どうも!KENT(@kentworld2 )です!
本記事ではWii U(ウィーユー)の歴史を振り返っていきます。
Wii Uと言えばWiiと比べられてしまい、イマイチ盛り上がりに欠けてしまいましたが、実は、後に発売されたニンテンドースイッチを語るうえでは欠かせないゲーム機でもあるんです。
一体、Wii Uは何を生み出したのでしょうか?
ここからはWii Uについて詳しく語っていきます。
目次
Wii Uとは?
Wii Uとは、Wiiに続く任天堂の6代目となる据え置き機になります。
本ハードで最大の特徴となるのが、液晶付きのタブレットコントローラ。
なんと、据え置き機のコントローラなのに携帯機のような液晶画面が付いているんです!
本体から8m以内であればゲームソフトを液晶画面に映してプレイすることも可能で、半携帯機としても活用することが出来ました。
据え置き機としてはもちろん、携帯機としての側面も持たせる。
Wii Uはそんなゲーム機でしたが、一体、何故このような機能を加えたのでしょうか?
そこにはWiiの反省がありました。
Wiiと言えば全世界で1億台以上。日本だけでも1,000万台以上販売したゲーム機ではあります。
しかし、ホームパーティ用のゲーム機としての側面が強くなり過ぎてしまい、多くの家庭ではリビングに固定されていたんです。
それ故に1人用の大作ゲームが売れにくく、コアなゲームファン向けのタイトルは苦戦する傾向にありました。
また、TVを占領してしまうという据え置き機の根本的な問題も抱えていたりします。
そんな問題を解決すべくWii Uゲームパッドは生まれました。
あくまでも本体からデータを受け取って画面を映し出しているに過ぎず、タブレットのように屋外でのプレイは出来ません。
ですが、TVを占領してしまうという据え置き機の問題点は解決することに成功します。
このようにゲームパッドばかりが目立っているWii Uですが、ゲームファンにとってはそれ以上に大きな魅力がありました。
それは、Wiiから大幅に性能が向上し、HD画質に対応したことです。
性能はPS3/Xbox 360と同等の水準まで上がり、HD画質に対応したことでWiiの頃から大幅に解像度が上がりました。
これは任天堂ファンにとっては大きな魅力だったんです。
2012年当時、HDTVは完全に普及していました。
にも関わらずWiiはSD画質にしか対応していなかったので、さすがに時代遅れなのは否めなかったんですよ。
その影響もあって2010年以降はサードパーティ離れが進んでしまい、任天堂以外のゲームメーカーからソフトが供給されにくい状況だったんです。
Wii Uはその辺りの問題も解決させようとWiiから大幅に性能を上げることにします。
おかげで欧米のサードパーティから一定の支持を受けることに成功。
Wii時代には見られなかった欧米のAAA級タイトルが多数発売されるようになり、ゲーマー向けのソフトラインナップを実現しました。
さらにWiiの資産を活かすべく同ハードとの互換機能を搭載。
ゲームソフトはもちろん、Wiiリモコンなども引き続き使用できるようにします。
リビングを占領せず、ゲーマーやサードパーティが満足行く性能まで高め、Wiiの資産を活かす。
Wii Uは至れり尽くせりなゲーム機でした。
しかし、それが大きな仇となるのであった・・・
2011年:E3 2011で大々的に発表されるも…
Wii Uが初めてお披露目されたのはE3 2011でした。
特に印象的だったのが、液晶画面付きのコントローラであるWii Uゲームパッド。
TVだけではなくコントローラの液晶画面でも楽しめることが大きな特徴としてありますが、ぼくがそれ以上に惹かれたのがWii Uゲームパッドを使った新たな遊びです。
タッチパネル、カメラ、NFC、各種モーションセンサー。
実は、Wii Uゲームパッドにはこれらの機能が搭載されていたので、Wiiでは見られなかった遊びを実現しているんです。
加えてTVとゲームパッドに別々の画面を映すことでの非対称ゲームプレイも可能だったりします。
E3 2011ではこれらの新たは遊びをアピールしていたので、ぼくは目を輝かせながら見ていました。
「DSやWiiに続いてまたしても任天堂がゲーム業界に一石を投じようとしている!」
なんて思っていたんですが、周りの様子を見ていると雲行きの悪さを感じ取ります。
発表後は任天堂の株価が下落してしまいましたし、友人・知り合いの間でも”否”の意見が目立っていたんです。
が、Wiiの発表当時も同じような感じだったので、この時はまだ希望を感じていました。
2012年:どこかで流れ始める不穏な空気
2012年末の商戦期にターゲットを合わせて動き始める
2012年6月のE3 2012では本体の最終形を発表。
2012年9月のニンテンドーダイレクトでは発売日が2012年12月8日であることが発表されます。
ロンチタイトルは以下の11本。
- New スーパーマリオブラザーズ U
- Nintendo Land
- モンスターハンター3(トライ)G HD Ver.
- ゾンビU
- FIFA13 ワールドクラスサッカー
- Mass Effect 3 特別版
- NINJA GAIDEN 3: Razor’s Edge
- 無双OROCHI2 Hyper
- 鉄拳タッグトーナメント2 Wii U EDITION
- アサシン クリード III
- バットマン:アーカム・シティ アーマードエディション
任天堂からは定番の2Dマリオと人気シリーズをモチーフにしたミニゲーム集を発売。
さらにカプコンからは大ヒットした「モンスターハンター3G」のHDバージョンを発売。
それ以外にも大手ゲームメーカーからAAA級タイトルが一斉に発売されます(ただし後発移植)。
その結果、Wii Uは発売週に約30万台を販売。
Wiiの37万台ほどではないものの、新発売のゲーム機としてはなかなかの出足を記録します。
その後もクリスマス需要の影響で本体の売上はすぐに60万台を突破。
海外でもそれなりの出足で、ここまでは悪くありませんでした。
触り始めて感じた違和感
2012年いっぱいは順調なスタートを切ったかのように見えたWii U。
しかし、発売日にWii Uを買った者としてはこの時点で不穏な空気を感じ取っていました。
というのも発売直後は任天堂製品としての水準に満たなかったからです。
大きな要因となったのが貧弱な本体OS。
何か動作を行う度にあり得ないくらいの待ち時間が発生しました。
以下、2012年末当時の読み込み時間を掲載します。
- HOMEメニュー → カラオケ U 約33秒
- HOMEメニュー → Wiiモード 約30秒
- HOMEメニュー → Miiスタジオ 約17秒
任天堂の製品と言えば手軽にサクサク動くのがウリだと思っていたので、この待ち時間の長さには絶望しました。
なんて思いながら発売日は何度もHOMEメニューから各アプリへ行き来にしていたのをよく覚えています。
このようにアクセス速度が遅かったWii Uですが、問題点はこれだけではありません。
それ以外にも
- 初回のアップデート時には1時間以上の待ち時間が発生(その間ゲームはプレイできない)
- 何かをする度に登録を要求される
といった感じでWiiと比べて面倒くささが増していて、ヒット性を全く感じられませんでした。
発売後はアップデートである程度は改善されたとは言え、アクセス速度が重かったのはよく覚えています。
リビングを占領せず、ゲーマーやサードパーティが満足行く性能まで高め、Wiiの資産を活かす。
それがWii Uの狙いだったのは分かりますが、色々詰め込みすぎて最適化出来ていないようでは本末転倒です。
ただ、ソフトに関しては良かったんですよ。
「New スーパーマリオブラザーズ U」はシリーズの決定版だと思いましたし、「Nintendo Land」も意外なくらい面白くてWii Uソフトでは一番気に入りました。
2013年:失速の始まり
年始に本体の販売台数が急落!?
年末年始の需要がなくなりかけた頃、Wii Uは一気に失速を果たします。
2012年12月4日~12月10日 | 308,000台 |
2012年12月11日~12月17日 | 127,000台 |
2012年12月18日~12月24日 | 123,000台 |
2012年12月25日~12月30日 | 69,000台 |
2012年12月31日~2013年1月6日 | 67,000台 |
2013年1月7日~1月13日 | 21,000台 |
※メディアクリエイト調べ。
発売6週目の時点で2.1万台まで急落。
発売から数年が経過したPS3でさえも同じ週に2.3万台を売り上げていたので、誰の目から見ても苦戦がハッキリ分かるようになります。
何故、急に売れなくなってしまったのでしょうか?
クリスマス・正月需要に強いハードだというのもあると思いますが、一番はソフトラインナップにありました。
ロンチタイトルはある程度数を揃えることは出来たものの、それ以降がサッパリだったんです。
頼みの任天堂もソフト開発に苦戦
2013年2月下旬には本体の週間販売台数が4桁の突入。
こんな時こそ任天堂からビッグタイトルが発売されたら良かったんですが、有力タイトルが次から次へと発売延期してしまいます。
- ピクミン3 2012年末発売→2013年春→2013年夏→2013年7月13日
- Wii Party U 2013年夏→2013年10月31日
- Wii Fit U 2013年春~夏→2013年内→2014年2月1日
当然、サードパーティからも大きなタイトルはなし。
2013年7月13日に有力タイトルの「ピクミン3」がようやく発売されるも実に半年以上の空白期間を作ってしまいました。
何故、これだけの空白期間を作ってしまったのでしょうか?
3DSの躓きで反省はしなかったのでしょうか?
原因は任天堂の開発ノウハウにありました。
任天堂はずっとSD機で開発を続けており、HD機での開発はWii Uが初だったんです。
HD機でのソフト開発はSD機のようにはいきません。
だからこそ他の大手ソフトメーカーはPS3/Xbox 360の頃から血を吐きながらHD機向けの研究を行っていたんですが、任天堂周りの開発会社は5年以上遅れて行っていたんです。
もう1つ問題だったのが、サードパーティを上手く取り込めなかったこと。
確かに初期にはいくつかの大作が発売になりましたが、そのほとんどがPS3/Xbox 360とのマルチタイトルでした。
それではPS3/Xbox 360版で満足されてしまい、Wii Uの強みを生かせません。
本来ならWii U独自のタイトルを揃えるべきなんですが、HD機になって開発費が高騰し、また、Wii時代のトラウマからどこのメーカーも様子見ムードで本気の作品を出せなかったんです。
当然、様子見のような作品では売れずハズもなく、PS3/Xbox 360とのマルチタイトルはいずれも不発。
日本では人気が低いXbox 360版の売上すらも超えられない作品も多数表れてしまいました。
結局、サードパーティは2年程度で撤退。
それ以降はダウンロードタイトルやパーティゲームしか発売にならず、早くも任天堂頼みの状況となります。
巻き返しを図るために2013年末に全力投球!
任天堂は年末に強さを発揮するゲームメーカー!
という訳で2013年末はWii Uの販売に全力を注ぎます。
主力タイトルとして発売したのが「スーパーマリオ3Dワールド」と「Wii Party U」。
前者の「スーパーマリオ3Dワールド」は3DマリオシリーズのWii U版にあたります。
3DS「スーパーマリオ3Dランド」の流れを汲む作品ではありますが、ボリューム感やスケール感が大幅にアップ。
数ある3Dマリオシリーズの中でも上位に入るほどの完成度を誇る任天堂渾身の傑作になります。
後者の「Wii Party U」は任天堂お得意のパーティゲーム。
Wii時代に発売された「Wii Party」のバージョン違い的な内容ではありますが、手堅い内容&売上を記録します。
このように有力タイトルを投入したのに加え、
- Wii Fit U
- Wii Sports Club
とWii時代に大ヒットしたタイトルの続編を実験に売り出しました。
「Wii Fit U」の場合、発売前にはWii U本体とバランスWiiボードを所有したユーザーを対象に1ヶ月先行体験キャンペーンを実施。
体験版とは言え実質的には製品版に近く、発売前から全ての内容を体験することが出来ました。
一方、「Wii Sports Club」は基本プレイ無料タイトルとして展開。
初回起動から24時間は無料でプレイ可能でしたが、それ以降は課金をすることでプレイできる形式でした。
(ただし、2014年7月17日に発売されたパッケージ版は課金無しで楽しめる)。
これらのタイトルに加えて2013年末には「Wii U すぐに遊べる ファミリープレミアムセット」を発売。
Wii U本体(32GB)に加えて「New スーパーマリオブラザーズ U」「Wii Party U」を同梱して発売します。
にも関わらず価格はWii U本体(32GB)も大差なく、非常にお得感の強い本体でした。
これらの施策によって2013年末にはある程度の販売台数を記録。
が、累計販売台数はようやく150万台を超える程度でWii時代には遠く及びませんでした。
大きな要因となったのが、前作からの変化を感じにくかったこと。
スーパーマリオ3Dワールド、Wii Party U、Wii Fit U、Wii Sports Club。
いずれもWii/3DS版と何が違うのかをパッと伝えることに失敗してしまい、ライトユーザーのハートを掴めなかったんです。
モタモタしているうちにPS4/XboxOneが発売!?
このように発売から1年が経過しても軌道に乗れなかったWii Uに追い打ちをかける出来事が発生します。
2013年末。欧米ではPS3/Xbox 360の後継機となるPS4/Xbox Oneが発売になったんです(日本では2014年に発売)。
せっかくPS3/Xbox 360と同じ土俵に上がれたのかと思ったのに、僅か1年でスペック面での優位性が無くなってしまいます。
そのうえハイエンド志向が強い海外ではPS4/Xbox One共に一瞬で100万台を販売。
それからすぐにWii Uが1年間積み上げてきた普及台数を超えていき、同ハードのアドバンテージは完全になくなってしまいました。
海外の大手ゲームメーカーもWii Uの不振ぶりに方針を変更。
PS4/Xbox Oneに注力を始め、Wii Uはマルチタイトルの選択肢から外されてしまいました。
この時点で海外ではWii Uの勝算はなくなってしまったと言っても過言ではないでしょう。
2014年:キラータイトルで巻き返しを図るも…
僅か1年で一気に厳しい状況となったWii Uですが、まだ希望はありました。
任天堂の据え置き機では最強の2大シリーズが発売を控えていたからです。
1つめは「マリオカート8」。
シリーズ初となる反重力とHD画質をアピールします。
結果、Wii Uソフトとしては最高の初動売上(32万本)を記録。累計販売本数も100万本を突破します。
2つめは「大乱闘スマッシュブラザーズ for Wii U」。
シリーズ初となるHD画質と8人同時プレイをアピールします。
しかし、いずれの作品もシリーズの中では不遇な扱いを受けてしまったんです。
まず、「マリオカート8」については玄人向けのバランス調整になっており、バトルモードのコースが廃止されたことでパーティゲームとしては盛り上がりに欠ける内容でした。
「大乱闘スマッシュブラザーズ for Wii U」に関しても様々な問題点がありましたが、商業面で致命的だったのが3DS版の先行発売。
元々、「大乱闘スマッシュブラザーズ」の3DS/Wii U版は開発が同時に進行していました。
が、Wii U版の方がモード数が多い関係で発売が遅れてしまい、3DS版が3ヶ月先行で発売されることになったんです。
その影響で多くのユーザーは3DS版で済ませてしまい、Wii U版は売上が伸び悩んでしまいます(シリーズとしては初の100万本割れ)。
3DS版は当時としてはシリーズ最大のヒットとなりましたが、反面、Wii Uは不遇な状況に陥ってしまいました。
2015年:意外なタイトルのヒットでまさかの盛り返しを魅せる!
スプラトゥーンが思わぬ大ヒットに!?
3Dマリオ、スマブラ、マリオカート、Wii Party、Wii Sports、Wii Fit。
強いカードはあらかた出してしまい、もう後がないと思われていた2015年。
思わぬ大ヒットタイトルが現れます。
それがスプラトゥーン!
E3 2014で電撃発表された同作は発表直後からネット上では人気が爆発。
約1年後には発売を迎えた訳ですが、発売週から15万本を売り上げてきたんです!
その後も順調に売上を伸ばし、最終的にはWii Uソフトでは最高の150万本を記録します。
大ヒットの大きな要因となったのが、対戦型サードパーソンシューティング(TPS)を上手く日本向けに輸入したことです。
元々、TPSは欧米では人気が高く、日本でも一定の需要はありましたが、その多くはフォトリアル系タイトル。
そのうえグロテスクな表現が目立っていたので、コアユーザー以外にはイマイチ広がりを見せませんでした。
そんな中、「スプラトゥーン」の場合は「キル」ではなく「ヌル」にフォーカスを当てます。
すると、対人戦が苦手な人でもチームに貢献できるようになり、幅広い層が楽しめるように作られていたんです。
そのうえカラフルでポップなデザインを採用することでキャラクター人気も上昇。
同時期に台頭した人気YouTuberの影響もあり、従来の任天堂ゲームではなかなか取り込めなかった若者にも人気を博しました。
スーパーマリオメーカーが続いてヒット!
思わぬ人気タイトルが発売されたWii Uですが、その後、すぐに次の大ヒットタイトルが発売されます。
それがスーパーマリオメーカー!
こちらもE3 2014で初公開されたタイトルで、「スーパーマリオブラザーズ」30周年記念日の2015年9月13日に発売されます。
すると、ジワジワと売れ続け、100万本に迫る売上を記録します。
大きな要因となったのがオリジナルコースを作成してアップロード/ダウンロードできる機能にありました。
クリエイトゲームは数あれど、本作は世界的に有名な「スーパーマリオブラザーズ」のコースを作れるゲームです。
誰もが知っているゲームのコースを作成して全世界に公開できるなんて夢のようじゃないですか?
そんな「スーパーマリオメーカー」の追い風となったのが、人気YouTuber。
人気YouTuberが楽しそうに「スーパーマリオメーカー」のオリジナルコースをプレイする。
同時期、若者の中心はTVからSNS/動画サイトに流れ始めていたので、これが大きな宣伝効果を生み出したんです。
Wii Uの普及台数が低い関係上、売上は100万本前後でしたが、潜在的な需要はそれ以上にあったと思われます。
スプラトゥーン、スーパーマリオメーカー。
これら2タイトルのおかげで今まで伸び悩んでいたWii Uの売上も加速。2015年末の売上は前年を上回る結果となりました。
もうダメだと思われたWii Uですが、キラータイトルの登場によって状況が変わります。
2016年:前年の大ヒットも虚しく終了へ
2015年のクリスマス週は約10万台を販売して息を吹き返してきたWii U。
「このまま巻き返していくぜ!」
と言いたいところですが、根本的な問題を抱えていました。
それは、ソフトの売れ方です。
確かに「スプラトゥーン」や「スーパーマリオメーカー」は大ヒットしましたが、それ以外のタイトルは全くと言って良いほど売れていなかったんです。
(しいて言えば2014年以前に発売された任天堂の定番タイトルくらい)
あまりにもソフトの売れ方が一極化しており、まさに「スプラトゥーン」「スーパーマリオメーカー」専用機状態でした。
それでいて海外市場では依然として苦戦。
サードパーティはほぼ撤退状態で、任天堂としてはWii Uで繋いでいくのはもう限界がありました。
そう考えたのか、2016年に入ると任天堂は
- ゼルダ無双 ハイラルオールスターズ
- スーパーマリオメーカー for ニンテンドー3DS
- ポチと! ヨッシー ウールワールド
といった感じでWii Uソフトの3DS版を続々と発売するようになります。
また、Wii Uのカスタムチップを製造していたルネサス工場も閉鎖が決定。
その関係でWii Uは発売から僅か4年で製造を終了することが発表されました。
工場が閉鎖した理由はWii Uの不振以外にも様々な事情がありましたが、いずれにしても任天堂のゲーム機が僅か4年で製造終了とは異例のことです。
そんな状況だったので、2016年末には全くと言って良いほど新作のWii Uソフトが発売されなくなります。
サードパーティーはもちろん、任天堂からのソフトリリースもなし。
ほぼ姿が見えない状況となってしまいました。
2017年:Wii Uの資産を活かしてニンテンドースイッチが大ブレイク!?
残念ながら僅か4年で幕を閉じてしまったWii U。
しかし、2017年に入るとWii Uは思わぬ形で任天堂に貢献をすることになったんです。
2017年3月。任天堂から新型ゲーム機のニンテンドースイッチ(以下、Switch)が発売されました。
本ハードはWii Uに続く任天堂の7代目となる据え置き機ですが、前世代機の反省を活かしまくっていたんです。
激遅だった本体OSは爆速になり、携帯機としても場所を選ばず楽しめるようになり・・・。
それでいてJoy-Conというユニークなコントローラを生み出すことで新しい遊びを提案することにも成功します。
このように魅力的な機能を備えたSwitchですが、Wii Uの資産を活かすことで発売直後のソフト不足を解消することにも成功したんです!
- マリオカート8 → マリオカート8 デラックス
- ポッ拳 POKKÉN TOURNAMENT → ポッ拳 POKKÉN TOURNAMENT DX
- ベヨネッタ2(Wii U) → ベヨネッタ2(Switch)
- ゼルダ無双 → ゼルダ無双 ハイラルオールスターズ DX
- ドンキーコング トロピカルフリーズ(Wii U) → ドンキーコング トロピカルフリーズ(Switch)
- 進め! キノピオ隊長(Wii U) → 進め! キノピオ隊長(Switch)
- New スーパーマリオブラザーズ U → New スーパーマリオブラザーズ U デラックス
- 幻影異聞録♯FE → 幻影異聞録♯FE Encore
これらのタイトルはいずれもWii Uソフトの移植。もしくはバージョンアップ版になります。
内容に大きな変化はありませんが、その多くはWii U版以上に売れたんです。
特に「マリオカート8 デラックス」は国内だけで300万本級の大ヒットを記録。Switchの定番タイトルとして人気を博します。
さらに当初はWii U専用で開発が進められていた「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」はSwitchとのマルチタイトルに変更。
同作品は世界的に高く評価された傑作で、Switch人気の火付け役としても貢献しました。
これらのタイトルに加えて
- スプラトゥーン2
- ゼノブレイド2
- マリオテニス エース
- 大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL
など、任天堂はWii Uソフトの開発ノウハウを活かした新作をハード初期に投入することに成功。
特に「スプラトゥーン2」は前作の倍となる300万本以上を販売し、Switch人気を決定付けます。
「Wii Uの頃から気になっていたからSwitchの「2」を機に『スプラトゥーン』デビューを果たすぜ!」
そんな人はそこら中で見かけました。
このことからもSwitchの成功はWii Uが下地にあったと言えます。
全体のまとめ
以上!Wii Uの歴史を振り返ってみました!
ハッキリ言ってWii U単品で見ると非常に中途半端なゲーム機です。
Wiiと互換性があるのは良いけど、Wiiリモコンは別売り。
Wiiからマシンスペックが上がったのは良いものの、次世代機となるPS4/Xbox Oneの1年前に発売。
ゲーマーを取り込もうにもハードディスクは非搭載。LANアダプターは外付け。
ゲームパッドでテレビを使わずプレイできるようになったのは良いけど、本体から8m以上離れてのプレイは不可能。
テンポを重視している任天堂の製品としては珍しく読み込み速度が長く、快適性もイマイチ。
全方面に向けた最強のゲーム機になるハズがコンセプトが定まっておらず、八方美人になってしまい、魅力が伝わりにくいハードでした。
しかし、「スプラトゥーン」という新規の大ヒットタイトルを生み出した功績はあまりにも大きく感じます。
また、Wii U本体/ソフトが思うように売れなかったからこそSwitchの後発移植タイトルが大ヒットしたとも言える訳で、実はWii Uって凄いハードだったんじゃないかと思うようになりました。
数字だけを見るとWii Uは任天堂の据え置き機史上最も失敗したハードと言えます。
が、当初は本ハードでしか展開されていなかったタイトルが次から次へと大ヒット&再評価されているのを見ると実際の数字以上にゲーム業界へ影響を与えたと思うんです。
今、アナタが楽しんでいるSwitchソフトもWii Uソフトが土台にあるかも知れません。
Switchの成功にWii Uあり!
これは大にして言いたいです。
おまけ:Wii Uこぼれ話
Miiverse
任天堂はWii U立ち上げと同時にMiiverse(ミーバース)というネットワークサービスを展開していました。
簡単に言うと、Twitterにお絵かき機能を加えたような感じ。
Wii Uゲームパッドのタッチ機能を使って様々なイラストを投稿できるのが大きな特徴でした。
加えてアイコンはMiiに固定化。
お絵かき機能と相まってアットホームな雰囲気が初期の頃にはありましたが、ユーザーが増加するにつれて民度が低下。
任天堂の運営側も対処が追い付かず手間取ってしまいます。
そんなMiiverseですが、「スプラトゥーン」発売直後は一定の盛り上がりを見せました。
というのも本作のロビー画面ではMiiverseによるイラストなどを投稿することが出来たからです。
任天堂の岩田前社長がお亡くなりになられた直後、「スプラトゥーン」のロビー画面では彼の追悼イラストが多数投稿されたのはよく覚えています。
意外と多い大人向けのゲーム
任天堂といえばファミリー・子供向けのイメージが根強いですが、Wii Uはそんなイメージとは裏腹に大人向けのゲームが多かったりします。
大きな要因となったのが、欧米のゲームメーカーが他機種とのマルチタイトルを多数展開したことです。
「アサシン クリード」「コールオブデューティ」など、それまで任天堂ハードとは繋がりが弱かったシリーズが次から次へと展開されたのは印象に残っています。
デビルメイクライとNINJA GAIDENのクリエイターが任天堂とタッグを組む!?
デビルメイクライ、NINJA GAIDEN。
これらのタイトルは戦闘重視の3Dアクションゲームとして高い人気を誇ります。
なんと、Wii Uではこれらのタイトルを生み出したクリエイターの新作が揃って展開されたんです。
「デビルメイクライ」を生み出した神谷英樹さんは「ベヨネッタ2」「The Wonderful 101」をWii U向けに展開。
「NINJA GAIDEN」を生み出した板垣伴信さんは「デビルズサード」をWii U向けに展開。
その多くはWii Uのイメージとは一線を画するコアなアクションゲームで、一部のゲームユーザーから注目を集めました。
カルト的な人気を博すゲームも誕生!


「Wii Uで好きなタイトルは何になりますか?」
そんなアンケートを実施した場合、高確率で上位ランクインすると思われるのが「幻影異聞録♯FE」と「ゼノブレイドクロス」。
いずれの作品もニッチではありますが、一部ではカルト的な人気を博しています。
「幻影異聞録♯FE」は「ファイアーエムブレム」と「真・女神転生」のコラボレーションタイトル。
「ファイアーエムブレム」を題材にしながらも「真・女神転生」や「ペルソナ」のゲームシステムを取り入れており、異色のコラボを果たしました。
「ゼノブレイドクロス」は「ゼノブレイド」の流れを汲むオープンワールドRPG。
なんですが、主人公がアバター制となり、BGMやグラフィックなど作風も変化してしまいます。
その影響で前作のノリを求めていたら肩透かしを食うんですが、妙に中毒性が高いゲームだったんです。
それもあって一部では未だに高い人気を誇ります。
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