
クラッシュ・バンディクー4: とんでもマルチバース/PS4
どうも!KENT(@kentworld2 )です!
今回は2020年10月に発売されたPS4「クラッシュ・バンディクー4: とんでもマルチバース」のレビューをしていきます。
本作は「クラッシュ・バンディクー」の超久々となる完全新作ですが、チェックポイント制になったことで超高難易度化した最凶の新作でした!
1996に誕生した「クラッシュ・バンディクー」シリーズ。
コミカルなキャラクター、耳の残るCMソング、歯ごたえのあるアクションが人気を博し、一時期はプレイステーションを代表とするキャラクターとなりました。
その後、2000年代に突入すると人気が低迷。
日本国内では新作が発売されなくなってしまい、長い休眠期間に突入します。
そして2020年、待望となる完全新作、「クラッシュ・バンディクー4: とんでもマルチバース」が発売されましたが、これは非常に評価が困る作品です。
昔ながらのステージクリア制を採用している点、過去作のオマージュネタなど、黄金時代のシリーズ作が好きな人が楽しめるようにする気配りは感じられるんですよ。
ですが、ゲームバランスは最近流行りの即死系アクションに寄ってしまい、「クラッシュ・バンディクー」のアイデンティティが薄れているように感じます。
これはこれで面白いんですが、1エリア毎の難易度が上がりすぎてしまい、過去作のように木箱のコンプリートやタイムアタックなどのやり込みをする気にはなれませんでした。
一体、何が問題だったのでしょうか?
ここからはPS4「クラッシュ・バンディクー4: とんでもマルチバース」の良いところを語りつつ気になった点も語っていきます。
累計1,000記事突破!KENTがプレイしたゲームのレビュー記事一覧へ
- ステージクリア型の3Dアクションゲーム。
- 「4つのマスク」を使った特殊能力が使えるようになった。
- コルテックスなど新プレイアブルキャラクターが追加された。
初リリース日 | 2020年10月2日 |
対応ハード | PS4 |
ジャンル | 3Dアクション |
売上 | 初週1.0万本 |
推定クリア時間 | 12~18時間 |
発売元 | アクティビジョン |
目次
良いところ
過去作のオマージュが満載!
冒頭でも触れたように、「クラッシュ・バンディクー」シリーズの新作は長いあいだ発売されませんでした。
それだけにヤキモキさせられましたが、超久々に発売された今作はシリーズファンであればあるほど嬉しくなってしまうオマージュが散りばめられています。
過去作を彷彿とする冒頭のジャングルステージ、過去作を再現したステージ、お馴染みの横スクロースエリア、ボーナスステージ。
さらにはゲームシステムも過去作を踏襲し、木箱を壊し、リンゴを食べながら奥へ奥へ進んでいくという昔ながらのステージクリア型アクションを楽しむことができます。
これって当たり前のようで実は凄いことだと思うんですよ。
ステージクリア型のアクションゲームは任天堂系では未だに多く存在しますが、PS系の大作ゲームに目を移すとほとんどありません。
大抵はチャプター式にしたり、オープンワールドにしてリアリティを追求していくものなので、あえて冒険せずステージクリア形式を採用したことに感銘を受けました!
その一方で残機制のシステムは刷新。
残り人数の概念は廃止され、ミスをしても特定の場所から何度でも再挑戦できるチェックポイント制になり、テンポ良く楽しめるようになりました。
一応、昔ながらの残機制(残機の概念が存在し、0になるとゲームオーバーになる)にも変更できますが、ゲームバランスはチェックポイント制ありきとなっています。
「4つのマスク」によって刺激が増したステージの仕掛け
「今どき、ステージクリア型を採用しているの?新作を出す意味ある?」
なんて意見も出てきそうですが、今作は過去作とは比べ物にならないくらい1ステージ辺りの密度が凄くなっています!
グラフィックがパワーアップして背景が凝っているのは言わずもがな。
ゲームプレイの密度も増していて、過去作よりも刺激が詰まっています。
その大きな要因の1つとなるのが、「4つのマスク」です。
ゲームを進めると「4つのマスク」が使えるようになり、
- 別次元の世界にワープする
- 時間の流れを遅くする
- 重力を反転する
- 常時スピンアタックをする
なんてことができるようになるんですね。
ステージもこれらの特殊能力を使用すること前提の作りになっていて、例えば地上と天井を行き来するなんてWii「スーパーマリオ ギャラクシー」やFC「ロックマン5 ブルースの罠!?」みたいな展開が待ち受けています。
新たにグラインドレールを使って高速移動するエリアも追加されましたし、過去作よりもダイナミックなアクションを楽しめるようになりました。
新プレイアブルキャラクターによって生まれた群像劇
今作ではクラッシュ(ココ)以外にも様々なキャラクターを操作できます。
光線銃で敵の姿を変えてしまうネオ・コルテックス。
バキュームガンを使って大暴れするディンゴダイル。
グラップリングフックや三角飛びを使いこなすタウナ。
ゲームを進めると彼らを操作するパートに突入し、クラッシュとは異なるゲーム体験を味わえます。
凄いのが、1ステージ毎に複数のキャラクターに切り替わることです。
その影響で様々な時系列が生まれ、ちょっとした群像劇を楽しめるようになりました。
クラッシュが活躍している裏ではタウナも頑張っていた!
なんて事実がゲームを進めていくと明らかになり、過去作では見られなかった深みを感じられました。
また、終盤になるとプレイアブルキャラクターが目まぐるしく変わり、現代風のシネマティックアクションを楽しめます。
ステージクリア型のアクションゲームって長時間プレイするとパターン化してしまい、単調に感じることもありますが、本作は最後まで飽きずに楽しめました。
驚異のやり込み要素
「1ステージ辺り10回は楽しめるんじゃないか!?」
思わずそう言いたくなるくらい本作はやり込み要素が凄いことになっています。
過去作のように
- タイムアタック
- 隠しダイヤ
- 木箱のコンプリート
といったやり込み要素は健在ですし、新たに
- ステージが反転して見た目も変化する「あべこべ」
- ステージ内のリンゴを集める「スコアアタック」
- 昔懐かしのステージを楽しめる「きおくのカケラのテープ」
- 条件を満たすと開放される「コスチューム」
も追加されました。
特に「あべこべ」が追加されたことでステージ数が実質、倍になったのですから、全体のボリューム感は過去作の2~3倍に増しています。
2017年にはPS4「クラッシュ・バンディクー ブッとび3段もり!」という過去3作をリマスター化したパッケージが発売されたので、そちらと比べてボリュームが少なく感じないかな?
と懸念していましたが、全くの杞憂でした。
やり込み要素を含めたら定価7,590円分の満足感は味わえるようになっています。
が、ぼくは本作をやり込む気にはなれませんでした。
ここからはやり込む気にはなれなかった理由を挙げていきます。
惜しいところ
現代ゲームに合わせたことで薄れたアイデンティティ
「過去作を踏襲したシステムを採用したうえで進化もしている」
ここまで読んでいただけたらそういう印象を持たれると思いますが、一方では現代ゲームに合わせたことでアイデンティティが薄れている印象です。
「クラッシュ・バンディクー」シリーズのアイデンティティは人によって異なると思いますが、僕の場合、
- 残機制であることを前提にした難易度調整
- 程良い難しさのステージ
- だからこそ生まれるやり込みのモチベーション
だと思っています。
一方、本作の場合はどうでしょうか?
残機制ではなくチェックポイント制であることを前提にしたバランス調整になったことで”らしさ”が薄れているように感じます。
具体的に言うと、本作は1エリア毎の難易度が高すぎるんです!
何度でも復活できるようにしたことで難易度が低下してしまい、すぐにクリアされることを恐れたのでしょうか?
難易度はワールド2辺りから上昇し、終盤になると同じ箇所で10回はミスをしてやり直しになるレベルにまで難しくなります。
例えば重力を反転させながら当たったら即ミスのレーザーゾーンをくぐり抜けないといけないエリアが出てくるんですよw
その代わりチェックポイントが多く、何度ミスをしてもゲームオーバーにはならないようになっているので、さほどストレスを感じずトライ&エラーが行えるようにはなりました。
感覚的には2010年代に台頭した「Trials」「スーパーミートボーイ」を代表とする即死系アクションに近づいた印象ですが、ちょっとまって下さい。
「クラッシュ・バンディクー」シリーズは同じステージを何度も攻略してタイムを更新したり、全ての木箱を壊すのが面白いゲームではありませんでしたか?
1エリア毎の難易度を上げ過ぎたらクリアまでの疲労感が増してしまい、もう一度プレイする気にはなれません。
個人的には即死系アクションも好きですが、「クラッシュ・バンディクー」シリーズでは木箱壊しやスコアアタックが特に楽しいと思っているので、このゲームバランスは「なんか違う」と思いました。
ぼくはやっていませんが、タイムアタックで全ステージのプラチナランクを目指そうとした場合、嫌になるんじゃないでしょうか?
それだけ本作の難易度は常識を逸した高さで、マゾゲーマーのぼくでもやる気にはなれませんでした。
一応、残機制のモードも用意されていますが、難易度調整は明らかにチェックポイント制であることを前提にしているので、取って付けたような要素に感じます。
残機制のモードではゲームオーバーにならないよう、過去作よりも残り人数を増やしやすくなり、1エリア毎の難易度を上げてはいますよ?
でも、それだったら残機無限&チェックポイント式にした方がスマートに感じられるので、すぐチェックポイント式に戻しました。
クラッシュ・バンディクー4: とんでもマルチバースのレビューまとめ
超久々に発売された「クラッシュ・バンディクー」の新作は、過去作を踏襲しているようでしていない不思議な作品でした。
少し触る分には懐かしさの塊なんですが、プレイすればするほど針の穴を通すかのように難しくなり、面白さのベクトルが変わっているように感じます。
これはこれで面白いし、中毒性も高く感じますが、1ステージ毎の疲労感が半端ないので過去作のようにやり込みをする気にはなれませんでした。
どれもこれも残機無限&チェックポイント制であることを前提にした難易度調整であることが大きく感じます。
本作をプレイしていると
残機制は時代遅れだから残機無限&チェックポイント制に変えよう!
↓
でも、単に変えるだけだと難易度が低下してすぐにクリアされてしまう
↓
だったら1エリア毎の難易度を上げてやろう!
なんて思惑が垣間見えました。
実際、そうした方が残機制を嫌う現代のユーザーからのウケは良いと思いますが、そのうえで過去作のやり込み要素を踏襲しているのでチグハグに感じます。
この難易度調整で1ミスもせずにタイムアタックをしたり、ステージ上にある木箱を全て破壊するのは無理ゲーですw
アクションやシステムは過去作を踏襲しており、ギミックもパワーアップしているので面白い作品ではありますが、「クラッシュ・バンディクー」の新作としてみると疑問に感じます。
同じようなことはPS4/Switch「ロックマン11 運命の歯車!!」をプレイした時も思いました。
古き良きステージクリア型アクションゲームを今の時代に復活させる場合、ボリュームを増やすためにステージを長くしたり1エリア毎の難易度を上げないといけないんでしょうかねぇ。
超高難易度化した最凶の新作!
こんな人には特におススメ。
・マゾゲーマー。
こんな人にはおススメできない。
・タイムアタックなどで何周も楽しみたい人。
累計1,000記事突破!KENTがプレイしたゲームのレビュー記事一覧へ
Nintendo | PlayStation |
Xbox | etc |
今回のレビューはとても的を得てるレビューでさすがケントさんって思いましたよ!
そうそう今のゲームのボリュームに合わせようとするあまりロックマン11と同じような気になる点を今作のクラッシュはされていると思います。
クラッシュの1ステージのボリュームって1や2ぐらいが一番最適だと思うのですが、今作のクラッシュ4は木箱コンプだけでもウンザリする物量に感じますよ(^^;;
クラッシュたちのトゥーンチックなキャラデザとコスチュームやミッションなどの個々の要素がいい反面でステージの長さや残機性にしたら無理な難易度になってるのはどうかなぁと思ってます。
残機無限って本来なら任天堂的な救済措置の一環かなと思ってたのにそれ前提の難易度とはwww
でもSwitch版が出たら、プレイしてみたい思ってます(笑)
ぶっ飛び3段盛りでしばらく練習になると思いますがね〜