の戦闘システムは同作品をベースに大きくパワーアップしています。
なんと、攻撃時に好きな場所へ移動が可能になったんです!
その影響でより位置取りが重視されたバランスになりました。
例えば貫通攻撃を使用する場合、重なるように照準を合わせたらより多くの敵にダメージを与えられるんですよ。
逆に固まっていると敵の範囲攻撃をまとめて喰らってしまい、全滅のリスクが高まってしまいます。
前作の「いけにえと雪のセツナ」ではここまで位置取りを意識することはなかったので、戦闘システムはさらに奥深くなった印象です。
歯ごたえのあるバランス調整
「いけにえと雪のセツナ」は中盤以降から難易度が高くなりました。
一方、今作の場合は同作品に満足出来なかった人をターゲットにしているからか序盤から本気を出してきますw
中盤以降になるとさらに難易度が上昇し、ボス戦ではしょっちゅう全滅しました。
だって、体力の大半を奪う範囲攻撃を放ってきたり、体力を0にしたと思ったら最後の力を振り絞って強力な範囲攻撃をしてくることがありますから。
さらに序盤からボスの連戦があるうえ回復アイテムが限られているのでRPG初心者にはおすすめ出来ません。
でも、この難易度調整がスクウェアの黄金期を彷彿とさせてくれるんですよ。
近年のRPGでここまでの緊張感はなかなか味わえないので、前作に続いて懐かしく感じました。
油断していると痛い目に遭うので、ボス部屋の直前にあるセーブポイントでは必ずセーブすることをおすすめします。
強化されたカスタマイズ要素
戦闘の難易度が高いと書いてしまいましたが、単に難易度を上げている訳ではありません。
前作よりもカスタマイズ要素が充実しているので、突破口は増えています。
機装、アーティファクト、料理。
このような新システムによって戦闘を有利に進めることができるようになりました。
また、前作には何故か存在しなかった防具の概念も追加。
お店では武器と防具を強化できるようになり、法石のカスタマイズ要素も強化されました。
戦闘の難易度はこれらの要素を活用することを前提に調整されている印象なので、育成やカスタマイズを楽しみやすいバランスになっています。
世界観や設定を強調させている独自システム
本作の主人公は記憶を操り世界を改変することが出来ます。
しかも物理的な変化を起こすこともできるんですよ。
何故なら本作の世界は記憶によって構成されているから。
記憶が消えてしまうと存在も白い霧となって消えてしまうので、何もかも消えたら辺り一面が真っ白になってしまいます。
このような設定はフィールド探索でも大きな役割を果たしていて、ゲームプレイの面で大きなアクセントとなっていました。
例えば消えた記憶を再生することで地形が元通りになって奥へ進めるようになる場合があるんですよ。
それ以外にも収集要素の役割を果たすなどゲームプレイの面でも綿密に絡んでいて、単なる設定だけには留まっていません。
料理が美味しそう
これは本筋とは関係ありませんが、本作に登場する料理は何気に力を入れて描かれています。
宿屋では指定された食材を渡すことで料理を作成できるんですが、それぞれに専用の画像が用意されているんですよ。
その画像がめっちゃ美味しそうで、夜中にプレイしたらヤバイことになりますw
「うわ~ウマそ~!!!」
肝心の効果ですが、次に行う戦闘で有利にする補助効果が現れるようになっています。
前述の通り本作の難易度は高いので、強いボス戦前には重宝しました。
惜しいところ
お使い臭いゲーム進行
「いけにえと雪のセツナ」の場合、ストーリーを進めることで次から次へと新しい街やダンジョンにいけました。
一方、本作の場合は同じ街を行ったり来たりするような進行形式になっています(特に序盤と終盤)。
それ故に2010年代のJRPGにありがちなお使い臭さを感じてしまいました。
街やダンジョンの数はそこそこありますが、ストーリーの尺に追いつくほど用意出来ていません。
探索型アドベンチャーゲームとしてみるならまだしも、冒険RPGとしてみるとコレジャナイです。
微妙に気になるユーザーインターフェース
全体的にユーザーインターフェースは痒いところに手が届いていませんでした。
あくまでもSwitch版の話になりますが、建物の出入りに発生するロード時間が気持ち長いんですよ。
前述の通り本作は同じところを行ったり来たりする進行形式なので、1回につき3~5秒のロード時間でもボディーブローのように効いてきます。
それ以外にも戦闘のテンポが悪かったり、ダッシュ移動やファストトラベル機能が存在しなかったりしてせっかちにはキツイですw
装備アイテムを購入しても「装備しますか?」の選択肢が出なかったり、セーブ画面ではデフォルトで「新しくセーブをする」にカーソルが置かれていますし、ユーザーへの配慮が足りません。
特にセーブ画面ではデフォルトで「新しくセーブをする」にカーソルが置かれているのがねぇ・・・
何度も「新しくセーブをする」を押してしまい、クリアした頃にはセーブファイルが10個も増えていましたから!
全体のまとめ
「いけにえと雪のセツナ」をベースに捻りを持たせて拡張したような作品。
おかげで同作品で見られた陳腐さが薄れて手応えも増しましたが、1990年代風クラシックRPGの域は出ておらず、人によっては単に地味なゲームに見えてしまうかも知れません。
それでいて古き良きRPGと比べるとまだ粗さが目立つので、ニッチなゲームに感じます。
でも、個人的には前作以上に残るものがありました。
なんと言っても世界観が良い!
個人的に四季の中では秋が好きなので、秋をイメージするような世界観がツボだったんですよ。
一歩間違えたら地味で終わってしまう恐れがあるのによく発売出来たもんだ。
残念ながら世間では地味な”だけ”のゲームと見られたのか「いけにえと雪のセツナ」から大きく売上を落として値崩れしていますが、決して悪い作品ではありません。
粗削りではあるものの古き良きRPGに通ずる余韻が残る佳作!
こんな人には特におススメ。
・懐かしいRPGをプレイしたい人。
こんな人にはおススメできない。
・映像美を重視する人。
・RPGが苦手な人。
ロストスフィア/お気に入り度【75/100%】
プレイした時間・・・約35時間
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懐かしい感じのワールドマップですね。最近はリアルな世界のゲームをするのが多かったのでなおさらですが。記事の写真でも山があって森があって塔がありますが、リアルだとかなり大変な道のりだと考えちゃいます。主人公達はひょうひょうと歩きますが、すごい大変ですよねー。