
ゼルダの伝説 ふしぎのぼうし/GBA[オンラインコード]
2004年11月に発売されたGBA「ゼルダの伝説 ふしぎのぼうし」を今回はレビューします。
GBA「ゼルダの伝説 ふしぎのぼうし」は人気アクションアドベンチャー「ゼルダの伝説」シリーズのゲームボーイアドバンス向けでは唯一の完全新作タイトルです。
目次
良いところ
2Dゼルダが大幅にパワーアップ!
本作は正当な形の2DゼルダとしてはGB「ゼルダの伝説 ふしぎの木の実 大地の章/時空の章」以来約3年半ぶりの完全新作となります。
対応機種もゲームボーイカラー専用からゲームボーイアドバンスに変更されているため、全体的に大きく進化していました。
まず目に入ったのがグラフィック。ファミコン後期レベルからスーパーファミコン後期レベルまで大幅パワーアップしていて、とても色鮮やかになっています。
光の表現やアニメーションも豊富で、新たにローリングもできるようになったので動かす楽しさも大幅にアップ!
移動中は3Dゼルダのようにずっとローリングをしていました(おかげでRボタンが・・・)。
ダンジョンでは大きなタルを転がすなどゲームボーイのゼルダではなかなか出来なかった大掛かりな仕掛けも存在して、表現の進化を感じられます。
当時は「まだ2Dゼルダでこんなことができるのか!?」と驚きましたね。
BGMでは「ゼルダの子守歌」や「家の中」がアレンジされて収録されており、ボイスも少し収録されているのが嬉しかった。
これらも3Dゼルダではお馴染みなので、2Dゼルダをやっているという印象もあればポケット3Dゼルダをやっている印象を持ちました。
同時期のGBAソフトとしてみても基本的なクオリティはかなり高く、第一印象は良かったです。第一印象は・・・
体の縮小化によって密度が大幅にアップ!
本作の謎解き要素で大きな特徴となっているのが、体の縮小化です。
ゲーム序盤から切り株の上で体を小さくする事が可能になり、小さい穴に潜ることができます。
このシステムによって見慣れた場所にも秘密が沢山隠されていて、フィールドの密度を高める役割を果たしていると思いました。
行けそうで行けない場所に小さな穴を見かけたらどうやってあの場所まで行けるのか考える楽しさがあったのも良かったですね。
やり込み要素が満載
ゼルダといえば寄り道!本作でも寄り道要素はいくつか用意されていました。
一番大きいのが「しあわせのカケラ」集め。各地に隠されていて、特定の人と「カケラあわせ」をすると一部の地形が変化したり、宝箱が出現したりします。最初は行けなかったところも、「カケラあわせ」をする事で行けるようになるかも!?
GC「ゼルダの伝説 風のタクト」で見られたフィギュア集めが楽しめるのもポイント。
各地に隠されている「ヒミツのかいがら」を集める事で「くじびき」を行うことが可能で、そこでフィギュアが手に入るんです。フィギュアは全部で136種類もあるので、集め甲斐がありますよ~。
個人的に合わない&気になったところ
やらされている感が強い
全体的に難易度が低く、やらされている感を持ってしまいました。
ダンジョンではパートナーのエゼロが無駄に親切で、例えばレバーを引くなんてゼルダでは当たり前の事を教えてくれるんです。ノーヒントで試行錯誤するのがゼルダの醍醐味なのに・・・
ダンジョンの作りもレールに沿っているような感じで、例えば鍵を入手してもすぐ近くで使用できるところが見つかるようになっていますし、ダンジョンで新アイテムが手に入ったらそればかり使わされる展開に持って行かされます。
次に行くべきところもマップに表示されて、ゼルダシリーズで醍醐味の試行錯誤する楽しさがほとんどありません。
極めつけは敵の攻撃力。大抵はハート4分の1程度しかダメージを受けず、ボス戦に至っては部屋にハートが隠されたツボが複数設置されているし、相変わらずビンに妖精を詰め込んでいれば体力が0になっても復活するので余程の事がない限りゲームオーバーにはなりません。
2Dゼルダでは毎回100回はゲームオーバーになる僕でも本作では数え切れるほどです。もしかしたら1回もゲームオーバーになっていないかも!?
「ハートのかけら」も簡単に見つかるところに設置されていて隠れているとは言えないものばかりですし、全体的に優しすぎます。
難易度が低すぎる事で初心者には良いんですが、こうも全体的に低いと途中でダレて来ます。僕は2つ目のダンジョンからダラダラ感が出て来ました。
蛇足な分身
ゲーム終盤で使用できる分身。これを利用する事で4人分のパワーを授かることができるんですが、少しの間ボタンを長押ししなければならず、これを使った仕掛けが頻繁に出てくるようになるから面倒に感じてしまいました。
同年に発売されたGC「ゼルダの伝説 4つの剣+」みたいな事をやりたかったんでしょうが、面白い仕掛けではありません。
全体のまとめ
前作から大幅パワーアップして新しい謎解きもあるのに、全体的に難易度の低下が顕著なのが惜しい作品でした。
このゲームをプレイしている時は面白いのにダラダラ感があって当時は「ふしぎのぼうし」だけに不思議そうにプレイしていたものです。個々のダンジョンも簡単だったので、不思議なくらい印象に残っていません。
ただ、これはあくまでもゼルダ熟練者の意見であって、逆に言えばゼルダ初心者にとっては遊びやすい作品なのは確かです。
出来は決して悪くないので、この作品は「ゼルダの伝説」デビューに最適な作品だと思います。
こんな人には特におススメ。
・ゼルダの伝説初心者。
こんな人にはおススメできない。
・歯応えのあるゼルダを求める人
ゼルダの伝説 ふしぎのぼうし/お気に入り度【60/100%】
プレイした時間・・・約20時間
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