
ゼノブレイドクロス/Wii U
どうも!KENT(@kentworld2 )です!
今回は2015年4月に発売されたWii U「XenobladeX(ゼノブレイド クロス)」のレビューをしていきます。
Wii U「ゼノブレイドクロス」はオープンワールドのRPGです。
開発は前作Wii「ゼノブレイド」と同じくモノリスソフトが担当。
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- オープンワールドマップを舞台にしたRPG。
- アバターキャラクターを作成してストーリーを進めていく。
- ゲームを進めるとロボットに乗って広大なフィールドを飛び回れる。
初リリース日 | 2015年4月28日 |
対応ハード | Wii U |
ジャンル | RPG |
売上 | 初週8.6万本/累計11.0万本 |
推定クリア時間 | 50~80時間 |
発売元 | 任天堂 |
良いところ
ビックリするくらい広大でどこにでも行けてしまうフィールド
オープンワールドと謳っているだけあってフィールドの作り込みは凄い作品でした。
例えばスクリーンショットに映っている崖や滝。
これらの場所にも本当に行けてしまうんですよ。
国産タイトルの場合、2015年や2016年になっても見えない壁で嘘を付いた作品が多いけど、このゲームはフィールド面に関してはほぼ嘘をついていません。
フィールドの広さにも驚いてしまいました。
大陸は大きく分けて5つありますが、それらをシームレスに移動が可能で、当然ながらも街の出入りもロード時間を挟みません。
中盤になるとドールというロボットを操作することが可能になり、上空を移動できるようになりますが、ここまで大規模のゲームを日本が作ったのかと驚いてしまいました。
フィールド面に関しては海外のゲームに負けないくらい凄い作品です。
脇道の数が凄い!
フィールドが広大なゲームは今時、大して珍しくありません。
そんな中で本作のフィールドに驚いたのは前作よりも立体感があってクリアに関係のないロケーションが多彩だからです。
遥か上空に存在する浮島。目立たないところに建っている要塞。地下に繋がっている洞窟。
コンテナしかない街の下層など、フィールドを探索していると「こんなところまで作っているのか!?」と驚いてしまいます。
それぞれ発見すると経験値やお金が手に入るので、探す価値はありますよ~。
フィールドの探索が楽しい!
そして忘れちゃいけないのが探索をする楽しさです。
最初のうちは広大なフィールドを走り回っているだけでも楽しいですが、広大過ぎて密度は薄いのでそれだけだと飽きてしまうんですよね。
ですが、Wii Uゲームパッドに表示されるマップのマスを埋めていくと楽しくなっていきます。
マップのマスを埋めるにはクエストをクリアしていく他、特定の場所に機械を設置したり、特定の財宝を発見したり、特定のモンスターを倒す必要があるんですが、それらを探す過程が楽しいです!
特に楽しかったのが財宝探しです。
マップに表示されるので一見すると簡単そうですが、中には地下の隠し洞窟にあったり、上空の浮島にあったりするから油断出来ません。
気が付けば探索に夢中で何時間もプレイし続けてしまいました。前作とは違ってジャンプして行かないと進めないところが多いので、クリアまでに何万回もピョンピョン飛びまくっていましたね。
移動が快適
オープンワールドのゲームでありがちな移動の面倒さは極力排除している印象です。
前作に続いてワープポイント(ファストトラベル)が多く、快適に移動出来ます。
ロード時間もフルインストールをしていれば問題ないレベルで、あちこちの大陸に行ってもさほどストレスを感じません。
移動が快適なのもあって止め時を失って一気に何時間もプレイして徹夜をしてしまいました。
パズル要素が面白い
特定の場所に機械を埋めていくとマップの情報表示が増えるほか、観光収益を稼ぐことができるようになります。
このゲームは最終的にお金が物を言うようになるので、観光収益はとっても大切な要素。
観光収益を増やすには設置する機械と場所の組み合わせによって変わるので、ちょっとしたパズル要素を楽しめるんです!
同じ種類の機械を組み合わせてボーナスを狙うのか?それともエリアに合った機械を設置して行くのか悩ましい!
コンボは隣り合った機械でしか成立しないので、できる限り繋げていくためにも間に存在する設置場所を夢中で探しまわってしまいました。
寄り道が楽しい
オープンワールドのRPGだけあって、寄り道が楽しいです!
寄り道は探索だけではなく、サブクエストをこなすことでも楽しめます。
そのサブクエストなんですが、前作以上にイベントシーンが作り込まれているんです!
特にキズナクエストと呼ばれるものはイベントシーンがフルボイスになっていて、中にはアニメ1話分相当の密度あるストーリーが展開されるので驚きました。
それ以外にも拠点のコーディネイトを楽しんだり、オンラインのクエストを楽しんだりとお楽しみ要素は盛り沢山です。
フィールドの広大さと相まってボリュームはとんでもないレベルだと思いました。すべてを極めようと思ったら、500時間はかかりそうです。
奥が深い戦闘システム
戦闘は前作に続いて位置取りが重要なリアルタイムのコマンドバトルになっていました。
特徴的なのが、回復手段です。なんと、技を使って回復することはできないので、やみくもに戦っていたらダメージを与えられても体力がなくなってしまうんです。
回復は仲間のボイスに合った技を選択したらできるので、どのような技をセットするのか?どのタイミングで使うのかが悩ましく、戦略性が高く感じられました。
それ以外にも部位破壊。向きの概念。属性の概念。ロボットを使ったバトル。テンションゲージなど様々な要素が存在して、カスタマイズ性の高さと相まって奥が深いです。
これだけ奥が深いとクリアまでに何百回やっても飽きませんね!
戦闘ボイスが満載!
戦闘時はとにかくキャラクターがしゃべります!
今作ではなんと1万以上の戦闘ボイスが収録されているので驚きました。
このゲームの主人公はアバターでボイス選択ができるんですが、男女合わせて非常にたくさんのバリエーションが用意されているんです。
主人公は1人しかいないため一見すると無駄に感じますが、オンライン機能を使って見知らぬ人のアバターを仲間にして雇えるので、その時にボイスのバリエーションによる恩恵を味わえました。
王道、ライバル、熱血、優等生、中二病などのアニメでは王道のタイプはもちろん、関西弁や萌えキャラ。
さらには前作の主人公、シュルクと同じ声だって選ぶことが出来ます。
なんとアバターだけで20人の有名声優を起用しているんだからバカですよね(ほめ言葉)。
せっかくなので色んなアバターを雇ってバトルを楽しみましょう!
個人的に合わない&気になったところ
開発者のエゴが目立つメインストーリーの進行形式
「これだけ沢山の寄り道要素を作ったんだから、プレイヤーに寄り道してもらおう!」
そう感じてしまうのは無理もないと思いますが、それにしたってエゴが目立ちました。
メインのストーリーを進めるのに特定のサブクエストを強制的にプレイさせるのはまだしも特定のエリアの達成率を○○%にしないとダメだったり、特定の仲間との好感度を一定数まで上げる必要があったりして、遠回りさせられている感がすごいです。
特に遠回りさせられている感が凄かったのが、ロボット(ドール)関連です。
ロボットは初期状態だと乗ることは出来ず、免許を取得することになるのですが、その免許を取るまでにいくつものクエストをクリアしないといけないんです。
それもハック&スラッシュが強いものだったり、アイテム探しだったりと面倒なものばかり。
ロボットの免許やフライト機能は最終的に必須なので結局のところそれらと絡んだサブクエストは寄り道とは言えず、やらされている感が強く感じられました。もう少し上手く本編と絡めてほしかった。
ストーリーがあまり面白くない
ストーリーはあまり面白く感じられませんでした。
ヒロインのリンは可愛いし、ノポン族のタツは噛ませ犬で面白く、エルマの冷静な態度も好感が持てますが、肝心のストーリーは説明的で難解な部分があり、イベントシーンの多くは無駄に長くて棒立ちなので退屈な部分が目立ちます。
最後のアレを含めて、ストーリーはあまり期待してはいけない作品だと思いました。前作と比べてSF色が強くなっていて、開発者の趣味が強く表れています。
無駄に細分化されたシステム
このゲーム、システムが細分化され過ぎていて本質がボヤけているところがあります。
特にそれを感じたのが、レベルシステムの細分化です。
キャラクターのステータスが変化する一般的なレベルだけではなく、スキルや技のレベル。活動レベル。探索時に必要な3つのフィールドスキルレベル。
新たな商品を開発する複数企業のレベルなど、一体、いくつのレベルを用意したら気が済むのかというくらい細分化されています。
特に3つのフィールドスキルレベルは「これ、要るのか?」と思ってしまいました。
フィールドスキルが足りないせいで財宝を入手出来なかったり、機械をエリアに埋め込めなかったりして萎えましたもん。
しかもこのゲーム、難易度が高めに設定されているので、最終的にはほとんどのシステムを理解しないといけないんですよ。
ゲームをクリアするには非常に複雑なゲームシステムを理解する必要がありるため、簡単にはクリアできないようになっています。
それだけに達成感はありますが、もう少しスマートにまとめてほしかった。コアユーザーが好むタイプのゲーム=ゲームシステムが複雑なゲームではないと思います。
全体的に不親切
色々と複雑でボリューム満点のためか、プレイヤーへの配慮が足りないと思いました。
膨大過ぎるゲームシステムの多くはしっかりとしたチュートリアルが存在せず(説明書も説明不足)、一度パーティから外したメンバーは広大な街を探索して再度仲間にする必要があり、クエストの中には膨大過ぎるフィールドでランダム出現するアイテムを集めるというものがあって下手をしたら詰んでしまうレベルです。
ぶっちゃけ、攻略サイトに頼りまくってしまいました。
悪い意味でオンラインゲームを参考にして作ったのでしょうか?
コンシューマーの買い切り型ゲームで攻略サイトありきな仕組みは好感が持てません。
開発はモノリスソフトとは言え、一応、初心者に優しい任天堂のゲームですしね。
導入部分がイマイチ
最初の5時間くらいの印象はイマイチに感じてしまいました。
ゲームを開始してから早い段階で自由にフィールド移動できるのは良いけど、それ以外は悪い部分ばかりが目に付きます。
快適にプレイするのであれば長すぎるダウンロード&インストール時間に耐え、街に到着してからはプレイヤーが置いてきぼりになるほどの説明イベントが入り、複雑すぎるシステムを一気に覚えなければならず、PS2時代によく見かけた悪い意味での重厚長大なRPGを彷彿とさせてくれました。
この辺りは拠点を一ヵ所に集中させたオープンワールド型の弊害ですね。
疑問に感じるゲームバランス
非常に複雑なゲームなので、バランス取りが難しかったのでしょうか?
プレイ中、何度も首をかしげてしまうゲームバランスに感じてしまいました。例えばどこのフィールドにも絶対に勝てないレベルの敵がウロついているんですよ。
前作でも絶対に勝てないレベルの敵は存在しましたが、今作の場合は明らかにプレイヤーの進行を妨げるような場所で待ち構えていて、シチュエーションによってはステルスアクションゲームみたいに強敵に見つからないよう奥へ進み、イベントをクリアしていくことがありました。
オンライン要素もゲームバランスを考えると必要だったのか疑問です。
このゲーム、お金を払えば非常にレベルが高くて強い味方を雇えるんですよ。
それを上手く利用すれば短時間でレベルが上がってクエストをこなしていく必然性が薄れてしまいます。
報酬チケットを使えば大抵のアイテムが手に入ってしまい、ハック&スラッシュをしなくても良いのも疑問に感じてしまいました。
クリア必須のサブクエストの中には何十回も同じ敵と戦ってレアアイテムを入手していくことになるのですが、報酬チケットを使えばそんなアイテムを簡単に入手できるんですよね。
それを知ってズッコケました。
さらに問題なのがロボット(ドール)での戦闘がメインになってからです。
ロボットは非常に戦闘能力が高く、生身の状態よりもずっと有利に戦えるのですが、それが使えるようになってからは敵も極端に強くなって難易度の階段が急になっていきました。
10章辺りからはロボットがいないと絶望するくらい敵が強くなります。
ロボットは購入するのにお金がかかるし、壊れてもお金かかるのでリスクが大きいんですよね。
とにかく極端過ぎるバランス取りで、解決策が分かるまでは絶望して投げたくなる時もあったくらい。
映像表現に説得力がない
初めてこのゲームをプレイした時、説得力のない映像表現に違和感を持ちました。
グラフィックこそはオープンワールドのRPGとしてみたら問題ないレベルだと思います。
でも、戦闘の描写は説得力がありません。
近接攻撃はある程度離れていてもダメージ判定ありますし、敵・味方問わず、大ダメージを与えた(受けた)時のリアクションやエフェクトが弱いため、画面に表示された数字を見ないと「え?今、そんなにもダメージ受けたの?」と思ってしまいます。
この辺りは前作Wii「ゼノブレイド」も同様でしたが、今作はグラフィックのクオリティが1世代上がってフォトリアルと言えるレベルになっただけに説得力のない映像表現がそのままだと違和感が強まっているように感じてしまいます。
多くの敵は実体化しておらず、体の中に入れたり、街で走っている車にぶつかっても吹っ飛ばされずそのまますり抜けてしまうのも萎えてしまいました。
どうやら作る量が多過ぎて力尽きてしまったようです。
フィールドに関しては崖をジャンプで細かく登れたりして頑張っているのにね。
前作とはあまりにも異なる作風
これは一概に悪いことではありませんが、作風は前作とはあまりにも異なっていました。
ストーリーは王道のファンタジーから難解なSFチックなものに変化。
進行形式もどんどん奥の世界へ進んでいく物から1つの拠点から各エリアへ行き来するものに変化。
BGMは王道の熱いものからアメリカンテイストなストリート系に変化。
前作の名残も多少はありますが、作風はかなり変わっています。
前作の王道的なものを求めていると複雑過ぎて癖のあるゲーム内容以前にまずはこの変貌を受け入れなければなりません。
これだけ変わっているとマンネリ感は全然なくてそこは良かったんですけどね。
「ゼノブレイドクロス」という前作譲りのタイトルは誤解を与えるので、「ゼノドールワールド」など名前を新しくした方が良かったと思いました。
XenobladeX(ゼノブレイド クロス)のレビューまとめ
良い点と悪い点が極端なゲーム。
「なんだこのクソゲーは!?」と思うこともあれば「止め時が見つからない!最高!」と思うこともあって、プレイ中は評価がブレブレしてしまいました。
最終的には無難なところに落ち着きましたが、表面上の数字だけでは表せないくらい印象に残る作品で、国産RPG好きはプレイして損はありません。
楽しめるのかどうかは置いといて、これだけ詰め込まれた国産RPGは他にありませんから!
悪いところも含めて胸に刻み込まれる作品です。
めちゃくちゃ面白くてめちゃくちゃ粗いゲーム。
プレイスタイル次第では最高のゲームになりますし、逆に最悪なゲームになります。
どちらの感想も間違っているとは思えず、それだけ、人を選ぶゲームになっていました。
こんな人には特におススメ。
・探索好き。
・積極的に寄り道したがる人。
こんな人にはおススメできない。
・ストーリー重視。
・受動的にプレイする人。
ゼノブレイドクロス/お気に入り度【75/100%】
プレイした時間・・・約55時間
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