どうも!KENT(@kentworld2 )です!
先日、Nintendo Switchがゲーム史に残るとんでもない記録を打ち立てました。
任天堂の決算資料で発表された数字によりますと、全世界累計販売台数は1億5,537万台。
あのニンテンドーDSを超えて、任天堂史上、最も売れたゲーム機になりました。
さらにソフトの累計売上は15億本超え。世界人口(約80億人)で割ると、全世界の5~6人に1本がSwitchソフトを買った計算になります。
そんなSwitchですが、発表当初は「期待外れ」「中途半端」。そんな声がハッキリと存在していました。
今では信じられませんが、当時の風当たりは本当に凄まじいもので、Switchがここまでの売上になると確信していた人は、決して多くありませんでした。
なぜそんな評価だったのか?そして、なぜそこから歴代1位にまで登り詰めたのか?
今回は“結果”からは見えてこないSwitch逆転の歴史を最初から振り返っていきます。
目次
2015年:存在が判明
2015年3月。当時は3DSとWii Uが現役でしたが、任天堂は衝撃的な発表を2つも同時にします。
1つめはスマートフォンデバイスへの参入です。
それまでの任天堂は自社のゲーム機のみでソフト供給をしていましたが、DeNAと業務・資本提携することでスマートフォン向けアプリの共同開発・新たな会員制サービスを開始することにしました。
そして2つめに発表したのが、後にNintendo Switchとして世に送り出された、コードネーム「NX」です。
当時はWii Uが発売されて2年ちょっとしか経っていなかったので、新型ゲーム機を発表するにはあまりにも早いタイミングでした。
それなのになぜ発表したのか?それは、任天堂がこれからもゲーム専用機に情熱を注いでいくことを知らせるためです。
当時はスマホゲームの台頭でゲーム専用機は厳しい状況に立たされていて、スマホに取って代わられるんじゃないか?
そう見られることも珍しくなかったので、ここでスマホへの参入だけを発表すると、悲観的に見られる恐れがありました。
任天堂としては、「スマートデバイスとゲーム専用機に架け橋を架けて、限られた需要を奪い合うのではなく、新しい需要を創り出して相乗効果を生み出していける」。
そう確信していたようですが、世間では任天堂の先行きを不安視するような声が目立っていました。
当時の任天堂は3DS向けのヒット作こそは生み出せていましたが、稼ぎ頭になると思われていたWii Uは大苦戦。
世界市場に目を移すと3DSでさえも大きな成果をあげることができず、超円高と被ったことも相まって、3期連続で赤字を計上していました。
その一方で日本国内ではスマホゲームに。世界規模で見るとPS4を中心としたハイエンドゲーム機に注目が集まっており、任天堂の影響力が徐々に薄れているような状況でした。
2016年:ついにお披露目
コードネーム「NX」が発表されてから約1年半。
この間、大きな情報が公開されることはなく、発売時期が2017年3月であること。
「ドラゴンクエストXI」のNX版が発売になることくらいしか発表になりませんでした。
そんな中、2016年10月20日。正式名称がNintendo Switchであることが発表され、1stトレーラーが公開されます。
そこでは据え置き機と携帯機を1つにまとめたゲーム機であること。
コントローラを分離できることも判明して、「スーパーマリオ」や「スプラトゥーン」「ゼルダの伝説」シリーズ最新作。
カプコン、バンダイナムコ、レベルファイブなどのソフトメーカー参入が明かされましたが、世間の評価は厳しいものでした。
発表直後の任天堂株価は急落。2016年10月21日の終値は2万5185円で、前日と比べて1,765円(6.55%)も値を下げます。
なぜこんなにも値を下げたのか?大きな要因となったのが、Switchの発表が期待外れという見方が強かったからです。
当時の空気を一言で言うなら、「新しさが弱い」。
メディアには「守りの印象」「持ち運びならスマホでも十分ではないか」とまで書かれました。
そしてユーザーの間でも
「結局、WiiとDSをくっつけただけ」
「中途半端で、成功は難しいだろう」
そんな声が飛び交います。
今では信じられませんが、当時の任天堂は“絶対王者”ではありませんでした。
日本の家庭用ゲーム機市場でもシェアは徐々に低下。かつての勢いは確実に失われていました。
それを象徴するのが、2016年11月第1週の家庭用ゲーム機ソフト週間売上ランキングです。
TOP10に、任天堂ハードのソフトは一本も入っていません。
「ポケモン サン・ムーン」発売直前だったとはいえ、当時の任天堂は停滞ムードで、岩田元社長の死去やWii Uの生産終了など、暗い話題が続いていました。
そんな中で任天堂が世に送り出そうとしていたのが、みなさんよくご存知のNintendo Switchです。
それはまさに、後がない状況で託された、最後の切り札。ここからあの“逆転劇”が始まります。
2017年:怒涛の1年間
怒涛の大発表!
年が明けて2017年。任天堂は社運を掛けた大攻勢を展開します。
1月13日には「Nintendo Switch プレゼンテーション 2017」を開催。
本体の発売日が2017年3月3日であることが明かされ、コントローラにHD振動などの新機能を搭載していることも発表します。
ゲームソフトは「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」を本体と同日に発売すると発表。
さらには「マリオカート8 デラックス」を4月28日に。「スプラトゥーン2」を夏に。
「スーパーマリオオデッセイ」を冬に。「ゼノブレイド2」を2017年内に発売すると発表。
かつてないほどの大作ラッシュになることをアピールします。
しかし、これほどの発表が行われたにもかかわらず、世間の反応は必ずしも好意的なものばかりではありませんでした。
発表当日の2017年1月13日。任天堂の株価は前日比で1,450円安と、大きく下落します。
その背景には、いくつかの懸念がありました。
本体価格が任天堂のゲーム機としてはやや高めとなる税別29,800円であったこと。
そして、発売時点で遊べるタイトル数が十分ではないのではないか、という不安です。
こうした理由から、当時は「Switchは失敗するのではないか」というアナリストの声も少なくありませんでした。
ですが、ここから先。Switchはそうした予想を次々と覆していくことになります。
ゼルダ新作が世界中で大絶賛!
2017年3月3日、Switchはついに発売を迎えます。
同日に発売されたのは「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」などの15タイトル。
その多くは他機種からの移植作で、「ブレワイ」もWii U版との同時発売でした。
本体の初週売上は約33万台を記録。Wii Uの初週約31万台と同程度の売上を見せますが、評判の良さは明らかに異なりました。
サクサクと動作する本体OS。据え置き機と携帯機を瞬時にスイッチできる快適性。
そして、同日に発売された「ブレワイ」の異次元とも言えるほど高い完成度によって各地で絶賛の声が相次ぎます。
特に欧米での勢いが凄まじく、「ブレワイ」の初週売上は本体を超えるという前代未聞の記録を達成。
本体の初週売上も絶好調で、任天堂のゲーム機史上、最速のペースで売れていると報じられました。
その流れは日本市場でも徐々に波及していき、Switch本体、「ブレワイ」は2週目以降も売れ続けていきます。
そして、「ブレワイ」はその年を代表するほどの名作と言われるようになり、「ゼルダの伝説」や任天堂の復活を象徴とするタイトルとして歴史に名を刻みました。
それから1ヶ月半後の4月28日。人気レースゲームシリーズの最新作、「マリオカート8 デラックス」が発売されます。
同作は2014年にWii Uで発売された「マリオカート8」のバージョンアップ版で、当初の注目度はそれほど高くありませんでしたが、みんなで気軽に対戦できる点。
「ブレワイ」に続く2本目のSwitchソフトとしての需要が集まり、発売週から28万本を販売するほどの大ヒットを記録します。
これは、当時のSwitchソフトとしては驚異的な数字でした。
というのも、この時点でのSwitch本体の累計販売台数は、まだ約76万台程度だったからです。
つまり、3人に1人が「マリオカート8 デラックス」を手に取っていた計算になります。
ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド、マリオカート8 デラックス。
Switchはわずか2ヶ月で2本のメガヒットタイトルを生み出しました。
それでも当時は「これは一時的な盛り上がりではないか?」という見方もまだ残っていました。
確かに当初の予想を上回るスタートではありましたが、今後の発売予定タイトルは多くなく、ソフトメーカーの視線は依然として他社ハードに向いていたからです。
しかし、Switchの勢いはここからさらに加速していき、多くの人が抱いていた予想を再び大きく覆すことになります。
スプラトゥーン2で人気は“本物”へ
2017年7月21日。Switchにひとつの“答え”が突きつけられます。
それは、「スプラトゥーン2」の発売です。
本作はWii Uで大ヒットしたアクションシューティングの続編で、前作からスペシャルウェポンが一新されているほか、新ブキも追加されています。
そんな「スプラ2」ですが、発売からわずか3日間で約67万本もの販売を記録。
「ブレスオブザワイルド」や「マリオカート8 デラックス」をさらに上回るスタートを切りました。
当時のSwitch本体の累計販売台数は約120万台。つまり、2人に1人が「スプラトゥーン2」を購入していた計算になります。
この異常とも言える盛り上がりによって、ついにSwitch本体の供給が追いつかなくなりました。
店頭からは本体が消えて、購入するには抽選販売に参加しなければならない。そんな状況が、この頃から当たり前になっていきました。
なぜここまでの大ヒットになったのでしょうか?
理由のひとつは、Switch自体の勢いが本物になりつつあったこと。
そしてもうひとつが、長く眠っていた“潜在的な需要”を一気に拾い上げたことです。
そもそも「スプラトゥーン」は、Wii U時代から爆発的な人気を誇るタイトルでした。
しかし、発売当時のWii Uは勢いを失いつつあり、多くの人がゲームを買うのではなく、プレイ動画を見るだけで満足してしまいます。
それを象徴するのが、人気YouTuber・HIKAKINさんが「スプラトゥーン1」発売時に投稿した実況動画の再生数です。
1,500万回から2,500万回も再生されている一方で、「スプラトゥーン1」の国内販売本数は約150万本。
この数字を見れば、どれだけ多くの人が遊びたかったけれど買っていなかったかが分かると思います。
Switchで発売された「スプラトゥーン2」はまさにそういった潜在的な需要を一気にすくい上げることに成功しました。
2週目以降の売上も好調で、最終的な国内販売本数は526万本を達成。
本作のメガヒットによってSwitch人気は一過性のブームではなくなり、本物へと化します。
怒涛の大作ラッシュ!
「スプラトゥーン2」で人気が本物になったSwitchですが、任天堂は間髪入れず大作を投入していきます。
2017年10月27日には「スーパーマリオ オデッセイ」を。同年の12月1日には「ゼノブレイド2」を発売。
前者の「スーパーマリオ オデッセイ」は人気アクションゲーム「スーパーマリオ」シリーズの新作で、マリオの帽子に扮したキャッピーを投げて敵キャラクターを操作できる点。
「スーパーマリオ サンシャイン」以来、約15年ぶりに箱庭形式の3Dマップを採用した点などが話題となり、初週売上は47万本と3Dマリオとしては過去最高の出足を記録しました。
後者の「ゼノブレイド2」は壮大な冒険が楽しめるRPGシリーズの新作で、少年と少女を中心とした奥深いストーリー、戦闘システム、やり込み要素が人気を博し、全世界累計で270万本を販売します。
ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド、マリオカート8 デラックス、スプラトゥーン2、スーパーマリオ オデッセイ、ゼノブレイド2。
任天堂は年始に行った「Nintendo Switch プレゼンテーション 2017」で発表したタイトルを予定通り発売することに成功します。
その結果、本体の販売台数は2017年内に340万台を突破。Wii Uの累計334万台を1年も経たずに超えるほどの勢いを見せました。
海外でも好調で、北米ではセールシーズンで最も売れた商品だったと報道。予想外の売れ行きにアナリストも衝撃を受けます。
2018年:もう1つの真価を発揮
年が明けて2018年。Switchはもう1つの真価を発揮しようとします。
それは、プラットフォーム統合によるソフトラインナップの充実です。
それまでの任天堂ハードは据え置き型・携帯型の2つに分かれていました。
それ故にリソースが分散されてしまい、時期によっては有力タイトルが不足することもありました。
ところがSwitchでプラットフォームを統合。据え置き機、携帯機。それぞれ代表するシリーズが一堂に会することができるようになりました。
それを象徴するのが、2018年末のソフトラインナップです。
「ポケットモンスター Let’s Go! ピカチュウ・イーブイ」に「大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL」。
それまでは据え置き機・携帯機で展開していたであろうタイトルがSwitchに集結したので、相乗効果を生み出すことに成功しました。
「ポケモン Let’s Go!」は国内だけで218万本。全世界で1,507万本。
そして「スマブラSP」に至っては国内807万本。全世界3,693万本という空前のヒットとなり、世界で最も売れたファイティングゲームと報道されました。
大ヒットタイトルの連発によって世間の空気も大きく変化。任天堂の株価・営業利益も右肩上がりの状況で、再評価の兆しを見せます。
そしてその空気を一番敏感に感じ取ったのが、ソフトメーカーでした。
2019年:さらに幅広い層へ訴求
ソフトメーカーが続々と新規参入!
2019年。この年からSwitchを取り巻く空気は明らかに変わり始めます。
任天堂タイトルだけでなく、ソフトメーカーからも注目作が次々と発売されるようになりました。
特に印象的だったのが、それまでプレイステーションのゲーム機を主戦場としてきたメーカーが本格的にSwitchへ舵を切り始めたことです。
「魔界戦記ディスガイア」シリーズで知られる日本一ソフトウェア。
「シュタインズ・ゲート」を手がけたMAGES.。女性向け恋愛ゲームで支持を集めてきたアイディアファクトリー。
さらに衝撃的だったのが、「ファイナルファンタジーVII」以降のシリーズ作品が任天堂ハードに初めて移植されたことでした。
3DSやWii Uの時代を知る人ほど、これは信じられない変化に映ったはずです。
それまでの任天堂ハードはソフトメーカーにとっては一定の障壁が存在して、頑なに展開しない会社も目立っていましたからね。
年間で発売されるタイトルは、インディーゲームを含めると500タイトル以上。
パッケージソフト・ダウンロードソフトを合わせた本数はあのプレイステーション1を超えるほどのペースで発売されていきました。
なぜここまで多くのタイトルが集まったのか?
その背景には、Switchの大ヒットだけではなく、任天堂によるソフトメーカー支援の大幅な強化があります。
Switchのソフトウェア開発キットは約5万円と安く、他社のゲームエンジンにも積極的に対応していきました。
その影響で多くのソフトメーカーがSwitchに参入を果たしますが、任天堂ハードは任天堂ソフトばかりが売れがちです。
その結果、ソフトメーカーのタイトルが埋もれてしまうという課題がありましたが、Switchの場合、その辺りの問題もある程度は解消することに成功します。
2018年には「Minecraft」「太鼓の達人 Nintendo Switchば〜じょん!」「オクトパストラベラー」などが。
2019年には「ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて S」「釣りスピリッツ Nintendo Switchバージョン」「妖怪ウォッチ4 ぼくらは同じ空を見上げている」などが大ヒット。
さらにマルチタイトルはSwitch版が最も売れるケースが増えていき、それまで根強かった「任天堂ハードではソフトメーカーのタイトルは売れない」というジンクスをある程度は覆すことに成功します。
なぜソフトメーカーのタイトルも売れるようになったのか?理由としては、据え置き機と携帯機。2つを気軽にスイッチできる利便性が評価されているように感じます。
腰を据えて遊べるのはもちろん、気軽に持ち運んで遊ぶこともできる。そういった柔軟性がゲームユーザーのライフサイクルと噛み合った結果、任天堂ファン以外にも訴求できたと推測します。
Switch Lite爆誕!
2019年9月20日。任天堂は、Switchの流れを決定づける一手を打ちます。
それは、携帯専用モデル「Nintendo Switch Lite」の発売です。
TV出力をあえて捨てて、本体とコントローラを一体化。
「据え置きでも遊べるゲーム機」だったSwitchを「持ち歩く前提のゲーム機」へと方向転換させました。
この瞬間、Switchは“一家に一台のゲーム機”から、“一人一台でも成立するゲーム機”へと進化します。
そして、その流れを決定的なものにしたのが、同時期に発売された「ポケットモンスター ソード・シールド」でした。
本作は携帯機で人気を博した「ポケモン」シリーズの完全新作。
グラフィックこそは大幅に強化されていますが、過去作で見られた通信対戦・交換の楽しさは継承されていて、携帯ゲーム機としての強みを活かしています。
気になる初週売上は200万本。国内外を含めると600万本以上を記録して、「スマブラSP」が持っていた記録を塗り替える、シリーズ屈指のロケットスタートとなりました。
このヒットによって“自分専用のSwitchを持つ”という価値観が一気に広まっていきました。
その結果、SwitchとSwitch Liteを合わせた国内累計販売台数は1,000万台。全世界では5,000万台を突破。
年間の販売台数に至っては2017年、2018年を上回り、Switchの人気は衰えるどころか加速していきました。
2020年:パンデミックによる影響が発生
あつ森が空前絶後の大ヒット!
年が明けて2020年。東京オリンピックへの期待が高まるなか、世界中で大規模なパンデミックが発生します。
その流れは日本でも広まっていき、連日、著名人の感染が報道。
マスクの常用が常識、不要不急な外出を控えることが強制され、日本中が不安なムードで包まれてしまいます。
そんな中、Switchで「あつまれ どうぶつの森」が発売。
僅か12日間で世界販売本数が1,177万本に達するなど、「ポケモン ソード・シールド」が打ち立てたSwitchソフトの初週売上記録を早くも破りました。
その勢いは留まることを知らず、特に日本国内では歴代で最も売れた家庭用ゲームソフトとなり、「スーパーマリオブラザーズ」「ポケットモンスター赤・緑」が打ち立てた記録を数十年ぶりに破るという快挙を成し遂げます。
これだけの勢いで売れた背景には大規模なパンデミックによる巣篭もり需要はもちろん、
- 「どうぶつの森」シリーズのブランド力
- 携帯ゲーム機に特化したSwitch Liteの発売
- ほのぼのとした作風による需要
などが積み重なった影響だと思われます。
同作の爆発的なヒットによってSwitchの人気はさらに加速。
本体の入手難易度は「スプラトゥーン2」発売時を上回り、一時期はどこに行っても買えない状況となりました。
同年にはKONAMIの「桃太郎電鉄 〜昭和 平成 令和も定番!〜」が大ヒット。
同作はファミコン時代から続くボードゲームで、鉄道に乗って日本全国の物件を買い占めていくシステムを特徴としています。
ゲーム内容はキャラクターデザインの刷新を除けば大きな変化はありませんでしたが、発売直後から爆発的な売上を記録。
週間売上ランキングでは前代未聞となる12週連続での首位となり、累計売上は400万本を突破しました。
これは前作比10倍以上の売上で、文字通りの大躍進となります。
なぜここまで売れたのか?要因としては巣篭もり需要による追い風があったこと。強豪である「マリオパーティ」新作が不在であったこと。
当時のKONAMI製タイトルとしては異例の配信許可を行ったことがありますが、据え置き機での新作としては11年ぶりであったことも大きく感じます。
家庭用ゲーム市場は2010年代に入ると二極化が始まっていきました。
手軽に楽しめるゲームは基本プレイ無料のスマホ向けが大半となり、開発費が掛かる家庭用向けの新作はワールドワイドを意識したタイトルが増えていきます。
その影響でかつて日本国内を中心に展開していた人気シリーズの新作を発売するのが困難な状況になってしまいました。
中には作りたいものを会社が作らせてくれないという理由で退社するクリエイターも見受けられ、国産ゲームの多様性は徐々に薄れていきます。
しかし、Switchの爆発的なヒットによって状況が一変。
「桃太郎電鉄」のほかにも「ダービースタリオン」「ルーンファクトリー」「風来のシレン」の新作や「ぼくのなつやすみ」のスタッフが贈る「クレヨンしんちゃん」の新作ゲーム。
さらには「-右脳の達人- まちがいさがしミュージアム for Nintendo Switch」なんてDSで展開していたタイトルが15年ぶりに復活するという数年前まではあり得なかった展開を見せていきます!
家庭用ゲームがオワコンと言われて久しいですが、Switchの大ヒットによって再び盛り返し、多くの人気シリーズが復活を遂げました。
フィットネスブームが到来!
同時期、Switchでフィットネスブームが巻き起こります。
ブームの火付け役となったのが「リングフィットアドベンチャー」。
発売当初こそは静かな立ち上がりでしたが、トレーニング効果の大きさ。パンデミックによる外出自粛による影響で徐々に人気が広がっていき、日本国内だけで400万本。全世界累計で1,500万本以上を売り上げました。
同時期には「Fit boxing」シリーズもヒット。こちらはJoy-Conを振っていくフィットネスゲームで、音ゲー感覚で遊ぶことができます。
これらのタイトルがヒットしたことで、その流れに追随すべく、多くのソフトメーカーからフィットネスゲームがSwitchで発売。
その盛り上がりはかつてのWiiを彷彿とさせるもので、普段ゲームをプレイしない層へ訴求することに成功しました。
特筆したいのが、どのタイトルもJoy-Conの機能を活かしていることです。
Switch市場の問題点として、Joy-Conの機能を活かしたゲームが埋もれているというものがありました。
「1-2-Switch」「ARMS」「ニンテンドーラボ」シリーズ。
どのタイトルも新しい遊びを提供してくれましたが、売上に関してはもう一歩という印象で、定番タイトルにはなれませんでした。
その点、「リングフィットアドベンチャー」「Fit boxing」。どちらもJoy-Conに秘められた機能をフルに活かしたうえで大ヒットを記録したので、遊びの面でもSwitchの強さを発揮することに成功しました。
2021年:モンハン新作&有機ELモデル発売
年が明けて2021年。この頃になると任天堂製タイトルは谷間の時期に突入してしまい、一時的に大型タイトルが不足します。
そんな中で注目を集めたのが、カプコンから発売された「モンスターハンター ライズ」です。
本作は人気ハンティングアクションゲームの完全新作で、翔蟲やオトモガルクによって実現した軽快なアクションを特徴としています。
Switch待望のモンハン新作ということで売れ行きは上々で、日本国内に限定すると2021年に最も売れたゲームソフトになりました。
そんな中で噂されていたのが、新型Switchの存在です。
当時は本体が発売されてから4年を迎え、従来であればハード後期に突入する頃でした。
「動作が重いゲームが増えてきているなか、そろそろスペックアップした新型Switchが欲しい」
そういう声がチラホラ聞こえてきた2021年10月。有機ELモデルというSwitchの新型が発売されました。
期待されていたスペックアップこそはありませんでしたが、
- 7インチに広がった有機ELディスプレイ
- 進化したスピーカー・スタンド
- 倍増した本体保存メモリ
が注目を集め、発売直後から好調な売上を記録。
価格が5,000円アップしていたにも関わらず通常モデルよりもハイペースで売れ続け、新規ユーザーはもちろん、二台目の買い替え需要も発生しました。
その影響で2022年2月には全世界累計販売台数が1億台を突破。
1億台といえば任天堂ハードではゲームボーイ、DS、Wiiのみが達成した大台です。
そんな天文学的な台数を僅か5年足らずで販売するとは!?発表時は誰が予想できたのでしょうか?
2022~2023年:フェーズ2へ突入
同時期、Switchはフェーズ2へ突入しようとしていました。
ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム、スプラトゥーン3、ポケットモンスター スカーレット・バイオレット。
Switch初期を盛り上げた人気シリーズの続編が次々と発売されました。
先陣を切ったのが、「スプラトゥーン3」です。
前作から舞台を一新したほか、新アクションや新システムが追加されて、さらにボリュームアップしました。
発売後3日間の国内売上は345万本を突破。これは「あつまれ どうぶつの森」を超える出足で、Switch史上最速を更新します。
数年前まではWii U専用だった「スプラトゥーン」ですが、3作目にして任天堂を代表とする超人気シリーズへと躍進しました。
続いて発売されたのが、「ポケットモンスター スカーレット・バイオレット」。
本編としては初となるオープンワールドマップを採用して、3つのメインストーリーを好きな順番から攻略できました。
動作が不安定であるといった指摘も目立っていましたが、ストーリーは好評で、発売直後から爆発的な売上を記録。
発売後3日間の国内売上は405万本で、最終的な累計売上は「ポケットモンスター 赤・緑」を超えてシリーズ最高を更新しました。
2023年5月には「ゼルダの伝説 ティアーズオブザキングダム」が発売。
あの「ブレスオブザワイルド」の世界観・システムをベースに要素を拡張した超大作で、発売時は世界中が熱気に包まれました。
売上も絶好調で、発売から3日間で全世界売上1,000万本を突破。
あの「スマブラSP」を超えて「最も早く売れた任天堂ゲーム」としてギネス世界記録に認定されました。
スプラトゥーン3、ポケットモンスター スカーレット・バイオレット、ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム。
いずれも本体の特性をフルに活かした超大作で、オリジナルデザインの有機ELモデルも発売されました。
同時期には
- ポケモンの新たな挑戦作「Pokemon LEGENDS アルセウス」
- 本編では初となる3Dアクションの「星のカービィ ディスカバリー」
- 「命」をテーマにした「ゼノブレイド3」
- 指輪に宿る紋章士と共に戦いを繰り広げる「ファイアーエムブレム エンゲージ」
- 10年ぶりの完全新作「ピクミン4」
- フラワー王国を舞台にした「スーパーマリオブラザーズ ワンダー」
- 歴代のリメイクコースを中心に収録した「マリオカート8 デラックス コース追加パス」
など、任天堂の人気シリーズの最新作・大型追加コンテンツが多数発売。
その多くはSwitchでは2作目となるシリーズですが、システムや世界観が一新されていて、前作との差別化に成功しました。
評価も概ね良好で、中にはシリーズ最高傑作を更新するタイトルも出るなど、Switchは円熟期に突入します。
2024年:再び谷間の時期に突入
年が明けて2024年。前年に大作が出尽くしたのか、この頃になると再び谷間の時期に突入します。
任天堂から発売されるSwitchソフトは「ペーパーマリオRPG」「マリオvs.ドンキーコング」「ルイージマンション 2 HD」などのリメイク作ばかり。
完全新作としては「スーパー マリオパーティ ジャンボリー」「ゼルダの伝説 知恵のかりもの」などがありましたが、前年と比べて小粒なのは否めませんでした。
それでも本体の売上は好調で、日本国内に限定すると全ハード中ダントツトップを記録。発売8年目のゲーム機としては異常なくらいハイペースで売れ続けました。
そんな中で注目を集めたのが、Switchの後継機です。
いくら本体が売れ続けているとはいえ、任天堂から発売されるタイトルの多くはリメイクばかり。
明らかに温存ムードに入っていたので、次はどんな一手を打ってくるのか?コアなユーザーを中心に注目されていました。
2025年:Switch2が発売
2025年6月5日。Switchの後継機となるNintendo Switch 2が発売されました。
後継機が発売されると急速に移行するものですが、Switchはユーザー人口が非常に多いゲーム機です。
すぐに移行することはなく、Switch向けの注目作もまだまだ発売されます。
ミアレシティを中心に展開される「Pokemon LEGENDS Z-A」、発表から8年越しで完成した「メトロイドプライム4」を筆頭に、
「ドンキーコング リターンズ HD」「スーパーマリオギャラクシー+ スーパーマリオギャラクシー 2」「ゼノブレイドクロス ディフィニティブエディション」などなど。
往年の名作をSwitch向けに改良したタイトルを中心に展開されました。
注目したいのが、SwitchソフトはSwitch2でも遊べることです。
そのうえタイトルによっては画質が向上したり、ロード時間が早くなったりするので、思わぬタイトルが再評価されることもありました。
2026年:任天堂ハード歴代1位を更新
そして2026年。Switchの全世界累計販売台数はニンテンドーDSを超えて、任天堂ハード歴代1位を更新します。
発表時にあれだけ「中途半端」「成功は難しいだろう」と言われたSwitchですが、気づけば任天堂の歴史そのものを塗り替えることに成功しました。
Switch2が発売された影響でさすがに直近の売上は減速していますが、9年目のゲーム機としては高水準で、まだまだ売上を伸ばせそうな状況です。
最後にまとめると、Switchは“高性能で勝ったゲーム機”ではなく、“人々の生活に入り込んで勝ったゲーム機”でした。
遊び方を一つに固定せず、家でも外でも「同じゲーム体験」を成立させた。だから世代をまたいで選ばれ続けたんです。
果たして最終的な販売台数はどこまで伸びるのか?これからも見守っていきたいと思います。
本記事の動画版
| FC | SFC | N64 |
| GC | Wii | Wii U |
| Switch | GB | GBA |
| DS | 3DS | 64DD |
| PS1 | PS2 | PS3 |
| PS4 | PSP | PSVITA |
| MD | SS | DC |
| Xbox | Xbox 360 | Xbox One |
| PCE | WS |









この記事を読んで、スイッチのが発売当初評判があまりよくなかったと初めて知りました。
CG→Wiiの時からずっと思っていたのですが
「過去の失敗を次に活かす」というのが任天堂の強みだと個人的に思ってます
今のSwitchがあるのはWiiU時代の苦戦があったからこそだと思いますね
「失敗させてくれる」っていうのも大きいと思う。
前例がないからそんなのやめろっていう圧力が社内で低いんでしょうね。
WiiUはコンセプトは良かったけど電波が弱くて部屋から出ると遊べない、メニュー遷移がやたらもっさりしてイライラする、後方互換のWiiで遊ぶ手間がやたらメンドクサイ(クラコンで遊べない)などストレスフルなところが多かったですね
Switchほその辺全部解決して遊びやすさを最優先してくれてる感じが気に入ってます
発売当初の部分的な異様な盛り上がりとその後の全世界的に広がっていく熱気の勢いはスゴかったですね
2017年当時(夏~秋)のなんともいえないあの雰囲気は良く覚えています
そもそも任天堂に対するネガキャンをしていたのは日本人くらいですからね。
海外ではポケモンやマリオ、ゼルダのメーカーである任天堂が終わるだなんて思われてすらいませんでした。
むしろ世界的にはPS3で債務超過に陥ったソニーの方が遥かにヤバい印象を持たれていましたね。
初めてコメントさせて頂きます。胸の熱くなる記事でした。
任天堂ファンとして「NX」発表以来今か今かと続報を待ち望んでからのSwitch発表…当時はすごくガッカリしたことを覚えています。
「携帯機としては大き過ぎで、据置機としては性能不足の器用貧乏ハード…」という印象でした。
Switchには3DSの後継機という側面も持たせているように感じられたので、
「ああ…任天堂が携帯機すら売れなくなる時代がやってくる…今度こそ任天堂が終わってしまう…」と悲観していました。
しかし、蓋を開ければとんでもない快進撃。実際に遊んでみても、家庭用ゲーム機がコンセプト次第でここまで身軽になるものなのかと心底驚きました。
(発売までSwitchの魅力を見抜けなかった自分が恥ずかしくなりましたね)
これからも任天堂には「家庭用ゲーム機」が家庭に根付いていくようなゲーム機を開発して頂いて、SONYやMicrosoftと一緒にコンシューマーゲーム業界を盛り上げていってもらいたいと思います。
記事では任天堂1位となっていますが、
実際はハードソフト共に歴代コンソール史上1位です
根拠のない誰かの発言ではなく、
第三者の目も入ってる公式な数字は以下の通りです。
PS2、1,55億台(2012年3月)最終記録 ※生産出荷数
switch2、1,5537億台(2025年12月) ※セルイン
これらは公的に監査の入った決算資料(IR)なので、水増しや与太話とは別次元の公的な数字です
ちなみにお互いの売上のカウント方式が違うのですが、SONYの生産出荷数は製造された数です。任天堂はセルインは製造されたものを小売に売った実数です。仮に任天堂を生産出荷数方式でカウントすれば累計台数は1,6億〜、PS2をセルインベースにすれば1,5億以下になります。生産したものがすべて売れることはないので、生産出荷台数に対してセルインは3〜7%程度は少なくなるからです
ソフト販売についてもPS2は生産出荷数で15,3億、switchはセルインで15億なので、これもカウント方式を揃えれば、switchの方が多くなります