【レビュー】逆転裁判5 [評価・感想] 低難易度化は一長一短!

2013年7月に発売されたアドベンチャーゲーム、3DS「逆転裁判5」。
裁判で矛盾を暴きだすシリーズのナンバリング5作目で、
前作から実に6年ぶりとなるナンバリングタイトルとして発売されました。
今作がどんな出来だったのか、本記事でレビューしたいと思います。

▼みんなキャラが立っている!主人公は3人!

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全部で5つのストーリーが用意されている「逆転裁判5」。
主人公はストーリーによって異なっており、全部で3人いました。
1人目はシリーズではお馴染みの成歩堂龍一(ナルホドくん)。
2人目は「4」で主人公を務めた王泥喜法介(オドロキくん)。
そして3人目は初登場の希月心音(ココネちゃん)。

それぞれ同じ事務所の弁護士なんですが、役割がしっかりとしており、
みんなキャラが立っていて良い味を出していました!
ナルホドくんは歳を取っておっさんになって少し落ち着いていますが、
裁判では相変わらずのハッタリっぷりを見せてくれます。
時にはおっさんになった事による弄りも見られて少し笑った。

オドロキくんはナルホドくんと少しキャラが被っているところもありましたが、
事件の被害者になるなど印象に残る役を持って行って影が薄いとは感じませんでした。
初登場のココネちゃんはとっても元気いっぱいの女の子で、
裁判での喜怒哀楽いっぱいのリアクションを見るのが面白かった。
しかし、そんな彼女にも”影”があり、そこがキャラクター性をより深めている気がしました。

▼もはや裁判とは思えない!超個性的なキャラクター!

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事件に関わるキャラクターは相変わらず個性的で、普通の人はいないのかと思ってしまうほど。
今作では全キャラクターが3Dポリゴンで描かれているんですが、
それも相まってキャラクターの動きを見るのが凄く面白かった。

クオリティも凄かったですよ。「え?3DSでここまで自然な
3Dのアニメキャラクターを動かせるの!?」
と思ってしまうほど。
キャラクターの3Dポリゴン化はゲームの躍動感を大きく上げるのに役立っています。

▼独立しているようで繋がっている!5つのストーリー

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前述の通り本作には全部で5つのストーリーが用意されています。
ネタバレ抜きでそれぞれの感想を書かせていただくと・・・。

第1話
⇒チュートリアルも兼ねた話だと思いますが、
 あとに繋がる伏線が沢山張られていて、クリア後にもう一回プレイしてしまった。
 体験版で何度か見た事のある話だったけど、製品版向けに色々と付け加えられて
 新鮮に楽しむ事が出来ました。ただ、最初の話と言う事もあってちょっとアッサリだったかな。

第2話
⇒妖怪をテーマにした話。この話は長ったらしくてあまり楽しめなかった。
 犯行のトリックを暴くのは面白かったし、この話のみ出演する
 クマベエはリアクション、キャラクター性ともに良かったけど。

第3話
⇒学園が舞台の話。登場する生徒、教師みんなが
 重大な秘密を隠し持っていて、意外性の高い話でした。
 変貌した一路先生は全登場キャラクターのうち一番リアクションが面白かった。

第4話
⇒宇宙センターが舞台の話。お話自体はそこまで悪くは無かったけど、
 この話で初登場する登場キャラクターは”面白さ”よりも”不快さ“が先行する事ばかりで
 あまり好きではありません。最後のオチは予想出来なかったけど。

第5話
⇒これまでの話で張られた伏線が繋がっていき、最終話らしい内容でした。
 また、「4」に繋がる描写もあり、上手くまとめています。
 事件の黒幕周りはもう少し描いて欲しかったところですが・・・。

▼常識を覆しまくる展開

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どうしてもゲームって、いくつかのテンプレートが出来上がって
それを繰り返して行く形になると思います。でも、今作でもゲームの流れを
極力パターン化させないよう常識を覆しまくっているような気がしました。

例えば裁判パートでは証人の証言を聞いて「ゆさぶり」、「つきつける」という
パターンが出来上がりがちですが、そこに選択問題や怪しい部分の指定、
前作から登場した「みぬく」システム、新登場の「ココロスコープ」など
ゲームに介入できる様々なシステムを挿入したり、ストーリーを2転、3転させたりと
プレイヤーを退屈させない工夫を随所で感じられました。
本作のメインディッシュである裁判パートは満足ですね。

▼難易度の低下は一長一短

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ゲームの大まかな流れは、裁判パートと捜査パートを交互に行う事です。
捜査パートで事件の情報を得て、裁判パートで矛盾を暴き、
被告人の無罪を証明する。こんな感じですね。

難易度はかなり低めに設定されていると思います。
というのも捜査パートでは調べられる物をすべて調べたら強制的に捜査終了になるし、
裁判パートでは選択肢を間違えてもすぐ前からやり直しが可能で、
何度も間違えるとヒントを教えてくれるからです。

この辺りは一長一短で、良い点でもあれば悪い点でもあると思います。
良い点としては、テンポが良くなった事でしょうか。
アドベンチャーゲームはあくまでもストーリーがメインであって、
ストーリー見たさで先に進めて行くものです。そこで変に難易度を上げると
ストーリーが気になるのになかなか先に進めず、ゲーム性が邪魔しているように感じてしまいます。

なので、難易度が下がったおかげでスムーズに
進められるのは良いなーと思いました。個人的には
文章をよく読んで「矛盾」を探すのは、楽しいけど苦手ですし。

逆に悪い点としては、”やらされている感“が出ている事です。
裁判パートでは的外れな”つきつける”をしたり、選択肢を間違えたりしたら
ゲージが減り、ゼロになるとゲームオーバーになるんですが、
前述の通りすぐ前からやり直すことができます。

これまではもう少し前からやり直しだったのでゲームオーバーになる
緊張感があったんですが、今作にはそれはほとんどありません。
あくまでも演出みたいなもので、少し時間はかかるけど総当たりでもいけてしまいます。
個人的にはこの点は良いと思いました。確かにゲージの必然性は薄れているけど、
だいぶ前に戻されてまた同じ話を長々と読むのも苦痛なので。

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ただ、操作パートで調べられる物をすべて調べたら強制的に捜査終了になるなど
簡略化されているのはダメでした。だって、探索の楽しさが全然ありませんもん。
捜査パートは基本テキストを読むだけのように感じられ、
しかも話が説明的で淡々としているので”パンの耳”みたいなものだと思ってしまった。

▼インターフェースの向上は嬉しいが、欲を言えば・・・

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今作では新たに過去の文章を読み返せる機能が追加されました。
この機能が追加された事によってわざわざ同じ事を証言者の訊く必要が無くなったし、
一部の謎解きでは過去の文章を読み返せる事によって詰まりにくくなって、物凄く助かっています。
また、Bボタンを押す事で文章を一括表示できるようになった事も地味嬉しい。

欲を言えば、捜査パートでキャラクターに同じ事を2度も質問した時、
キャンセルできるようにしてほしかった。あれ、質問の答えが長くて
Bボタンの一括表示をやりまくってもイライラするんですよね。

▼面白い事は面白いが、もう一歩!

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全体的には意外性のある物語で、先の展開が知りたくて
中盤以降は熱中してプレイしてしまいました。でも、良作と言われるともう一歩かなー。
裁判パートは概ね満足なんですが、捜査パートが色々な意味でダメだった。

捜査パートのストーリーは裁判パートに比べたら大人しく、説明的なので面白くないですし、
おまけに探索の簡略化によって”やらされている感”が増していますから。
捜査パートでは何度か寝落ちしてしまいましたよ・・・。

あと、文章に関してもやっぱり巧舟さんが関わっていない事もあって
あまり面白いとは思わなかった。悪くは無いんですけどね。
難易度が低いおかげでスムーズに進められるところはあったけど、
テキストはもう少し綺麗に削ってスピード感を持たせた方が良かった気がします。

こんな人には特におススメ。
・シリーズのファン。
・矛盾を探すのが苦手な人。
・探索が苦手な人。

こんな人にはおススメできない。
・探索好き。
・難しいミステリーゲームを求める人。

逆転裁判5/お気に入り度【70/100%】
プレイした時間・・・約23時間
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