どうも!KENT(@kentworld2 )です!
今回は、生産終了したニンテンドー3DSの10年間を振り返っていきたいと思います。
2011年に発売されたニンテンドー3DS。
国内だけで2,500万台以上を売り上げ、誰もが持っているゲーム機となりましたが、2020年9月をもって全てのモデルが生産終了となり、歴史に幕を閉じました。
そこで、今回は3DSとはどんなゲーム機だったのか、西暦順に振り返っていきます。
先に触れておきますが、3DSの10年間は決して順風満帆ではなく、特に初期の頃の風当たりは厳しいものでした。
ここからはその辺りも含めて語っていきますので、最後までご覧ください。
目次
ニンテンドー3DSとは?
3DSとは、ニンテンドーDSに続く任天堂の携帯ゲーム機で、2011年2月26日に発売されました。
最大の特徴が、裸眼立体視です。
2011年当時、3D映像が大ブームとなっていましたが、それらは3Dメガネが必須だったんですね。
一方、3DSはメガネなしで立体的な映像を楽しむことができたので、発売当時は「メガネがいらない3DのDS」というキャッチコピーで売り出されていました。
マシンパワーも前世代機となるDSから大幅に向上。
単純には比較できませんが、任天堂の据え置き機で表すとN64からWiiレベルに引き上げられました。
さらにハードスペックだけではなく通信面の性能も大幅に向上し、無線機能をONして条件を満たせば
- 最大12タイトルのデータ交換
- 様々なデータを”いつの間”にか受信
といったことができるようになりました。
それ以外にも
- 360度傾けられる「スライドパッド」
- 立体的な映像を撮影できる「3Dカメラ」
- 本体を傾ける遊びを楽しめる「モーションセンサー&ジャイロセンサー」
- 大幅に拡張した「ゲームカードの容量」
と、あらゆる部分がDSからパワーアップし、裸眼立体視以外にも見どころが多いゲーム機でした。
しかし、様々な不運が重なってしまい、3DSのスタートは厳しいものとなります。
一体、何があったのでしょうか?
ここからは西暦順に振り返っていきます。
2010年:高まる期待と僅かな不安
3月に緊急発表!
ニンテンドー3DSの存在が明らかになったのは、2010年3月23日です。
当時は裸眼立体視とDSとの互換性をアピールしており、対応タイトルは同年6月に開催されたE3 2010まで明かされませんでした。
↑こちらは当時慌てて公開した速報記事。
裸眼立体視とDSとの互換性をアピールしていたのでその部分について全面に触れています。
それから3ヶ月後の2010年6月。
ついに3DSの対応タイトルが一斉に発表されます。
「大乱闘スマッシュブラザーズ」や「星のカービィ」を手掛けた桜井政博さんの新作「新・光神話パルテナの鏡」。
N64で生まれた歴史的名作「ゼルダの伝説 時のオカリナ3D」のリメイク作。
さらには
- キングダム ハーツ3D
- バイオハザード リベレーションズ
- リッジレーサー3D
- メタルギア ソリッド スネークイーター 3D
- 戦国無双 Chronicle
など、どちらかと言うとPSで人気を博していたようなシリーズの最新作が3DS向けに発表されました。
しかも前世代機となるDSで発売された関連作とは違い、本編と遜色のないクオリティで作られていたので、発表された当時は衝撃が走ったものです。
何故、従来の任天堂ハードでは見られなかったタイトルが発表されたのでしょうか?
そこには任天堂の外交戦略がありました。
当時の任天堂ハードではサードパーティのタイトルが売れにくく、任天堂自身もコンプレックスだったんですね。
この点に関してはゲーマーや投資家にも指摘されがちなポイントだったので、3DSでは改善しようと動きました。
価格発表で暗雲が・・・
2010年9月29日。
ニンテンドーカンファレンス2010にて3DSの発売日や価格が発表されましたが、いずれも大方の予想を下回る発表でした。
当時、3DSは2010年末に2万円以下で発売されるのが大方の予想だったんですが、実際に発表された発売日は2011年2月26日。価格は25,000円だったんですね。
そのためネット上では
とガッカリするユーザーが続出。
当ブログのコメント欄でも残念に感じる読者が多く見受けられました。
発売日が予想よりも遅いのは百歩譲るとして、なぜ、任天堂は携帯ゲーム機をこんなにも高い値段で売り出そうとしていたのでしょうか?
そこには強い自信がありました。
当時の任天堂はDS/Wiiの大ヒットによって業績が絶好調で、2010年3月期の売上高は1兆4,343億円。営業利益3,565億円を計上。
これは前年度の売上高1兆8,386億円。営業利益5,552億円を下回ってはいますが、依然として高水準だったんですね。
また、3DS本体に
- すれ違いMii広場
- ARゲームズ
など大量の内蔵ソフトを最初から収録することで付加価値を持たせ、そのうえで圧倒的なブランド力を持ったタイトル群を早期に発売する計画が進んでいました。
当時の任天堂はそう考えていたのだと思われます。
2011年:波乱万丈の1年目
発売に向けての前夜祭
2011年1月8~10日。
3DSの体験イベントが千葉の幕張メッセにて開催されました。
来場者は約26,000人。当時はぼくも参加して盛り上がったものです。
ただ、当日に発表されたロンチタイトルはガッカリしました。
以下、3DSのロンチタイトルです。
- nintendogs + cats(初週6.4万本)
- レイトン教授と奇跡の仮面(初週12.0万本)
- 戦国無双 Chronicle(初週4.9万本)
- スーパーストリートファイターIV 3D EDITION(初週4.5万本)
- リッジレーサー3D(初週3.8万本)
- ウイニングイレブン 3DSoccer(初週2.5万本)
- コンバット オブ ジャイアント ダイナソー3D
- とびだす!パズルボブル 3D
何がガッカリなのかと言うと、任天堂からは「nintendogs + cats」しか発売されなかったことです。
「ゼルダの伝説 時のオカリナ3D」や「新 光神話パルテナの鏡」が出るのかと思われていたのに・・・。
その一方でサードパーティからは「戦国無双」「リッジレーサー」「レイトン教授」シリーズ最新作が発売されたのでこちらはなかなか豪華に感じます。
どうやら任天堂としては自社が出しゃばらないよう意図的にスポットをサードパーティに当てる戦略に出たようです。
しかし、この戦略が裏目に出てしまいます。
ついに発売!
2011年2月26日。発表から約1年が経ってついに3DSが発売を迎えました!
発売週の売上は約37万台。
DSの約44万台と比べたらやや下がりますが、まずまず好調な出足と言えると思います。
発売2週目も約20万台を販売。
さすが一世を風靡したDSの後継機だけあって出足はなかなかの物だったと思います。
悲劇の始まり
順調にスタートを切ったかのように見えた3DSですが、ここから様々な不運が重なってしまい、販売台数にブレーキが掛かります。
まず訪れた不運が、2011年3月11日に発生した東日本大震災です。
東日本大震災は東北を中心に起こった大地震で、各地で大被害が巻き起こりました。
その影響で日本全体が過度の自粛ムードに包まれ、経済への悪影響が発生。
ゲーム業界も例外ではなく、3DSはプロモーション展開を自粛せざるを得なくなり、販売ペースは鈍化。
震災が発生した3週目の売上は約10万台と半減し、4週目は6万台、7週目は3万台にまで低下します。
この販売推移は普通のゲーム機としてみたら悪くはありませんが、前世代機となるDSを大きく下回っているので、当時は苦戦していると見られていました。
頼みの綱となるタイトルも軒並み延期。
任天堂は一転して大ピンチを迎えてしまいます。
有力タイトルで巻き返そうとするものの・・・
震災の自粛モードが解消されつつあった2011年6月。
有力タイトルとして「ゼルダの伝説 時のオカリナ3D」が発売されます。
本作は1998年にN64で発売された「ゼルダの伝説 時のオカリナ」のリメイク作で、ファンの間では歴史的な名作と名高く、期待度は相当なものでした。
しかし、発売週の売上は約16万本と中ヒットに留まり、本体を牽引するには至らなかったんですね。
任天堂はめげずに2011年7月には新色のフレアレッドと有力タイトルの「スターフォックス64 3D」を発売しますが、これらを持ってしても3DSの勢いは戻りませんでした。
PSVITAの価格発表で絶体絶命の大ピンチに!?
3DSの不調がネット上で囁かれていた2011年6月。
ライバルハードとなるPSVITAの価格が発表されましたが、3DSにとっては非常に分が悪い価格設定でした。
PSVITAは当時の携帯ゲーム機としては非常に高性能で、据え置き機でいうPS3よりもやや低いくらいのマシンパワーがあったんですね。
にも関わらず低価格のWi-Fi版は24,980円であると発表!
これは当時の3DSよりも20円安く、「アンチャーテッド 地図なき冒険の始まり」などの有力タイトルが発表されたので、ネット上ではPSVITAに関心が流れていました。
さらに追い打ちをかけたのが、3DS向けに発売が予定されていた「ロックマンDASH3」の発売中止です。
「ロックマンDASH3」は3Dアクションアドベンチャーゲームで、根強い人気を誇っていたシリーズの3作目だったんですが、2011年7月。
様々な事情で発売中止になってしまいます。
当時は3DSの不調が囁かれていただけに、不安を煽るような発表でした。
1万円の電撃値下げに踏み出す!
販売ペースの低下。
有力タイトルの発売延期&発売中止。
期待が高まるPSVITA。
3DSにとって不利な話題が続出するなか、任天堂が大胆な策に出ました!
なんと、2011年8月11日から3DSを15,000円で販売することを発表したんです!
発売から僅か半年で実に10,000円もの値下げで世間に衝撃が走りました。
あまりにも早い大幅値下げにネット上ではかつてないほどの論争が巻き起こります。
発売日に買って損したと怒る人。英断だと絶賛する人。
本当に多くの意見が飛び交いました。
補足しておきますが、値下げ前に購入した人へのフォローが全く無かった訳ではありません。
任天堂はアンバサダープログラムという形でファミコンソフト10本とゲームボーイアドバンスソフト10本。
計20タイトルを、値下げ前に購入した人へ無償提供します。
これらのタイトルを合計した金額は10,000円を優に超えるので、個人的には有り難く頂戴しましたが、この件を受けて任天堂への不信感を持ってしまった人が多く見られました。
勢いを取り戻す3DS
大幅値下げをした2011年8月。
値下げ週の売上は約20万台と前週から大きく持ち直しました。
そして2011年9月。
「モンスターハンター」シリーズ2作が3DS向けに発売されることが発表され、ゲーム業界にさらなる激震が走ります。
というのも当時の「モンスターハンター」シリーズはPSPというプレイステーションの携帯機を中心に展開されており、続編は後継機のPSVITAで発売されるものだと思われていたからです。
当時は至るところでそんな声が聞こえてきました。
1万円の大幅値下げ、立て続けに発表された「モンスターハンター」シリーズ関連作。
これらの影響を受けて3DS本体の販売ペースは大幅に加速します。
2011年の年末商戦で大爆発!
3DSに良い流れが出てきた2011年末。
以下のような3本のビッグタイトルが発売されました。
- スーパーマリオ3Dランド
- モンスターハンター3G
- マリオカート7
いずれも200万本以上の大ヒットを記録。
特に「マリオカート7」は発売から8年が経っても継続的に売れ続けるモンスタータイトルとなりました。
本体の販売ペースも絶好調で2011年12月第4週には51.1万台を販売。
なんと、発売週を上回るほどの売上を記録したんです!
2011年末商戦でのバカ売れによって3DSの累計販売台数は300万台、400万台、500万台をあっという間に達成。
2005年末のDSを彷彿とさせるような勢いを見せてくれました。
任天堂がインターネットでの展開を本格化!
2011年5月にはTwitterアカウントを開設。
関連タイトルのTwitterアカウントも続々と開設します。
そして2011年10月にはニンテンドーダイレクトを発足!
ニンテンドーダイレクトは任天堂自らがメディアを介さずゲームファンへ情報を直接!
発信する映像コンテンツで、当時の社長だった故・岩田聡氏がYouTubeなどを通じて配信する形を取っていました。
何故、このような映像コンテンツを発信するようになったのかと言うと、任天堂が何らかの情報を発表した際、メディアを通じて歪んだ形で拡散されてしまうことが問題視されていたからなんですね。
まとめサイトなどの個人メディアはもちろん、新聞メディアまでもが任天堂の情報を曲解して取り上げる。
インターネット上ではそのようなことが日常茶飯事だったので、ニンテンドーダイレクトという形で正確な情報を任天堂自らがお届けすることにしたんですね。
また、2011年以前の任天堂はインターネット上での露出度が低く、ユーザーの間では一部を除いて話題になりにくい傾向にあったので、そういう意味でもニンテンドーダイレクトの発足は良かったと思います。
そんなニンテンドーダイレクトは1回目から大好評で、配信される度に大きな話題となりました。
また、この番組をきっかけに当時社長だった故・岩田聡氏の知名度が急上昇。
両手を下げながら「直接!」と発するポーズがトレードマークになり、体を張った演出を行う度に話題になりました。
残念ながら2015年に胆管腫瘍のためお亡くなりになられましたが、日本で最も知名度が高く、愛されたゲーム会社の社長は誰なのか?
と訊かれたらぼくは迷わずに彼を挙げます。
2012年:絶好調の裏に隠された問題点が発覚!
ヒット作を連発!3DS絶好調!
圧倒的な売上を記録した2011年末。
3DSの勢いは留まることを知らず、2012年にも大ヒットを連発します。
2012年1月には「バイオハザード リベレーションズ」を。
2012年3月には「新・光神話パルテナの鏡」「キングダム ハーツ3D」を発売し、いずれも30万本クラスのヒットを記録。
2012年4月には「ファイアーエムブレム覚醒」が。
2012年5月には「マリオテニス オープン」発売され、いずれも30~40万本クラスのヒットを記録し、シリーズのリブートに成功します。
そして2012年7月には「New スーパーマリオブラザーズ 2」を。
2012年11月には「とびだせ どうぶつの森」を発売。
「マリオカート7」と並ぶ定番タイトルとなり、300~400万本クラスの爆ヒットを記録。
その甲斐あって2012年も全機種の中でトップシェアを確保し、携帯ゲーム機としてはダントツで高い人気を誇るようになります。
このように3DSは大幅値下げや大ヒットタイトルの連発によって一定の地位を確保しましたが、その影では手放して喜べない現実がありました。
任天堂が赤字に転落!?
3DSが大ヒットし、絶好調に見えた任天堂でしたが、2012年3月期の連結決算では最終損益が432億円の赤字を計上します。
要因となったのが3DSの大幅値下げによる逆ザヤでした。
さすがに25,000円から15,000円の値下げには無理があったようで、本体を売る毎に赤字となってしまったんですね。
さらに問題となったのが、売上の大半を占めていた欧米市場による任天堂の存在感が薄れていたことです。
欧米市場ではWiiの大ヒットによって2010年までは任天堂が強さを誇っていましたが、2011年頃には沈静化してしまい、Xbox 360のKinectなどに注目が集まっていたんですね。
加えて欧米市場では据え置き機が強く、携帯機は子供が遊ぶゲーム機という印象が強くありました。
そのため欧米市場では3DSを大幅値下げしても国内ほどは販売が思うように伸びなかったんですね。
このような背景もあり、2012年7月に発売された新モデル、ニンテンドー3DSLLは
- ACアダプター
- 充電スタンド
を同梱せず、別売りにするなどコスト削減を徹底。
しかし、その苦労も虚しく2013年3月期も364億円の赤字を計上してしまい、国内での高い売上とは裏腹に任天堂への評価はダダ下がりだったんですね。
スマートフォンのゲームが大流行!
同時期、ゲーム業界では大きなパラダイムシフトが巻き起こっていました。
その代表格となるのがスマートフォンゲームです。
2011年当時はガラケーでのソーシャルゲームが人気を博していました。
しかし、これらのゲームは非常に単純で、家庭用ゲームの足元にも及ばないものだったんですね。
ところが2012年に配信された「パズル&ドラゴンズ」によってそのような流れが大きく変わろうとします。
「パズル&ドラゴンズ」はパズルとRPGを融合させたようなゲームなんですが、
- カチャカチャとパネルを動かすだけで楽しめる心地良さ
- 複雑な数字遊び
によって奥深いゲーム性を実現していたんですね。
衝撃的だったのが、こんなにも凝ったゲームを基本プレイ無料で楽しめてしまうことです。
もちろん、課金をすることでゲームを有利に進めることはできますが、基本的には無料でプレイできるので、5,000円以上を支払わないとプレイできない家庭用ゲームよりもずっと気軽に楽しめるんですね。
そんな「パズル&ドラゴンズ」は日を追う毎にダウンロード数が加速。
気が付けば1,000万、2,000万ダウンロードを突破し、空前の大ヒットを記録します。
この流れを受けて「モンスターストライク」などのフォロワータイトルが誕生。
スマートフォン×ソーシャル×RPGの組み合わせはスタンダードとなり、ゲームの新たな文化を築き上げることに成功しました。
このように世間ではスマートフォンのゲームが大流行となり、3DSなどのゲーム専用機は存在感が薄れてしまいます。
この辺りは様々な見解がありますが、ぼく個人としては、多かれ少なかれ影響は受けていたように感じます。
特に顕著だったのがコナミです。
同社は2010年頃までは家庭用ゲーム市場を代表するソフトメーカーでしたが、2011年以降はスマホゲームを中心に展開するようになりました。
また、本格的な基本プレイ無料ゲームの台頭により、ユーザーのゲームに対する金銭感覚も大きく変わっていきます。
具体的に言うと、ゲームは無料で遊べるものという風潮が強くなり、買い切り型に抵抗を持つ人が増えてしまったんですね。
このようなパラダイムシフトが巻き起こったことにより、3DSは圧倒的な強さを見せていたDSほどの人気を得ることはできませんでした。
街を歩いてみても3DSで遊んでいる人はほとんど見られず、大半の方がスマホゲームを遊んでいたんですね。
2013~2014年:2大モンスタータイトルが市場を圧巻!
このように当時はスマホゲームが圧倒的な強さを見せていましたが、3DSも負けじと大ヒット作を連発します。
まず、2013年秋には「ポケットモンスターX・Y」「モンスターハンター4」といった2大モンスタータイトルが発売されました。
前者は「ポケットモンスター」シリーズの3DSでは初となる本編。
前作から飛躍的にパワーアップしたグラフィックや圧倒的な種類のポケモンが注目を集めました。
後者は「モンスターハンター」シリーズの待望となるナンバリングタイトル。
高低差を活かした立体的なアクションなどが話題になり、PSP時代と遜色のない売上を記録します。
これらのタイトルが発売されたことで3DSの販売ペースは再び加速!
2013年末には累計販売台数が国内だけで1,400万台を突破しました。
そして2014年。
「妖怪ウォッチ」が大ブレイクを果たします。
「妖怪ウォッチ」はレベルファイブが贈る新たなクロスメディアプロジェクトで、当初は少年と妖怪を中心としたストーリーが展開されるアドベンチャー形式のRPGとして売り出されていました。
売上の方はプロジェクト始動直後こそは緩やかでしたが、2014年1月からTVアニメが開始されると勢いが爆発。
2014年7月に発売された3DS向けの2作目は発売週から130万本以上を売り上げるなど爆発的なヒットを記録します。
その勢いは留まることを知らず、2014年末には劇場映画が公開。
テーマ曲も大ヒットを記録し、2014年は「妖怪ウォッチ」の年と言っても過言ではないほど大流行しました。
2014年:Newニンテンドー3DSが発売!
2014年10月にはNewニンテンドー3DS(以下、New3DS)が発売。
本ハードは3DSのアップグレードバージョンになり、以下のように様々な機能が拡張されました。
- Cスティック、ZLボタン、ZRボタンの追加
- 3Dブレ防止機能の搭載
- NFC(近距離無線通信)への対応
- CPU性能の向上
- インターネットブラウザーでの動画再生の対応
何故、このようなアップグレードバージョンが発売されたのかと言うと、当時の時点で3DSの性能は他機種と比べて見劣りしていたからなんですね。
2014年10月からは本ハードが3DSシリーズのメインになり、3DSは1つのステップを踏み出します。
同時期には以下の4タイトルを発売。
- 大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS
- モンスターハンター4G
- ポケットモンスター オメガルビー・アルファサファイア
- 妖怪ウォッチ2 真打
これらのタイトルはいずれも200万本以上を売り上げました。
ここまで短期間に同一ハードで200万本クラスのタイトルが生まれた前例は無かったので、一見すると凄いことのように見えます。
しかし、スマホゲーム市場ではそれ以上の盛り上がりを見せていたため、数字の凄さとは裏腹にあまり高く評価されていませんでした。
2015年:任天堂がスマホへ参入!?
2015年3月、任天堂はスマートフォンへ自社のゲームを投入すると発表し、ゲーム業界に衝撃を与えました。
なんて見られ方もされたものですが、スマホが3DSなどの敵なのかと言われると、一概にそうとは言えないんですよね。
スマホは汎用機であって、あらゆる会社が発売している端末でもあります。
なので、一社が展開しているゲーム専用機とは性質が異なるわけで、関係性が悪いとか、そういう訳ではありません。
あくまでも中立的な関係なので、それなら上手く活用して任天堂が持つIPを最大化しようとしたんですね。
この件とは直接関係ありませんが、スマホで生まれたIPが3DS向けに新作を投入するケースもいくつかありました。
代表的なのが「パズドラZ」と「モンスターストライク」。
どちらもスマホゲームの巨塔とも言える存在ですが、3DS向けにも新作を投入していずれも100万本前後の大ヒットを記録します。
2016年:2DSの発売でゲームの入門機に!?
2016年2月、新モデルのニンテンドー2DSが発売されます。
本ハードは3DSの代表的な機能とも言える裸眼立体視をカットしたモデルですが、発表当時は物議を醸しました。
というのも3DSは発売当時、「メガネがいらない3DのDS」というキャッチコピーで売り出すなど、3D映像を全面に押し出していたからです。
にも関わらずこのようなモデルを発売したのは、裸眼立体視が万人受けしなかったからなんですね。
体質的に合わず最初から使わない人もいればインパクトが薄れて途中から使わなくなった人も居て、年々、使用率が減少する傾向にありました。
また、6歳以下の子供には目の成長に悪影響を与えるため制限をしないといけない事情もあったので、そういった流れで2DSは生まれたんですね。
当初は限定販売でしたが、2016年9月からは一般販売も開始。
徐々に3DSから2DSへの移行が始まっていきます。
2017~2018年:Switchが発売され3DSは入門機に!?
Switchが発売されるものの共存の道へ
2017年3月、任天堂から新型ゲーム機のニンテンドースイッチ(以下、Switch)が発売されます。
本ハードは据え置き機と携帯機のハイブリッド式で3DSのように持ち運んでゲームをプレイすることもできるゲーム機なので、3DSとは方向性が被ってしまいますが、この時点ではSwitchと3DSを2本の柱として位置付けられていました。
その証拠にSwitchが発売された2017年3月以降も任天堂から以下のような3DS向けの新作が続々と発売されます。
・マリオスポーツ スーパースターズ
・ファイアーエムブレム Echoes もうひとりの英雄王
・Ever Oasis 精霊とタネビトの蜃気楼
・Hey! ピクミン
・メトロイド サムスリターンズ
・マリオ&ルイージRPG1 DX
・Girls Mode 4 スター☆スタイリスト
・ポケットモンスター ウルトラサン/ウルトラムーン
・マリオパーティ100 ミニゲームコレクション
・名探偵ピカチュウ
・超回転 寿司ストライカー The Way of Sushido
・進め!キノピオ隊長
・メイド イン ワリオ ゴージャス
・ルイージマンション
・マリオ&ルイージRPG3 DX
・毛糸のカービィ プラス
しかし、他機種からの移植やリメイクが徐々に増えてきます。
3DSを延命させようとはするものの任天堂のリソースは着実にSwitchの方へ流れていきました。
New2DSが発売!裸眼立体視非対応のタイトルも続出!?
2017年7月にはNewニンテンドー2DS(以下、New2DS)が発売されました。
本ハードは従来のNew3DSから裸眼立体視機能だけを排除し、細かい変更を加えた新モデルです。
この辺りはややこしい話になりますが、通常の2DSは折りたたみ式を排除した独自のデザインでした。
また、サウンドもモノラルとなり、あらゆる部分のコストカットをしていた低価格モデルだったんですね。
そのため需要が少なかったんですが、New2DSは従来のNew3DSから裸眼立体視機能だけを排除し、細かい変更を加えたモデルになるので、裸眼立体視を不要としている方にとっては待望とも言える新型だったんですね。
ただ、本ハードの発売に合わせて任天堂からも裸眼立体視非対応のタイトルが増え始めてきました。
裸眼立体視非対応のタイトルは任天堂からも2014年の段階で「ポケモンアートアカデミー」が発売されていたんですが、2018年に入る頃には大半のタイトルが非対応となったんです。
3DSの代名詞とも言われていた裸眼立体視は徐々に姿を消していくことになります。
2019~2020年:3DS引退の時期が迫ってきた
発売9年目を迎えた2019年にはニンテンドースイッチが市場の中心となり、3DS市場は急速に縮小しました。
新作も2019年前半には全く発売されなくなり、3DSで人気を博していた「ポケットモンスター」「モンスターハンター」「妖怪ウォッチ」シリーズはすべてSwitchやPS4などの据え置き機へ移行します。
そんな流れをさらに加速させたのがニンテンドースイッチ Liteです。
本ハードは携帯機に特化したSwitchで、通常のモデルよりも小さくなり、完全な携帯ゲーム機として売り出されました。
同時期には「ポケットモンスター」「どうぶつの森」シリーズの最新作がSwitch向けに発売され、Switchは携帯ゲーム機としても注目を集めるようになります。
そして2020年9月。
3DSシリーズ全てが生産終了となり、同ハードの歴史は幕を閉じました。
ニンテンドー3DSの歴史まとめ
ここまで3DSの歴史を振り返ってみましたが、こうして振り返ってみると3DSは厳しい時代を生き抜いてきたことがわかりますね。
国内での累計販売台数は2,526万台と歴代3位の好成績ですが、それとは裏腹に
- 偉大過ぎる前世代機DSとの売上差
- 東日本大震災
- 裸眼立体視への抵抗
- スマホゲームの台頭
- 大幅値下げによる赤字
など不運が重なってしまい、どこか不遇なゲーム機という印象です。
しかし、本ハードから本当に沢山の良作が生まれたのもまた事実で、個人的には素晴らしいゲーム機だと思っています。
DSとの互換機能も搭載されていますし、今後も3DSは稼働していきたいですね。
FC | SFC | N64 |
GC | Wii | Wii U |
Switch | GB | GBA |
DS | 3DS | 64DD |
PS1 | PS2 | PS3 |
PS4 | PSP | PSVITA |
MD | SS | DC |
Xbox | Xbox 360 | Xbox One |
PCE | WS |
本記事の動画版
改めて振り返ると、凄く激動の道のりを歩んだハードですね。我が家では、妖怪ウォッチ2の発売の頃がピークで、家族がそれぞれの3dsで遊んでいました。妖怪ウォッチは、初代が発売した頃、「この猫めっちゃ可愛い!」と思立たんですが、アニメ化した途端、一気にブレイクしたのは驚きました。
凄くいろんなゲームも出たし、本当に時代を代表するゲーム機ですね。
開発されるゲームが多い分、ロックマンDASH3の以外にも世に出なかったソフトもあったのは残念でしたねー。