
スーパーマリオ 3Dワールド/Wii U
どうも!KENT(@kentworld2 )です!
今回は2013年11月に発売されたWii U「スーパーマリオ3Dワールド」のレビューをしていきますが、まずはひとこと言わせてください。
このゲーム、3Dマリオの新作なのにあまり売れませんでした。
本作の国内累計売上は67万本となっています。
普通のゲームとしてみたら大ヒットの部類ではありますが、ゲーム好きなら誰もが知っているであろうマリオの本編としてみると過去最低の売上になるんですね。
マリオ本編としてはもちろん、3Dマリオに限定しても最も売上が低かったりします。
1位 | Switch「スーパーマリオ オデッセイ」 | 253万本 |
2位 | 3DS「スーパーマリオ 3Dランド」 | 209万本 |
3位 | N64「スーパーマリオ64」 | 192万本 |
4位 | Wii「スーパーマリオギャラクシー」 | 117万本 |
5位 | Wii「スーパーマリオギャラクシー2」 | 103万本 |
6位 | GC「スーパーマリオサンシャイン」 | 87万本 |
7位 | Wii U「スーパーマリオ 3Dワールド」 | 67万本 |
しかし、ゲームとしての完成度は非常に高く、海外のレビュー収集サイト、Metacritic (メタクリティック)では平均93点。ユーザースコアは平均8.9点。
Amazonのカスタマーレビューも星5つ中4.4となっていて、各地で絶賛されました。
個人的にも数あるWii Uソフトの中でも特に好きな作品なので、あまり売れなかったことにガッカリしているんですよね。
そこで、今回は2021年2月12日にSwitchでバージョンアップ版となる「スーパーマリオ3Dワールド+フューリーワールド」が発売されることを記念してWii U版のレビューをしていきたいと思います。
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- マリオたちを操作してゴールを目指していく3Dアクションゲーム。
- 最大4人での協力プレイに対応。
- キノピオが主人公となるミニゲームも収録。
初リリース日 | 2013年11月21日 |
対応ハード | 3DS |
ジャンル | 3Dアクション |
推定クリア時間 | 8~12時間 |
売上 | 初週9.7万本/累計67万本 |
発売元 | 任天堂 |
目次
良いところ
3Dランドから大幅進化!
今作で特筆したいのが、前作「スーパーマリオ3Dランド」からの進化具合が半端ないことです。
どのくらい進化しているのかと言うと、「スーパーマリオ3Dランド2」ではなく「3」と表記しても良いくらい。
具体的に言うと1コース辺りの作り込みが凄いことになっています。
ワールド1-1の場合、
- 序盤に見える壁を登ってみたら屋根の上にコインが沢山置かれている
- 手前の砂場を探索してみると大量の隠しコインが見つかる
- 広場のウサギを捕まえるとグリーンスターが貰える
- 広場の巨大ウサギを捕まえると巨大キノコが貰える
- ブロックを壊すとヒミツの地下室に行ける
といった感じで大小様々な隠し要素が散らばっています。
本作はスタートからゴールを目指していくステージクリア型のゲームではありますが、N64「スーパーマリオ64」のような箱庭探索型の3Dマリオに近い楽しさも詰まっているように感じました。
収集アイテムとしてはグリーンスター、ハンコが隠されていて集めると良いことがあるので、やり込み好きはコンプリートを目指してみると良いかも!?
ここまで話したことは前作でも言えることですが、今作は1コース辺りの濃度が凄いことになっています。
マップの広さは2~3倍になったので、スポーツで例えるとバスケットボールのコートからフットサルのコートになったかのよう。
え?わかりにくいって?すみませんw
それはともかく、今作のコースは前作から大幅にボリュームアップしているんですが、そうなるとコースの種類が減っているんじゃないかと邪推してしまいますよね?
ところがね、実際には増えているんですよ。
それも前作のように既存のコースを再構築したスペシャルコースの比率は減っているので、素材の流用はほとんどしていません。
ここからは今作のコースがどれだけ多彩なのかを語っていきます。
バリエーション豊かなコース
今作には同じようなコースがほとんど存在しません。
というのもアイテムや仕掛けの種類が過去作と比べても非常に多いからです。
シリーズではお馴染みの変身マリオに至っては11種類も用意されています。
その中にはお馴染みのスーパーマリオ、ファイアマリオから前作で久しぶりに復活したタヌキマリオ。
「New スーパーマリオブラザーズ」で初登場した巨大マリオ。
さらには壁に登ったり引っかいて攻撃ができるネコマリオが新たに加わりました。
また、変身マリオ以外にもかぶった状態で弾を発射できる「ほうだいボックス」。
かぶることで空中を少しだけ飛べる「プロペラボックス」などの便利アイテムも加わったので、それらを変身マリオに含めたら20種類を超えます。
過去に発売されたマリオではこんなにも色んな姿に変身できなかったので今作のバリエーションには驚きました。
ポイントなのが、多くのコースはパワーアップアイテムで変身することを想定して作られていることです。
例えばファイアマリオに変身できるコースではパックンフラワーやカボンのシューリンガンみたいなトゲトゲの鉄球が土管に設置されていたりします。
これは、ファイアマリオのファイアをブツケてくださいと言っているようなものですよね?w
こんな感じで多くのコースはパワーアップアイテムと連動した作りになっているので、それぞれ違った体験を味わうことができます。
また、仕掛けの種類も非常に多く、
- プレッシーに乗って進むスライダー
- 全てのスイッチを裏返していくパズル
- 被りものやボールを使ってのシューティング
- サーチライトに当たらないよう潜入していくステルス
- ダッシュパネルに乗って猛スピードで進んでいくレース
といった他ジャンルの要素をミックスさせたようなコースも追加されています。
タッチ操作、マイクといったWii Uゲームパッドに搭載された機能を使って仕掛けを解いていくコースも用意されていますし、随所で飽きさせない工夫を感じられました。
個人的に嬉しかったのが、過去作のオマージュネタです。
マリオで過去作のオマージュネタは定番ですが、今作ではN64「スーパーマリオ64」のドンケツ。
SFC「スーパーマリオワールド」のブルなどそれまでは冷遇されていた敵キャラクターが復活したことに嬉しさを感じました。
今でこそオマージュネタの範囲が広がっているマリオですが、この頃はFC「スーパーマリオブラザーズ3」のネタが目立っていたから飽き飽きしていたんですよ。
今作ではその辺りが少し見直されて新しい仕掛けも大量に加わったのでマリオ本編を全作品プレイしている者としても新鮮に楽しめました。
良い意味で不規則なステージ構成
新鮮味と言えば、コースの構成を不規則にしている点も良いと思いました。
この頃のマリオはマンネリ化が問題視されていたんですが、その元凶となったのが規則的な構成だったりします。
コースの長さ、設置されているアイテム、ワールド毎に用意されたコースの数、ボスの耐久力。
あらゆる要素に統一感を持たせているが故に先の展開が読めてしまい、長年、マリオのゲームを遊んでいる者としては以前ほどワクワクできなくなっていたんですよね。
ところが今作の場合、平凡なアスレチックが続くかと思ったらプレッシーに乗って進むスライダーエリアが始まったりして良い意味で不規則なステージ構成になっています。
過去作のお約束も破っている印象で、例えばボスを倒してワールドクリアになるかと思ったらまだ続いたりするんですよ。
ぼくは「どうせ次はこう来るんでしょ?」なんて油断していたので当時は驚きましたw
ファン目線になってしまいますが、マンネリ化が問題視されていたマリオ本編で少しだけ殻を破ろうとしてきたことに好感が持てますね。
殻を破ろうとしているという意味では、マップ画面でマリオを動かせるようになった点も見逃せません。
これまでの作品に登場したマップ画面はスゴロクのように各コースのマスと線の間しか動けなかったんですが、今作では360度自由に動けるようになりました。
しかも自由に動けるだけではなく、背景を調べるとコインや1UPキノコが見つかったり、ジャンプしてコインブロックを壊すなんてこともできます。
本作の少し前に発売されたWii U「New スーパーマリオブラザーズ U」のマップ画面もワールド間を暗転なしで移動ができて進化を感じられました。
今作はそれに加えて自由度も増しているのでマップを移動するだけでもワクワクしましたね。
パワーアップした探索要素
先ほども触れたように、各コースには「グリーンスター」というアイテムが隠されています。
前作の「スターコイン」に相当する収集アイテムなんですが、単に名前を変えただけではなく、隠し場所が多彩になったのでより探索が楽しくなりました。
具体的に言うとミニイベントをクリアすることで入手できる形式になったんですね。
例えばウサギを捕まえたり、キノピオを救ったり。
言ってしまえばN64「スーパーマリオ64」みたいにイベントをクリアして入手する形式になっているので、より箱庭探索型3Dマリオの側面が増しているようになっています。
前作の「スターコイン」はわかりにくい場所にちょこんと置かれる感じで「Newマリオ」の「スターコイン」を集める感覚に似ていましたが、今作は「スーパーマリオ64」寄りになっている印象です。
それと、今作ではカメラの視点をある程度は動かせるようになりました。
中にはカメラの視点を動かさないと見つからないアイテムも存在するので、探索の難易度は前作よりも上がっているように感じます。
やっぱり、3Dマリオと言えば箱庭マップを探索する側面が強いので、探索の難易度が上がっているのは嬉しいですね。
全てのグリーンスター、ハンコを集め、全てのゴールポールの頂点でゴールすると超が付くほどの高難易度ワールドが出現するので、腕に自信がある人は挑戦してみてください。
ぼくはマリオのゲームに関してはある程度の自信があるんですが、そんな者でも50回以上挑戦をしてやっとクリアできるほどの高難易度となっていますw
ハチャメチャなマルチプレイ
今作の大きなセールスポイントになっているマルチプレイ。
これは、予想以上の面白さを感じました!
基本的にはWiiやWii Uで発売された「Newマリオ」シリーズのように1つのコースを最大4人で進めていく形式なんですが、ハチャメチャ感が凄い!
他のプレイヤーを持ち上げて変なところに投げたり、仲間を踏んでハイジャンプしたり。
さらには被りものやボールといった新アイテムのおかげでカオスな展開になりやすくなり、パーティゲームとしても楽しめるようになっています。
個人的にマルチプレイで遊んでほしいのが3-6の「ダッシュレーシング」です。
このコースはダッシュパネルとジャンプパネルを使ってハイスピードで進んでいく形式となっていて、「マリオカート」のようなレースゲームみたいな感覚で楽しめます。
1人でプレイしても楽しめますが、2人以上でプレイすると競争ができるので面白いんですよね。
それと、1-4の「プレッシーのザブンリバー」もおすすめです。
こちらは恐竜のプレッシーに乗って先に進んでいくスライダー形式のコースとなっています。
プレッシーの操作は全員が行うことになり、例えば左へ進む場合、全員が協力してスティックを左に倒さないと満足行くまで動いてくれません。
コース上に柵がないエリアではハラハラドキドキの体験を味わえるので、テーマパークのアトラクションを疑似体験したい方にはぜひ、友達とプレイしてみてください。
充実のミニゲーム
今作はミニゲームも充実しています。
代表的なのが「キノピオ探検隊ステージ」。
このミニゲームではグリーンスターを5枚集めるのが目的となっています。
しかし、操作することになるキノピオ隊長はジャンプやダッシュができないので、マリオのように簡単には行きません。
そこで重要になってくるのがコースに隠された仕掛けです。
コースを色んな角度から眺めてみると高台へ行ける抜け道が見つかり、それまでは取れなかったグリーンスターをアッサリ入手できたりします。
これが妙なアハ体験を生み出してくれて、本編とは違った面白さを感じられました。
余談ですが、本作の1年後には「キノピオ探検隊ステージ」を独立させたWii U「進め!キノピオ隊長」が発売されました。
基本的なルールは共通していますが、仕掛けやボス戦、ミニゲームなどが追加されて1本のゲームとしても楽しめるようになっていますので、こちらもおすすめです。
ミニゲームとしては、前作にも登場した「ミステリーハウス」も続投しています。
こちらは制限時間以内に様々な課題を連続でこなしていくミニゲームなんですが、時間制限が10秒と厳しいのでハラハラするんですよね。
特に終盤の「ミステリーハウス」では数十もの課題を連続でこなす必要があり、時間切れになると最初からやり直しになるので何度も試行錯誤をしました。
最後に紹介するのがある条件を満たすとタイトル画面でプレイできる「ルイージブラザーズ」です。
これは1983年に発売された「マリオブラザーズ」のルイージ版で、画面の中に現れる敵を倒していくのが目的となっています。
「そんなのジャンプで踏めば楽勝じゃん?」と思われそうですが、「ルイージブラザーズ」ではジャンプで踏み潰すことができず、ブロックを叩くことで発生する反動を駆使しないと倒せないので難しいんですよね。
何故、こんなミニゲームが収録されているのかと言うと、Wii U版「スーパーマリオ3Dワールド」が発売された2013年はルイージ生誕30周年だったからです。
この年はルイージが異常なくらいプッシュされていて、本作のほかにも
- 3DS「ルイージマンション2」
- Wii U「New スーパールイージ U」
- 3DS「マリオ&ルイージRPG4 ドリームアドベンチャー」
- Wii U「Dr.LUIGI & 細菌撲滅」
といったルイージの関連作が続々と発売されました。
ぼくもルイージは好きなので楽しい1年でしたね~。
後のシリーズに大きな影響を与えたネコマリオ
今作で初登場したネコマリオは後のシリーズに大きな影響を与えています。
まず触れたいのが、ゲーム情報番組「ニャニャニャ! ネコマリオタイム」です。
この番組は任天堂のYouTube公式チャンネルなどで配信されているんですが、名前を見てもわかるようにネコマリオ(の姿をしたパペット)が進行役を務めているんですよね。
当初はすぐに終わるのかと思っていましたが、7年以上も続く長寿番組となり、その影響もあってネコマリオは数ある変身マリオの中でもメジャーな立ち位置となりました。
さらには2019年に発売されたSwitch「スーパーマリオメーカー2」にも登場するなど本編でも活躍の場を広げていたりします。
人気の要因は壁を登れたりひっかき攻撃ができたりして使い勝手が良いのもあるとは思いますが、一番は可愛いのが大きいのでしょうね。
というか、猫のスーツを着たヒゲオヤジが可愛く見えるって、よく考えたらおかしくないですか?w
これも任天堂の魔力によるものなのでしょうかね?w
惜しいところ
ハンコを集める必要性が薄い
今作には収集アイテムの「ハンコ」が用意されていますが、集めても意味がなかったりします。
というのも「ハンコ」を集めてもMiiverseでしか使えないからです。
Miiverseとは2012年から2017年にかけて展開されていたネットワークサービスで、Twitterのようにアカウントを通じて呟けるほか、イラストを投稿することもできました。
今作の「ハンコ」を集めることでMiiverseでマリオの色んなイラストをハンコのように使えたんですが、サービス終了した今となっては集めても意味がないんですよね。
ちなみにSwitch版では新たに「スナップショットモード」が追加され、集めたハンコを押すことができるようになりました。
こちらはネットワークサービスと連動したものではないので、何年経っても集める必要性はあると思われます。
もっと革新性が欲しかった
今作は素晴らしい内容だと思いますが、欲を言えばもっと革新性があったら良かったのにな~と思います。
良いところで挙げたように、今作はステージクリア型のマリオという枠組みの中で掟破りなことは色々としているんですけどね。
Wii「スーパーマリオ ギャラクシー」を初めてプレイした時ほどの衝撃は感じられず、もっとワクワクさせてほしいと思いました。
やっぱり、いくらコースの仕掛けが多彩でも基本的にはジャンプしてゴールを目指していく感じで世界観やストーリーも似たり寄ったりなので、ある程度は展開が読めてしまうところがあるんですよね。
「誰でも遊べる3Dマリオのスタンダード」を目指そうとした結果とは言え、前作でも同じようなことをやっているだけにもう少し突き抜けてほしいと思いました。
よく今作が売れなかった要因としてWii Uの販売不振が挙げられますが、個人的には前作との違いを上手くアピールできなかった点も大きく感じます。
今作が発売される2年前、3DSで「スーパーマリオ3Dランド」が発売されました。
良いところでも挙げたように今作は「3Dランド」から大幅に進化しているんですが、パッと見は違いを感じにくいので前作で満足してしまった人も多いと思うんですよね。
そうそう、革新性と言えば、本作が発売されてから4年後に出たSwitch「スーパーマリオ オデッセイ」。
あれは3Dマリオに革命を起こしましたね。
マリオとしては掟破りの現実世界がステージとして登場したり、帽子を投げることで敵キャラクターを操作できるようにしたり、15年ぶりに箱庭探索型を採用していたり。
根本的な部分を変えてくれたので、久しぶりに全く新しいマリオ本編が出てきたと思いました。
DS「New スーパーマリオブラザーズ」が大ヒットしてからのマリオは万人向けを意識しすぎてしまった故にマンネリが付き纏っていたので、「オデッセイ」で一皮むけたのは嬉しかったですね。
スーパーマリオ3Dワールドのレビューまとめ
あくまでも3DS「スーパーマリオ3Dランド」をベースにした作品ですが、そのパワーアップぶりが「2」の域を超えていて同作の欠点を徹底的に潰しています。
「スーパーマリオギャラクシー」シリーズほどの衝撃はないものの様々なアイデアが詰まっていて、任天堂の本気を久しぶりに垣間見れました。
革新性は低いものの、徹底的に磨かれた作品。
こんな人には特におススメ。
・シリーズファン。
・マルチプレイ好き。
・ジャンプアクションゲームファン。
こんな人にはおススメできない。
・どうしても箱庭マリオじゃないとダメな人。
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WiiUになってしまってから、マリオがプレイできていないのが、非常に残念です…。
今のWiiくらい中古が安くなったら、本体ごと買って、まとめてプレイしたいです!!
10年後くらいか??